あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

Call of Different ACT4


時間が経ち広場に残ったのはゴースト、ローチ、未だ仰向けのギーシュ、それと何人かの生徒だけだった
「いやぁ、本当に強いね君…いや、ミスタ・ローチ」
ギーシュが仰向けに倒れたまま清々しい笑顔でローチに話しかける
「仰々しいのは止してくれ、ローチでいいギーシュ」
言いながら右手をギーシュに差し出す
「あぁ、分かったよローチ…うぉっと!」
ギーシュがローチの右手を掴むと体を引き起こされる
二人の視界の端にひょいひょいと軽いステップを踏みながらゴーストが近づいてくる
「さぁて、やることもやったしとっとと撤退するぞ、ローチ」
「はいよ」
ゴーストがローチを呼んで歩き出そうとした
「あ、待ってくれ!」
ギーシュが二人を呼び止める
「んぁ?どうした?」
ゴーストが軽い調子でギーシュに向かって振り向く
するとギーシュは深々と頭を下げて
「頼みがある、僕を…鍛えてくれないかい?」
ゴーストとローチは顔を合わせて黙り込む
「今回で分かった、僕たちメイジは魔法が使えなくなった途端まともに戦えなくなってしまう
 僕は魔法が使えなくなっても闘えるほど強くなりたいんだ!」
ギーシュはまだ深々と頭を下げたまま一息に言い切る

二人はほぼ同士に溜息を吐き頷くとローチがギーシュに答える
「…TF141式は血反吐吐く事になるぞ?それでも良いなら訓練してやる」
それを聞いた途端ギーシュが頭を上げ満面の笑みになってローチの手を握りブンブンと振る
「ありがとう!!本当にありがとう!!ローチ、ミスタ・ゴースト!!」
ローチとゴーストが苦笑いし(見えない)どうしようかとアイコンタクトを送る
ゴーストが思い出したように口を開く
「おっと、坊主…いや、ギーシュ 彼女とヨリを戻さなくていいのか?
 お前の怪我を心配そうに見ているお嬢さんがホレ、あそこにいるぞ?」
ゴーストが広場に残った数少ない生徒のうちの一人を親指で指す
「あ、あぁ!愛しのモンモランシー!!」
「行けよ、ギーシュ」
ローチが唇の端を吊り上げ(見えない)ギーシュに言った
「あぁ、ありがとう!では後日会おう!」
そう言ってギーシュが走り去っていく

遠くで残っていた数少ないギャラリーの赤髪の女性キュルケとその隣で本を読んでいる青髪の少女が話を始める
「あぁん!かぁっこいい!凄いわぁ、流石ダーリン!そう思わない?タバサ?」
キュルケがくねくねと体をくねらせ隣の少女に尋ねる
「…かっこいい」
青髪の少女が顔を本に近づけて顔が周りから見えない様にして言う
「え゛?!た、タバサ?!」
キュルケがタバサと呼ばれた少女の言葉に驚いて奇妙な声を出す
タバサは深く本に顔を隠したまま急ぎ足で広場から離れる
「ま、待って!タバサ?!えっ、ちょ…えぇ?!」
キュルケがタバサを追いかけて広場から走り去っていく

ローチとゴーストが遠巻きにギーシュとモンモランシーを見ると何やら
ギーシュが頭を下げ、モンモランシーがそっぽを向き、ギーシュが頭を掻き、モンモランシーがギーシュをチラチラと見ながらモジモジする
どうやらヨリは戻せたらしい
「若いもんはいいなぁ…なぁローチ?」
「ジジ臭いですよゴースト」
ゴーストがローチにアイアンクローをかましながらケラケラと笑っていると
何やら長い桃色の髪をした女の子がローチとゴーストに向かって全力疾走してくる
「ローチッ!ローチィっ!」
可愛らしい声がもう殆ど誰もいない広場に響く
その声を聞いたゴーストがローチを手放す
ローチが開放された途端にルイズがローチにしがみ付く

「ローチ!怪我、怪我してない?!」
ローチが大粒の涙をポロポロと零しながらローチに安否を尋ねる
「うぉう、ルイズ、泣くな泣くな 大丈夫だから泣くな」
流石のベテランクリア余裕のローチも女の子に泣かれると非常に辛い、キツイ
ローチがルイズの頭を優しく撫でる
「ごめっ…エグッ…なさぃっ…ヒック…ろぉ…ち!酷い事…いっ…グスッ…てぇ…ごめんな…さぃ…!」
ゴーストが無言でローチにハンドサインで先に帰っとくぞ、と伝え歩いていく
ついでに地面に落ちているM82 M240 M1014 DEを回収する
歩いていくゴーストが途中で「重っ!」と言っていた
「ルイズ、見てみろ俺が怪我してるように見えるか?」
ルイズがグスグスと言いながらローチに顔を見せないようにローチの体を見る
「な?怪我してないだろ?」
ローチが優しくルイズに話しかける、勿論頭を撫で続けて
「ぅん…」
ルイズが一度頷いてローチの服に顔を埋める、ちなみにローチの着ているBDUはゴーストの物と一緒でわりとふかふかしている
「だから泣くなよ、ルイズ、大丈夫だ」
「泣いて…グスッ…なんか…ない…エック…もんっ…!」
ローチはそうか、と一言だけ返ししばらくルイズの頭を撫で続ける
しかしいつまで経っても一向に泣き止む気配が無いのでローチがぼそぼそとルイズに聞こえるように独り言を言う
「あぁ、なんだか耳がおかしくてしばらくの間何も聞こえなさそうだ、きっと誰かが泣いていても俺は気づかないなぁ」
ルイズが上目遣い(無意識)でローチの顔を見て
「ろぉ…ち?」
しかしローチは明後日の方向を向いてまるで何も聞こえていないかのようにしている(ルイズを撫で続けながら)
「あり…グスッ…がとぉ…ろぉち」
ルイズはそれ以降ダムが決壊したように大泣きしてローチにしがみ付いていた

ルイズが泣き止んで落ち着いてきた頃にローチが
「おぉ?耳が治ってきたぞ?」
とわざとらしく言う
ルイズはそのローチの棒読み具合にくすっと笑う
「今から授業だと間違いなく遅刻だし…部屋に戻(バックレ)るか?まぁ何とでもなるさ、ソースは俺」
ローチがルイズの頭をぽんぽんと軽く叩いて話しかける
「………うん」
しばらくルイズが考え込んだ後頷く
「OK、じゃぁ行こうか」
ローチがルイズの前を歩き始めるとルイズが早足に近づいてきた
ルイズはローチの横に付くとローチの手を握り早足でローチの歩幅にあわせ歩く
ローチはそれを見て無言でルイズの普通に歩く速度に合わせる

しばらく歩いているとふとルイズの歩く速度が段々と遅くなっていることにローチが気付いた
「…ルイズ?」
ルイズの方を見ると目を擦ってウトウトしている
(泣き疲れたんだろうな)
ローチがフッと笑いルイズに背を見せてしゃがむ
「疲れただろ…掴まるか?」
「…ぅん」
ルイズがローチの背中にぎゅっと掴まるとローチがルイズを支えて立ち、歩き始めた

ローチがルイズの部屋に到着し肩に頭を乗せたルイズを見る
「すー…」
とても幸せそうに眠っているのを確認すると起こすのも気が引けたローチが音を立てないようにゆっくりとドアを開ける
静かにベッドの方へ行き靴を脱がせベッドに寝かせる
ベッドの側に座り一度だけルイズの頭を撫でる
「Good night…」
ゆっくりと立ち上がりまた音を立てないように部屋を出た

取りあえずゴーストの所へ行こうと歩みを進め通らなければならない食堂の前を通り過ぎようとする
「あ!あぁ!!ローチさん!!」
聞き覚えのある声がローチを呼び止める
ローチが視線を声の主に向けるとやはり見覚えのある顔だった

「…よう、シエスt」
ローチが言い切るのが速いかどうかの速度でシエスタがローチに近づいてき、ローチの手を両手で包み込み
「お怪我はありませんか?!いいえ、貴族の方に勝利なされたと言っても無傷なわけはありません!早く治療してください!!」
どうやらローチがギーシュに勝利した話はもう広まっているらしい
「さぁ、こちらへいらして下さい!」
そう言い切ってローチの手を引っ張って行く、シエスタは割と力があるのでこれが結構痛い
「あぁ、引っ張らないでくれ ちゃんと歩ける」
ローチはヨタヨタと必死でシエスタに引っ張られていく
シエスタとローチが食堂の調理場に到着するとコックの格好をした中年の男が二人を見て口を開く
「シエスタ!一体どうした?!男なんか厨房に連れてきてよ!」
「ま、マルトーさん!違います!この人がローチさんです!!」
シエスタがローチの手を離し顔を真っ赤にしてワタワタと身振り手振りで何か変なジェスチャーを繰り出す、まるでサーカスのピエロだ
「ローチ?!おぉ!アンタが噂の『我らの銃』かぁ!」
どうやらこの男がシエスタが言っていたマルトーと言う男のようだ
ローチがもう手を掴ませまいと腕を組んで聞き返す
「我らの銃?」
ローチは言いたい事は多々あるが変な称号に疑問を抱く
「おぉ!偉そうな貴族を決闘でギッタギタにしたって聞いたからなぁ!それも我ら平民の英知の結晶である銃(ハルケギニア産)で!!」
ローチは英知の結晶の銃(ハルケギニア産)を聞いて苦笑いする
(時代遅れの銃なんざ使ってないし第一クソの役にも立たないんだがなぁ……)
マルトーはローチの方へ寄ってきて背中をバンバンと叩いて豪快に笑う
「偉そうな貴族を傷だらけになってぶっ潰したアンタは俺たち平民の誇りだ!!ガッハッハッハ!」
ローチがギーシュは偉そうじゃなかったしそもそもこちらは無傷だと言おうとすると
「マルトーさん!ローチさんは怪我をなさってるんです!早く治療しないと!」
「あぁ?あぁ!!いけねぇ、つい叩いちまった!おい、早く救急箱を持って来い!」
シエスタがマルトーを止めて無傷のローチを怪我人に仕立て上げてマルトーが他のコックに救急箱を持ってこさせる
「おい、待ってくれ 俺は大丈夫だから」
「大丈夫な筈無いだろう?貴族とドンパチやったんだ、早く座ってくれ!我らの銃!」
マルトーはローチの肩に手を置き無理やり椅子に座らせる
シエスタはいそいそとローチの着ている服(上半身)を脱がせようとする
「本当に大丈夫だって!」
ローチは抵抗する、が
「こ、これどうやって外すんでしょう…あ、外れた」
凄まじく手際よくシエスタに服を脱がされる、その道の人間でも流石にこうは行かないだろう
「さぁ、あとはシャツだけですよ」
何やら危ない手つきでワキワキしているシエスタに観念して渋々と自分でシャツを脱ぐ
ローチの素肌を見た瞬間周りの人間が絶句する
「…すっげぇ筋肉だなオイ…!」
結構もこもことした服を着ていた為か変に着痩せしていたローチの体を見てマルトー他が驚く
何人かのメイドはローチの体を見てうっとりしている
普通の兵士もかなり筋肉があるしローチは所属が所属な為それ以上に筋肉がある、ゴーストも然りだ
その上体中に大小様々な傷痕や火傷痕が無数にある、長い間の従軍による負傷から
『この世界に来る直前の出来事』による傷痕まで様々だ
TF141で無い頃の負傷で医療道具がないとき止血の為焼いた傷もある
「これは俺の仕事柄こうならざるを得なかっただけさ」
ローチは手を広げ「無傷だろ?」と一言言うとシャツを着る
「アンタ…苦労してんだなぁ!」
マルトーが急に男泣きしローチに力一杯抱きつく
「う、ぐっ!」
かなり苦しい、悪意の一切混ざらない100%善意の抱擁が苦しい、ローチはマルトーの腕をタップする
「あぁ、すまねぇ グスッ おい野郎ども!我らの銃に最高の料理をご馳走するぞ!!」
途端にコック達がウオォォォォォォ!!とむさ苦しい雄叫びを上げる
ルイズと比べて何と庇護欲の掻き立てられない涙だろうか、見てて暑苦しい

むさい男どもと数人のむさ苦しくない人間が調理場を動き回っている時に顔を俯けているシエスタにローチが話しかける
「驚いたか?」
シエスタは一瞬ビクッとして小さく頷く
「…だろうな」
しばらく二人が何も言わぬままその空間のみ静寂が生まれる
「お、驚きましたけど…でも、怖くは無いです」

シエスタがローチの目を見つめ静寂を打ち破る
「…そうかい」
「今も、きっとずっとローチさんを怖くなることは無いです!」
シエスタがローチの手を握って顔を近づける
「…近いぞシエスタ」
「あっ!ス、スイマセン…」
シエスタが頬を染めていそいそと離れる
「ククク…」
ローチがシエスタの初々しい反応を見て笑う
「ふふ…」
シエスタもローチの笑いにつられて笑い出す
やがて笑い声は大きくなりシエスタの目に涙が浮かぶほどの大笑いとなった

「我らの銃!料理できたぜ!」
マルトーがローチを呼ぶ
「ふふ、さぁ行きましょう?」
シエスタがローチを押してテーブルへ輸送する

「凄いな…」
ローチがテーブルの上に鎮座なされている豪勢な料理を見て驚く
ちなみにローチ、昼食はルイズに遠慮してあまり食べていない
戦闘が起こることを予想していなかったため現在結構空腹だ
「さぁ!ジャンジャン遠慮せずに食ってくれ!!」
「お腹一杯食べて下さいね、ローチさん」
ローチはバラクラバを目の少し下まで引っ張りあげて口を使える状態にして
ナイフとフォークを持ち食べ始める
割と食い方が上品だったが、食う速度が速いし一口が非常に大きい、流石は兵士である
「がはははは!!良い食いっぷりだ!シエスタ、アルビオンの古いワインを持って来い!」
「はい!」
シエスタがスキップ気味に行こうとする
ローチは慌てて口に含んだものを無理やり飲み込んで胃に落とす
「ストップ、ストップ!酒はいい」
ローチがシエスタを引き止める
「なんだぁ?我らの銃は下戸か?!」
「いや、酔う訳には行かないだけだ、仕事(使い魔)もあるしな」
マルトーはふむと頷いてただ一言
「苦労してるんだなぁ…我らの銃は」
「あー…その我らの銃ってのは止めてくれ、なんかむず痒い」
ローチが今更な事をマルトーに進言する
「あぁ、悪い悪い!我らの銃…お!ダハハハハ!!」
「もういいわ」
ローチが半ば諦めて食事を再開する

食事を終えたローチはマルトーに頼んで軽食をバスケットに入れて貰いルイズの部屋に戻ろうとする
ルイズの部屋が見えるところまで近づくと何やら廊下のど真ん中にフレイムが鎮座していらっしゃる
ローチは心底面倒臭そうな顔をするとフレイムを避けて通ろうとする
「きゅるきゅる」
しかしのそのそとフレイムがローチの行く先を邪魔しようとしてくる
「…うぜぇ」
むりやり跨いでフレイムを越えるとかなり股間が熱かった、しかも越えた瞬間にズボンを口で引っ張られる
どうやらローチを連れて行きたいらしいが生憎ローチはルイズの部屋に行きたい
「チッ…後にしろよ」
ローチが舌打ちしてぼそっと呟くと「きゅるきゅる」と先程に比べて何やら哀しそうに鳴いてローチのズボンを放す
「…頭は良いのな」
フレイムに対する感想を述べた後ルイズの部屋のドアをゆっくり開ける
何も声が掛かって来ない所を見るとどうやらまだ夢の中の世界らしい
机の上に軽食の入ったバスケットを置いてルイズを見る
しばらく前にベッドに寝かせたままの状態だ
ローチは音を立てないようにドアを開け部屋を出てちらと横を見ると
「きゅるっ」

やはりいた、しかも何やら嬉しそうな鳴き声を上げる
フレイムがのそのそと寄ってきてちょいちょいと引っ張ってすぐ放し歩きながらチラチラとこちらを見る
「わかったよ…」
ローチは観念して着いて行くとフレイムが小さく開いたドアを押し開けて入っていく
「入れってか?」
ローチは左手を腰のナイフに添えて警戒しながら部屋に入る
「…まぁフレイムがいたしな、予想はしてたさ」
普通は何も見えないであろう闇夜の中にいる人物を確認してローチは呟いた
「扉を閉めて下さらない?ミスタ・ローチ」
暗闇の中の人物に言われ左手は腰のバトルナイフのグリップに当てたまま背中を見せないように扉を閉める
ローチの視界内にいる人物がパチンと指を鳴らすと部屋の蝋燭に次々と火が灯っていく
現れたのは何やら娼婦が「事情」の時に着ている様な下着とも言えない物を着たキュルケだった
「用は何だ?」
ローチが腰のバトルナイフから手を離してキュルケに尋ねる
「あなたは私をはしたない女だとお思いになるでしょうね…」
キュルケが色っぽく立ち上がりローチに向かってゆっくりと歩いてくる
「そう思われても仕方ないわ…わかる?私の二つ名は微熱」
「分からないな」
ローチは初心な童貞ではない、多少いい体つきの女の裸を見ただけで「おったてる」ような人間じゃないのだ
別に枯れている訳じゃない、なんだその目は、限界まで貫かれたいのか
「ふふ…素っ気無い所もいいわぁ……」
キュルケがぞくぞくと体を震わせてローチに熱い視線を送る
「悪いが俺は今そんな気分じゃないもんでね、そういうお誘いなら…パスだ」
ローチは溜息をつき部屋の隅で丸まっているフレイムに視線を移す
その一瞬だけ油断したローチはまるでこの機を待っていたかのようなキュルケに抱き付かれてしまった
「おい!」
ローチが声を張り上げたその直後に扉の外から声が聞こえてくる
「んぁ?ここにいたのか、ローチ 開けるぞー」
ゴーストの声だ、どうやらさっきの張り上げた声が彼の耳に届いたらしい
「ロック」
しかしキュルケが杖を振ると扉からガチャッと音がした、直後にガチャガチャとドアノブを捻ろうとする音が聞こえる
キュルケが邪魔されまいと扉に魔法で鍵をかけたのだ
「何だ?クソッ、鍵かけやがった!」
ゴーストが悪態をついてしばらくすると何も聞こえなくなった
「ふふ、さてミスタ・ローチ続きをしましょうか…」
「あぁ~あ、やっちまった」
キュルケがローチの胸板を指でなぞるとローチが一言呟いた
キュルケは首を傾げローチが何を言っているのか分からないと表現した瞬間
「ぶりーちーん」
気の抜けたゴーストの声が聞こえたと同時に扉がバキバキッと惨たらしい音を立てて豪快に蹴り破られた

「よ ぉ ロ ー チ 、 元 気 か ?」

二つ付けられているヒンジ(蝶番)の上が壊れやや斜めった扉を押し広げ逆光を受けたスカルフェイスが浮かび上がる
まるでホラー映画だ、ゴーストは基本的にやりたい事は成し遂げようとする人だ、人の部屋の扉をぶち壊すなんて当たり前のようにする
「あぁゴースト、助かりました で、用があるんでしょう?」
ローチとゴーストが片方に抱きついているキュルケを完全に無視し話を進める
「ホレ、お前M92Fじゃぁもう火力不足だろ今日使ってたDEを改造してやったぞ」
ゴーストがDEを取り出そうとするとローチが手で制しゴーストに言う
「ここでは拙いでしょう、ルイズのところに行きましょう」
ローチがそう言うと未だ状況を掴めずに呆気に取られているキュルケを手で押しやり
ゴーストと二人で部屋を出て行く、扉をぶち壊した事についてもキュルケが居た事にしても全くのノータッチだ
「え?…えぇ?」
キュルケは何が起こったのか皆目見当も付かずただ二人が出て行く様を眺めていた
「きゅるる」
フレイムが出て行ったばかりの二人をのそのそと追いかけて部屋を出る

「あぁ?何だこの凄まじくデカイ爬虫類は」
ゴーストが着いて来たフレイムをちらと見る
するとフレイムがまるで謝罪でもするかのように頭を下げた

「きゅるきゅるる」
「…中々可愛げのある奴ですよ」
ローチがフレイムを見てゴーストに自分の感想を呟く
フレイムは用が済んだぞと言わんばかりにのそのそと部屋に戻っていった
可愛げのある爬虫類が部屋に戻ってくると主のキュルケが何やら不敵な笑みを浮かべていた
「ふふ…ふふふ!いいわ、燃えて来ちゃったわ!!」
キュルケが拳を握り声高らかに言い切る
すると窓が何やらノックされるような音がする
「キュルケ!待ち合わせの時間は過ぎてしまっt」
窓から男が顔を出し何かを言い切る前に杖を振るったキュルケの炎に叩き落されてしまう
「"Live well. It is the greatest revenge."生き抜け。それが一番の復讐になる。」
何やら素晴らしい名言を残し地面に落ちて行く
フレイムはその主を見て何やら凄まじく複雑な鳴き声をあげた
すぐさま窓に3人の男が現れ押し合い圧し合い口々に喋りだす
「「「キュルケッ!これは一体どういうk」」」
「フレイムッ!!」
やはり男たちが言い切る前にキュルケが行動を開始する
瞬間、まるでフレイムが反射的にしたかのように炎を吐き出し男たちを撃退する、大怪我にならないギリギリの火力で
「"Don't get mad, get even." 腹を立てるな、やり返せ」
「"I think the human race needs to think about killing. How much evil must we do in order to do good."
 人類は殺戮について考えるべきだ。善のためにどれほどの悪が為されるのかを」
「Cost of a single Javelin Missile: $80,000 ジャベリンミサイル 1発の価格 : 8万ドル」
それぞれ全員が違った名言、一部迷言を残し無残に散っていく
しかしRundownでAC130が出た時に比べればまだマシな散り様だ、あそこの屋内ほど当てにならない物は無い 窓が多いんだよクソが

ローチはルイズの部屋のドアを2度ノックし、静かに部屋に入る
「んぅ…にゃ」
ノックの音で起きたのかルイズがゆっくりとベッドから起き上がる
「起きたか、ルイズ」
「お嬢様のお目覚めだな」
ローチがルイズのベッドの側に歩いて行き少し腰を低くする
ゴーストは腕を組みながらにたにたとしている(見えない、が バラクラバが既ににたにたしている様に見える)
「んふー、ろーちー」
ルイズが寝惚けているのか幸せそうな顔でローチにしがみ付く
ローチは無言でただ優しくルイズの頭を撫でる
「中々満更でも無さそうだな?ローチよぉ」
ローチがルイズを撫でる様子を見てゴーストがからかう
「妹が出来たような物ですよ、慣れればなかなか可愛いもんです」
ルイズがボーっとしている間にゴーストが後ろに手を回し改造したというDEを取り出す
「ほら、コイツだ」
「なっ…グリップの長さが1.5倍位になってるじゃないですか」
ゴーストが取り出したDE(今更だがデザートイーグルの事)はグリップであり装弾部である場所の長さが約1.5倍の長さになっていた
「装弾数をM92Fと同じ15発にしておいた、これで装弾数の違いによる混乱が無いはずだ」
「良くこんな改造が出来ましたね…」
ローチが受け取ったDEをまじまじと眺める
「TF141の合金ナイフを見せてやるって言ったら喜んで協力してくれたお人好しが居たもんでね」
ゴーストは得意げに語った
「まぁそれだけだ、じゃぁな」
ただそれだけの為にドアを蹴破った素晴らしく自分勝手なゴーストは手を振り扉を開けて去っていった

重さが約2.5キロ以上になったDEを慣れた手つきでホルスターにしまうとルイズの頭をポンポンと叩く
「んむぅ…」
ルイズが寝惚け眼を擦ってローチから離れる
「覚醒したか?」
ルイズの目線と同じぐらいに腰を落とし視線を合わせる
「おはようローチ」
ルイズが相変わらず幸せそうな顔でローチに起床の挨拶をした
ローチは軽く笑って窓を指差して言う
「こんばんわの時間だぞ?」
「え?あ!授業……はサボっちゃったんだっけ」

一瞬ルイズが焦ったかと思うと今日の出来事を思い出し落ち着いた
「あ…あぁ…ああ!わ、私ったら…!」
かと思ったら顔を真っ赤にして両手で顔を覆いブンブンと振る
(ローチに抱きついて…!わんわん泣いて!おまけにおんぶして貰って!!優しく撫でてくれて!背中が凄くおっきくて…
 優しいお兄様がいたらこんな感じなのかなぁ…)
目をぐるぐるまわして考え込んだかと思うと
「ハッ!!違う違う!!」
急に叫びだす、彼女に何があったのだろうか、それを知る者は本人ただ一人だけである
「おい、大丈夫か?ルイズ」
「あっ!えっ…ぅうう……」
ル イ ズ つ い に 沈 黙 !
しかしそうは問屋が卸さない、沈黙を許さぬ世界の理が瞬く間に沈黙を打ち破った
『くぅ~…』
とても可愛らしい腹の虫の音だ、発生源は勿論ルイズである
「くっ…くくく、はっはっはっは!あぁ、そうだよな腹減ったよな!」
ローチが笑い出しルイズが再度顔を真っ赤に染め上げベッドに顔を埋める
ローチは立ち上がり机の上に置いてあるバスケットを手に取りルイズの方へ持っていく
「ほらルイズ、顔を上げてみろよ」
「う~…」
ルイズが恥ずかしそうに顔をローチに向けるとローチにバスケットを突き出される
「…何よコレ」
「軽食だよ、ルイズが寝てる間に貰って来た」
ルイズが視線をあちらこちらに動かした後に小さく、それこそ蚊が鳴くような、正確には蚊が飛んだような小さな声で
「…ありがと」
と、ローチに感謝の意を示す
どうでもいい事だが蚊が耳元を飛ぶと非常にウザイ、真夜中であろうが意地でもぶち○そうとするのは自然の摂理だと私は思う
完全無音で飛んで刺されても痒くならなければ別にどうでもいい虫なのだが唯その二つだけの要素でとてつもなく嫌な虫である

もくもくとリスのようにサンドウィッチを頬張るルイズを温かい目で見つめるローチがふと話し出す
「ルイズは俺のことをどんな人間だと思っている?」
ルイズはごくんと口の中の物を飲み込みうーんと考え答える
「…貴族に…ギーシュに勝てるほど強くて…大きくて…や、やさしくて…変わった格好をした人間」
「そうか…」
ローチはそれだけ聞くと話の続きは食事の後だ、とルイズに言う

ルイズが食事を終えるとローチは重々しく口を開く
「…俺達の事を知りたいか…?」
「えぇ…もちろん」
ローチは少し沈黙するとルイズに確認を取る
「後悔する事になるぞ?」
「後悔なんてしないわ!」
ローチの言葉にルイズがハッキリと言い切る
「…よし、まずはこれから話そう…俺達は異世界の人間だ」
ルイズがその言葉を聞いて目を丸くし、信じられないと言った顔をする
「俺の居た所では魔法なんて存在しない、全てが科学的根拠に基づいて動いている
 戦争は爆弾や銃が使われ、一瞬で数百万の人間を殺す兵器さえある」
ルイズが口元を押さえる
「そして…俺とゴーストはその世界の兵士だ」
「うそよ…」
ルイズは首を振りローチの言った事を否定する
「…言ったろう、後悔すると」
ルイズは唇を噛み下を向く
「…ぃゎょ」
「…?」
「後悔なんてしてないわよ!ローチが異世界の人間だとか魔法が無いだとか兵士だとか関係ないわ!
 ローチはローチよ!例え大量殺人鬼でも関係ない!あなたは私の使い魔のローチよ!」
ふーっふーっと息を荒くして全部言い切ったルイズは目に涙を浮かべてローチへタックル紛いの抱き付きを行使する
「…何よ…何よ何よ!今日は沢山泣いちゃう日じゃない!ローチのせいよ!」
ローチはしばらく動けず沈黙していたがルイズの頭をゆっくりと撫でる
「悪い…」

「ローチのばか…バカバカバカ」
しばらくローチがルイズをなだめ続けていたがふいにローチが口を開いた
「…ゲイリー・ローチ・サンダーソン」
「…?一体何よ」
「俺の名前だよ、ルイズ」
ルイズがそれを聞くと驚いた顔になりすぐ後にニマッと笑顔になる、ローチの服に顔を埋めぐりぐりするとただ一言
「許してあげる」
そう言った
「名前を教えただけで許してくれるとはな、俺の名前も相当高くなったもんだ、インフレか?」
ローチはクックッと笑って言った

以後は機嫌を直したルイズが眠くなるまで談笑を繰り広げた
ルイズの家族のことやローチの故郷や縁のある場所のこと
曰く「二人のお姉さまがいる」
曰く「いい所、イギリスの飯はクソ不味い」
「カトレアお姉さまは凄く優しい」
「カザフスタンは寒くて死ぬかと思った、銃弾でも死ぬかと思った」
そんな他愛もない談笑を繰り広げルイズが眠くなった所で話を切り上げルイズに寝るように促す
「まだ話してたいわ」
「俺はいつでも居るだろう、明日にも話は出来るさ」
ルイズは渋々ベッドに潜り込む
「おやすみなさい、ローチ」
「おやすみ、ルイズ」

ねくすとでい(次の日)
ローチは朝起きるとまだ太陽の出ていない外の光を取り入れる窓のカーテンを開け
寝ているルイズを起こさぬようにさながらプロ忍者のように足音を殺して部屋を出る
昨日と同じように軽いトレーニングをこなしていると不意に声を掛けられる
「よう、ローチ朝からご熱心だな」
「あぁ、ゴースト起きてたんですか」
ローチは一旦動きを止め話しかけて来たゴーストに顔を向ける
「いいから続けてろ」
「了解」
ゴーストの一声で中断していたトレーニングを再開する

トレーニングを終了したローチとゴーストが現状や異常を確認しあって問題が無い事を確認するとゴーストが尋ねる
「あのガキを扱かなくていいのか?」
「あぁ、そういえばギーシュを特訓するんでしたね、呼んで来ましょうか」
「そうしろ、ボンボンのお坊ちゃんがどんな悲鳴を上げるか楽しみだ」
ローチは趣味が悪い人だと苦笑いしてその場を後にしてジョギング気分でギーシュの部屋に向かう

「あーっと…何処だ?」
ローチがギーシュの部屋を探して男子寮を歩き回るが全く見つからない、誰が部屋にいるかの表札も文字形態が違うので皆目検討つかない
十字の廊下に着いた所でとりあえずぐるりと見回す、と
明らかにおかしい光景が見える、具体的にはケティと言っただろうか、その少女が一つの扉に耳を押し付けている
ただのガキの戯れならまだいいのだがここは男子寮である、繰り返す、ここは「男子寮」である
そしてケティは可愛らしい少女である、女の子である、WOMANである
ケティがこちらに気付いたのかいきなり顔をあちらに向けスタイリッシュかつクレイジーに立ち上がりアサシンの如く走り去ってゆく
いい年してまるでガキじゃ、あぁまだガキか
「…あそこがギーシュの部屋か」
ローチは何とも言えない非常に微妙な気分となる
しかし踏み出さねば始まらない、ギーシュ(不確定)の部屋の前に立ちノックする
「ん、ん~誰だい…?」
ギーシュの部屋(確定)の中から眠そうなギーシュの声がする
「俺だギーシュ、今からお前を訓練するつもりだが行けるか?」
ローチがそう言うと急にドタンバタンガタンズダンと凄まじく忙しそうな音がする
ローチが沈黙して約十数秒後にドアが開いてギーシュが顔を出す
「やぁ、待たせてすまないね」
どうやらルイズよりもはるかに寝起きは良いみたいだ
ローチはギーシュの服装を見て一言

「もっと動きやすそうな服はないのか」
「す、すまない…僕が持っている服ではこれが一番動きやすそうなんだ…」
一言で言えばYシャツである、私の地元ではカッターシャツという
「…今度平民用のよく伸びる生地で作った薄めの服を買って来い」
「あぁ、分かったよ…」
歩いていくローチに着いてギーシュは申し訳無さそうに頭を掻きながら歩く
「所でどんな特訓をするんだい?」
「そうだな…まずは基礎体力と筋力を作るトレーニングをしてから…まぁ後で言う」
ギーシュはワクワクと軽くスキップ気味に歩く
「酷く辛いぞ、泣き叫んでもやらせるからな」
「僕が頼んだんだ、血反吐吐いてもするよ」
ローチはいい根性だ、と言って屋外に出て行く

二人が外に出ると腕を組んで仁王立ちしたゴーストが待ち構えていた
「おっと、来たか」
ローチはゴーストの隣に立って休め(At easy)の姿勢になる
「じゃぁ始めるぞギーs」
「Attention!!(気をつけ!!)」
ゴーストがローチの言葉を遮って号令をする
ギーシュは反射的に気をつけの姿勢になる
「Good では今から言う事を記憶して命令どおり実行しろ」
「あ、あぁ」
「いいか、口からクソを垂れる前と後にSirを付けろ!」
「さ、Sir yes sir!!」
ローチがアンタ何言ってんだと言う目で見るとゴーストが笑いながら小声で「一度やりたかった」と言う
「俺達の事を訓練時には教官と呼べ」
「Sir yes sir!」
「それから~~」

ギーシュの特訓を始めてしばらくするとローチがゴーストに小声で言う
「……」
「あぁ?正気かお前……あぁ、そういうことか」
ローチはこくりと頷く
「よし、適当に俺の部屋から見繕って来い」
「了解」
ローチはギーシュの訓練の監督から外れ屋内へと戻っていく
「よーし、後50回だ」
「Sir yes sir!!」

「ゼッハッ…ゼッハッ…」
ギーシュがへとへとになっている頃にようやくローチが帰ってきた
「途中でヘタリましたか?」
「うんにゃ、中々いい根性してやがる、意地でもやり切りやがった、ただのお坊ちゃんじゃねぇな」
ローチがギーシュの腕を掴み引っ張り上げ無理やり立たせる
「どうだ?キツイか?」
ギーシュは息を切らしながら首を縦に振る
「止めたいか?」
それを聞くと首を思いっきり横に振った、眼には強い意志が篭っている
「OK、まずは合格だ、次の訓練に行くぞ」
「Sir yes sir…!」
ローチはゴーストの元に歩いて行き目配せする
ゴーストは一度頷きギーシュのもとに歩いて行き水筒を差し出す
「少し水分補給しろ、かなり汗を掻いただろ」
「Sir thank you sir」
ギーシュが水筒の水を飲んで一息つく
ローチは端の方で大きめの板を立てて何やら人の形を描く
「終わりました」
「よし、次の訓練だ」
ゴーストが先程ローチの立てた板から約10mほど離れた場所の土を足で線を引くように掘り返す
「さぁ来い坊主」

ギーシュをゴーストが呼び、ギーシュがしっかりとした足取りでゴーストの下へと歩く
「まずは物の説明から始めましょう、ゴースト」
「わぁってらぁ」
「何をするのでしょうか、教官殿(Sir書くのが面倒になった)」
ギーシュが次の訓練を今か今かと待ち遠しくワクワクしている
ゴーストがローチに顎でやれと促すとローチが手を後ろに回しある物を取り出す
「それは…決闘の時に持っていた…のよりも少し小さいですし色が違いますね」
「M92F、俺が使っていた物のお古で悪いがお前にコレをやろうと思う」
ギーシュは目を丸くし口をパクパクさせる 決闘の時に使っていたのはDEだ、だがDEは今改造されローチが所持している
「だがまずは握り方や構え方、パーツの名称や動かし方等を一通り学んでもらう、いいな?」
「は、はい…!あぁ始祖ブリミル!僕は今最高に幸せです…!」
ゴーストがオーバーだなと苦笑いして自分のM92Fを撫でる
「銃の射撃訓練は俺が担当する、基礎体力訓練等は以後ゴーストだ」
「お、んじゃもう俺はいいな、じゃぁなローチ、坊z…ギーシュ」
ゴーストが言葉を残しいつも通りの軽いステップでひょいひょいと去っていく
「よし、ではまずはパーツの名称と機能を覚えろ」
「はい!」

太陽が全体の姿を現し始めた頃
「よし、コレで一通り覚えたな、さて次は実射訓練だが…」
ギーシュが早く撃ちたいという衝動に駆られていた時に
「こいつは放課後にしよう、俺にもやらなきゃならん事があるからな」
「はい、分かりました教官」
ローチが訓練を中断する、少し残念そうなギーシュは愚痴を言うわけでもなくただただ命令を聞く
「よし、気をつけ!敬礼!解散!」
「ありがとう御座いました!!」
一連の動作を流れるように行った辺り流石は軍人の息子と言った所か、ローチがうんうんと満足そうに頷く
「訓練も終えたし今からは上下じゃなくただの個人だ、いいな?ギーシュ」
「あぁ、分かったよ、ローチ」
ON OFFがハッキリとしているのもまたベネ
「じゃぁな」
ローチが歩きながら軽く手を上げ去っていく

ルイズの部屋の前、静かに扉を開けて足音を立てないように内部にローチが侵入する
ローチが部屋を出る前にカーテンを開けておいたので太陽の温かい光がルイズの顔を照らしている
そろそろ脳が覚醒して起きる頃だろう、ルイズの服を取り出しベッドの側においておく
ただ何もする事が無いのでベッドの側に椅子を運び、座ってDEの点検をする
「…凄いな…本当に15発になってる」
マガジンを取り出し呟く、続き構えてアイアンサイトを見る
「…ん、少し合わないか…要調整だな」
「んぅ、ろーち…?」
どうやらルイズが起きたようで目を擦りながら余った手でローチの服の袖を掴む
ローチがDEを素早くホルスターに収めてルイズに首を向ける
「おはようルイズ」
「おはよーローチ」
ルイズがにへーっと笑って元気にお返事した、ローチはゆっくりと立ち上がりルイズの服を指差す
「さぁ、早く着替えて顔を洗って食事に行くぞ」
きっとゴーストだと「とっとと着替えろ、顔を洗え、飯に行くぞ」と言うのだろう、彼は非常にドライだ
「え、と…その…ローチ?」
ルイズは頬を朱に染めてもじもじとする、昨日には無かった反応だ
「どうした、体調でも悪いのか?」
「ろ、廊下で待ってて…欲しいの」
ローチがふむと理解し納得する、着替えを見られるのが恥ずかしいのだろう、昨日は別に見られても何の問題ですか?と言った顔だったのに
何も言わず優しくルイズの頭を撫で、扉から出て行き廊下で待つ、しばらく待っていると扉が開いてルイズが顔を出し
「さ、行きましょうローチ!」
ローチはふっと笑って
(戦争の無いこんなのもいいのかも知れないな)
そう考えていた、しばらく後に訪れる争いの連鎖も知らずに、兵士は何処に行き着こうと兵士だ
“ローチ”も“ゴースト”も“―――――”も……


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