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ゼロと魔王-01

ゼロと魔王 第1話 召喚された魔王

そこはどんな海よりも深く、どんな闇よりも暗い場所にあるという。
闇に魅入られた禍々しい者どもが集う暗黒世界―――――
彼の地がどこにあるのか。
それは定かではない。
しかし、誰もがその存在を信じ、畏れていた。
それが魔界。
天界、そして、人間界と共に3界を構成する闇の世界。
長い間そう信じられてきた。
もっともこれは、魔界で起きる事件ではなく、とある魔王が、ゼロと呼ばれる少女に召喚されるお話である。



ラハールは、雲の中を飛んでいた。
というのも、誰かに仕事をさぼって抜け出ていたことを知られるのは都合が悪いからだ。

「いくら今魔王城にエトナやフロン、そしてシャスとサクラがおらんとは言え誰かに見られて、抜け出ていたことがエトナにバレたら、何を言われるかわからんからな」

もっとも、エトナが居ようが居なかろうが、しょっちゅう抜け出しているのだが。

「エトナは仕事でゲヘナの海に行っておるし、フロンは天界に戻っておって今はおらん。問題のシャスは実家に戻っておるし、サクラは性格が男に戻って、自分の家に戻っておる・・・やることがないな」

エトナが聞いていたら、仕事をしてくださいよ。
とか言ってきそうなことを言っているこの人物こそ、この魔界の王、いわゆる魔王というやつだ。
見た目は10歳ぐらいに見えるが1000年以上生きている。
だが、格好は、赤いマフラーを首に巻き、上半身裸に短パンだけという。
訳のわからない格好をしている。

「・・・さて、そろそろ戻るとするか」



あれから、10分ぐらい飛んだだろうか、雲から少し顔を出してみると魔王城が見えてきた。
あとは、いつも出入りしている庭園に下りるだけだ。

(仕事をやる気にはならんし、戻ったらまずハナコに飯でも・・・そういえばエトナに着いて行ったのだったな・・・しかたない、戻ったら寝るとするか)

そんな事を考えていると、庭園の真上に着いた。
後は、一気に下りるだけで、誰にも見つからずに戻れるはずだった。
ラハールが降下を始め、猛スピードで落ちて行き、マフラーを広げてスピードを殺そうとした時、目の前に鏡が
出現したのだった。

「なっ!」

この鏡がどのようなものかわからないが、今までの経験上、これがろくでもないものだろうと思い、避けようとした
ラハールであったが。
当然目の前に現れたので避けるすべもなく。
そしてブレーキなど間に合うはずもなく。
ラハールは、鏡の中に入ってしまった。



ここはトリステイン魔法学院、その敷地内のアウストリの広場で、新2年生がこれから一生を共に生きる使い魔の召喚儀式
『サモン・サーヴァント』をしていた。
もっとも、ただ1人を除き、他の者は、各々の使い魔の召喚、そして使い魔との契約、『コントラクト・サーヴァント』を終えている。
そして、その1人とは、小柄な体躯、腰の辺りまで届く桃色がかったブロンドの髪。強い意志を感じさせる鳶色の大きな瞳を持った少女。
『ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール』という1人の貴族である。

「なあ?ゼロのルイズが何回で召喚できると思う?」「ハッハッハさすがのゼロでも、1回で召喚できるだろ」
「いやいや、ゼロのルイズだからな、もしかしたら10回やっても出来ないんじゃないか?」

そのようなからかいがそこら辺から聞こえてくるが、そんな事は日常茶飯事なので慣れている。
だが、慣れているだけで、悔しくないかと聞かれれば悔しいと答えるだろう。

「皆さん静粛に!さあ、ミス・ヴァリエール『サモン・サーヴァント』を行なってください」

教師であるコルベールが皆を静かにし、ルイズを急かす。
そしてルイズは、覚悟を決めて召喚の呪文を唱えた。

「宇宙のどこかにいる私の僕よ! 神聖で美しく、そして強力な使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ! 我が導きに…応えよ!」

すると、起こったのは爆発であった。
ルイズの周りにいた人間たちは、みな爆発に巻き込まれ、気を失っていた。

「え?まさか失敗!?でもこうなったらみんな気絶しているみたいだし成功するまで・・・」

そんなことを考えていたルイズであったが、「ぐふぅ!」という声が聞こえたので、そっちに顔を向けてみた。するとそこには、上半身裸に短パンという訳のわからない格好をした少年が倒れていた。



鏡の中に突っ込んでしまったラハールは、何か、形容しがたい空間を漂っていた。
もっとも、突っ込んだ時と同じ速度で進んでいるため、漂っているという表現は正しくないのだが・・・

「クソッ!一体何なのだ!しかし、なんだこれは?どこかに飛ばされているようだが・・・時間遡行の魔法で飛ばされているわけではなさそうだな。時空ゲートとも違うみたいだが・・・それならば召喚か?」

そんな事を言っていると、おそらく出口の様なものが見えてきた。

「まあとにかく、召喚ならば適当にすませて帰るとするか」

そして、変な空間から出たと思ったら。
ラハールは地面を見ていた。
正確には、ラハールの顔が地面の方を向いているだけなのだが、いきなりの事で頭が回らない事に加えて、地面からたいして離れていないところに出たため。
顔面から思いっきり落ちたのであった。

「ぐふぅ!」

顔面から落ちたみたいだが、死にはしなかったようだが、気絶はしたようだ。



そして、ルイズが爆発を起こして、変な格好の少年を見つけた所に繋がる。

「何・・・これ・・・?」

ルイズは混乱していた、いくらなんでもこれは驚きもするだろう、『サモン・サーヴァント』で呼ばれた使い魔が、どう見ても10歳そこらの人間が呼び出されたのだから。
もっとも、よく見れば、耳がエルフみたいに尖っているのだが、今のルイズには、そこまで気にする余裕はない。

「う、う~ん。私としたことが、まさか気絶してしまうとは・・・」

ルイズが混乱している中、気絶していた人間の中から、コルベールが起き上がった。
爆発によって生まれた土煙は、ある程度晴れていたため、周りを見回してみると、ただ1人の生徒を除いて、みな気絶していることに気が付いた。
どうやら気絶しているだけで、大事はなさそうだった。
そして、爆発を起こした張本人を見てみると、硬直していた。
今コルベールがいる場所からでは土煙で見えないが、どうやら何かを見て硬直しているみたいだ。

「ミス・ヴァリエール、大丈夫ですか?」

何か危険な物でも召喚したのかと思ったが、立ち上がって近づいてみると。

「・・・ミス・ヴァリエール?この少年は、あなたが召喚した使い魔ですか?」

「え!?・・・たぶんそうですけど。ですが、人間を使い魔になんて聞いたことがありません!やり直しを要求します!」

ルイズは、そんな事を言ったが、コルベールは首を横に振り、こう言った。

「それは認められません。この少年を召喚してしまった以上、あなたは、この少年と『コントラクト・サーヴァント』をしなければなりません」
「しかし!」

なおくいついてくるルイズであったが、それを認めるわけにはいかないので、コルベールはこう言うしかなかった。

「それ以上いうようなら、本当に退学になりますが、よろしいんですか?」
「・・・」

退学という言葉を聞いて、ルイズは黙った。

「わかりました」

そして、渋々といった風だが、契約することに決めたようだ。
ルイズは、倒れている少年に歩み寄り、「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔と為せ」と、契約の呪文を唱え、召喚した少年に口づけをした。



地面に追突して、気絶したラハールは、昔の夢を見ていた。
それは、母グエンとどこかに行った時の夢だった。
もっとも、幼い内に死んだので、最近まで顔をほとんど覚えてはいなかったのだが。
その時のラハールは、今のように体が強くなく、よく体調をくずしていた。
だが、この時はとても体調が良かったことは覚えていた。
そして、母がよく言っていたことも覚えてはいるし、この時言ったのも、おそらくあれだろうと予想出来た。



「いい、ラハール、愛をもってすればみんなわかってくれるのよ。でもそのためには、自分から動かないといけないのよ」

予想した通りだった。
母は、よく愛がどうこう言っていたし、自分自身、そうなのだろうと思っていた時期もあった。
いつもなら、ダメージを受けて、全力で否定するところなのだが、なぜだろうか。
そんなことはなく、何とも言えない気持ちになった。
ふと思い出す。
この時自分は何と言ったのだったかと。
すると、少しして、その答えが聞こえた。

「あい、かあしゃまのいうとおりみんなをあいしゅでしゅ」

今となっては、絶対に考えられない事を言ったものだと思ったが、これが昔の自分である、このような姿を知っているのは、今となっては中ボスだけということを考えると、こう思った。

(あいつ、今のうちに始末しておくか)

とそんな事を考えていると、そろそろ自分が起きるということが、なぜかわかった。
なぜこのような夢を見たのか思い返すと、最近サクラの時と、母の銅像に頭をぶつけて、数日の記憶が無くなっていた事を思い出し、それのせいだろうと考えた。
そうやって考えていると、どんどん目が覚めていっているのがわかる。
周りの風景が消えていき、そして、最後に、幼い自分と母が消えた。
それを寂しいと感じたが、「夢を相手にバカバカしい」と言って目が覚めた。
そう、ピンク色の髪をした少女にキスをされている所に、だ。



「な!ななな、何をする貴様!」

跳ね起き、ピンク色の髪の少女から急いで離れる。
だが、離れた時に体が熱くなり、少ししたら、それが激痛に変わった。

「グッ!な、なんだこれは」
「安心しなさい、すぐに終わるわ」

ピンク髪の少女が何か言っているが、ラハールは聞いていなかった。
少ししたら、痛みは治まったが、ラハールは怒りがおさまらない。

「おい小娘!貴様、オレ様に何をした!」
「契約よ。あと、平民風情が貴族相手に小娘だとか、貴様とか言って、許されると思っているの?」
「オレ様は、魔王だ!人間風情が偉そうな口をきくとはいい度胸だな!」
「魔王?何を言ってるのよ、あんたどっからどうみても弱そうじゃない」
「ほ~う、いい度胸だな、このオレ様を前にして弱そうか、ならばこれを見てもそんな事を言っておられるか!『メガファイア』!」

ラハールは、ピンク色髪の少女の足元に向かって、4系統の魔法のファイアのメガ級の魔法を放った。
だが、そこに1人の人間が割って入り、ラハールの『メガファイア』を別の魔法で打ち消した。

「私の生徒に手を出さないでもらえますかな」

と言ってきた。さっきの魔法自体、当てるつもりは無かったため、威力自体たいした事はないが、ラハールの魔法を打ち消したのは、十分称賛に値する。

「ほう、人間のくせに、オレ様の魔法を打ち消すとはなかなかやるな、褒めてやろう」
「褒めてもらうほどの物でもありませんよ」



「そう謙遜するな、オレ様が素直に褒めてやっておるのだ。ありがたく思え」

そんなやり取りを聞きながら、ルイズは混乱していた。
召喚したのがただの少年だと思ったら、自分の事を魔王と言い、さらに自分の知らない魔法まで使ったのだ。
混乱もするだろう。

「さっきの魔法、詠唱を無に唱えていましたが。まさか先住魔法ですか?」
「先住魔法?なんだそれは」
「先住魔法を知らないとは、ではあなたはエルフではないのですか?」
「エルフ~?だからオレ様は魔王だと言っておろうが、わからん奴だな」

どうやらエルフではないようだが、それだと本当にあれが魔王で、ルイズは悪魔を召喚したことになる。

(そんな事が、周りに知れたら一体どうなるか・・・・想像もしたくない)

ルイズが絶望に暮れている中、ラハールは、少しだけ遊んでやろうと思った。

「まだわからんようなら、力で教えるしかあるまいな。安心しろ、殺しはせん、ただ少し怪我をするかもしれんが、構わんな?」
「何を・・・・!?」

コルベールは、目を見開いていた。
それもそうだろう、今目の前の少年が魔法の名前らしきものを叫んだと思ったら、少年の手には、10メイルほどの巨大な火球があるのだから驚きもするだろう。
いくら、『炎蛇』と呼ばれていたコルベールでも、火球がどれほどの威力があるかわからないが、10メイルもの火球をどうにかするには、今から詠唱をしたのでは間に合わないだろうと思い、いざとなったら、自分が生徒の盾になろうと決めていたコルベールであった。
その光景を見て、ラハールはこう思った。

(ふん、つまらんな)

ラハールの火球は、『ギガファイア』という魔法で作ったもので、たしかに強力な魔法だが、本来の用途と違うため。さっき放った『メガファイア』の魔法より、少し威力が高いぐらいしかないのだ。
なので、コルベールがどんな行動をとるのかと思って威嚇として作ったのだが、どうやらコルベールは何もできないと判断し、ピンク髪の少女を守る体制に入っていた。
どうせ作ったのだし、おそらく死なないだろうと予測して、投げようかと思ったが。
さっきの夢の事がチラついて放つ気になれなかった。

(チッ!変な夢を見たものだ)

そして、作った火球を消そうと思ったとき、ピンク髪の少女が叫んだ。

「あ、あんた!やめなさいよ!あんたは私の使い魔なんだから、私の言うこと聞きなさいよ!」

足を震わせ、そんな事を叫んでいる少女がいる。
少しからかってやろうかと思ったとき、ラハールに異変が生じた。
今まで気が付かなかったが、左手の甲を見ると、何か文字があり、それが光っているのだ。
何事かと思った次の瞬間、ラハールの火球が一気に四散した。

「な!」「え?」

主人と、その使い魔は、二人同時に声を上げた。
そしてこの出会いがこれから、どのような事を起こすか。
今はまだ、誰も知らない・・・・



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