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ゼロのルイズと魔物の勇者-01



タイジュの国――

青々と茂る巨木の枝の先に一匹のスライムがいた。
彼の名前はスラお。
かつて最強のモンスターマスター、テリーと共に星降りの大会を制し、クリオと共に様々な冒険を繰り広げてきた魔物である。

「暇だ・・・」
スラおはゆっくりと空を流れる雲を見上げながらそう嘆いた。
自分のマスターであるクリオが先日、自分の世界へと帰って行ってしまったからだ。
いつタイジュの国に戻ってくるかも分からないクリオが居なければ、冒険に出ることは出来ない。
生殺し状態である。
「クリオなんて置いてオイラ達だけで冒険に行っちまおうかな」
スラおには二匹の仲間がいる。
ゴールデンスライムのゴレムとエンゼルスライムのエルゼだ。
もちろん、この二匹の魔物の心境はスラおと同じで、今か今かとクリオの帰りを待ち望んでいる。
そんなことを考えながらスラおは牧場に戻ろうとした。

「何だこれ?旅の扉か?」
突如としてスラおの前に現れたのは、光る鏡のような物体。

この世界には旅の扉という、別の世界へ繋がる扉が存在する。
スラおは真っ先にその旅の扉を連想した。
しかし、スラおの知っている形とは違う。
「こいつもちゃんと別の世界に繋がってんのか?」
ほんの僅かな好奇心だった。
その不可思議な旅の扉に入るつもりはなく、ただそっと覗いてみただけ・・・

「うぉぉ!?す、吸い込まれる!」
その瞬間、スラおは光る鏡の中へと姿を消した。

――――――――――――――――――――――――――


目を開けるとそこにはタイジュの国と変わらない青空が広がっていた。
今日は絶好の冒険日和だ、などとのんきに考えていたがどうも様子がおかしい。

「何・・・これ?気持ち悪い・・・・」
自分を覗きこんでいる桃色の髪の少女は毒を吐いた。

「なッ・・・そいつはもしかしてオイラのことを言ってんのか?」
突然喋り出した青いゲル状の物体に少女を含め周りの人間たちは驚く。
「しゃ、喋れるの!?」
「あたりめぇだろ!」
無駄に声を張り上げる少女に対して、スラおも負けじと声を張り上げ言い返した。

「あなた・・・一体何者?」
少女は見たこともない喋るゲルに聞いた。
自分で呼び出しておいてあんまりである。
「オイラはスラお。純正のスライムだ。お前こそ誰なんだよ!」
スラおの問いかけに少女は軽く息を吸い込んで答える。
「私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。貴族よ」
相手が気持ちの悪いゲル状の生き物であっても、何度も失敗したサモン・サーヴァントが成功したことに浮かれ、ついフルネームを答えてしまう。
儀式を完了させるのに、またフルネームを言わなければならないのに。全くの二度手間である。

「なげぇ名前だな。ルイズでいいな」
「な、あんた貴族に対する礼儀がなってないわね!」
スラおのフランクな態度にルイズは怒る。
「そ、そんなもんどうだって良いじゃねぇかよ・・・・」
そんなルイズの態度に対して、今まで敬意という敬意をはらったことのないスラおは素直に戸惑う。

「流石ゼロのルイズだぜ!とても強い使い魔には見えないな!」
「俺、前に錬金失敗してあんなの作っちゃったことあるぜ」
ルイズとスラおがグダグダしていると周りを取り囲む人間からルイズを蔑む声があがる。
それを聞いてルイズは唇をかみしめる。
おそらくここで使い魔召喚の担当であるミスタ・コルベールに召喚のやり直しを頼み込んでも無駄だろう。
断られるだけの理由はそろっている。
それをルイズは悟った。だからこそ何も言えない。

しかし、野次馬の声に黙ってはいられないスライムが一匹。
「おい、お前ら・・・そいつはオイラを馬鹿にしてるってことか?」
スラおは凄む。しかしそれでも生徒たちの馬鹿にした笑いは収まらない。
「オイラはマスターなしでこの世界に来たんだ。それはもう野生のモンスターみてぇなもんだ」
スラおは戦闘態勢に入る。
体から湧き出る魔力。その小さくシンプルな姿からは想像もできないほどの力。
「だったら人間に気を使う必要もねぇよなぁ?」
流石の生徒達もその魔力に気付く。
その力を真っ先に察知したのはタバサであった。次にキュルケ。
「ベギラマァ!!」
スラおが呪文を唱え、それと同時に閃光が走る。
生徒達はその熱に悶え苦しむ・・・はずだった。

ベギラマはコルベールの火の魔法により相殺された。
「ミス・ヴァリエール!契約を早く!」
コントラクト・サーヴァントさえ終えてしまえば正式にルイズの使い魔となり大人しくなると考えたのか、コルベールは叫ぶ。
ルイズは一瞬躊躇したものの、このスラおとかいう魔物が魔法を使えることを知り、その自信は少し回復しつつあった。
それ故にルイズのとる行動は一つ。

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
そしてルイズはキスをする。
青色の塊には幸い顔が付いている。口の場所もすぐに分かった。

突然顔の位置まで持ち上げられ、キスをされたスラおは目を丸くした。
たいあたりでぶっ飛ばそうとしたが、体中が痛みそれができない。
スラおの背中には見たこともない文字が浮かぶ。
しかし、文字はまるで水で溶けたインクのように滲み、消えていった。

「いててててて!!!」
強い痛みのせいか、スラおは気絶した。
「今のルーンは・・・」
コルベールは一瞬だけ浮かび上がったルーンに対して過剰な反応を見せる。

「全く、ルイズったらおかしな使い魔を召喚して・・・でも、なんだか面白くなりそうね」
キュルケが親友であるタバサにそう言うと、タバサは何も言わずにうなずいた。



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