あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

Call of Different ACT3


ペラ……ペラ……
膨大な数の本が置かれている静かな図書館で当たり前だが本のページをめくる音が聞こえる
大量の本を机の上に積んだコルベールが真剣に文字を睨みメモと見比べをしている
積んである本にはあらゆる本、古文書や歴史書、果ては童話さえも置いてある
「……ククッ」
あんた何読んでんだ
「ゲルマアニアンジョーク集…これは違う」
だろうな
コルベールは読んでいた本を横に置き新しい本を手にとって広げる
「……!」
コルベールが目を見開きメモと書いてある文字を見比べる
「これは…!!早速報告しなければ!」
そう言うと急に立ち上がり積んでいた本も元の場所に戻さず図書館を出て行く
余談だが図書館を管理していた人間が恨めしそうな目で、出て行くコルベールの後姿を睨んでいた

場所は変わり学院長の部屋
立派な髭を蓄えた威厳のあるご老人が仰々しい椅子に座っている
彼こそトリステイン魔法学院の学園長オールド・オスマンである
しばらく机に広げてある紙を見てサインをし、判子を押していたが息抜きの為であろう
机の引き出しを開き嗅ぎ煙草を取り出す

それを見た緑髪でメガネを掛けた美しい女性が何かを行う
すると哀しきかなオスマンが使用しようとした煙草がふよふよと空を飛び女性の机に着陸した
この女性は優秀な秘書で名をロングビルと言う

「息抜きぐらいさせてもらっても罰は当たらんと思うがのう」
オスマンが少し悲しそうな顔をしてミス・ロングビルに講義する
「お体に悪いですわよ」
酒は百薬の長と言うが煙草は百害あって一利なしと言う
ミス・ロングビルが淡々と書類整理しながらオスマンを諭す
しばらく無言が続いたが急にロングビルが床に足を強く踏み込む

「!!」
それに酷く驚いたオスマンが椅子から飛び上がる
「使い魔を使ってこそこそと覗こうとするのは感心しませんわ」
ミス・ロングビルの足元にひっくり返って気絶しているネズミのモートソグニルを見ながらミス・ロングビルが笑顔で言う
オスマンがやれやれと首を横に振り、目を見開き尋ねる
「では堂々と頼む事にしようかの。ミス・ロングビル、パンツの色は何かな?」
その言葉を聞いた瞬間ミス・ロングビルの顔が笑顔から生ゴミを見るような顔と目に変わる

その非常に何とも言えない空間をぶち壊すように扉が開かれる
「大変です!オールド・オスマン!コレを見て下さい!!」
コルベールが叫びながら飛び込んでくる
「静かにせんか、コルベール君」
オスマンがキリとした表情で言い放つ
「も、申し訳ありません」
コルベールが冷静になり息を落ち着ける
「これを…」
一冊の本とメモをオスマンに渡す
「…ふむ
 ミス・ロングビル、少し席を外してくれんか?」
オスマンがミス・ロングビルへ向けた言葉を発する
「わかりました」
ミス・ロングビルが椅子から立ち上がりドアを開け、部屋から出て行く
流石は出来た女性である
二人しか部屋にいないか確認した所でオスマンが口を開く
「ではコルベール君、詳しく説明しなさい」

シュヴルーズが気絶し、医務室に護送されてから約半時間
「~♪ ~♪」
ローチが口笛(アメリカ国歌)を口ずさみ
口笛が終わると時々箒をギターに見せかけエアギターをしながらテキパキと掃除を進める
「どうした、ルイズ?ルイズにとって掃除はつまらないかも知れないが楽しもうと思えば楽しんで掃除できるぞ?」
ローチがほらほら、と足でリズムを取りながらロックなエアギターをルイズにご披露しているとルイズが顔を俯けたまま口を開く
「…どうして何も言わないのよ」
「……」
ローチが動きを止め押し黙る
「見たでしょ?私は魔法が使えないのよ?それなのにローチに対して……」
ルイズがこぶしを握り締め肩を震わせる
「知らないさ、俺はルイズが魔法の使えるメイジだと思っていたから従ってたんじゃないし
 そもそも従ってたつもりはないしな」
ローチはルイズに近づきしゃがんで目線の高さを合わせる
「じゃぁ何だってのよ…!」
ルイズは歯を食いしばり涙を流していた
「俺がそうしたいからルイズについてるんだよ、おっと 別にSMが好きとかじゃないぞ?」
ルイズの頭に手を置き優しく撫でる
「妹の面倒を見ているようなもんさ、いや居ないけどな?」
「でも、私は、魔法を…」
ルイズの言葉が途切れ途切れになる
「魔法なら成功してるじゃないか、ちゃんと俺達を呼んだし俺と契約できた、だろ?」
「…うん」
こくりと頷く
「それに俺達はルイズに命を助けて貰ったしな」
ローチはルイズの目元をグローブつけた左手で優しく拭った
ぐぅ~ 場にそぐわぬ間抜けな音が二人の耳に入る
「…腹も減ったしとっとと終わらせて食堂に行くか」
ローチがニカッと笑い(バラクラバで見えない)ルイズから離れて歌を歌って掃除を再開する
「Oh, the weather outside is frightful,♪
 But the fire is so delightful,♪
 And since we've no place to go,♪
 Let it snow, let it snow, let it snow.♪」
「ふふっ」
ルイズがローチのやや滑稽なその姿に吹き出して笑い小さく一言呟く
「ありがと、ローチ」
ローチはそれを知ってか知らずか軽快に歌を歌いながら掃除を続けている
「It doesn't show signs of stopping,♪
And I brought some corn……」

途中からルイズも手伝い一緒に歌を歌いながら掃除を進めた結果、約数分で掃除が片付いた
「さて、行こうかルイズ」
「えぇ」
泣いていた姿は何処へやら、笑顔で楽しそうに一緒に歌っていたLet it snowを口ずさみながら歩いていく
どうやら気に入ってくれたらしい、さて次は何を歌おうかと思案しながらスキップするルイズに付いていくローチ


「さぁて、俺の昼飯は…っと」
食堂に着いたローチは朝スープとパンが置いてあった場所の床を見る
「…ないな」
「えっと…その……」
ルイズがモジモジとしてローチの顔をちらちらと見る
「わ、私の料理を一緒に食べましょう? ひとりじゃ…おおいし…」
ルイズが目を逸らしながら恥ずかしそうに言う
ローチはフッと顔を綻ばせ(見えな ry)ルイズの頭を撫でる
「朝とは待遇が違うな?」
「う…うぅぅ…うるさいうるさい!」
顔を真っ赤にしてポカポカとローチを叩く
「おっと、ルイズ他の生徒が何か祈ってるぞ?」
「え?!あ!!」
ルイズは慌てて祈り始めた
二人は食事を終えると食堂の外へ出ようとする
そこに誰かが声を掛けてきた
「おい、ローチ!」
二人がその方向を見るとゴーストがこちらに近づいてきていた
「あぁせんぱ…ゴースト、どうしました?」
「ローチちょっとあっち向いてみろ」
急にゴーストが壁の方を指差す、何があるのかとローチが体ごとそちらを向くと
「ぜぁっ!!!」
ズパァァァァアアアン!!!
ゴーストがローチの尻を全力で蹴り飛ばす
「おぐぉあああああぁああヘブッ?!」
ローチが思いっきり飛び上がり前方へ飛んだため壁に自らの顔面を叩き付ける
「あぁ!スッキリした!!」
一方ゴーストは満面の笑み(見えn ry)で佇んでいる
「ローチ?!ローチ!ローチィ!!」
ルイズは涙目になりながらケツを押さえてうつ伏せに倒れているローチを揺する
「何故か…前が痛いっ…わけが…分からないよ…!」
うんうん唸りながら蹴られた感想を律儀に吐き出すローチ
「どうしてこんな事するのよ!友達でしょ?!」
「ローチ、ちょっと話がしたいから時間いいか?」
「聞きなさいよこのバカァ!!」
ルイズの叫びを盛大に無視してローチに話しかける
「うぐ…大丈夫だ…ルイズ……ゴースト…話って?」
ローチは大体じゅうううううびょおおおおおお!!程休んだのでそろそろ普通に話が出来る頃だ
よろよろとローチが立ち上がりルイズに引き攣った笑顔(ry)を向ける
「大丈夫だそうだ、嬢ちゃんローチ借りるぜ」
それだけ言うとゴーストがルイズに有無をも言わさずローチを連行して食堂へ入っていく
「え…あ…」
ルイズが急な状況に対応しきれず固まってしまう

「ゴースト、話って?」
まともに歩けるようになったローチがゴーストの後ろについて話しかける
「いや、まぁ飯食いに来ただけだし話とか後で良いんだけどな」
「はぁ?!」
「まぁ俺が飯食い終わるまでしばらく好きにしてろよローチ」

ローチがぶつぶつと言いながら周りを見渡すとシエスタがケーキを運んでいるのを発見する
「ゴースト、少し離れます」
「ん?おぉ晩飯までには帰ってこいよ」
「俺はガキですか」
ゴーストから離れシエスタの方へ歩いて行く
「ようシエスタ」
シエスタがこちらの方を向き嬉しそうにローチさん!と名前を呼ぶ
「朝はありがとうございました」
器用にケーキを運ぶ大きな皿を持ったままぺこりと頭を下げる
「いや、こちらこそ朝は助かったよ」
ローチが笑いながら返す
「さて朝の礼だ、手伝おう」
そう言ってシエスタが持っていた大きな皿を奪い取る
「ふふ、ありがとうございます」

「あ、マルトーさんにローチさんの事話したら凄く気に入ってましたよ!」
「マルトー?」
「ここのコック長さんです」
ローチがシエスタと談話しながら机を回ってケーキを配っていると近くを何人か固まった生徒が通りかかる
前を進む金の巻き毛で他の生徒とは違うやや装飾が多いシャツを着た薔薇の花をポケットにさした生徒が他の生徒に冷やかされていた

「ギーシュ、お前は今誰と付き合っているんだ?」
「誰が恋人なんだ?俺の願いはお前がこの質問に答えることだ さぁ叶えてよ、インキュ…ギーシュ!」
「なぁギーシュ、俺と付き合ってくれよ!」

ギーシュがフッと笑い
「付き合ってはいるが誰かは言わないよ、それと僕が君の質問に答えても別にエントロピーは凌駕しない
 そして最後の奴、僕にそっちの気は無いよ」
ギーシュがご丁寧に質問に答えながら歩いているとギーシュのポケットから小瓶が地面に落ちた
どうやらギーシュは気付いていないようだ

「シエスタ、ちょっとこいつを持ってくれ」
そう言って皿をシエスタに手渡すと小瓶を拾いギーシュの方へ歩いていく
「HEY、コレ落ちたぞ」
ギーシュはこちらを振り向きローチの手にある小瓶を見ると
「あぁ!悪いね!僕とした事がこんなに大事な物を落としてしまうなんて!助かったよ!」
笑顔になり小瓶を受け取りまるで宝物を見つけた子供のように大事そうにポケットに入れなおす
それを見ていた取り巻きが急にギーシュをはやし立てる
「おぉ?!それはモンモランシーの香水じゃないか?!」
「てことはギーシュはモンモランシーと付き合っているのか!」
「うおぉぉお!ギーシュ!俺だ!付き合ってくれ!!」
それを聞いてギーシュは苦笑いする
「はは、参ったなぁ隠した意味が無いや」

すると急に後ろの女の子が立ち上がりギーシュの元へ足を踏みしめて歩いてくる
女の子が怒ったかのような顔でギーシュの前に立ったかと思うと
「…ギーシュさまぁ……」
ぼろぼろと大粒の涙を流して泣き始める
「君は、ケティ?どうしたんだい、大丈夫かい?」
ギーシュがハンカチを取り出してケティの涙を拭う
「やはり、私とはお遊びだったんですね…!」
「えぇ?!君との接触点は君が急いでいるからって一緒に馬で街まd」
スパァーン!と大きな大きな音が響く
ギーシュがケティに思いっきり頬をすっ叩かれた音である
「もう知りません、さようなら!!」

ギーシュ含む皆がぽかーんとしていると遠くの席から素晴らしい巻き毛をした少女が歩いてくる
「やぁ、モンモランシー恥ずかしいところを見せてしまったね」
左頬が真っ赤になったままギーシュはばつが悪そうに頭をぽりぽりと掻く
「やっぱり一年生の子に手を出していたのね」
モンモランシーが恨めしそうにギーシュを睨む
「ちょっ…!完全に誤解だよ!香水のモンモランシー!信じてくれ、彼女とはただ一度だk」
モンモランシーは近くの机に置かれたワインの瓶を引っ掴みギーシュの言葉を全て聞き届ける前にギーシュの頭にワインをトッピングする
「ティロ・フィナーレ(ワイン)!」
珍妙な掛け声とともにワインをぶちまけたモンモランシーが怒りながら食堂を去る

「あー…なんかすまない」
ローチが全てを見届けた後一言呟いた
するとギーシュがハンカチで顔を拭いながらローチに近づきこそこそと耳打ちする
「君は見た所洗練された傭兵か何かだろう?非常に申し訳ないが僕の面目を保つために決闘をしてくれないだろうか
 嫌なら断ってくれても構わないが…」
「いや、なんか俺のせいっぽいし構わんが…」
「ありがとう、恩にきるよ 手加減はする」
そう言ってすぐにローチから離れたギーシュが胸ポケットの薔薇を手に持ち

「君のおかげで二人のレディの心が傷ついた!あと僕の心も!!」
薔薇をローチにむけ大声で怒鳴る
「レディたちとついでに僕の為に僕は君に決闘を申し込む!!異論は無いね?」
「あぁ、無いぜ」
これこそ予定調和である
皆が急な展開で再度ぽかーんとしていると遮る声がした
「ちょぉっと待ちな!」
全員がハッとして声の主の方を向く、すると
微妙にジョジョ立ちしてるゴーストがいた
「君は誰だい?」
「ゴースト…ローチの…あぁコイツな、親友だ」
ゴーストが親指でローチをさす
「…親友の君は決闘に不満かい?」
ギーシュがゴーストに問いかける
「うんにゃ?決闘は肯定だぜ、でもローチには武器を用意したり時間が要るだろう?」
「もちろんその為の時間は用意するつもりさ、申し込んだのは僕だからね
 せめて時間指定はそちらで好きにしてくれ」
「OK、なら問題無ぇ 場所は何処だ?」
「ヴェストリの広場だ、時間は?」
「そうだな大体30分後だ」
ローチの意見も聞かずに話がどんどんと進められる


ローチの方を見ているシエスタは目に涙を浮かべわなわなと震える
「どうした?シエスタ」
「殺される…!殺されちゃいます…!!ローチさん、貴族に…!」
会話として成立しない言葉がシエスタから吐き出される
「おい、シエスタ」
「あぁ!あぁぁ!」
シエスタが急に泣き出し走り去っていく
「お、おい!」
シエスタをひきとめようとしたがかなりの速度で走っていく
マラソン・ライトウェイト・コマンドーだ、おまけでタクティカルナイフでも持たせればファベーラで素晴らしい大量虐殺を成すだろう
32キル2デスは行ってくれるはずだ

「おい、ローチ行くぞ」
話を終えたのか急にローチの首根っこを引っ掴んで引っ張るゴースト
「え?あ、ちょっ…こけるっ!」
ずるずると、どなどなどーなーどーなー と連れられて行くローチ
「待ちなさい!ローチ!ゴースト!」
急に出てきたルイズが二人の前に立つ
「貴族と決闘なんて…!相手はメイジよ?!私とは違う、ちゃんとした魔法を使えるメイジなのよ?!
 ローチが殺されちゃうわ!!」
あぁ、なるほど だからシエスタは殺されるなんて言ってたのか
ローチがルイズを安心させるために口を開く
「あぁ、心配しなくていいぞ これにh」
「手加減はするなって俺がちゃぁんと言っておいたぞ、ローチ」
そしてゴーストの美しいサムズアップである
「おいィ?!」
「ほら、みなさい!でも今から謝って許してもらえばきっと大丈夫よ!」
ルイズが目尻に涙を溜めてローチの服にしがみ付く 兄に懇願する妹のように
「で、その事で嬢ちゃんにも聞きたい事がある」
目をぐしぐしと擦るルイズにゴーストは話しかける
「…何?ゴースト」
「あいつの使う魔法とかを教えてくれ」
「戦うつもりなの?!バカじゃない?!ローチも何とか言ってよ!」
ローチは諦めたように溜息を吐きルイズの頭を撫でる
「戦うさ、それが俺達TF141だからな」
「ローチも!馬鹿!もう知らない!!ギーシュにボコボコにされちゃえばいいんだわ!!」
それだけを言い残しルイズは泣き出して走って行く

「聞けなかったな、情報」
「その前に言う事があるでしょう、ゴースト」
引き止めることも出来ずルイズを見送った二人は呆気にとられてしまう
「それにゴースト、武器を用意なんて言っても俺達が持ってるのはM92Fとナイフだけでしょう
 あぁ後ACR ACOGスコープ付が一つありましたね」
「ローチ、話があるってさっき言ったよな」
「えぇ」
ゴーストはそれ以降何も言わずハンドサイン(軍で使われるジェスチャー ハンドシグナルとも言う)で付いて来いと命令する


しばらく歩くと一つの部屋に到着する
「ここは?」
ローチがゴーストに尋ねる
「俺の部屋だ」
性格にはゴーストに割り当てられた部屋だが
基本的にこの学院にある部屋は大きい物が多い、ゴーストもその例に漏れず大きいのだがある事情で非常に狭い
「入れ、ローチ」
「じゃぁ失礼しま…?!これは!!」
ローチが驚いたのを見て満足そうに頷いたゴーストがローチに質問する
「何か分かるか?」
「えぇ、これはマカロフの別荘にあった武器……ですね」
そう、マカロフの別荘に置いてあった武器の全てである、見れば銃だけでなくグレネードやクレイモア、C4、果てはセントリーガンまで
「どうしてこんな物が」
「どうやら俺達と一緒に来たらしいぞ」
「でもこれだけ武器があってもいずれは弾が無くなりますよ」
ゴーストはそれを聞くとチッチッと指を動かす
「マジックボックス(キャンペーンで無限に弾薬補充が出来る救援物資 勝手に私がそう呼んでいる)もあるぜ」
それを聞いたローチが目を丸くして言う
「戦争がおっ始められますね」

「さてローチ、適当な武器を持って行け」
「…はい」
ローチがまずMP5KSDを掴む、その瞬間体が軽くなり全ての能力が大幅に向上したように思えた
「?!」
驚いてMP5を落とす、手を離すと元に戻った
続いてM240を拾う やはり体が軽くなった
「…ゴースト」
「どうした?ローチ」
「LMG…何本まで運用できますか?」
「馬鹿なことを聞くな、運ぶだけなら2本 運用するなら1本だ 重くて大量に持てるわけ無いだろう」
ローチが手を握ったり開いたりする
「俺は…5本は余裕で持てそうです」
「なんだと?」


「で、選んだのはDE M82(バレットの事) M240 M1014 セムテックス フラッシュバン スモーク C4か…キチガイの所業だな
 おまけに弾薬もそれぞれ通常運用の3倍と来た」
「相手がどんな魔法を使うか分からない以上備えるに越したことはありませんよ
 それにどうやら何らかの武器を持っていないと駄目そうです」
「で、バトルナックルグローブか」
現在のローチのPERK+α
マラソンプロ+(ジャンプ距離上昇) 早業プロ+(エイム速度二分の一以下) スカベンジャープロ+(補充不可 所持数3倍)
ライトウェイトプロ+(約2倍 走りながらのエイム可)
コマンドープロ+(接近距離上昇) 照準安定プロ+(サイト使用時もAR程度ならばほぼ無反動化 腰だめほぼ無反動化) プロニンジャ 状況報告プロ
常時鎮痛剤 ファイナルスタンド オーバーキル+(メイン・サブ関係なく5つまで同時運用可)
「では行きましょうか、ゴースト」
DEをレッグホルスターに、M82を背中に背負い、M240を肩から掛け、M1014を腰に装着し、バックパックに物を詰め込んだローチが部屋を出る
「…殺すつもりで行ってる様にしかみえねぇ」

ヴェストリの広場

大量の人間が集まり熱気が溢れる広場に3人の男が歩いてくる
3人の男が歩く先をまるでモーゼのように人が道を作る
「…本当に手加減しなくて良いのかい?」
3人のうちの一人であるギーシュがローチと着いて来たゴーストに尋ねる
「決闘ってのは誇りを懸けて闘うんだろう?なら手加減は相手に失礼なんじゃないか?なぁローチ」
「何にせよ本気で掛かってきても大丈夫だ、これでも俺は兵士だからな、簡単に潰れるような柔な人間じゃないさ」
ゴーストとローチが返答する
「やはり兵士だったのかい、では手加減するなんて言って申し訳なかった、本気で行かせてもらうよ」
それだけ言葉を交わしてゴーストはギャラリーの最前へ、ギーシュとローチは離れて向かい合う

「まずは名乗りを上げさせて貰おう!僕はギーシュ・ド・グラモン!!
 青銅のギーシュだ!僕は青銅のゴーレム、ワルキューレを操って闘う!
 軍人の息子として、一人の男として正々堂々と手加減無しで最後まで行かせてもらうよ!」

「俺はローチ、TF141…いや、無所属だ
 生憎メイジじゃないもんでな、銃と爆発物で闘わせてもらう」

二人が名乗りを上げるとギャラリーがザワザワとし始める
「銃だってよ」
「あんな平民の苦し紛れの武器が役に立つのか?」
「流れ弾に気をつけろよ」
「この距離だったら当たってもたいした怪我にならねぇよ」
その声を聞きながらギャラリーに混ざったゴーストはニヤニヤとしていた

「では…行くよ!!」
ギーシュはその声と同時に薔薇を大きく上に振り上げる
すると地面から等身大の美しい装飾が成された鎧を纏った青銅の人形が何体も現れる
「行け!ワルキューレ!!」
ギーシュが指示を出すと素手のワルキューレがローチに向かってまっすぐ突撃して来た

「こりゃぁ凄ぇな…っと!」
ローチは眼前の奇跡(マホウ)に驚きながらサイドステップをしながらM240のコッキングレバーを引く
ローチから突っ込んできたワルキューレの射線上に人が居ない様になるまで横に移動を続けていると
ワルキューレは眼前10メイル内にまで接近していた
「悪いがお嬢さん、粉々になってもらうぜ?」
ローチはM240を腰だめで構えセーフティを外しトリガーを引く

ローチとゴーストにとって聞き慣れた、そしてハルケギニアの人間にとって怪物が吼えたかのような轟音が響く
瞬間、ローチに向かい走ってきたワルキューレの右脇腹から左肩にかけてより上が凄まじい勢いで削られて行き
砕かれ粉々になった青銅が粉塵のように舞い、ワルキューレを隠していく
ローチとゴーストにしてみれば青銅を撃ち砕き粉々にして行くように見え
かたや生徒達には見た事の無い魔法のような物で消し去られているように見える
ローチがトリガーを離すと上半身は左腕と胴体しか残っていない無残なワルキューレが現れる
「なんだありゃぁ!!」
「魔法か?!」
生徒達が目にした事のない状況に慌てふためく
しかしワルキューレはその状態でも歩き始め、加速し、ローチへ向かって進む
「マジかよオイ!!」

ワルキューレは残った左腕を振り上げローチを殴り飛ばそうとする
しかしローチは余裕を残し殴りかかって来た腕をM240を支えていた左手をM240から離して軌道を逸らす
「プレゼントだ!」
ローチはステップを踏みワルキューレの後ろに回り先程使った左手を自らの腰に回す
そして小型のバックパックからC4を取り出しワルキューレの背中に投げつけ貼り付ける
周りから見れば何をしたのかも分からない一瞬の事だ、ただ後ろに回っただけの様にも見えるだろう
ローチはバックステップを数回踏みワルキューレから離れ、すぐさまC4の起爆スイッチを左手に取る
右手で肩から下げたM240を背中に押しやり左手を下げる
ローチは仁王立ちし右手をゆっくり上げる

「あいつ…何してんだ?」
生徒達がざわざわと煩くなり始める
「ローチのやつ…何格好つけようとしてんだ…馬鹿が」
ゴーストはローチが何をしようとしているのか察知したのかあきれ果てる
皆がローチの仕草に注目し始めた、それを待っていたかのごとくローチは指をパチンと鳴らす
それと同時に左手の起爆スイッチを押す
瞬間、ワルキューレが爆発し砕け散った

「な、何が起こった?!」
「杖…使ってねぇよな…?」
「ま、まさか…せ、先住魔法?!」
生徒達の間で憶測が飛びかう

「ふふっ、凄いね…!行け!ワルキューレ達!!」
ギーシュは見た事の無い奇跡(カガク)に武者震いし、様々な武器を持ったワルキューレを突撃させる、変則的に、合理的に
素人目では避けようの無い波状攻撃にも見えただろう、しかしローチは洗練された兵士である、敵が近接武器である限り回避ルートが見える

ローチはM1014を腰から回しグリップを右手に収め、最近距離に居るハルバードを持ったワルキューレの踏み込む寸前の右足を12ゲージ弾で吹き飛ばす
今にも地面につけようとしていた足が無くなったワルキューレはバランスを崩し前に倒れる
チームワークに重点を置いた攻撃はただ一人が潰れただけでいとも容易く破れる
倒れたワルキューレを踏み越え振り向きチューブマガジン内に残っている3発を倒れ、もがいているワルキューレにぶち込む
胴体が粉々になったワルキューレは活動を停止して瞬く間に土へと戻っていく

M1014を後ろに回し両手を使える状態にする
先程までローチが居たところに密集しているワルキューレ達に向かい腰辺りにぶら下げてあるセムテックスを両手で掴みピンを引っこ抜く
すぐさまセムテックスを投げつけワルキューレにくっ付けた


学院長室

「ふむ、ガンダールヴ…始祖ブリミルの使い魔…のう」
オスマンはメモを見つめながら呟く
「はい、彼の左手に現れたルーンはかの始祖ブリミルの使い魔、ガンダールヴと同じものでした!」
冷静に努めていたがコルベールはつい興奮し声が大きくなる
「君はどう思うかね?」
「彼は間違いなくガンダールヴです!」
コルベールは拳を握りオスマンに力説する
「まぁ落ち着きなさい、ルーンだけで決め付けるのはややせっかちだと思うがのう」

その時誰かが部屋のドアをノックする
「誰じゃね?」
オスマンがドアの向こうの人物に聞こえるよう大きな声を出す
「ロングビルです、オールド・オスマン」
ドアの向こうの女性、ミス・ロングビルが答える
「なんじゃね?」
「ヴェストリの広場で決闘をしている生徒がいるそうで大騒ぎになってます
 止めようとした教師もいましたが生徒達に邪魔をされて止められないそうです
 教師達は決闘を止めるため眠りの鐘の使用許可を求めています」
「所詮子供の喧嘩じゃろうて、たかが喧嘩に秘宝を使ってどうするんじゃ、気の済むまでやらせておきなさい」
ここでオールド・オスマンは少し沈黙しミス・ロングビルに尋ねる
「ところで誰と誰が決闘をしておるのかね?」
「一人はギーシュ・ド・グラモン」
「ふぅむ、グラモン家の四男坊か……まぁ女絡みじゃろう
 で、もう一人は?」
「どうやら生徒ではないようです」
オールド・オスマンは首を傾げる
「…生徒ではない?」
「それが…ミス・ヴァリエールの使い魔だそうです」
それを聞いた途端にオールド・オスマンとコルベールが顔を合わせる
「…ミス・ロングビル、放っておきなさい」
「分かりました」
ミス・ロングビルがこの言葉を残して去っていったのだろう、コツコツと音が離れていく
「百聞は一見に如かずじゃ、本当にガンダールヴかどうか確かめるのに丁度良いとは思わんかな?」
オールド・オスマンが杖を一振りすると部屋にある大きな鏡に広場での決闘の様子が映し出される
「なっ…?!」
映し出されたのは集まった三対のワルキューレが無残に爆発し飛び散った瞬間だった

広場

「凄いね…あっという間に僕のワルキューレが残り2体になってしまったよ…!」
ギーシュが声を上げる、どうやら新鮮な光景に感動しているようだ
「だろ?俺のいた所でも結構なもんだぜ?」
ローチはギーシュに言葉を返しながらM240のボックスマガジンをチェックする
(M240に余裕はあまり無さそうだ、途中で弾切れしてテンパりたくは無いな)
M240を背中側に押しやりレッグホルスターに手をかける

「行けっ!」
ギーシュは薔薇をローチの方に向かい細身の長剣を持ったワルキューレを向かわせる
直線的にでは無く斜めに横にジグザグと予測不可能にローチへ向かって走る
しかしローチは動かない、しっかりと見極めれば攻撃を読めるからである
ローチは何もアメリカの技術だけを習得したわけではない
使えるものは使い、利用できる物は全て利用する
ワルキューレは長剣を右腰に構える
ローチは左手でナイフを抜く
ワルキューレが長剣を振る


次の瞬間ワルキューレの長剣を持っていた右腕がありえない方向へ捻れ、折れていた
「何が?!」
ギーシュが驚きの声を上げる
ローチはにやりと笑い、DEを抜いてワルキューレの腕の折れた部分を3.4発撃つ
ワルキューレの右腕が吹き飛ぶ
「SHIT…流石にDEと言えどハンドガンじゃぁ青銅は簡単に壊れてくれないな…」
ローチはすぐさまDEをホルスターに収め肩に手をかける
「こいつはどうだ?」
M82を肩から一周させて腰だめに構えコッキングする

「さっきのは一体?!」
「今までのもおかしいがあのデカイ杖は…?!」
「平民か?メイジか?それとも…なんだ?」
ギャラリーが慌てふためいて隣や付近の仲間と確認を取る
(さっきのは…ナイフで後押しして回して弾いたな?システマ(ロシアで使用される軍部格闘術)に近い感じもするが…人間業じゃねぇ)

腰だめから右腕が千切れたワルキューレの胸を狙いトリガーを引く
凄まじい音、閃光と同時にワルキューレの胴の上に大穴が開き上半身が千切れ飛んだ
下半身のみ無残に残され、上半身を失った青銅の人形が地面に倒れる

ローチはすぐに振り向きギーシュの側にあるワルキューレの頭にサイトで素早く狙う
ギーシュが反応し、ワルキューレを動かそうとワルキューレの方を見る
しかし視界に映ったのはワルキューレの頭が轟音と共に消し飛ばされた瞬間だった
ギーシュは目を丸くし呆気にとられた、が
「まだ動かせる!!」
すぐに正気に戻りワルキューレを走らせる
ローチは自分の方へ走ってくるのを許さないと言わんが如く上から削っていく
右肩が消え右腕が吹き飛んだ 左胸が消え、肩より先が千切れ飛ぶ
胸、脇、鳩尾、脇腹、下腹部、次々と消し飛ぶ
全弾撃ち込んだローチの元に到着したのは脚の破片だった

「フフ…ハハハハハ!」
ギーシュは全てを見届けた後大笑いする
ローチはその光景を眺めながらM82の空になったマガジンを投げ捨て、新しいマガジンを取り出して装填する
「ふぅ、困ったなぁ…もう僕に新しいワルキューレを作る力は無いよ…でも!」
笑い終えたギーシュは心底楽しそうに喋りにやりとしながら拳を握り構える お世辞にも良いとは言えない隙だらけの構え方
ローチは意図を汲み取ったのかM1014を、M82を、M240を次々と地面に落とす
「僕は最後まで全力を出すと約束したからね!」
「あぁ、来いよギーシュ」
ローチが構えを取る、一切隙の無い洗練された構え
「行くよ!!」

酷い物だった、殴りかかっては投げ飛ばされ、掴みかかっては無様にこける
ついにギーシュがボロボロになって動けなくなるとただ少し
「はっ…はっ…はっ……ふふっ、参ったよ僕の負けだ、完敗だよ」
敗北宣言、しかしその顔は実に晴れ晴れとしていた


波紋は広がり歓声に、もしくは貴族が負けたというのを信じられない絶叫に変わる
「格好良いぞー!ギーシュー!」
「そいつは平民なんかじゃない!きっとエルフだ!!だからメイジは平民なんかに負けてなんて無い!!」
「いい闘いだったぞー!!」

学院長室

「…勝ちましたね」
コルベールが呟く
「そうじゃな……」
オスマンが難しい顔をして返答する
「やはり彼はガンダールヴです!間違いありません!早く王宮に報告を…!」
「いかんよ、それはいかん」
コルベールの言葉をオスマンが遮る
「王宮の阿呆共にガンダールヴの存在がもしばれたら喜び勇んで戦に利用するじゃろうて
 そうなれば…トリステインは酷い事になるぞ」
「…そうですね、その通りです」
「この件はワシに預けておきなさい、他言無用じゃぞミスタ・コルベール」
「はい…しかしあの杖のような物は一体…」
コルベールが呟くとオスマンが顔をしかめる
「なんじゃ、お主聞いたんじゃなかったのか」
「いえ、聞いても『秘密だ』としか、後は話を逸らされるばかりで」

オスマンが髭を撫でつけ呟く
「…もしや…破壊の杖も……」
「どうしました?」
「うんにゃ、何でもないよ では行きたまえ」
「?…はい、では失礼します」
コルベールはやや疑問を浮かべ、しかし言われたとおりに学院長室を出る

「…面倒なことになりそうじゃの」
自分以外誰もいない部屋で一人呟いた


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