あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの皇帝10

さて、場所をヴェストリ広場に戻して。
ジェラールとギーシュの(名目上は)決闘が終了し周りのギャラリーがドン引きしている中、
シルフィードに乗って上空で観戦していたルイズ、キュルケ、タバサの三人がジェラールに向かって
ゆっくりと降下してきた。その最中、やや緊張した表情でキュルケはルイズに話しかける。

「ねぇルイズ…彼、何者?素手でゴーレム破壊したり、太陽熱で溶かしたり、それにあの火の鳥…
どれ一つとっても人間技じゃないわよ」

その言葉を受けて、タバサも続く。

「戦いになると人間が変わるタイプ。一番危険」

しかし当のルイズはそれがどうしたと言わんばかりに言い放つ。

「どうだっていいわよ、そんな事」
「は?」「え?」
「確かにあんな魔法見たことないし、最後どうやってギーシュを叩きのめしたのか全く見えなかったわ。
でもそれがなんだって言うの?アイツはわたしの使い魔なのよ。使い魔を恐れる主なんていないでしょ。
それに使い魔の実力は召喚したメイジと同じ。つまり私にもあの位の力はあるはずなのよ!」

ルイズは優越感に浸っていた。今まで散々人のことを馬鹿にしてきた連中はさっきの決闘を見て
静まり返っている。それがとても心地良い。これで二度と自分のことを「ゼロ」のルイズと呼ばないはずだ。
もしそんなことを言ってルイズの逆鱗に触れたらあの使い魔にどんな目にあわせられるか…
なんという抑止力!
(そうよ、何かのきっかけがあればわたしも魔法が使えるようになるはずよ!あんなのを呼び出した
私が無力?いや、そんなことがあるわけが無い!うふ、うふふふふ…)

「あー、ルイズ?現実に引き戻して悪いんだけど」
「は、はい!?」

どうやら思わず声に出してしまっていたようだ。

「その妄想、あまりにもツッコミ所が多いから少し言っておくわよ」
「な、なによ?」
「まずその一。今回の決闘の理由はあなたの為じゃなくてあのシエスタってメイドの為でしょ?」
「ぐっ…!」

きゅるけのこうげき!るいずは53のだめーじをうけた!

「その二。彼があなたの言うことに対して忠実に対応するっていうのもちょっとねぇ…
少なくとも現時点では彼のほうが数段上の実力だし」
「がはっ…!」

きゅるけのこうげき!るいずは76のだめーじをうけた!

「最後。彼を召喚したとき、どんな目にあったか忘れたの?」
「…グロテスク」
「あべしっ!」

きゅるけのこうげき!つうこんのいちげき!るいずは255のだめーじをうけた!
たばさのこうげきがるいずのきゅうしょをちょくげき!るいずはいきたえた!



…とまあ冗談はこのぐらいにして。
何とか持ち直したルイズが顔を上げたちょうどその時、シルフィードが地面に到着した。
それを合図に、ルイズが話題を変えてこの空気から逃げ切ろうとする。

「と、とりあえずアイツに直接話を聞きましょ。もしかしたら私の言う事を聞いてくれるかもしれないし」
「あら、もしかしたらって、自分でも望み薄だと気付いてるわけ?」
「う、うるさいわね、行くわよ!ちょっとジェラ」

しかしジェラールに直接聞くことは出来なかった。なぜなら…乱入者が現れたからだ!

ジェラールも、ルイズたちがこちらに向かってきているのはもちろん気付いていた。その際、
どこまで誤魔化しが効くか、効くならどう誤魔化すか…そんなことばかり考えていて、後ろから
やってくる人物には無警戒だったため、いきなり背後から声をかけられたときに全くと
いっていいほど無防備に答えてしまった。

「さて、なんと言おうかな。とりあえず術に関しては「異世界から来たから」技に関しては「コサック兵だから
出来て当然」これで押し通すか。あの青髪の子…タバサは通用しないだろうけど…押しの一手だ。問題は
アバロンと皇帝、この二つをどうするか。どうしたものk」

乱入者登場!

「おい、パイ食わねぇか」
「はい?」

いきなり話しかけられ後ろを向くと、そこには…マルトーがいた。

「いやあ兄ちゃん!本当に貴族のガ…もとい子息に勝ったんだな、すげえぜ!さあ、そこでだ。
実はさっきの決闘で賭けをやっててな、厨房の連中で金を出し合って俺たちも貴族から金を
巻き上げたのよ!で、こういう金はパアっと使っちまうに限るという結論になってな、それなのに
肝心の兄ちゃんがいないっつーのはどうゆう訳だよ!」

マルトーの表情がおかしい。やけにテンションが高いところを見ると、決闘が始まる前から前祝いとか言って
ボトル二、三本飲んでいたに違いない。

「は、はあ。しかしすいませんが、ちょっと主人に説明しなければならないことがありまして…」
「なにぃ!デブはだめなのかよ!デブでヒゲはえてたらだめなのかよ!」

完全に酔っ払いだ。

「そういうわけじゃ…」
「なんだOKなのか!そんなもったいぶった言い方してるとモテんぞぉ!じゃじゃじゃあ!いきましょうか!」

そう言ってマルトーがジェラールを引きずっていく様を貴族三人娘は立ち尽くして見ていた。どこからか
「こりゃ拉致だよ!誘拐だよぉ!」とか聞こえたりしたのもジェラールの髪がものすごい天パに見えたのも
幻聴、幻覚だろう。

「…わたし、これからは平民にも優しく接することにするわ」
「奇遇ねルイズ、私も同じ事を考えていたところよ」
「…子いわく、酔人と小人は養い難しとなす……あれ、何か違う」

それからどのくらいの時間が経っただろうか。ジェラールはようやくルイズの部屋へと向かっていた。
足元はおぼつかなく、顔はほんのりと赤くなり息も少し荒い。これほど飲んだのは七英雄殲滅以来
ではないのだろうか。

「あー、飲んだ。飲みすぎた。しかし楽しかった…。久しぶりに騒いだぁ」

彼は退位してから殆ど他人とは酒を飲んではいない。それは自分の役目である七英雄討伐が終わった以上
表舞台に立つべきなのは帝国を支えていた姉であり、政治の才が無い自分が目立つことは帝国…いや
共和国にとってマイナスになるだろうとの判断から世間から姿を消し、ひっそりと暮らしていたためである。
ちなみにアバロンに戻ってきたのはこの世界に拉t…召喚される数週間前のことであり、それを
知っているのも議会の中で2,3人というぐらいである。

「今頃向こうの世界はどうなっているんだろうか…ふっ、俺がいなくなっても大して変わらない、か。
いまや物語の中だけの存在だしな。酒を飲むと感傷的になっていかんなぁ…」

そんな益体も無いことを考えている間に目的地に到着。が、最後に門番がいた。キュルケの使い魔
フレイムである。

「きゅるきゅる」
「おやこんばんわ。どうしたの、こんな時間に」
「きゅる、きゅ、きゅーるきゅる」
「ええっ、今からー。なんでまた?」
「きゅーう、きゅる…」
「飯抜き!それはキツいなぁ。分かった、行くよ」
「きゅるー!」

そう言ってジェラールはフレイムに連れられてキュルケの部屋へと向かっていった。なぜ会話ができるか?
そりゃアンタ、伝承法の力ですよ!

「ようやく来てくれたのね…女をじらすなんて、あまりイイことじゃないわよ…」
「い、いあいあ…じゃなくていやいや、どういう事?」

扉を開けると、そこは雪国…では無く、むしろ一夏のアバンチュールといった空気が立ち込めている。
そんな部屋の主キュルケの姿は、七英雄の紅一点にしてブラコン、ザ・テンプテーション、
アマゾネスの不倶戴天の敵、そう!ロックブーケを思い起こすには十分すぎるほど魅惑的だった。

「昼間の決闘、スゴかったわ…今はこんなにも紳士的なのにあの時はまるで野獣…ああ!そのギャップ
であなたはわたしの心に火を点けてしまったのよ。私の二つ名は「微熱」。でもあなたの炎が微熱を
情熱にまで変えてしまいそうになっているの!」
「あ、ああ…で、ナニをどうすればいいのかな…?」

説明しよう!いくら伝承法で何千年分の知識があろうとも、この手のことは実際に体験しなければ
どうにもならない!勿論テンプテーションの見切りなんざとうの昔に封印済み!そのためジェラールは
まごまごしている!

「恥ずかしい…女にそこまで言わせる気?でも、はしたないと思うかもしれないでしょうけど、この
カラダの火照りを静めてくれる人は、やっぱり私に火を点けたあなたしかいないの…」
「い、いやしかし隣が…」
「ああ、ルイズ?あんなのより、私の方が魅力的でしょ?それとも積極的なのはキ・ラ・イ?」
「そ、そうじゃなくて…」

ジェラールは焦っていた。客観的に考えればこの誘惑に身を任せても何の問題も無いだろう。こんな
若くてグラマラスな美人が向こうから誘ってきている!据え膳食わぬは男の恥!だがここで問題が二つ。
一つは彼の記憶。あまりにもロックブーケと雰囲気が似すぎているのだ。過去に彼女のテンプテーション
によって、♂オンリーパーティーが全滅したり、パーティーの仲間(アマゾネスやホーリーオーダー♀や
インペリアルガード♀など)から袋叩きにされた先達たちの記憶がこの誘いを押し止める。
もう一つはルイズの存在。一応ジェラールの主人となっている彼女に対する弁明というか言い訳というか
懺悔というか、とにかくそんなものをいくら持ち出してもルイズが決して許すわけが無い。
どうする?どうするジェラール!?


(うーん…残念ながらここは断るしかないか。しかし相手を納得させるだけの言い方をしないと…
とはいえ、これだけスタイル抜群で、しかも優しく、美人…どうすればいいだろうか?…お!そうだ!
彼女が悪いのではなく、俺の好みに合わないと言えば良いんだ!その上でルイズを選ぶような答え…
つまりキュルケとルイズが決定的に違うところ…よし!これでいこう!)

「キュルケ…すまないが君の誘いに乗る事はできない」
「えっ…どうして?」
「それは…私が貧乳好きだからさ!そう!あのルイズぐらい貧乳で、洗濯板で、平面で、メリハリがない
幼児体形が、ストライクゾーンど真ん中なんだよ!…ってアレ?」

そう言い切ってキュルケを見ると、先ほどの空気はどこへやら、ひたすら笑いを堪えている。しかも
後ろを指差しながら。そしてジェラールは左腕が無くなったかのような錯覚を覚えると同時に背後からの
強烈な殺気を感じ、コッペリアのようにギ、ギ、ギ、と首を後ろへと回す。

「もしかして、る・い・ず?」
「貴様に名乗る名前は無い!!」
「久しぶりだな、ジェラール…」

「おや、なんであなたが…ああ、決闘前に念のために自分にもリヴァイヴァかけておいたんだった…」

「この前会ったのは、最後に残しておいたダンダーグ戦以来か…懐かしい。し、か、し、だ」

「あれ?その目つき…」

「まさかこんな形で再び会おうとは…しかもあんな小娘にこのザマか…!ちょうどいい、久しぶりに
やってやろう。二度と死にたくなくなるほど、性根を叩きなおしてくれようぞ…!」

「え、ちょ、まっ…!」

「いくぞ!!暴走グライダー真アルぶちリヴァイヴァ!」

「一人五連携!?しかも殆ど同じ技じゃねーかあああぁぁぁ……」


翌朝、昨日の宴会の疲れも見せず早くから働いていたシエスタが、ルイズの部屋の窓からタロットカード
よろしく逆さづりにされているジェラールを目撃し、慌てて救出に向かうのだが、
それはまた、別の、お話。

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