あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ルイズとヤンの人情紙吹雪-10


これ見てください。 壁! これ・・・見てよ!
ヒビですよ! これ全部!
脆そうだよね~。 ゴーレムのワンパンで砕けるよ!
できるヨ!
チャンス到来だわ!
アレなら私でも行けるわ!
でも・・・取り敢えず本業の前に、ある程度の後始末はやっておいた方がいいわね・・・・・・。
それにしても・・・。
乾いた音を立てて風が吹き抜け、枯れ葉が虚しく舞い上がる。
死屍累々とは正にこの事。
殺人事件の現場と言われたら納得出来る。
いや。 やっぱ納得出来ない。 それ以上のナニかが起きたんでしょ? って言いたくなる。
ヤンの吊るされた死体?が風に揺られてゆらゆらしている。
「そ、そこらじゅうボロボロ・・・」
「ホントに・・・これは頭が痛いですわ・・・」
この後、シエスタとロングビル、及び上空にいたタバサにてルイズ、キュルケ、ヤンらを介抱。
ロングビルは被害状況を報告すると言ってそそくさと去っていった。
この血闘事件は生徒達の巷間をたちまち駆け巡った。
もともと曰く付きの両家の令嬢である。
いつかはやるに違いない、と思っていた生徒も多く暇な貴族の子弟達の格好の的であった。
だが皆の度肝を抜く本当の事件はこのすぐ後。
その夜に起きるのだった。
盗賊フーケの侵入である。



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その時、ヤンは寮の屋根に寝っ転がっていた。
頭の後ろで両手を組み、二つの月を見上げる。
ルイズと、そして意図的ではないもののヒートアップしたキュルケからの流れ弾等で燃えカスにされかけた彼であったが、

シエスタの丁寧な治療と吸血鬼としての生命力。 そしてそれだけではない何かによって短時間で完治していた。
脅威の再生能力について現在、ヤンは左手・・・つまり自分の兄と会議の真っ最中。
「俺らには復元能力なんざ無かったのになー。 この速さはちょっとした再構築だよなー なーなーこれもガンダールヴの力なわけ?」
「そうだろうな ガンダールヴの力には武器を持った際の肉体強化と、武器を理解しその真価を引き摺り出す・・・という物がある。
どうやら徐々に吸血鬼の能力が高まっているようだな」
「武器ィ~? でも俺様縛られてただけだゼ? デルフだってタバサの野郎が持ってたしな」
直後に欠伸をしヤル気のヤの字も見せない愚弟。
「忘れたのか・・・ 俺達の肉体はミレニアムに強化された人工吸血鬼・・・。 『何の為』に作られた吸血鬼だ?」
「・・・・・・何のタメってそりゃァ・・・ブッ殺すためだろー? 気に食わねー奴らをヨー ケはハはははハハ」
正解へと導いたつもりが、それでも答えに辿りつかない。
昔から変わらぬ、考えない脳ミソを持つ弟。
ルークは半ば、というよりは完全に呆れながら解答を示してやる。
「・・・・・・つまりそれが答えだ。 俺達は『兵器』なのさ。 あの人らに利用される為の・・・ノーライフキング『アーカード』を倒す為の布石・・・駒だ。
武器である肉体は強化され、そして肉体である武器の潜在能力は引き出される。 その相乗効果・・・といった所か。 飽く迄推測だがな」
弟からの、解答に対する返礼は再度の欠伸。
ルークにとっては実に見慣れた光景なので、今更頭にも来ない。
「そーゆーお難しいお話はさー もー俺わけわかんネーや。 ま、アレだろ? 強くなってんだよな? スゴク」
「そうだ」
「オッケーオッケー 俺はそれだけ分かってりゃ十分だっツーの 細けぇことは兄貴にまかせたわーー」

兄弟水入らずのぐだぐだの時間。
餌は見つからない。
敵は見つからない。
静かな夜。
今日もこれで終わってしまう。
ああ、終わってしまうのだろうな。 そう思われた時、異変は起きた。
空気を大いに揺らす轟音。
爆発ではない。
例えるなら戦車が民家に突っ込んだような。
とにかく重量のある物が何かに突っ込んだ音。
いくらかの修羅場をくぐり抜けているバレンタイン兄弟には一目瞭然であった。
つまりルイズではない。
ルイズの爆発ではここまでの轟音がこの魔法学院に響くことなど、今まで無かった。
ナニが起きた?
ナニかが起きた。
ナニかって何だ。
オモシロい事かもしんないね。
こりゃ行くしかないね。
そう思考を結んだヤンの動きは素早かった。
飛び起き、そして駆け出す。
久々に感じるきな臭いモノに、ヤンの貌は無邪気な子どものよう。
夜の闇を飛び跳ねて、直ぐ様騒音の発生源に辿り着く。
そこには蟻のようにケチらされた警備兵達と散乱する石片。
壁面には大穴。
そして足音を響かせ悠然と去ろうとする巨大なゴーレムの姿。

この巨大な土塊が、どうやら大穴の犯人に違いない。
「おホッ 何だありゃ? おいおい デケー! モビルスーツかってぇの! 兄ちゃん見てアレ! アレも魔法かよ!?
ク、ククくははくクハッハハハハハハ!! 兄貴ィッ! あれさァ! すげーなアレ! デッケェ!! スゲェーッハハははは!
なーなーなァなァなァなァなァなァナぁ兄貴よォ!! いいだろ!? アレ殺っちゃっていいンだろ!? イイんだよなァ兄貴!!!?」
何時ぞやの食堂でのガキを嬲ってやったとき以来。
あの金髪のクソガキ以上に面白そうなオモチャ。
しかも自分でも実感できるのだ。
イギリスの時よりも、遥かに力を得ている実感が。
その感覚を得たヤンのボルテージは上がり続けていた。
そんな時に『アレ』である。
ヤン・バレンタインに暴れるなというのが、土台無理な話である。
「ああ 殺れ」
ルークの許可。
それが合図だった。
その一言の瞬間。
引き絞られた弓のようにしなったヤンの脚が屋根を蹴り、砕いて跳んでいた。
屋根と巨人までの距離は既に300メイル程に広がっていた。
だが、その距離を瞬きよりも短い時間で跳んできたヤンは、自身を矢として巨人の頭部に突っ込んでいった。
宝物庫の壁を砕いた時のような音をたててゴーレムの頭が吹き飛ぶ。
ゴーレムの肩に掴まっていたフーケに、突然散弾となって飛び散ってきた岩の欠片を避けられるはずもなかった。
「ぐぁっああぅ! ぐぅッ!!! な、何事だい!?」
散弾によって強かに体中を傷めつけられる。
先刻までゴーレムの頭部があった場所。
もうもうと立ち上る砂煙の中には双月の月光を背にした黒い男が立っていた。
「なッ!?」
金色の瞳を爛々と輝かせて。

眼と口をサディスティックに、心底愉快そうに歪ませて。
黒い男がフーケを見下ろしていた。
「なん・・・で!?」
ヤン・バレンタイン。
ゼロのルイズの使い魔。
血闘騒ぎで重傷を負っていたのに・・・。
なのに・・・。
何故・・・?
どうやってここへ?
どうやってゴーレムを破壊したの?
様々な疑問が脳裏を駆け巡る。 そして瞬時にアイツらの姿が思い出される。
ミレニアムの吸血鬼。
最後の大隊。
トボけていながらも恐るべき能力を有する存在達。
私の知る『夜を歩く者』達とは一線を画す、正しく人ではない化け物(ミディアン)。
きっと普段の彼らの、アノ滑稽な姿は本性ではない。
そう。
きっと本性は・・・。
今眼の前に居る、この男のような。

金色の瞳が妖しく真紅に輝く。
それは獲物をみつめる獣の目であった。
「ニィやハハはハははははハハ なんだよォ くハハは オモチャだけじゃなくてお食事付きですかァ? 僕チンツイてるぅー!」
「ヒッ・・・!」

杖を振りかざし魔法を叩き込む。
たったそれだけの、今まで数え切れない程に繰り返してきた動作が出来なかった。
ハッキリと感じる死の恐怖に体が竦む。
男はゆっくり近づいてきて、そして。
「イッタダッキマァーース」
「い、いやッ! こ、来ない・・・ぐぁッ! あ、あ゛ぁアッあぁぁ・・・!」
牙が深々とフーケの喉に食い込んでいく。
皮膚を破いて肉を裂いて。
熱い。
大して永くもない人生の中では経験したことのない熱さ。
とてつもなく熱い。
体中を灼熱が駆け巡る。
食い破られる痛みを飲み込んで、遥かに巨大で圧倒的な熱がやってくる。
「―――んぁ」
眼の奥が白いヒカリに覆われてゆく。
「―――はっ―――あっっ あ゛ぁ」
ナニも見えなくなっていく。
「あああッ―――はぁ、ふぁあ、んあーーーー!」
喉に食いついている野獣以外が目に入らない。
「あぁ、あ゛んあぁ! あ!」
光に飲まれる。
「あぁぁぁあんァぁァあ、んはッ! あ゛ぁあ゛っ、あ゛っ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッッッ!!!」
肉を食われている。
血を吸われている。
痛いはずなのに。
なのに何故だろうか。
只々、熱い。 ずっと熱い。

このマま溶ケてキエテしマいソウな程・・・。

男は女に夢中だった。
ひたすら無我夢中で貪っていた。
実に、実に久しぶりの感触。
喉を通りすぎていく熱い濃厚。
こんなに美味いものだったか。
血とは。 肉とは!
こんなにも美味だったか!!
余りにも旨かった。
余りにもエサに夢中になり過ぎていた。
ついついうっかり隙だらけ。
歩みを止めたゴーレムに学院の連中が追いついてきてしまっていた。
空からも、アノ青髪のタバサとかいうガキが空飛ぶドラゴンさんに跨って迫ってきているようだ。
左手たる兄が言ってくれなければ、女の喉に食いついている様を目撃されてしまう所だった。
もっともっとこの感触に浸っていたがったが、それも出来そうもない。
血は頂いた。 極上だった。
だが、まだ肉を食っていない。
喉の本当に僅かなヒトカケラだけだ。
ヤンは渋々・・・渋々女の喉から口を離す。
「あ゛ッ ふあぁぁ・・・あ、ふぁあ・・・」
女の喉から血と唾液の混じり合ったものが糸を引いて千切れていく。
血を限界まで吸われた女は虫の息だった。
「っぷはー! ンめーッ! こいつぁ上物だぜ 兄貴にも一口分けてやりてーヨー」
女の首を掴んで立ち上がり当たりを見回す。
格好からして教師どもだ。

「あーりゃりゃ 来るのはえーよコイツら・・・・・・ チッ 場所変えてディナーにすりャ良かったぜ」
「見境なしめ・・・ 理性を保たんからだ」
「へーいへい すんませんねぇ不出来な弟で。 で? どうするよあんちゃん この女ほっとくとグール化しちまうぜ?」
「知らぬ存ぜぬを通せばいい。 お前はただ学院に侵入した賊を退治した・・・それだけだ。 グールになったらメイジ供が退治してくれるだろう。
ルイズ様に危害が及ぶ場合は、お前が処分すればいい・・・・・・それより口の周りを拭け。 女に付いた牙の跡を抉るのも忘れるなよ」
「へッ わぁーってるよォ・・・っと!」
ヤンは女を掴んだままゴーレムから飛び降りる。
主人が意識を手放しかけているゴーレムは既にボロボロと崩れ始め、只の土くれに戻りつつあった。
世間を騒がせた盗賊、土くれのフーケはここに捕縛された。



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「このバカ犬!!」
「非道いじゃないダーリン!」
「そりゃあないぜ相棒!」
「・・・・・・KY」
「きゅい!」
いきなりコレである。
「な、なんだなんだお前ら!」
傍若無人の低脳男、ヤンもこれにはタジタジ。
理由がさっぱりである。
「私が気絶してる間にフーケを退治するってどういうことよ! このバカ犬ッ!! 御主人様をいつもいつもいつも置いてっちゃうんだから!!」

「私がいない時に危ない真似しちゃダメじゃない! ダーリンにもしもの事があったら私・・・・・・!」
「武器の俺様無しでゴーレムぶっ飛ばすなんて俺のメンツがーー! 潰れたよー潰れちまったぜー! 相棒は人でなしだー!」
「・・・観そこねた・・・・・・・・・今度から事前に一報欲しい」
「きゅいきゅい!」
今の発言で、なぜ自分が責められているのかは大体わかった。
1人・・・いや1頭を除いて。
取り敢えず、ルイズは何時も通りの叱責。
キュルケは純粋に俺の心配。 可愛いぜ。
デルフリンガーは武器の面目が丸潰れという訴え。
タバサは俺の戦闘の観察を行いたかったということ。
で・・・この竜はなんで俺に吠えてるんだ?
「きゅいきゅい!」
・・・まだ吠えてるし。
まさかと思うが。
「お前、何となく流れで吠えただろ」
「きゅッ!?」
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
「はぁ・・・まぁいいわ・・・もう過ぎたことだし・・・。 とにかく! 今後は何事にも私の許可を得なさい! 単独行動禁止だからね!!」
「エ゛ーーー」
「えーー じゃない! 分かったわね!! ・・・・・・ところでアンタ 手に持ってるの何?」
ルイズの言葉に一同の視線がヤンの右手に集中する。
ヤンの右手には見慣れぬ棒のような杖のような・・・パッと見、金属で出来た何かが握られていた。

「これ? パンツァーファウスト」
ほい、と軽い感じで手渡されるルイズ。
受け取りしげしげと見つめる。
「・・・・・・ぱんつぁ・・・なに? 杖?」
「いや その先っちょがな こう ヒュルヒュル~っつって飛んでって。 で アボーン! ってなる・・・・・・爆弾?」
身振り手振りを交えながらの、まぁ大体あってるヤンの説明。
「「「ば、爆弾!?」」」
「何処からこんな物騒な物持ってきたのよ! 盗んできたの!? 盗んできたんでしょ!」
グワッ!っと顔面を寄せて問い詰める。
問い詰めると言うよりは決め付けてるわけだが。
「ちげーよ! なんでそうなるンだよ! あの女が持ってたの! フーケ! で、俺様が持ってたほうが役に立つだろうから貰っといたんだよ」
「人はソレを窃盗って言うのよ! しかもフーケが持ってたってことはこれって・・・・・・ひょっとして『破壊の杖』?」
「・・・・・・多分そう」
タバサの相槌。
ルイズに冷や汗が滲み出てくる。
「ば、ばかーーーーーーー! 今、学院中で大捜索してるの知ってるでしょーが! か、返してくる!」
「あーーダメーダメー! それ俺のなんだー! 俺が俺の物って決めたんダー! キャーやめてー返してードラえもーん!」
「何よどらえもんって!? は、離しなさいって! きゃっ! ちょ、ちょっとどこ触ってんのよ!! はーなーせー!」
ギギギギギギギギギギ
吸血鬼と競り合うとは・・・ルイズ、脅威のパワー!
爆発物を奪い合い・・・。
その瞬間、ヤンとルイズを除いた面々に悪寒が走る。
「これって・・・もしかしてもしかするとマズくない? タバサ」
「もしかしなくても・・・・・・・・・マズい」
「きゅ、きゅい!(お、おねえさま! 早く逃げるのね!)」


「あ、相棒! 嬢ちゃん! 危ない物もって暴れr」
ぽろっ
「「「「あ゛」」」」
ガチン
ヒュパ


チュゴーーーーーーーン!



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「ミス・ヴァリエール、ミス・ツェルプストー両名、退院したその日に再度医務室送り。
此度はミス・タバサとその使い魔追加。
ミス・ヴァリエールの使い魔、同じく医務室送りになるも1時間後に退院。
尚、使い魔の立てた手柄によりシュバリエ授与が検討されていたミス・ヴァリエールですが・・・今回の破壊の杖爆破の一件でプラスマイナスゼロに。
ミス・ロン・・・土くれのフーケですが重傷を負ったものの一命は取り留め現在は塔に幽閉しています。
フーケの正体は一部の者にしか知らせておりません。
明日未明に監獄チェルノボーグへ移送される・・・・・・とのことです」
コルベールの顛末の報告。
いつもならば秘書ロングビルの仕事だった。
だが彼女はもういない。
「ふむ・・・まぁそんなとこだろうの。 生徒達をこれ以上動揺させない為にも彼女の正体の公表は必要なかろう。 幸い目撃者も少ない。
報告ご苦労じゃったな・・・。 コルベール君・・・今日はもう休んで良いぞ」
少なからずコルベールがロングビルを想っていたことをオスマンは知っていた。
そのロングビルが盗賊フーケとして捕縛されたのだ。
多少なりとも気が沈むのはしょうがない。
例え『炎蛇』でも。
だから気を使ったつもりだったのだが・・・・・・。
コルベールから学院長室を退出する気配が感じられなかった。
「・・・まだ何かあるのかね?」
オスマンの言葉に、やや俯き加減だったコルベールが顔を上げる。
「・・・・・・フーケはミス・ヴァリエールの使い魔、ヤン・バレンタインによって捕縛されました。 ・・・・・・その際の戦闘で彼女を殺しかけてしまった。
そう彼は言いました・・・・・・しかし・・・・・・フーケの体からは血液が殆ど失われていたのです。
あれ程の量の血を失えば、現場に血溜まりが出来ていてもおかしくないのですが・・・・・・そんなものは何処にもありませんでした。
まるで傷口から抜き取られたかのようです。 彼は・・・ヤン・バレンタインは一体どのような方法でゴーレムに立ち向かい、そしてフーケを倒したのか。
そして彼が時折見せるずば抜けた身体能力。
オールド・オスマン・・・・・・私は不安なのです。 そして気になる。 ・・・・・・彼の正体が・・・・・・。
彼にはガンダールヴ以上の何かがある。 そしてそれは・・・・・・何かとても危険なモノの様な気がするのです・・・・・・」
コルベールは何時になく真剣な面持ちでオスマンに語りかける。
コルベールは今でこそ温厚な人格者であり、優れた教師であるが、かつては極めて優秀な軍人として畏怖されていた。
そのコルベールの表情に、恐れの感情が見え隠れする。
「・・・・・・さすが炎蛇の二つ名は伊達では無いのう。
・・・・・・血液・・・となると吸血鬼という線が疑わしいかの。 だがそれだけでは説明できぬことも多々ある」
オスマンは豊かな顎髭を撫でながら思索に耽る。
「私もそれは考えました。 しかし、彼は陽のもとでも堂々と活動しています」
「その通りじゃな。 ・・・・・・まったく・・・ガンダールヴかもしれぬ・・・というだけでも厄介なんじゃが・・・・・・。
性格もトラブルメーカーそのもので得体も知れぬし・・・はぁ・・・ オマケに情勢不安で各国との摩擦も大きくなっておるし 老体にはコタエルのぅー」
その言葉にコルベールは暗く微笑を浮かべ小さく、そうですねと答えるのみだった。
「ふぅ・・・ まぁ問題は山積みじゃが一つ一つ順に解決して行くことにしよう。 取り敢えずはフリッグの舞踏会の準備じゃ!
色々ゴタゴタしとったが、もう目の前じゃ 暗い顔ばかりもしておれんぞコッパゲール君!」
「コルベールです」
うっすら青筋をたてつつニコヤカに返答。
とぼけた老人だが、コルベールはオスマンのこんなところも好きだった。
確かに考えているだけでは事態はなんら好転することはないのだ。
自分にやれることをやる。
今はそれが精一杯だ。
だが・・・確実に。
確実に時代は悪くなっている。
それだけは間違いなかった。


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