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マジシャン ザ ルイズ 十話

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マジシャン ザ ルイズ (10)土くれのゴーレム

「へへへっ、おでれーた、相棒も気障なところがあるんじゃねぇか」
「無駄口だ、デルフリンガー。まずは時間を稼ぐぞ」
「あいよ!分かってると思うが、左手の剣は信用するんじゃねぇぞ!飾りもんは飾りもんだ!」

メイジ対ゴーレムの戦いが始まる。

ウルザは素早くゴーレムの足元まで潜り込むと、右手のデルフリンガーを払い右足を攻撃する。
その一撃が土くれのゴーレムの一部を破壊する、一方、ゴーレムも反撃を忘れない。

ズゥゥゥン!

飛びのき、その一撃を回避するが、攻撃の衝撃で跳ね上げられた土や石がウルザを襲う。
それらの中で、比較的危険なものを選び、左手の剣を器用に扱いそらしていく。
しかし、全てを防ぎきれる訳ではない、ダメージは確実に蓄積してく。
加えて、
「……再生か」
先ほど攻撃を加えて破壊したゴーレムの足が、地面から土を吸い上げるようにして再生してしまったのだ。


「ちょっと!おじさまがっ!ねぇ!おじさまは大丈夫なのルイズ!」
「知らないわよっ!自分から時間を稼ぐって言ったんだもん!」
タバサの使い魔シルフィードに回収されたルイズと、その先客キュルケである。
「タバサッ!おじさまに加勢をするわよっ!」
「……ゴーレムが暴れて近寄れない」


逃げ回りながら二度、三度と同じことを繰り返す。
攻撃を加えた箇所の再生は瞬時に行われているわけではない為、攻撃して暫くは動きが鈍る。
しかし、反撃でのダメージは蓄積していく、流れを変える一手が必要であった。
「おい、相棒!こんな戦い方続けてたら、おめぇ死んじまうぞ!」
「……何、伊達に長生きはしていないさ」

ゴーレムの横なぎの一撃。
スレスレで回避しながらデルフリンガーによる攻撃。
――再生
「おめえメイジだろ!どえれえ魔法の一撃で吹き飛ばせばいいじゃねぇか!」
「何事にも準備が必要なのだ、それに、ここはマナの集まりが悪くてね、デルフリンガー」


「おじさま押されてるじゃない!援護するわよっ!やって頂戴!タバサっ!」
「無理」
「無理でもやるのっ!」


ゴーレムの攻撃を凌ぎながら、何とか時間を稼ぎ、必要なマナを確保することが出来た。
しかし、今度は召喚するタイミングが無い。
ゴーレムの主も、こちらが力を溜めていることを見抜いていたのだろう。
先ほどまで乱雑に攻撃を仕掛けていただけだったゴーレムが、今は隙を見計らっているのが分かる。
「不味いんじゃねぇの?相棒?」
「こんな大物を相手にすると分かっていたなら、事前に準備をしてきたのだがね。今のこちらで使える手札はこれ一つしかない」
「メイジってのもてーへんだな」

この時、上空から勢い良く飛来する一つの影、シルフィード。
シルフィードはゴーレムの眼前を横切り、遅れて反応して叩き落とそうとするそれの背後に回りこんだ。
「氷の…矢…」
「フレイム・ボール!」
二人による背面からの攻撃が炸裂する。
背面からの奇襲にバランスを崩したゴーレムが前のめりにつんのめる。

「…今こそ好機っ………サモン!」
空間が歪み、召喚されるモノ。


「やったわ!流石タバサっ!持つべき者は友達ね!おじさまのお役に立てたわ!」
「……ギーシュの時と同じ」
見ると、ウルザは隙を突いて距離を取り、何かを召喚していた。
「あ、あれって!最近ずっと作ってたやつじゃない!」

「ふぅ……」
ウルザの前には、犬くらいの大きさの鉄の獣が召喚されていた。
一見するとライオンのようにも見える。
しかし、尻尾が蠍であることや、口の中に何重にも歯があることなど、微妙に違う。特に特徴的なのは口の中に筒のようなものを咥えてることである。
「おい相棒、こりゃあ…マンティコアか?それにしては何か違わねぇか?小さいしよ、羽もねーぞ」
「物知りだなデルフリンガー、確かにこれはマンティコアが元になっている。
 大きさに関しては、所詮は急造品、設備も無しではこのサイズが限度だ」
「ああん?何言ってんだ相棒?」

「グルルルルルル」
犬程度の大きさの鉄の獣は獰猛に唸り声を上げ、向かってきたゴーレムに飛び掛った。
ゴーレムは飛び掛かる獣を振り払おうとするが、その素早さに苦戦しているようだ。
そうしているうちに、獣がゴーレムに噛み付き、爪を立て、引きちぎり、また口の中の筒を飛ばして攻撃を開始した。

「アレはアーティファクト・クリーチャーと呼ばれるものだ。分かりやすく言えば魔法と無機物を融合させて作られた怪物と言えば分かり易いか?ある意味ではお前の親戚のようなものだ」
「おいおい、よしてくれよ。俺があんなのと親戚なんて、ぞっとしねぇ話だぜ
 …けどよ、相棒。あいつがそのアーティファクト何とかってのは分かった。
 それでも、あのゴーレムとの体格差じゃ勝負になんねぇんじゃねえか?それに、あの再生能力は厄介だぜ?」
「…まあ、見ていたまえ」

遂、にゴーレムの拳が素早く動き回る目標を捕らえた。
殴り飛ばされ、吹き飛ばされる鉄の獣。
更に、その鉄の獣にゴーレムが近づき、今度は踏み潰してしまったのだった。

「おいおい、口ほどにもねぇじゃねえかよ」
「まだだ」

目の前の邪魔者を排除したゴーレムが足を上げ、再びウルザを標的にした時であった。
「グルルルルルル」
踏み潰され、破壊されたはずのそれが反撃してきたのは。
ゴーレムは、今度は獣の体を掴み、地面に叩きつける。
そして、その拳を何度も振り下ろす。
しかし…

「グルルルルル」
鉄の獣は倒れないのであった。
何度踏まれ、殴られ、叩き潰されても、それは地に伏せるだけ、決して動くことをやめようとはしなかった。

「おでれーた、おでれーた、随分と頑丈じゃねぇか、あいつ」
「原理はあのゴーレムと同じだ、再生しているに過ぎんよ」
「へー、そいつはおでれーた…って、相棒、具合でも悪いのかよ、随分と汗かいてるけどよ」
「……思ったよりも再生にかかる負荷が大きい。このまま防ぎ続けることなら可能だが、ゴーレムの主を見つけて捕まえるのは難しいな」


鉄の獣にかまける事が無駄な労力だと気付いたのか、ゴーレムがウルザ本人を目標に変える。
しかし、動き回るウルザと、その間に的確に割り込んでくる鉄の獣。
ゴーレムの主も、この局面を打開する方法を計りかねているようであった。


                          土はどこにでもある。そう、あなたの足元にも。
                                ―――土くれ魔道師 フーケ


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