あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

[秩序]の守護者-01


「宇宙の果てのどこかにいる私の下僕よ!神聖で美しくそして強力な使い魔よ!私は心より求め訴えるわ!
我が導きに 応えなさい!」

使い魔を召還するための呪文、それが終わり、いつものように爆発が起きる
またかよ。さすがゼロだな。まさか平民でも召喚したのか?
そんな囁きや嘲りの言葉が飛び交う中、その爆煙の向こうに会ったものは―――大穴だった

「……なによこれ。また失敗なの?」

底が見えない。いくら爆発ばかり起こすからと言ってもこんな大穴は見たことがない
それでも失敗は失敗だと、再び召喚に入ろうとする が、うまくいかない
上手くいかないのはいつものことだが、コレはそういった問題ではない
自分は既に[何か]を呼んでいる。ルイズはそれを確信していた

「しかし、この穴には生物はいません。あなたはまだ使い魔を召還していませんよ」

ゴルベール先生はそう言うが、彼女ははっきりと自覚している
この大穴の中に、自分の使い魔がいることを

その日の夜、自分の使い魔を見せ付けてくるキュルケを黙殺し(ルイズにしてはとても珍しいことだが)
逸る気持ちを抑えて昼に自分が作った大穴の淵へ急ぐ
手にはカンテラと長い長いロープ。こんな時フライの魔法が使えれば簡単なのに、と激昂しそうになるのを堪えた
短気なルイズにしては、これも珍しいことである
もっとも、大声を出して気づかれたくはないというのが大きな理由なのだが
そうして木にロープを結びつけ、ルイズはゆっくりと大穴の中に身を投じていった

―――よく考えてみればルイズも気が付いただろう。ロープがあるとは言え、自分はそれを登るだけの体力があるのかどうかを
しかしここで彼女を責めるのは酷というものだ。彼女は今、穴の奥底で自分を待つ使い魔のことしか頭になかったのだから
過剰が過ぎると過信していたロープは、ちょうど奥底に足がついたあたりでいっぱいに伸びていた
もしもあと数メイル短かったら、と思うとゾッとする
しかしそれ以前に、ルイズはこの穴の奥底に光景に心を奪われていた

「ふ、ふん。私の使い魔がいる場所なんだから、このくらいは当然よね!」

そんな強がりが虚しく穴の中に響く
確かに、ルイズは召喚に成功していた。しかしそこに現れたものを[使い魔]と呼ぶのかに関しては、甚だ疑問である
穴の底に広がっていたものは、[施設]だった。カンテラに照らされるものは、鉄で作られた広大な部屋
何のために作られた物なのかはまったく分からない。けれども、ルイズの心は躍っていた
自分はこれを召喚したのだ。誰の使い魔よりも大きく、誰の使い魔よりも不思議な召喚物

「ふ、ふふふ、ふふふふふ……もうゼロなんて言わせないわよ………!!」

さっきまでは無垢な少女の笑みだったのが、あっというまに邪悪そうな笑みに変わる
コレがなんなのかは分からないけれども、とりあえず今日のところは帰ろう。本格的な調査は明日になってからでも遅くない
なぜならコレは私の使い魔であり、私はこいつの[ご主人様]なんだから!

『………誰だ』
「!?」

人間とは、いや、生物とは思えない無機質な思えない声が穴の中に響く
ルイズは、漏れそうになる悲鳴を必死でかみ殺しながら、尊大に言い放った

「わ、私はあんたのご主人様よ! あんたこそ何なのよ!? 使い魔なんだからまずはそっちから名乗るものでしょ!」
『………ここはどこだ。説明を求める』
「話を聞きなさい!」

(それから辛抱強く話を聞くと、こいつはここじゃない世界から来たというじゃない
 信じられるわけがないけれども………こんな地下を見せられたら信じるしかないわよね)
それから、今度は[声]がルイズに質問を続ける
そのたびに何度も怒声を放つ羽目に陥ったが、[声]は一行に苛立った様子を見せなかった

『なるほど、ここは魔法を使える貴族が無能力の平民を統治しているのか』
「そうよ。そして私は貴族。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ!」
『興味はない』
「ムキーーーー!!」

そして[声]は一拍置いて、無機質な声ながら、本当に大切な事を問いかけるように言った

『………この世界の、[秩序]は保たれているのか?』
「秩序?」

ルイズにはその質問の意図は分からない
それでも、彼女なりに真剣に考えて応える

「ええ、秩序は貴族によって保たれているわ。もっとも、あんたの言う[秩序]がどんなものかは分からないけれど
 で、何でそんなこと聞きたがるのよ」
『我々は秩序を守るためのもの。過ぎたる力を粛清するためのもの。異世界に来ようとも我々は我々の勤めを果たすのみ』
「我々? あんたは一人じゃないの!? いい加減姿ぐらい見せなさいよ!」
『君は既に我々を見ている』

そう言われても、ルイズには何のことなのかは分からない
もっとも、魔法にどっぷり浸った世界の者にそんなことを分かれと言うほうが無茶な話だが

『我々は、今君がいる場所そのものだ』
「??」

余計に混乱させてしまったらしい

『……ならば便宜上、[コレ]を私と思ってくれれば良い』

そう言って不意に現れたのは、全長20メイルにも及ぶ、深紅のゴーレムだった

「決めた。アンタ、私の使い魔になりなさい」
現金なものである。今のルイズはこんなことを考えていた
[このゴーレムなら留年免除、いや、今まで馬鹿にしてたやつらを見返すことができるわ!]

『ごめんだ。我々は秩序を守るためのもの。使い魔などに関わっている暇はない』
「な、ななななに言ってるのよ! 誰がアンタを召喚したと思ってるの!?」
『君だ。だがそれがどうした。我々は我々の勤めを果たすのみ』
「いい? 私は貴族よ。貴族に逆らってもいいと思ってるの!?」
『我々の世界には貴族などいなかった。価値観の違いだな』

暖簾に腕押し、糠に釘
いくら権威を見せたところで、この相手は聞きはしない
それでもルイズは諦めない。諦めるわけにはいかない
なんせ今は栄光か留年かの瀬戸際だ。石にかじりついてもこのゴーレムを逃す気はなかった

「でも、貴族に逆らってはいけないというのが、この世界の[秩序]なのよ! アンタの大好きな[秩序]!」
『…………』

苦し紛れの反撃。それは相手に予想外の効果を表したらしい
暫くの沈黙の後、[秩序を乱す者が現れた場合、それを我々の判断で排除する]という条件を提示して、使い魔に成ることを承諾した

「あーあ……ファーストキスがゴーレムなんて……」
『待て。使い魔になるのは我々だろう。相手はそいつではない』
「どういうことよ。このゴーレムは渡さないってこと?」
『そうではない。しかし説明する時間はないぞ。外では朝日が昇ろうとしている。学生の君には不味いのでは?』
「ああもう、さっさと契約するわよ!」

ルイズにとってはやはり何なのか分からなかったが、[声]はある端末が自分と伝え、契約を完了する
僅かに走るノイズ。そして施設の床に大きく浮かび上がるルーン

『完了した。では君は機体と共に地上に帰るがよい。その機体を通して我々は世界の秩序を見守るとしよう』
「じゃあ、このゴーレムはもらっていくからね! 返せと言われても返さないわよ!」
『言う気はない』
「じゃあ………そういえばアンタ、それにこのゴーレムは何て呼べばいいのよ?」
『特別な呼称はない。だが、あえて言うならば―――』


我々は[ハスラー・ワン]
その機体は[ナインボール]だ


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