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堕天召喚録カイジ 第9話


第九話「決着」


「痛っ……!」

全身に走る痛みに、カイジは目を覚ました。気がつけば、自分はルイズのベッドに寝ているのだった。
体には包帯が巻かれている。ギーシュの繰り出したゴーレム『ワルキューレ』にぼこぼこに殴られた怪我は、思いのほか重傷であったようだ。

「あら、起きたの。まだ傷は痛む、カイジ?」
「あ、ああ……」
「あんた、死ぬ寸前だったのよ……よく命が助かったものだわ。そうそう、何か食べる? あのメイドが食事を作って持ってきてくれたけど……」
「いや……今はいい」

カイジはギーシュとの決闘を思い出していた。7体もの青銅のゴーレム……我ながらよく生きていたものだと思う。
痛む体をカイジはゆっくりと起こした。ちらちらとカイジを気にしながら、気もそぞろな様子で編み物?らしきものをするルイズに顔を向ける。

「何か聞きたいって面だな……」
「え、ええ。そうね……教えて欲しいわ。あんたが、どうやってギーシュのカードを当てることが出来たのか……
 まさか、本当に未来が予知できるとか、相手の心が読めたりするの……?」

「ククク……まさかっ……!
 予言はブラフ……目くらましっ……! イカサマに気づかせないための方便っ……!
 俺のやったことは単純……明快……! ただカードを覗かせて貰っただけさ……
 協力者の力を借りてな……」
「なにぃっ……! ありえないっ……! 不可能……どう考えても不可能ざんす……!
 ギーシュは覗かれるのを恐れて、相当注意をしていたはずっ……! それを覗くなんて不可能っ……!
 断言するっ……! カードを見ていたのはギーシュだけ……!」

ルイズの言葉にカイジは首を振る。

「違うな。あそこにはもう一人いたのさ……熱心にカードを見つめるギーシュのほかに、目撃者がっ……!」


遡ってギーシュとカイジの決闘の場面。
ギーシュは追い詰められていたっ……! 手持ちのカードは『平民』と『皇帝』っ……!
次で勝負が決まるっ……!

ざわ…… ざわ……

「おい……ギーシュの奴、三回続けて『平民』のカードを出したぜ……」
「こ、これで次、『皇帝』のカードを出して負けたら……」
「あ、あの使い魔の予言どおりっ……!」

ざわ…… ざわ……

(ククク……こうまで目くらましの予言に踊ってくれるとはなっ……!
 ギーシュっ……! お前は逃げた……勝負からっ……!
 そもそも、『皇帝』を出すなら早いほうがいいのは当然っ……! 遅れるごとに勝つ確率は下がるんだから……!
 『平民』を出せば負けないが、それはいわば保留っ……! 引き伸ばしに過ぎない……
 結果がこれっ……! ククク……いつの間にか確率は二分の一……!
 追い込んだのは、お前の臆病さ、それ自身だっ……!)

「ぐっ……! ぐっ……! ぐっ……!」

ギーシュは震えながら『皇帝』を選択っ……! カイジが『平民』を出せば勝利っ……! ギーシュの勝ちっ……!

(頼むっ……! 頼むっ……! きて、来てくれえ~っ……!)

ボロ…… ボロ……

涙を零すギーシュ。これに負けたら死っ……! 死ぬのだっ……! 平民ごときにハンデを付けられて負けるっ……!
カイジも自分のカードを伏せ、ギーシュは震える手でカードを開くっ……!

「『皇帝』っ……! ギーシュは『皇帝』のカードだっ……!」
「つ、使い魔が『奴隷』なら、使い魔の勝ちだっ……!」

ざわ…… ざわ……

「ククク……いったろう、ギーシュ・ド・グラモンっ……!
 『奴隷』は……『皇帝』を刺すっ……!」

カイジのカードは『奴隷』っ……! ギーシュの敗北っ……! この瞬間に決定っ……!

ぐにゃ~

「夢……! これは夢だ……ありえないっ……! うそでしょ……ねぇ……」
「ところがどっこい、夢ではありませんっ……!
 ギーシュくんはアウツっ……! 決闘は俺の勝ちっ……!」

途端に沸き起こる拍手……! 喝采……!

パチ パチ パチ パチ

「congraturation! congraturation! 」
「おめでとう……! おめでとう……!」

カイジを包む祝福っ……! カイジ、幸福の瞬間っ……!
と、ギーシュの大声が響いた。

「ばかなっ……! ありえないっ……! これはイカサマ……! インチキっ……!」
「ククク……何を証拠に吼えるっ……! 負け犬がっ……!」
「インチキ……! インチキ……! 無効っ……! やはり決闘なら、僕はワルキューレを使うっ……!
 だって、メイジだものっ……! 貴族が魔法を使うのは当然っ……!」

ギーシュが杖を振ると、青銅のゴーレムが七体現れた。
ワルキューレはカイジを囲んでボコボコに殴り始めるっ……! リンチ……! フルボッコっ……!

「がっ……! ぐはっ……! きたねぇぞっ……! 負けたからってっ……!」
「うるさいっ……! カカカ……貴様が死ねば全て解決っ……! 死ねっ……死ねっ……死ねっ……!」

「ちょっと、やめなさいよ、ギーシュっ……!」

必死で叫ぶルイズの声にも、ギーシュは耳を貸さない。既にその顔は恍惚っ……!

「カカカ……ククク……! きぃっ……! きぃっ……! 死ねっ……! カイジっ……!」

カイジの意識の糸が途切れたのと、ギーシュのゴーレムが音を立てて潰れたのが同時だった。
そこにいたのは、オールド・オスマンっ……!

「ミスタ・グラモンっ……! コココ……! それまでじゃっ……!
 全て見させてもらったっ……! たとえカードであれ、決闘は決闘っ……!
 そして、敗北は敗北っ……!」

「そ、そんなっ……! た、助けてっ……! だずげでっ……!」

オスマンの言葉に、ガクガクと震えながら涙を流すギーシュっ……!
老人はニヤリと狂気の笑みを浮かべたっ……!

「ククク……とはいえ、命を奪うのはちと極端っ……!
 そこで、君をわしの地下遊技場に案内しようっ……!」

さっと、ギャラリーの空気が変わるっ……! 老人の作った狂気の遊技場っ……!
生きては出られぬ闇のゲームの数々っ……!

「楽しいぞっ……闇のゲームがゴロゴロっ……!
 ひょっとしたら、生きて出られるやもしれん……! カカカ……!
 おいっ……連れて行けっ……! 地下1050階っ……! 『遊戯王の間』だっ……!」
「い、いやだぁーっ……! だずげでっ……だずげで……! おろへっ……! おろひて……」

泣き喚くギーシュを、教師たちがガッチリと掴む。そのままズルズルと引っ張っていく。

「おろへません……!」
「ああああぁっ……! あああぁぁぁっ……!」

こうして、ギーシュは闇に消えていった。 老人の狂気が作った、絶望の城へっ……!


第九話「決着」 終わり


「……というわけよ。そろそろ教えてよ、カイジ。どうやってギーシュの手札を見たの……?」

カイジが気絶してからの顛末を話したルイズが尋ねる。

「簡単だ……。なぜか、俺には幻獣の考えを理解できる力があるみたいだった……
 そして、使い魔の役割……それは主人の目になり、耳になること……いわば、感覚の共有っ……!
 なら、そこから導かれる答えは必然っ……!」

しばし考え込んだルイズは、やがて、はっと気がついた。

「あ、あんたまさか、あのモグラ……!」
「そうだっ……! 俺が思考を読んでいたのはギーシュじゃないっ……! 奴の使い魔ヴェルダンデだっ……!
 ヴェルダンデにはギーシュのカードが見えていた……! 当然っ……!『ギーシュだけ』がカードを見ていたからなっ……!
 あとは、気がつかれないようにブラフの予言っ……! ギーシュは考え込めば考え込むほど、必死にカードを見るって寸法……!」

なるほど、言われてみればあっけないイカサマであった。

「やれやれね……これ、あんたが起きたら渡すようにって、オールド・オスマンが持ってこさせた手紙なんだけど……」

ルイズはゆっくりと手紙をカイジに手渡す。カイジは受け取った手紙を読んだ。
中に書かれていたのは、招待状っ……! 地下遊技場への、ゲストとしての招待……!

「カイジ……行ったり、しないわよね……?」

心配そうな表情で訊くルイズ。だが、カイジは首を振った。

「行くっ……! 理由はどうあれ、ギーシュを救ってやらなきゃならねぇっ……!
 奴は小悪党っ……! ただの子供に過ぎないっ……! そんな子供を地下に叩き落すあの老人っ……!
 あれこそが敵の親玉っ……! 皇帝っ……!
 俺は、皇帝を刺す奴隷っ……! だから、この招待を受けるっ……!」

カイジの言葉を黙って聞いていたルイズは、やがて決心したように言った。

「だったら……わたしも行くわ。たった三日で使い魔に逃げられたなんて、かっこつかないもの……
 そ、それに……あんたは、わたしの使い魔だもの!」


こうして、奴隷と虚無の反逆が始まったっ……!
そう……二人は運命の鎖を断ち切るためにっ……! 地下へっ……! 絶望の城に向かうっ……!

一人の落ちこぼれた少女が、一人の博徒を召喚したっ……!
これは、そんな出会いから始まる物語である……!


堕天召喚録カイジ 「召喚の鎖」完


結論としてっ……!
やっぱりカイジはゼロの使い魔に合わないっ……! 自明っ……! あまりにも自明の事実っ……!

あと、謝罪っ……!

すべてのシエスタファンごめんっ……! 俺もシエスタは大好きっ……! だから許してっ……!
「こんなのゼロ魔じゃない!」と思う方っ……! 100パーセントその通りっ……! 正論っ……!

以上、さよならっ……!


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