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BRAVEMAGEルイズ伝第一章その8


第一章~旅立ち~

その8 登場!土くれのフーケ

魔法学院には斜陽が差し、赤い景色が広がっていた。
一行は、ちょうどルイズの部屋の窓から見える光景、広い裏庭にてムサシを囲んでいる。

「なあ相棒ぉ、俺っちどうしてこんな状況になってんの?」
「わりい、おいらもデルフの力が本当なのか気になるからさ。よろしく頼むゼ、タバサ」
「了解した」
 新たな使い手の元に渡った、魔剣デルフリンガー。
今、彼は剣としての初仕事をしようとしている。

「タバサー、有り得ないだろうけれど外さないでよ?どこかの誰かさんじゃ無いんだから」
「ツェルプストー、それは一体誰のことを言っているのかしらぁあ…?」
「あら、そのちっぽけな胸にお尋ねしたらどう?心当たりがおありなんじゃないの」
 外野で一悶着起きている最中だが、その初仕事がタバサの手によって成された。
最初の仕事…それは『的』である。

****

「はぁい、ルイズ。使い魔とおでかけしてたようね?」
「げ、ツェルプストー」
「げ、って何よはしたない」
 買い物から学院に帰ってきた二人を出迎えたのは、ルイズの級友二人であった。
会うなり小競り合いを続けている様を見て、やっぱり日常茶飯事だなとムサシは苦笑する。
と、タバサの使い魔であるドラゴンが、顔を摺り寄せてきた。

「きゅいきゅいっ」
「おう、ただいま!悪いけど、今日は何も持ってねえぜ?」
「……今日、は?」
「?ひょっとしてこいつのご主人様かい?
 この間、おいらの飯を分けてやってたんだけど……」
「……」
 無言で竜に手招きし、自分の使い魔になにやら耳打ちする。
ややあって騒ぎ立てた風韻竜の頭を大ぶりの杖で小突いた。
ムサシは苦笑した、他人に餌付けされるなということであろうか。

「おいらから何かやるのは、マズかったかな?」
「別にいい、ねだったのはこちらの方。迷惑だったのなら謝る」
「気にしないでいいぜ」
 王国にはおしゃべりが多かったこともあり、口数の少ないタイプと付き合う経験が無いムサシ。
しかしコミュニケーションが取れないほどでは無いようなので一安心する。
ルイズの級友に迷惑をかければ、しっぺ返しは必ず来ると予想できたからだ。
主にゲンコツや平手で。

「それにおいらも、こいつといるのは楽しかったからな。ええっと……」
「タバサ。使い魔がシルフィード」
「そっか、おいらはムサシだ、よろしくな」 
 手短に自己紹介を済ませたタバサの視線に、ムサシは頭上に?を浮かべた。
なにやら剣を見る自分のように、値踏みをしているような……そんな雰囲気を感じたからだ。
「こ、コホン…それより、ムサシくん聞きたいんだけど」
「おいらか?」
 と、ここで突然キュルケに指名され、己の顔を指さすムサシ。
そうよ、とキュルケがウインクを飛ばして応える。

「ねえ、何を買ってきたのか見せてくれない?私とても興味があるわ」
 背の小さいムサシに視線を合わせるため、キュルケはしゃがみ込む。
170サントを越える身長のキュルケが屈めば、ムサシとはちょうど頭の高さが一致する。
おまけに胸元とスカートの裾が危険なことになっている、ルイズはムッとした。

「それならちょうどよかったゼ」
「おう相棒、早速出番かい」
 そう言うと、鞘から背中の剣を抜く。
変わらず涼しい態度のムサシに、ルイズは何故かしたり顔だった。

「こいつのことルイズにも説明するところだったんだ」



「一体、このボロがどうすごいって言うの?とても信じられないけど」
 一行は剣を持つムサシを囲んでいた。
彼のゴーグルの力が如何にも信じ難いルイズや、不思議な装備の数々に興味を抱くタバサはどこか神妙だ。

「私は信じるわよムサシく~ん。ね、早く教えて?」
 キュルケの猫なで声が聞こえた途端にルイズの口角がひくついた。
彼女だけはいつもとペースが変わらないようである。
言い合いがまた始まりそうな気配をなんとなく察し、さっさと準備に入る。
待ってましたとばかリに滾る剣を鞘から引きぬき、ムサシは抜身のデルフリンガーを掲げた。

「待ってたぜ相棒、俺っちやる気マンマンってなもんよ」
「わりいな、まだ何を斬るってわけでもねえんだ」
「何ぃ?そらねえぜ、やり場のないこの気持ちをどこに向ければ良いのよ」
「多弁」
「おしゃべりな剣ねえ……」
 タバサとルイズが剣のトークに難色を示す。
しかしムサシは気にしていない様子でゴーグルをかけ、この剣の秘密を読み解き始める。

「この剣は『ガンダールヴ』ってぇ奴の使ってた剣で、このサビは仮の姿らしいぜ」
「『ガンダールヴ』?……って、あの?」
「始祖ブリミルが従えたと言われる、伝説の使い魔のひとり」
 今しがた自分で口にしたタバサも含め、その場にいた一同は息を飲む。
ガンダールヴ、が何者なのか知らない者はここにはいない。
皆名前くらいは知っている。
それほどの伝説的存在の使っていた剣が目の前にあると言う。
「おおそれだ!さっき言いかけたのはそれ、『使い手』ってなぁそのことよ」
「『使い手』?ムサシ君がそれだっていうの?」
「おうよ色っぺえ娘っ子」
 武器屋で出会ったムサシを、デルフは確かに『使い手』と呼んだ。
傍にいたルイズもまた気にかかっていた言葉ではあるが、まさかそれがブリミルの使い魔とつながるとは思いもよらなかった。

「俺っちの前の『使い手』がガンダールヴ、二番目の『使い手』が今の相棒ってこった」
「おいらが、その『がんだーるぶ』と同じだってのか?」
「本当だったらすごいことよムサシ君、やっぱり私の眼に狂いは無かったわ!」
 キュルケに抱きすくめられ、降ろしてくれよとムサシは足をばたつかせる。
そんな様子すら気にかからないほどルイズは考えに没頭していた。
ガンダールヴの剣、確かに伝説に名を馳せる剣である。
その剣に認められた自分の使い魔、ムサシ。
だとすると彼もまた『ガンダールヴ』なのだろうか?
しかし目の前のムサシ、そしてデルフリンガーの人物像と今まで自分が読み聞いた伝説を照らし合わせる。
そして頷いた。
なんというか……

「あんたらどっちも伝説ってガラじゃないわねぇ……」
「そりゃねえゼ」
「ひでえなあ娘っ子」
 疑心まるだしのジト眼で見られ一人と一振りはがっくりうなだれた。片方は剣なのでよくわからないが。
すると、今まで静観していたタバサが不意に疑問を挙げる。

「ガンダールヴの持つ剣ならば、単なるインテリジェンス・ソードでは無いはず」
 タバサの疑問は、当然と言えた。
伝説級の武器であり、マジックアイテムであると言えるデルフリンガー。
何も特殊な能力が無い、とは考え難い。

「何か、魔法がかけられている?」
「お、鋭えところをつくね、眼鏡の娘っ子。俺っちもうろ覚えだが……ええっと……」
「こいつには『魔法を吸い込んじまう力』があるみてえだぜ?」
 すっかり自分の能力を記憶の彼方に封じてしまったデルフの代わりに、ムサシが説明する。
この能力ならば、なるほどガンダールヴが『神の盾』の異名を持つ所以にもなろう。
三人の少女はようやくデルフリンガーの正体に納得が行き始める。
すると、ここでキュルケが意地悪そうな笑みを浮かべた。

「ねえ、ルイズ。本当に魔法を吸収するか見せてくれない?」
「え」
「ムサシ君を疑うわけじゃないけどぉ~……やっぱりこの眼で見たいじゃない?それとも魔法の調子でも悪いの?」
 明らかなキュルケの挑発的な態度ではあるが、あっさりとルイズは乗せられる。
耳まで真っ赤にして、やってやろうじゃないの!と肩を怒らせムサシの持つデルフリンガーの前に進み出た。

「ファイアーボール!」
 吹き飛んだ。
そりゃあもう見事に吹き飛んだ。
ただし、吹き飛んだのはムサシでもデルフでも無く、その後ろ。
はるか上、学院の壁であった。
『固定化』の呪文がかかっている筈の壁に大きなヒビが入っている。
驚愕の表情で硬直したルイズに対し、キュルケは遅れて大笑いした。

「ルイズ、目でも悪くしたの?あんなところが吹き飛んだわ」
「ううううう、うるさぁーい!ちょっとズレただけよ!!」
 もはや何度目になるか解らない口論が始まったがもはや慣れっこである。
当初の目的であったデルフの能力確認だが、言い出したタバサが魔法を使うとのことで決着はついた。

話はここで冒頭に戻る。
いよいよということで、言い争いも中断したキュルケとルイズも固唾を飲み、見守った。
ムサシがデルフリンガーを構え、距離を取る。
杖を向けてからふと、考えついたような顔をしてムサシのほうを向いた。

「風系統の魔法では確認が難しい」
「そっか、見える魔法で頼むぜ」
「わかった、威力を絞った『ウィンディ・アイシクル』を使う」
 『氷の矢』ウィンディ・アイシクルはタバサの得意とする呪文である。
トライアングルスペルではあるが、威力を控えるという調節も容易であった。

「おーいデルフー、いくぜー!」
「うおー!俺っちこういう視線が集まる状態苦手なの!緊張して背中痒くなってきた~っ!」
「どこが背中なんだ?」
 騒ぎ立てる剣自身をよそに、表情一つ変えずタバサによる氷の矢が放たれた。



「ホントに消滅しちゃったわね」
「嘘みたい……ホラ吹きのボロ剣どころか、伝説の剣よ!伝説の剣!」
 俄に浮き足立つルイズ。
デルフリンガーの言うことに、偽りは無かった。
放たれた矢は、吸い込まれるように消えてしまったのだ。
思わぬ形で知った事実にすっかり舞い上がっているのだろう、ルイズは勢い良くジャンプして喜んだ。

「あー、効かねえって解っててもこちとらビビんのよやっぱ。まだ胸ドキドキしてら」
「どのへんが胸なんだ」
 だがその伝説の剣と、伝説の使い魔は変わらずこの調子である。
例え事実であろうと、伝説の一端を担う者たちと誰が信じようか。
これでは漫才コンビのチビと一振りである。
ルイズは熱くなっていた自分がとたんに虚しくなり、小さな肩をすくめた。
「伝説って所詮…過去よね」
「あ、それひでえな娘っ子」
 一同は脱力した笑いを漏らした(タバサを除いて)
夕日も傾き、そろそろ夜が近い。
各々が空腹を満たし、夜を穏やかに過ごし、明日へ備えて床に就く。
そう思っていた、矢先のことであった。

「あら……」
「雲?」
 一行の周囲に、影が差す。
日は沈みつつあるが、まだ夜の闇が訪れるには早かった。
それに、ルイズは感じていた。
この寒気は何だろう。
まるで何か危機が迫っているような。

「違う、これは……」
「ゴーレム!?」
 タバサがいち早く気付き、キュルケも次いで驚いた。
のそりと姿を表し夕日を遮ったのは、全長30メイルはあろうかというゴーレム。
それが足踏みで大地を揺らしつつ、こちらに近づいてくるではないか。
キュルケが悲鳴を上げて逃げ出したのを皮切りに、ムサシとルイズも後に続いた。

「何よあれ!?」
「まさかあれって噂になってる……」
「!貴族相手にドロボーしてる奴か」
「『土くれのフーケ』、確かに手口は同じ。これほどのゴーレムを使う賊は他にいない」
 タバサが落ち着いた様子シルフィードを呼び寄せた。
ゴーレムは裏庭にいる自分たちなど構いもせずに真っ直ぐ宝物庫へと向かっている。
逃げるなら今だった。
しかしシルフィードに乗り込もうとしたのはキュルケとタバサのみ。
二人はUターンすると、そのまま走りだした。

「ムサシくん!」
「逃げろ、みんなっ!」
 先んじて振り返ったのはムサシだった。
ゴーレムの足元まで舞い戻り、デルフリンガーを勢いづけて抜刀する。

「デルフ!待たせたな!」
「おうよ、ついに出番か!?」
「でやあぁーっ!」
 宝物庫に拳を叩きつけ続けるゴーレムの脚を、据え物斬りの要領で断つ。
一本の線が刻まれたと思うと、そこから上は斜めにずり落ちた。
切断された膝から下はぼろぼろともとの土になりゴーレムのバランスは崩れる。

「やったゼ!」
「いや、まだだ相棒!」
 無くなった部分を埋めるように、足元から土が盛り上がり纏わり付く。
やがてムサシに斬られる前と同じ状態にすっかり戻ってしまった。
上を見上げると、黒いローブの人影が肩に立っている。
どうやらあれがゴーレムの主らしい。
「くそ、これじゃキリがねえな」
「どきなさいムサシ!ファイアーボールっ!」
 遅れて駆けつけたルイズが早速呪文を唱えるが、いつもの通りの爆発が起きる。
教室や舎の壁を壊すことはできても、今回ばかりはゴーレムの表面が弾けてそれで終わりだった。
後から後から補充され、まるで通用していない。

「ルイズ、お前の魔法は効かねえ!危ねえから離れてな!」
 危なっかしい主人を守るため、ムサシは真雷光丸を抜いた。
そしてデルフと共に逆手に構えて、ゴーレムの脚へと飛びつく。
両の剣を交互に突き刺し、巨大な身体を崖に見立てて登っているのだ。
これぞ伝説の武具『ベンケイブレス』の力である。

「何よ……!?私が足手まといだって言うの!!」
 ルイズの頭に血が上った。
実のところ、彼女はかなり焦っていた。
先程からフーケのゴーレムが殴りつけているのは、自分が爆破した壁。
すでにヒビが入っていたからこそ、今こうして砕かれているのではないだろうか。
ルイズは、責任感と、意地と、劣等感が綯交ぜになった気持ちが抑えられない。

「私が賊を捕まえてやるんだから……!!あんたみたいなチビに遅れは取らないわ!」
 ルイズは、忠告を一切聞かぬまま爆破ばかりの呪文を続けた。
持ち前のプライドの高さは、彼女に逃走という選択を捨てさせた。
あるいは、勇敢な使い魔に対する嫉妬だったのかもしれない。



「あいつだな……おい!観念しな、ドロボー!」
 ようやく巨大な身体を登り終えたころには、フーケの仕事は済んでしまっていた。
盗み出した品が入っているだろう箱を抱え、目深に被ったフードから人相は伺えない。
ただひとつ見えたのは、三日月のように笑う口元だけであった。

「年貢の納め時ってヤツだぜ!」
 したり顔の盗賊に飛びかかろうとしたその瞬間、ムサシはふわりと自分の身体が浮くのを感じた。
いや、浮いたのでは無い。落ちたのだ。
フーケがムサシが乗っていた部分のみを、風化させた。

「うわっ…!」
 この高さから落ちてはひとたまりも無い、とムサシは雷光丸をゴーレムに突き刺した。
なんとか落下も半ばでぶら下がることに成功するが、すでに仕事を終えたらしいフーケはゴーレムを歩かせた。
ゆらゆらと揺れ、しがみつくので精一杯だ。

「くっ……」
「ファイアーボール!!」
 ルイズの一際大きな爆発がゴーレムのバランスを崩した、フーケも驚いたのか肩口にしがみついている。
だがその拍子に、ムサシの身体を支える雷光丸が、抜け落ちてしまった。

「うわあっ!」

「ムサシッ!!」
 かなりの高さから落下したムサシは、裏庭の草地に叩きつけられた。
主であるルイズは、思わずゴーレムから目をそらして、使い魔の元に駆け寄る。

「ムサシ、やだ、ちょっと…」
「!!危ねえっ」
 近づいたルイズを、ムサシは身体ごとぶつかるように突き飛ばした。
人がせっかく心配してあげたのに、だのご主人様に向かって、などといった非難が口をついて出る間もなく。
ムサシがゴーレムが足の下敷きになった。

「え?」
 何が起きたのか少しの間、理解できなかった。
そして気づいたとき、ルイズの顔が色を失う。
自分の魔法がムサシを落とし、ゴーレムをよろめかせたのだ、と。

「むっ……」
 口が強張り、舌がつっかえて喉が引っかかる。
絞り出せた叫びは目の前で土に埋まった使い魔の名のみだった。

「ムサシぃぃぃぃぃッ!」

****

 フーケは目的を終えたからか、さっさと逃げてしまったようだ。
執拗に追おうとしていたルイズは消沈し蹲り、キュルケが先程から声を掛けているというのに反応を見せない。
そこに、シルフィードに乗って追跡していたタバサが戻ってきた。

「途中まで追跡できたけれども、見失った」
「ああ、ありがとタバサ。ってそれよりこの子なんとかしてよ」
 見ればルイズの周りの草がすっかり抜かれている。
ぶちぶちと千切っては捨て、千切っては捨て、よほど先程のショックが強かったようだ。

「ね、ルイズ、あのね……」
「うるさい!うるさいわね!放っておいてよ!」
 それまで項垂れたままのルイズがキッと睨みを聞かせ、弾かれたように金切り声を上げた。
目には一杯涙が溜まってはいるが、器用にも一粒たりとも零さずにいる。
これは最後の意地だろう。

「あ、あいつ、ホント勝手なんだから、私の言うこと、聞きもしないで、わたしの、わたしの」
 呼吸を荒らげて、肩を震わせ、辿々しい言葉を吐き出す。
キュルケもタバサも何も応えずにいた、そうするうちにやがてルイズの声も勢いを失っていく。

「……わたしを庇って……わたしのせいで、あいつ」
「気にすんなよルイズ」
 間の抜けた慰めの声なんて、一番求めていなかった。
空気の読めないのんき者に、ルイズの頭がカッと熱くなる。

「バカ!私はあんたみたいに気楽に……」
ルイズがはた、と気づいた。
この場に置いて存在しないはずの少年の声が聞こえた。
何故だろう、頭の中はぐるぐると回って考えがまとまらない。
そこには泥まみれのムサシがぺっぺっ、と土を吐き出しながらも無事でいた。

「あ、あ、あ」
「だから、さっきから喋りかけてたのに」
「…娘っ子ぉ、俺っち汚れちまったよ。なんか拭くもんある?」
「水の魔法で洗い流したほうがいい」
「あ、俺っち無効化しちゃうから駄目だわ、井戸どこ井戸」
 皆、取り留めもないような話をしつつ、何か居たたまれなさそうにルイズを見ていた。
というか何故だろう、何でだろう。
ルイズは当然の疑問を口にする。

「なんで生きてるのよあんたーーー!!」
「『スチールボディ』ゲット・インだぜ!」
 ゴーレムにぶら下がったあの一瞬、雷光丸でフーケのゴーレムから能力を吸収したのだ。
ゲット・インでエネルギーを吸収した物体は通常消滅する。
しかしストンプゴーレム、キングマンイーターのように内包するエネルギーが膨大なものは消滅に至らない。
今回もそのケースのようだった。
ちなみに、吸収した能力は短時間ではあるが、自らの肉体に鋼鉄の如き硬さをもたらすもの。
そのお陰で落下しても、踏み潰されても軽症で済んだ、まさに危機一髪という所だったわけだ。
ギリギリの所で果たした生還劇にも関わらず、ルイズは激怒した。
だがその実、ひどく安心させられて涙を隠すのに必死だっただけのようだ。

「ようし気をとりなおして……逃さねえぜ、土くれのドロボー!」

一方ムサシは泥まみれになり傷つきながらも、この場でたった一人わくわくしていた。
ようやく、求めるものにありつけそうだ、と。


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