あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの破壊者

召喚されたのは、煤汚れた2つの鉄くずだった。

何らかの魔法がかけられているようではあったが、少なくとも"生き物"ではない。
異例の事態であったため、判断は保留。本来は使い魔召喚の儀が完了しなければ足切りされるものなのだが、
学院長の判断を仰ぐ、という形でうやむやになった。
周囲の視線から避けるように自室へと戻ったルイズは、召喚されたガラクタを力任せに床に叩きつけると、
声にならない声をあげながら泣き叫び続けるのだった。


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それは現実味のない"夢"だった。

ここでない場所、今でない時。
そこでくりひろげられる、戦い。

『お前は誰だ』

繰り返される問いかけ。

『俺か?俺は、通りすがりの――』


目が覚めると、朝だった。
どうやらそのままずっと眠ってしまっていたらしい。
襲ってくる空腹に気だるげに身を起こすと、床には昨日投げ捨てた"それ"が転がっているのが目に留まった。
煤汚れていたはずのそれは、窓からもれる朝日を、白い光沢の表面と中央の赤い輝石で反射させて輝いていた。



「君の軽率な行いのせいで、可憐なるレディを傷つけてしまった。それは理解できるかな?」

人だかりが出来ていた。
なんでも、二股がバレたギーシュがメイドに八つ当たりしているらしい。
人ごみを掻き分けて前に出たルイズは顔をしかめた。

「やめなさい。下品にもほどが有るわ」

ギーシュは悪趣味なフリル付きの服をしならせ、手にした薔薇の花を突きつける。
「物の道理というやつを、愚鈍な平民に諭していたところだ」、と。

ギーシュにとって不運だったのは、そのメイドがルイズの"お気に入り"だったということであろうか。

「あんたのそれは、ただの言いがかり。道理もなにもない、駄々こねてわめいてる赤ん坊と同じよ。
 気分が悪いからいいかげんやめて。あなたは罪のない平民に嫌がらせをすることで、トリステイン全ての
 貴族の誇りを汚しているのよ。今すぐモンモランシー達とシエスタと、ここにいるすべてのみんなに謝罪しなさい」


だが彼は、赤ん坊と同じ、ではなかった。不幸なことに彼は、正真正銘の赤ん坊だったのだ。

「決闘だ!!」

そういうことになった。



決着は一瞬だった。

『アタックライド!ブルァァァスト!!』(※若本ボイスでお楽しみ下さい)

ガンモードへとその形状を変えたライドブッカーから射出される弾丸は、クラインの壷から生み出される
無尽蔵の50口径エナジー弾。
原型を留めぬほどに粉砕されたゴーレムを目の当たりにして茫然自失のギーシュに、空間を破砕して
唐突に出現したマシンディケイダーが突撃し、全く見せ場のないまま決闘は終わった。


その後ルイズは、学院長と交渉してシエスタをヴァリエール家専属とし、以後誰も彼女にちょっかいをかける者は
いなくなった。
その日のうちにルイズの個室にはベッドとクローゼットが運び込まれた。シエスタは後にこのことを振り返り、
"クックベリーパイの奇跡"と家族に語ったという。


使い魔が得られなかったルイズはこの思わぬ同居人に顔を緩ませ、トリステインの城下町まで買い物にさそう。
2つ返事で了解したシエスタと虚無の休日を満喫し、途中乱入したキュルケ、タバサとともに風竜に乗って帰還した
ルイズを待っていたのは、30メートルを超える巨体の土のゴーレムだった。


翌朝、4人に徴集がかけられた。
ルイズは目の下にくまを作ってフラフラと揺れて立っていた。昨日城下町のゴミ捨て場で拾った喋る剣のせいで
寝不足だったのだ。
目撃したゴーレムについて話をしていると、ミス・ロングビルがあわただしく駆け込んでくる。

「フーケの潜伏先を発見しました」



馬車に揺られながら眠りこけるルイズ。
鎖でぐるぐる巻きにされたデルフを抱えて寄り添うシエスタ。
黙々と本を読むタバサ。
無意味にハイテンションなキュルケ。
御者をしながら我関せずのロングビル。

やがて一行は森の前の小屋に到着した。


目を覚ましたルイズは、警戒もせずずかずかと小屋に歩み寄り、中へと入っていく。
あっけに取られて固まっていた4人は、あわててあとを追った。

「これが『破壊の杖』?」

ルイズは苦笑した。

「とても杖には見えないわねぇ」

「・・・・・・ユニーク」

「あれ?ミス・ロングビルは?」

シエスタのつぶやきと被るように、轟音とともに小屋が倒壊した。



      ・ ・
ルイズはキレていた。

シエスタがぐったりとしたまま動かない。
必死に魔法を撃ちながら後退するキュルケとタバサ。
しかし、騒ぎで馬が逃げ出していた為、逃走手段がない。
風竜が助けに飛んできたのだが、ゴーレムの動きが激しく近づけないでいる。

      ・ ・
ルイズはキレていた。

         ・ ・
ルイズはぶちキレていた。

『破壊の杖』に『カード』をセットしてゆらりと立ち上がると、タバサに向けて引き金を引いた。
抗議の怒鳴り声をあげるキュルケにも、問答無用で引き金を引く。
風竜をあしらったゴーレムが、ルイズ達に向かって振り向いた。


フーケは口元を醜悪にゆがめて哂っていた。恐怖のあまり狂ったか、と。
『破壊の杖』の形状から、使い方には想像がついていた。
だが、いくら引き金を引いても何も起こらなかった。
その疑問もどうやら解消したようである。
フーケは哂っていた。自分のゴーレムが崩れ去るその瞬間まで。


そのゴーレムの左肩は高熱で溶け出し、足は地面と融解していた。右半身は無数の氷の槍にで砕かれて散った。
あっけない結末。
フーケのゴーレムは再生不可能なまでに破壊されていた。



『疾風のサヴァイヴ』と『烈火のサヴァイヴ』

それが、ルイズが二人に撃ち込んだものの正体だった。
ただ大きいだけのゴーレムは、短時間ながらスクウェアクラスの力を発揮した二人の敵ではなかった。
わめき散らして文句を並べ立てるキュルケを完全に無視して、ルイズはシエスタを介抱していた。
タバサが黙ってそれに従い、治療を施している。
キュルケが怒鳴り疲れる頃、ロングビルが戻ってきた。
どうやって倒したのか、不自然なまでに執拗に聞いてくる。
ルイズは顔を顰めながら『破壊の杖』にカードを1枚セットし、ロングビルに渡した。
後ずさり、飛びのいて杖を構えるロングビル、いや、土くれのフーケ。
銃口を自身に向けると、ためらいも無く引き金を引いた。

「ふんふんふんふふ~~ん。答えは聞いてない!」

パニックを起こし、そのまま続けて引き金を引いたフーケは、胸を真っ赤な血に染めて事切れた。
彼女の最後の言葉は、哀れにも多くの人の知るところとなる。


学院に戻り、報告を果たした4人。
ルイズとキュルケにはシュバリエの称号が、タバサには精霊勲章が授与されるよう、取り図らわれた。
また、『破壊の杖』は宝物庫に戻されることなく、ルイズに管理が委ねられた。


フーケ討伐の報は、翌日には王宮にまで届いていた。
これ幸いと学院を訪問し、こっそりとルイズに会いに来たアンリエッタは、アルビオンへの潜入任務を持ちかける。
ルイズは二つ返事で引き受けると、親書と指輪を預かった。



『ファイナルフォームライド!リュリュリュリュウキ!!』

ルイズは面倒ごと(ギーシュ)を避ける為に、アンリエッタが帰った直後にアルビオンへ出発した。
毛布にくるまり、ドラグレッダーの背でシエスタと交代で仮眠をとる。
明け方にはラ・ロシェールの町並みが見えていた。


三日後でないとアルビオンに渡る便が出ない。それは極めて深刻な問題だった。

ルイズは脱力していた。だが、何日も足止めをくらうつもりもなかった。
ウェールズ皇太子がニューカッスルに陣を構えているというのは既に小耳に挟んでいた。
ディエンドライバーに『ナイト』をセットしてシエスタを撃つ。自分はディケイドライバーで『リュウキ』に。
かくして二人はミラーワールドを通って堂々とアルビオンに渡り、襲撃も場内の警戒も無視して、
陽が傾く頃にはウェールズの部屋に忍び込むことに成功した。


「華々しく散る」

そう言ってウェールズは笑った。
ルイズはそこにかつての自分を見た。
もし自分がディケイドライバーを手にすることがなければ、それにまつわる戦いの記憶に触れること
がなければ、どうなっていただろう。
きっと貴族の誇りの為にフーケに挑み、無様な屍を晒していたに違いない。
今すぐにでもこのバカを昏倒させて、アンリエッタのおみやげにするのは簡単だ。だが、ルイズもまた
"貴族"であった。
自国を危険に晒してまで個人の感傷を通すわけにはいかない。悩むルイズの心をさらにかき乱したのは、
使者としてやってきたワルドであった。


彼は謁見を申し出ると、人払いを申し出た。自室にワルドを招くウェールズ。
表向きいないことになっているルイズとシエスタは、ずっと隠れたままだった。
思いがけない人物との再会に気を緩め、姿を見せようとするルイズ。だが、その好意は無残な形で
裏切られる。ワルドの風がウェールズを貫いたのだ。


ウェールズにすがるシエスタ。睨み付けるルイズ。
一瞬愕然としたワルドだったが、すぐに余裕の笑みを浮かべる。ディエンドライバーの銃口を突きつけるルイズ
を前に、4体の偏在を生み出して取り囲んだ。

ワルドは微塵も慌てていなかった。小娘二人、始末するのは造作もないと思っていた。
だから、ウェールズがワルドを伴って部屋に入って来たとき、念のために、とカードをセットした状態で隠れ
ていたことも知らなかった。まあ、知っていてもそれが何なのか、彼は知らなかったのだが。

『カメンライド!ディケーィド!!』

腕を横なぎに振るい、サイドハンドルが押し込まれると、風の攻撃魔法を吹き飛ばし、
"仮面ライダー"がハルケギニアに降臨した。

『アタックライド!イリュージョン!!』

現れた4体の分身に、ワルドの偏在は驚愕する暇もなく切り捨てられた。
狭い室内である。確かに個室としては破格の広さではあるが、それでも回避できる空間の余裕がなかった。
残ったワルドの本体も、反撃も回避すら許されずひれ伏した。かませ犬退場の瞬間であった。

『アタックライド!タイムベント!!』

ウェールズを蘇生したルイズは、レコン・キスタ5万の軍勢の前に立っていた。
ゾルダを召喚し、エンドオブワールドで先制攻撃。その後も様々な仮面ライダーを召喚してたった一人で戦っていた。
交錯するドラグレッダーの火球と竜騎士の魔法。
ウェールズは奇襲にあわてて軍を編成していたが、まだ出撃には数分かかるだろう。
ルイズはその前に決めるつもりだった。

手にしたのは無銘のカード。

「覚えておきなさい!その目に焼き付けなさい!私が!この世界の!仮面ライダーよ!!」
                                ・ ・
虹色の光とともに描かれたのは、自身が最もよく知る戦士

『カメンライド!ルイズ!!』
    ・ ・ ・
それは変身前の姿と同じ。
          ヒロイック・サーガ
『アタックライド!英雄の歌!』
                   ・ ・
それは自分自身のもうひとつの仮面

『カメンライド!サン!!ナノーハ!!コトノハ!!シタターレ!!ルフィ!!オーフェン!!アドバーグ!!』
                                    ・ ・
暴食する"可能性"の使い魔。得られなかった自分とは違う自分が共に在ったはずのものたち。そして――

『――ゼットン!!』
       ・ ・ ・ ・
自分以外のこの世界の仮面ライダー。

「終わりにしましょうか。オリバー・クロムウェル」

『ファイナルアタックライド!!ルルルルイズゥ!!』

「エクスプロォォォォォオジョン!!!」


その日、ハルケギニアに"ゼロの破壊者"が降臨した。


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