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ハルケギニアの騎士テッカマンゼロ-1


また、失敗してしまった。
これで何回目だろう。数えるのも嫌になってきた。
にっくきツェルプストーも使い魔の召喚に成功している。それもサラマンダー、見るからに立派な大物だ。
私はずっと頑張っているが、爆発が起きるばかりで何も出てこない。
教師のミスタ・コルベールはさっきから頻繁に時間を確認している。もしもこのまま何も召喚できなかったら、どうなるんだろう。
また、馬鹿にされるのは間違いない。いや、ひょっとしたら留年かもしれない。
そんなことになれば、まさに名門ヴァリエール家の恥さらしだ。
私は次に全てをかけるつもりで願いを込めて、召喚の呪文を叫んだ。

「宇宙の果てのどこかにいる私のしもべよ! 神聖で、美しく、そして強力な使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ! 
わが導きに、応えなさい!」
またも爆発。
しかし、今度は若干様子が違った。
煙の向こう側に何かがあった。校舎をも飲み込むような、巨大な何かが。

ミスタ・コルベールも他の生徒たちも驚いて後ろに下がったけど、私は下がらなかった。
今度こそ、やっとのことで召喚できたのだ。この際、それが何でも構わない。
契約しようと一歩足を踏み出す。ツェルプストーが戻るように叫んでいたけど、私は無視した。

  けど、それは大きな過ち。悪夢の始まりだった。

煙の向こうから化け物が飛び出した。人一人すっぽり入るような大きさの、まるで植物のような何か。
それは私を見つけると、巨大な口を広げた。その中央の不気味な一つ目が睨みつけてくるようで、身動き一つ取れなかった。
そして、私は飲み込まれた。

化け物の中で私は見た。
ファイヤーボールを放っても何の効果もなく、為す術もなく私と同じように取り込まれてしまったツェルプストー。
先ほど召喚したばかりの使い魔で逃げようとしたけど、叩き落され、飲み込まれたタバサ。
ミスタ・コルベールは杖を振って抵抗していたけど、結局は力尽きて捕まってしまった。
ギーシュやモンモランシー、マリコルヌ、それに他の生徒たちも誰も逃げ切れなかった。
この化け物はそれに飽き足らず、校舎のほうまで襲い掛かった。
窓を突き破った触手が生徒や教師、メイジや平民何もかも関係なく全てを飲み込んでいく。

捉えられた私たちはこの化け物のの中で胎児のように丸まった姿勢で、少しずつ身体を変えられていった。
同時に頭の中に、さまざまな知識が入ってくる。

こいつらの名前はラダム。
私が召喚し、私たちを取り込んだものはテックシステムといい、私たちをテッカマンへ改造して、侵略の手先とするのが目的だった。
テックシステムは体質的に合う者と合わない者がいる。
体質に合わないものは排除され、死に至る。
生き残った私たちは、ラダムの知識や本能を植えつけられていった。
テッカマンとして、ラダムの優秀な戦士とするために。
ラダムはそうやって、さまざまな星を侵略してきた。

なんてものを召喚してしまったんだろう。幾度も後悔したけど、もうどうにもならなかった。

どれだけの時が経ったのだろう。
私の身体が完全にテッカマンとなってしまったとき、ミスタ・コルベールがテックシステムから解放された。
いや、排除されたのだった。
彼は苦しみながらも、自らが使っていた杖を見つけ、そこへと走る。
自分の杖を拾い上げた彼は最期の力を振り絞って、私が取り込まれているテックシステムを壊した。

「ミス・ヴァリエール、無事ですか」
彼は私を助け起こし、テックシステムから少しでも遠のくようにと、肩を貸して連れて行く。
「私には分かります。あなたはまだ、ラダムに支配されていません」
そういって彼は杖を振るった。身動きできないままの私の身体が、宙に浮く。
「ミスタ・コルベール! 何をするつもりですか!?」
「これからあなたは、ラダムに支配されたミス・ツェルプストーたちと戦うのです」
「そんな!」
「彼らはもはや、あなたの学友でも教師でもありません。彼らは、ハルケギニア侵略を狙う、らダムの尖兵なのです。
戦ってください、ミス・ヴァリエール。もはやあなただけが、われわれに残された希望なのです」
そう言い残し
ミスタ・コルベールの身体がラダムの液体に飲み込まれていく。
「ミスタ・コルベール!」
完全に飲み込まれてしまっても彼の意志の強さを表すかのごとく、レビテーションは解けなかった。
そのまま、私はいずこかへと運ばれていった。

気がつくと私は、どこかの森に横になっていた。
目を覚ましたとき、すでに外の世界では何ヶ月も経っていたようだ。
状況は分からないけど、そこかしこにラダム樹が生えているのを見れば、大体予想がつく。
きっと、ラダムの侵略が始まっていたのだ。ラダム獣の強固な外殻には、剣も並の魔法も通用しないだろう。

何とか状況を把握しようと、町へ出ようとしたところでギーシュに見つかった。
彼は非行型のラダム獣に乗って、私を見下ろしている。
何も変わらなかった。キザな口調も、バラを持ち歩いているところも全く変わらない。
しかし、もはや以前の彼ではなかった。完全にラダムに洗脳されている。
多数のラダム獣を引き連れ、人々を襲うギーシュはもはや、ラダムの尖兵、テッカマンダガーなのだ。

私はクリスタルを掲げる。
「テックセッター!」
クリスタルが輝き、システムボックスとなって身体を包む。
身体の表面に強固な外殻が形成される。これが、素体だ。
さらに光=物質変換装置によって更なる外装や武器が装備される。
これで私の身体は人ならざるもの、ラダムの生体兵器、テッカマンへと変貌を遂げたのだ。
肩からテッカマンの専用装備、テックランサーが飛び出す。
私はそれを握り締め、叫んだ。
「テッカマンゼロ!」


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