あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

Call of Different ACT2



少女が目を瞑り溜息を吐きながら説明する

「その使い魔の契約をしたら…どうなるんだ?」
先程の男が質問を投げかける
男の考えとしては面倒な事は勘弁願いたい為しなくて良いことはしたくない

「ルーンを刻まれた使い魔は主か使い魔が死ぬまで一生を使い魔として共にするのよ」
そしてしなかったら私が進級できないのよ
と簡単な説明を続ける

「面倒臭ぇな、それにアメリカの奴隷制度は1995年のミシシッピ州憲法での承認で完全に終了したんだぞ
 ローチてめぇが契約してやれ 俺はパス」
と部下に丸投げする
「えぇ?待って下さいよ先輩、そr「上官命令だ」」
「…Shit…」「あぁ?何か言ったか?」
「何でもありませんよ!」
しぶしぶとゴーグルを着けた方の男が少女の前に立つ
「どうぞ、お好きに」
もうヤケだと言わんばかりに両手をあげる

「あなたでいいのね?でもその前に」
少女がコホンと一つ咳をして口を開いた
「私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・プラン・ド・ラ・ヴァリエール
 あなた達の名前は何?」
あぁ、自己紹介がまだだったか。と骸骨マスクの男が口を開く
「俺はゴーストだ、にしてもクソ長ぇ名前だな 偶に舌を噛まねぇか?」
続いてゴーグルの男が口を開く
「ローチだ」

「し、失礼ねゴースト!人の名前を何だと思っているのよ!!それにあんた達の方が十分変な名前じゃない!」
ルイズがゴーストに向かって怒鳴り散らす
「はいはい、いいからとっとと契約しちまえよ、ローチと契約して魔法少女にして欲しいんだ ってか」
ゴーストがケラケラと笑いながら物の見事に話を流す

「うーっ…」
ルイズは頬を膨らませてゴーストを可愛らしい目で睨む、怖くない
「まぁまぁ、ルイズ落ち着けって、先輩の日常はあんなんだから蚊に刺されたと思って諦めてくれよ」
ルイズの頭を撫でながらローチが妹を納得させるかのように説明する
「…わかったわよ、ローチちょっとしゃがみなさい」
「はいはい、仰せのままにお嬢様」
騎士が跪くかのように綺麗にローチが膝をつく
するとローチの額に杖を当て何やら長ったらしい言葉を呟いていく
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・プラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
呟きが終わるとローチの唇にルイズがキスをする
それを見るや否やゴーストが
「ヒューッ♪良かったなローチ役得だぜ?でもお嬢ちゃん、残念ながらローチはキス一つで驚くような
 初心な童貞(チェリーボーイ)じゃぁねぇんだ、そいつのハートを持って行くならちゃんとフラグを立てろよ?」
とまくし立てる、残念ながらルイズの方が初心なので顔を真っ赤にして
「くぁwせdrftgyふじこ?!!!??!」
何やら叫んでいる
「ったく…先輩t…ッツ!?」
ローチが突然左手を押さえる
「おい、ローチ!どうした!」
ゴーストが表情を変え(見えないなんて無粋な突っ込みは無しで)ローチの肩を叩く
「っ…ふーっ…」
落ち着いたのか大きく息を吐き呼吸を整える
「おい、お嬢ちゃんローチに何をした?」
先程のおちゃらけた喋り方とは真反対の殺気のこもった冷たい声でルイズに話しかける
「大丈夫、大丈夫です先輩、銃で撃たれたより痛くないですから」
ローチがゴーストをなだめる
「でも何があったのかは教えてくれ、ルイズ」
ローチが笑顔でルイズに質問する(見えないなんてry)

「つ、使い魔のルーンが刻まれたのよ、死んだりはしないわ」
兵士であるゴーストの殺気に当てられてもあまり狼狽しない所を見るとわりと肝が据わっている
「…本当だな?お嬢ちゃん」
ゴーストが今一度確認を取る
「えぇ」
ルイズが正面からゴーストに向かって頷く
するとゴーストはニカッと笑って(見えry)調子を変えて喋る
「そうか!じゃぁいいや、そいつを好きにしてくれ」
「せ、先輩?!」
「おっとローチ!ここはアメリカじゃないしもう階級なんて必要ないな!俺の事はゴーストと呼べ!」
ゴーストが笑いながらローチに話しかける
「えぇ?!俺が契約したのって上官命令ですよね?!もしかして…!」
「うん、わ ざ と ☆」
「Damn it!!」

ルイズがコントを繰り広げている二人を見ていると医務室の入り口からコルベールが顔を出してルイズに尋ねる
「終わりましたか?ミス・ヴァリエール」
「あ、はい終わりました」
コルベールが失礼しますよ、と言いながら医務室に入ってくる
「さて、御二方の内どちらが契約をなさったのですか?」
膝をついてうな垂れているローチをゴーストが腹を抱え指差し大笑いしながら
「はっはっはっ、こいつこいつローチだよwおぐぉぁっ?!腹がいてぇ!!!」
と言っている
「ミスタ・ローチ沈んでいる所失礼ですがルーンを見せて頂けないでしょうか?」
ローチはorzのまま左手のグローブを外し手の甲をコルベールに突きつける
「ふむ、これは珍しいルーンだ、スケッチしますので少々そのままにして下さい」

orzから何とか回復したローチがふと思い出したように立ち上がり口を開く
「聞き忘れてたけど俺等の衣食住は保障してくれるのか?」
すかさずルイズが質問に返答する
「もちろんよ、ローチはもう使い魔だから私の所に来てもらう事になるけど」
「HAHAHAHAHA!ローチ、役得だなぁ!羨ましい限りだぜ!」
ゴーストがゲラゲラ大笑いしながらローチを茶化す

苦笑いしていたコルベールが真剣な顔つきになり
「では、失礼ですが御二方の内どちらか私について来て頂きたいのですが」
ローチとゴーストが顔を合わせ一つ二人同時に頷く
「ローチは嬢ちゃんと一緒に嬢ちゃんの部屋に行っとけ」
どちらが行くかを全く話し合わずにゴーストが告げる
「了解」
ローチもまるで事前に話し合ってたかのごとく承諾する
ルイズは二人のやり取りを見て
(まるで洗練された軍人みたい)
とTF141の軍人二人を見ながら思っていた
141の二人はベッドのそばに置いてあったシャツやBDU、バトルベストを着ようとする(ドッグタグは最初から身につけていた)
するとゴーストがシャツを掴みそれを睨みつつ疑問の声を上げる
「んお?っかしぃな…新品同然になってるぞ?」
しばらくシャツを眺めBDUに目を向け
「まぁいいか…」
あまり気にしないようにした、彼は結果がよければあとは何でも良いのだ
情報を得るためなら拷問だって躊躇わないジュネーブ条約何それおいしいの、な人間なのだ
着替えを終え二人同時にハンドガンをレッグホルスターに収める
「じゃぁなローチ、また後で」
「えぇ、ゴースト」
そう言って二人が別れる

Side G
「なぁオッサン、いったい何の用だ?」
ゴーストがコルベールの後ろを面倒臭そうに歩く
「…少し…見てもらいたい物が」
コルベールが苦笑いしながらゴーストを見る
「あっそ」
ゴーストは相手が会話してて面白くない人間だと認識したのかそっぽを向く
会話が続かないまま歩き続け本塔から外れた小さな小屋のような所に到着する
「貴方方が召喚された際に一緒にあった物です」
コルベールがドアを開きゴーストを招き入れる
「くっせぇ!」
入るや否やゴーストがバラクラバ越しに鼻を押さえ
次の瞬間呼吸も忘れ驚愕する
「おい…嘘だろ?…こりゃぁマカロフの…!」
「聞いても良ろしいでしょうか、コレは一体何なんですか?」

Side R
「ルイズ、使い魔の仕事って何だ?」
ルイズの部屋に到着してしばらくたったローチはベッドに座るルイズに向かい合うように椅子を持ってきて座る
先程まで歩きながら使い魔になったんだから私の命令に従いなさいよ、とか
そのネックレスは何?とかさっきも聞いたけどその黒い変なの何?
等の質問をハイハイ、と言ったり無言でルイズの頭を撫でることで有耶無耶にしていた
途中やめなさいよ!とかどうして撫でるのよ!等抗議の声も上げていたが
「いい位置にあったからつい」
で答え顔を真っ赤にしたルイズ(怒り)に全く痛くない蹴りを浴びせられていた

「コホン、使い魔の仕事は3つよ」
ルイズが指を三本立てローチに突きつける、突きつけられたローチは軽く頷く
「まずは主の目となり耳となること」
「なんだ?見たことや聞いたことを随時報告すれば良いのか?」
ローチが考え得る事を尋ねる
「いえ、使い魔の視覚や聴覚の共有ができるようになるのよ」
「うげ、マジかよプライベートもクソも無いな、奴隷以下かもしれないぞ」
ローチが不満をルイズに言う
「心配しないで、残念ながら共有出来てないみたいよ、何も見えないもの」
残念そうに肩を落としながらルイズがローチの心配事に答える
「そりゃ良かった、で 二つ目は何だ?」
「秘薬とか珍しい物とか主が必要としている物を見つけて採ってくるのよ
 でもあなたはココの事なんて分からないでしょ、だから期待はしてないわ
 それに所詮平民だし」
ルイズはローチの事をただの変な格好をしている一般人だと思い込んでおり、故にこの類の期待はしていない

余談だがローチはTF141の軍人で階級は軍曹だ、軍人である上に所属がTF141であるためあらゆる戦況に対応できるように訓練されている
市街、雪原、砂漠、ジャングル、どんな戦場であろうと力を出し切ることが出来る
サバイバル訓練も勿論行っている為食用可能な動植物や毒として利用可能な物もみっちりと頭の中に入れられている

「俺等の世界にあるものなら大体は分かるんだけどな」
ローチがぼそぼそと呟くが
「で、最後 コレが一番重要なんだけど」
肝心のルイズは聞いていない
「主を守ることよ、私達メイジは呪文の詠唱中は無防備なの、そこをやられたらひとたまりも無いからね」
強く言い聞かせるようにローチに説明する
「でも貴方にはあまり勤まりそうに無いわね、だから私の身の回りの世話d」
「なんだ、簡単な事じゃないか まぁ相手が人間だった場合はだけどな」
言葉を遮り自らの任務に対しての感想を漏らす
「えっ…えっ?簡単って……貴方戦えるの?」
「まぁある程度は、大体…105人ぐらいなら」
ローチの105人の理由は彼が持っているM92Fに関係している
具体的に言うなら弾数だ1マガジン15発 装填済み1(15発) 予備6(90発)で105発弾が入っている
その上ローチは兵士としての腕は凄まじく高く(キャンペーン ベテラン ノーデスクリア位の腕だと思って下さい)
ワンショットワンキルを完璧に実行できるという自信を持っている

「…まぁいいわ、じゃぁ伝えることは伝えたし私はもう寝るわ」
明らかに信じていないオーラがルイズから放出され辺りに漂っている
「HEY、俺はどこで寝ればいい?」
信じて貰えなかった事を少々残念に思いつつ部屋を見渡しながら現状の問題について向き合う
「そこ」
部屋の隅を指差し、いそいそとベッドに入り込む
ローチが指差された方向を見ると藁がいい具合に積まれていた
「…Fuck 本格的に奴隷かよ」
ルイズに聞こえないほどの大きさの声でローチが悪態をつく
諦めて藁に座り腕を組んで壁にもたれて目を瞑った時に顔に何か柔らかい物がモフッと叩きつけられる
「ん?何だコレ」
叩きつけられた物を指で摘み見る
服だった、下着だった、しかし全く持って動揺しない、ローチは思春期のガキでは無いのだ
「どうしろってんだ?」
「明日の朝私が起きるまでに洗っておいて…」
ベッドから頭の先だけを出しているルイズが素晴らしいことを言い放つ
「……Fucking…!」
冗談で言ったはずの奴隷が本当に奴隷のような扱いであったため何とも言えない感覚に襲われる
しかし彼はよく出来た兵士である、ある種の諦めを抱き先程のような姿勢になって眠ろうとする
が、また先程と同じように柔らかい物を叩きつけられる
まだあるのか畜生、と思って目を開くと視界になかなか上質な毛布が広がっている
「それ…使って良いわ…よ 寝床は…後日何とか……」

「…うれしくて狂喜乱舞してしまいそうだ、ありがとさん」
「ん…」
もう半分眠っているのだろう、返事と言えない返事が返ってくる
「あーあー、一体どうなっちまうのか…」
そう呟き毛布に包まって目を瞑り睡眠に入る
二つの月の明かりが部屋に美しい窓枠の影を作った

Side G
ゴーストが自分に与えられた部屋の簡素なベッドで横たわりながら考え事をしていた
「ローチはお嬢ちゃんの部屋の上質なベッドで今頃ぐーすか寝てんだろうなぁ、くそっ 明日ケツ蹴っ飛ばす」
残念ながらローチにベッドは与えられていないのだが彼が蹴られることは確定してしまったようだ
「…さて、ローチにアレをどう説明するか……まぁ昼飯時でいいか」
メインとサブを間違えたであろう考え事に終止符を打ちゴーストは瞼を閉じた

S.S.D.D 日が変わってもクソは変わらずクソのまま(つまり次の日)

「っふ…ぁあ゛…!」
えらく珍妙不可思議な声を上げて起床したローチが身体をのそりと起こす
ちなみに起床した時間帯で言うと4:30にもなっていない、TF141の兵士は早起きなのだ
ここはどこだ、と約5秒半考えた直後今まであったことを思い出す
そしてちらとまだスヤスヤと眠っているルイズの方を見て呟く
「当たり前だけど…ルイズはまだ寝てるか……」
そりゃぁそうだ、まだ若い女の子と厳しい訓練を積んだ筋骨隆々とした兵士を一括りにしてはいけない
ローチがスクッと立ち上がり両腕を上にグッと伸ばす
「…っ…あ゛ぁ゛っ   お?」
両腕を上に伸ばしたままの間抜けな姿で何かに気付き声を上げる
「…もう痛みが無いな」
普通ありえない、しかしある一部の兵士はどれほど銃弾を受けていても物陰でじゅううううびょおおおお!も休めば体力全快になるのだ
そして何人かの人間に至ってはそもそも死なない
ちなみにローチはこの世界に来たとき死なない方にジョブチェンジした、つまり補正である
「少しなら動いても大丈夫だな」
洗練された兵士の少しは一般人よりも少なかったり一般人の全力に勝る
ローチは部屋のドアを開け部屋から出て行った

ちなみにもう一人の死なない兵士は
「んがーっ!んごーっ!……んぶぃっきしィ!!(クシャミ)…んごーっ」
盛大の一言で片付ける事が不可能なほど爆睡していた
TF141の兵士にも色々ある、彼は必要な時に力を発揮するのだ………きっと…

難なく外に辿り着いたローチは壁の近くで軽い筋トレやストレッチなどを行っていた
「197 198 199 200っと、ふぅっ」
軽い腕立て200回をこなし一息ついたローチは直ぐに立ち上がる
「…近接戦闘のイメージトレーニングでもするかな」
彼のイメージトレーニングのイメージは敵の存在であり身体は無茶苦茶に動かす
ナイフを抜き敵の攻撃を受け流し首を刈り取る、心臓に外部直結の穴を開けてやる、脊髄にナイフの壁を一枚加える
正面から膝の関節を曲げてはいけない方向に曲げ首を捻ってはいけない角度まで捻る
膝を横から鎌で刈り取るように蹴り鳩尾に拳を叩き付け一回転し踵を顎に入れ頭を踏み潰す
etc...etc...

空が軽く明るくなってきた頃ようやくローチがトレーニングを終了する
「そういやルイズに洗濯してくれって言われてたっけな」
洗濯機は無さそうだ、面倒だな と考えながらルイズの部屋に戻っていく
ドアを開けると
「ん、くぅ……すぅ…」
さっきから変わったのは寝返りを打っただけであろう、体の向きだけだった
寝顔をちらと視界に入れると服や下着を手に取り籠に入れ部屋を出る
「さて、どこで洗えるのか…」
廊下で籠を持ちながらウロウロしていると大きな籠を持った女性が歩いている
「HEY、お嬢さん聞きたい事があるんだが」
女性に声を掛けると女性はこんな時間に起きている人は居ないと思っていたのかビクッと少し飛び上がる
「は、はい!どういたしましたか?!」
近くに歩いて行き女性を見ると何やらびくびくとしている
見ている方が何か申し訳なくなってくる
「あぁ、いや、こいつをどこで洗えば良いのか分からなかったから聞こうとしただけなんだ」
手に持つ籠を見ると女性が一安心したのかびくびくしなくなった
「でしたらどうぞついていらして下さい、丁度私も行く所でしたのでご案内します」
女性は人懐こい笑顔を浮かべるソバカスのある黒髪の可愛い女の子だ、女性と言うより女の子と言った方がしっくりくる
「どうもありがとう、俺はローチ ルイズって子の使い魔ってやつらしい」
「あぁ、噂のミス・ヴァリエールが召喚した平民の方ですね!」
どうやら俺達は噂となっていたようだな、とローチが考えて苦笑いしていると(顔は見えない)
「し、失礼しました!平民などと…」
「あぁ、別に構わないさ ところで君の名は?」
「あっ、失礼しました 私はシエスタと申しましてこの学院のメイドをしております」
シエスタが大きな籠を持ったままぺこりとお辞儀をする
「さぁ、行きましょうか」
にこっと笑顔になりシエスタが歩き始める
それにローチが小さな籠を持ったままついて行く
「そうだ、ちょっとそれを置いてみな」
「え?は、はい」
ローチの変な提案に戸惑いながらもシエスタがよいしょという可愛い掛け声を出し地面に大きな籠を置く
「よっと」
ローチがすかさず大きい籠を持つ
「え、あ、あぁ!」
「悪いね、トレーニングしてるんだ持たせてくれ さぁ行くぞ」
反撃の隙さえ与えずシエスタに進行を促しシエスタも申し訳無さそうに前を歩く
「シエスタ…か」
「へ、変な名前でしょうか?」
シエスタがおずおずとローチに問いかける
「いや、俺のいた所(世界)ではシエスタってのは食後の休憩時間の事を言うんだ
 まぁ変な響きじゃないから名前として使ってるのもいるだろうよ
 比べりゃ俺の名前の方が圧倒的に変だぞ?」
ローチがククッと笑いながらシエスタと会話する
「あの、失礼でなければ名前についてお聞きして良いですか?」
「あぁ、構わないさ
 ローチってのはコックローチ(ゴキブリ)の略だし実際俺は素早いし中々しつこいぞ?」
「ゴキブリ…」
流石のシエスタも苦笑いである
他愛の無い会話を繰り広げていると二人が水場に到着する
「おっと、着いたみたいだな さて洗うか」
とローチがグローブを外している最中にシエスタがローチの洗濯物を奪い取って洗い始める
「え、あ」
「ごめんなさい、お洗濯の練習なんです」
んべっ、と可愛らしく舌を出す
「くっははっ、こいつは一本取られたな」
ローチがケラケラと笑う
「あ、私がミス・ヴァリエールの所へ持って行っておきますので後はお任せください」
シエスタが洗濯をしながらローチに話しかける
「こいつぁやられたな、よし 何か困ったことがあったら俺に言ってくれ、可能なことなら何でもするよ」
「はい」
「じゃぁな、助かったよ」
そう言い残してローチはルイズの部屋に戻って行く

「ん…ちぃねぇさまぁ……えへへ」
部屋に戻るとルイズは幸せそうな寝顔で寝言を呟いている
コレを起こすのは気が引けるが時間的にもそろそろ起こしてやるのが賢明だろう
「起きろルイズ、朝だぞ!」
カーテンと窓を開け光を取り入れ部屋の中を換気する
「んぅ…」
ちなみに起こす時にベストなのはゆっくりと周りを明るくしていき瞼越しで脳にそろそろ起きる時間だと認識させるのがベストだという
音等で急に起こすと脳がいきなり仮の覚醒状態に入ってしまいそれが疲労になるらしい
じょじょに音量を上げていってもある一定を超えたところで急に仮覚醒するため段階で分けた音の目覚ましでも疲労になるそうだ
(空想科学[生活]読本 より)
「んぁ…だぁれ?」
「俺だよ、ローチだ 忘れたか?」
「んーしらなぁい」
どうやら脳は起きているが思考が働かない状態らしい
しばらく無言で目と目が逢う 別に瞬間好きだと気付いたりしたわけではない
「あぁ、あぁ!ローチ!」
思い出したようだ
それからあーだこーだと話をしながらルイズの脳の完全覚醒を待つ

「ローチ、服」
「俺は服じゃないぞ」
「知ってるわよ!そうじゃなくて貸してって言ってるの!」
「あぁ、はいはい ほらよ」
ローチがルイズの昨日の夜ルイズが予め用意しておいたであろう服と下着を投げ渡す
「あ!っと 投げないでよ!」
「そりゃ悪かったな」
「全く…ん!」
「どうした?ウエストが合わなかったか?」
「着せて!」
ルイズがいきなり変なことを言い出す
ローチはこの世界のこの年齢の人間は服も一人で着れないのかと思いながら確認の為に尋ねる
「一人じゃ着れないか?」
「違うわよ!」
「じゃぁ一人でやれ、俺は使い魔であって召使じゃない」
「うっ」
基本的に大概のものをはいはいとこなしてしまうローチだが全部じゃない
ルイズがぶつぶつと呟きながら一人で着替えている間ローチがM92Fの弾薬確認やスライドの確認を行う
「何よそれ…」
ルイズはどうせ有耶無耶にされるんだろうけど、と思いながら一応聞く
「君を守るための武器だ」
「なに?それで殴るの?なら剣とか槍とか使いなさいよ」
「銃だ、言ってもわからんだろうがな」
ルイズはそう言われてムッとする、彼女は知識についてはあらゆる物を知っているのだ
「銃ぐらい分かるわよ!私の知ってるのと全く形が違うから他の何かだと思ったのよ!」
「そうかい」
「なによ!銃なんて魔法の使えない平民の苦し紛れの武器じゃない!」
「50メートル先の敵を連続で撃ち殺す武器が苦し紛れとは魔法ってのは恐ろしいな」
ローチはこの世界の科学力の基準が非常に低く銃もせいぜいマッチロック(火縄銃)かフリントロック(火打ち式)だろうと考えている
よってローチとゴーストが所持しているオートマチックハンドガン(自動拳銃)は凄まじいオーバーテクノロジーなのである
「何言ってんの?メートル?連続で撃ち殺す?」
その上まさにその通りなのだ

「あー…大体この位はどんな単位で表す?」
ローチが手を軽く広げ距離を示す
「どんなって…1メイル位じゃないかしら」
「やっぱり単位表現も違うか…じゃぁ50メイル先にいる敵を連続で殺せるぞ」
「う、嘘言わないでよ」
ルイズが顔面蒼白でローチに言い放つ
まるで嘘であって欲しいと願っているようだ
「…嘘だよ」
ローチが真剣な顔をしていたルイズをからかう様に話す
ローチはこの会話だけで複数の事を理解する
1.銃はまだ単発式である
2.単位表現の違い
3.銃でメイジを簡単に殺害可能
4.この世界の銃はメイジにとって恐ろしい物ではない
5.そろそろ時間がやばいかもしれない ※重要
「ルイズ、時間は大丈夫か?」
「え、あ?!…大丈夫みたい、まだ少し余裕があるけど先に行きましょうか」
ローチが起こした時間はルイズが起きるよりも少し早い
「さぁ行くわよ、朝の早くから変な事を聞くもんじゃないわね、嘘なんてもうまっぴらよ?」
「はいよ」
やれやれと大人しくルイズについてドアをくぐる
外に出たとたん隣の部屋のドアが開いてルイズとは真反対の容姿の女性が出てくる
「おはよう、ルイズ」
ルイズはその女性を見たとたん嫌そうな顔をして返事をする
「…おはよう、キュルケ」
キュルケと呼ばれた褐色赤髪ナイスバディの女性がルイズの後ろに立つローチを品定めをするように見る
「ふーん、貴方がゼロのルイズの使い魔の死ぬ寸前だった平民ね?お名前を伺っても宜しくて?」
ローチはしばらく黙り込んで喋りだす
「…ローチだ」
「ふふ、いい声ね 見れば体つきも筋肉質で素敵ね、燃え上がっちゃいそうだわ」
ルイズはむすっとして二人のやり取りを見つめる
「私は微熱のキュルケ、キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーよ
 以後お見知りおきを、ミスタ・ローチ」
ローチはやっぱりクソ長い名前だな、この世界の人間は皆こんなのか?
いや、シエスタは短くて覚えやすい名前だったな などと考えていた
「でもやっぱり使い魔にするならこんなのよね、おいでフレイム」
その一言でやたらと暑苦しそうな尻尾の燃えてるでかいトカゲが出てくる
日本のゲームで似たような感じのが出てたっけな
「それサラマンダー?!」
ルイズが驚いたように声を上げる
「そうよー、火トカゲよー、見てこの立派な尻尾!コレほど鮮やかで大きい炎の尻尾は間違いなく火竜山脈のサラマンダーよ!
 好事家に見せたら値段なんてつかないわ!」
火トカゲか、そのまんまだな、やっぱり進化するのか?
云々と考えているとフレイムがローチを見てバカにしたようにバフッと軽く炎を吐く
それを見てローチは少々イラッとしたのか一瞬目を瞑り
殺気を込めてフレイムをギッと睨む
(ぶち○すぞ、トカゲ野郎)
睨まれたフレイムがビクッと反応し一歩二歩と下がる
「あ、あれ?どうしたの?フレイム」
キュルケが挙動不審なフレイムを見て心配そうに話しかける
フレイムがそそくさと何か恐ろしいものから逃げるように歩いて、否 走っていく
「ま、待ちなさいよー!」
キュルケがそれを追いかけていく

「…ローチ何かした?」
「してないさ、走りたい気分だったんだろ」
「そう」
イマイチ納得しきれないルイズがどうせ無駄だと理解して話を切り上げる
ルイズが無言で歩く後ろをローチが堂々とした態度で一歩一歩廊下を踏みしめて歩く
ただ単に軍人として受けた行進訓練の癖なだけだが
急にローチがルイズに質問する
「微熱って?」
「二つ名よ、メイジには二つ名があるの、キュルケは微熱」
「ルイズはゼロか、どんな意味だ?」
「………」
「…悪い、言いたくないならいい」
「いいわよ、べつに」
どうやら食堂に着いたらしく内部からがやがやと声が聞こえる
「凄いな…」
「でしょう? トリステイン魔法学院で教えるのは魔法だけじゃないのよ」
まるでどこかの王室の食堂のようだ
「メイジはほぼ全員が貴族なの、『貴族は魔法をもってしてその精神となす』のモットーのもと、貴族たるべき教育を存分に受けるのよ。
だから食堂も、貴族の食卓にふさわしい物でなければならないのよ」
自慢げにルイズが食堂の自慢をする、別にルイズが建てたわけでもないのにNE
しかし自分の出身の自慢はしたいものである
「ところ俺はどこで食えばいい?」
「着いてきなさい、平民はこのアルヴィーズの食堂には入れないんだけど私の使い魔だから特別に許可するのよ」
言われた通りルイズに着いていく

「ここよ」
一つのテーブル前に辿り着きルイズが椅子に腰を下ろす
ローチもその隣に腰を下ろす
「そこは貴族の席よ、ローチは床」
「おいおいマジかよ 奴隷扱いか?」
しぶしぶと立ち上がりローチはぶつぶつと文句を言う
(あぁ、どんな不味い飯が出てくんのかな MRE(世界一不味いといわれるレーション)よりもマシだといいな)
ルイズが指差した床にあったのは申し訳程度に何かが浮いたスープと凄まじく硬そうなパンだ
「カロリー無さそうだ……」
ボソッとローチが感想を呟く
彼は兵士である、数日は食べなくても大丈夫なように訓練されているが食える時には食っておきたい
彼だって人間なのだ
ローチはしぶしぶスープを口に含む
「ん、美味いな 凄く美味い、MREと比べるなんてコックに失礼な事をしちまったな」
30秒とたたず極々少量の食事を胃に収めるとおもむろに立ち上がり
「うっし、ルイズ 俺は外で待っとくから用があったら呼びにきてくれ」
ルイズはそれを聞くと えっ、早… と呟いて歩いていくローチの後姿を見つめていた

廊下で腕を組んで足りない睡眠を壁にもたれながら仮眠で補っていると食事を終えたルイズがローチに声を掛ける
「ローチ!」
「ん、飯は食い終わったか?」
「えぇ、これから教室に行くからついて来て」
「俺が行く必要はあるのか?」
「まぁ…ね」
歯切れの悪いルイズの頭をおもむろにローチが撫でる
「な、何するのよ!」
「いい位置にあったからつい」
「ッー!行くわよ!!」
ルイズがプンスカと怒り足を踏み鳴らしながら歩いていく
ローチは妹を見るように暖かい目でルイズの後姿を見つめながらついて行く

そしてゴースト
「んぐっ、あぁーぁ…」
盛大なあくびと背伸び
「あ゛ーよく寝た!」
今ひとつ緊張感の足りないゴーストである
周りを見渡しスクッと立ち上がり一言
「うっし、ローチのケツを蹴飛ばしに行くか」
忘 れ て い な い

ローチサイド
「?!」
ローチが言い知れぬ不安に身震いする
そんなローチを知ってか知らずかルイズがローチに話しかける
「教室、着いたわよ」
その言葉にローチが反応し視線を上げる
ルイズがドアをくぐるとザワザワしていた教室が一瞬静かになりクスクスと笑い声が聞こえてくる
ローチがそれを見て多少の不快感を感じルイズの方を見るがルイズは何のそのといった風に無視し席に着く
ローチが凛とした軍人のようにルイズの隣に立ち胸を張りルイズにボソッと話しかける
「ルイズは強いんだな」
最初何を言っているのだと思っていたがルイズは周りの状況を理解し返事する
「別にいつもの事よ、ある程度は慣れたわ」
それっきりローチは黙り切り周りを観察する
(慣れるほどこの空気に晒されていたのか、クソッタレめ…ルイズの何が不満なんだガキ共)
見ればルイズやローチを指差すものやちらちらと見て来るもの
ローチに熱視線を向けてくるキュルケやら我関せずと本をずっと読んでいる青髪の少女など
色々な人間がいる、人間だけでなく珍妙奇天烈摩訶不思議な生物も沢山いる
ローチが目玉の変な物体に目をやっていると扉が開きややお年を召した女性が入ってくる
すると教室が静かになり笑い声も収まる
入ったとたん静かになった教室にご満悦した女性は微笑みながら
「皆さん。春の使い魔召喚は大成功のようですわね。このシュヴルーズ、
こうやって春の新学期に、様々な使い魔たちを見るのがとても楽しみなのですよ」
と、教室を一瞥しながら話す
ルイズと隣に立つローチを見ると「あらあら」と呟いて話を始める
「変わった使い魔を召喚したものですね。ミス・ヴァリエール」
貶すつもりなど1%も含まれない純粋な驚きの声を上げるシュヴルーズ
ルイズが少し俯く
そこに声質で言うなら少々下品と言うべきか可哀想と言うべきかという声が響く
「ゼロのルイズ!召喚が出来なかったからって変な格好の平民なんか連れてくるなよ!」
見るとやや太った少年がルイズに野次を飛ばす
それを聞いたルイズが流石に怒ったのか声を荒げる
「違うわ!きちんと召喚したもの!ローチが来ちゃっただけよ!」
「おいおい、嘘つくなよな!ゼロのルイズ!」
ローチは理解する、ゼロという二つ名は誇りに出来るものではない、バカにされているのだ
この太ったクソガキ、投げナイフの的にしてやろうか と思案しているとルイズが声を上げる
「ミセス・シュヴルーズ!侮辱されました!風邪っぴきのマリコルヌがわたしを侮辱したわ!」
それを聞いたマリコルヌ(マルコリヌの方が個人的には言い易いからよく間違える)も声を荒げ
「かぜっぴきだと! 風上だ! 風邪なんか引いてないぞ!!」
「あんたのガラガラ声は、まるで風邪でも引いているみたいなのよ!」
口喧嘩が始まった、殴り合いにはならないがどちらにしろ喧嘩だ
そこにシュヴルーズが割って入る
「ミス・ヴァリエール。ミスタ・マリコルヌ。みっともない口論はやめなさい。
お友達をゼロだのかぜっぴきだの呼んではいけません、わかりましたか?」
「ミセス・シュヴルーズ、僕の風邪っぴきはただの中傷ですが、ゼロのルイズは事実です」
マリコルヌがニヤニヤとしながらルイズを指差す
すると周りも何人かクスクスと笑い始める
瞬間シュヴルーズが杖を軽く振りマリコルヌと笑った生徒の口に粘土を詰め込む
「しばらくその姿で授業を受けて反省しなさい」

以後普通に授業が進みローチはそれを見ながら思う
(言語体系も違うな、文字が何書いてるのか皆目検討つかない)
先生が錬金という魔法で石ころを金色の物体に変える
どうやら真鍮らしい
(物質の原子を変化させるのか?!バカな!それに必要なエネルギーは天文学的数値に…云々)
「では実際に今やった錬金を誰かにやってもらいましょう!」
シュヴルーズが振り向きうーんと言いながら誰にしようかと見回し始める
「そうだわ、ミス・ヴァリエールにやってもらいましょう!」
いきなり静かだった教室がざわめき始める
「先生、ルイズにやらせるのは危険です」
キュルケがいきなり声を上げる
それに賛同するようにマリコルヌや生徒たちが頷く
「あら、どうしてですか?」
「ルイズを教えるのは初めてですよね?」
「ええ。あまり実技の成績が良くない事は存じていますが、非常に努力家である事も存じております。
 さあ、ミス・ヴァリエール、気にせずにやってごらんなさい。失敗は成功の母ですよ」
ルイズが決心したように立ち上がり教壇に歩き始める
「あぁ、あぁ、」
キュルケが変な声を上げる
「さぁ、ミス・ヴァリエール、この石ころを望む金属に変えてください、しっかりと変えたい金属を強くイメージするのですよ」
次の瞬間ルイズが杖を振り下ろす

閃光、轟音、衝撃、凄まじい爆発が起きた まるで手榴弾が爆発したようだ
「う、おぉ…」
咄嗟に机の後ろに隠れ対ブラスト姿勢になっていたローチが周りを見渡し驚く
阿鼻叫喚 使い魔達は教室を走り回り飛び回りガラスを突き破り他の使い魔に危害を加える
生徒は衝撃で吹き飛ばされたり自分と同じように机の後ろに隠れたり事前に教室から出ていたりした
「だから言ったのよ!危険だって!」
キュルケがルイズを指差す
「もうあいつを退学にしてくれ!」
生徒が叫ぶ
「俺のラッキーが! 蛇に食われた!」
使い魔を助けようとするものもいる

煤だらけになり服もボロボロのルイズがコホンと一つ咳をして
「ちょっと失敗したみたいね」
それを聞いた生徒たちが叫ぶ
「何がちょっとだ!いっつも失敗じゃねぇか!ゼロのルイズ!!」
「成功確立いつだってゼロじゃないか!」
ローチはゼロの意味を理解する
「俺のラッキーが! 蛇に食われた!」
さっき聞いた
ローチは一言呟いた
「なるほど…だからゼロか…」



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