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Adventure-seeker Killy in the magian world quest-03


LOG-3 Beautiful Life


学院長室には、霧亥召喚以降、まともに睡眠を取るまもなくその分析に当たっていたオスマンとコルベールが再び顔を合わせていた。
「で、ほかにも彼は武器を持っていたんじゃな」
「はい、そのとおりです。暗器のようなもので、最初に見たときはそれが武器だとは……それに、彼が持っていた銃とは違って、服に張り付いて取れませんでしたから」
一連の説明を受けて、オスマンが目をこする。
コルベールにたたき起こされた当初、すっかり眠気で頭が回っていない様子のオスマンだったが、今は睡魔を追い払おうとしていた。
「どうせ武装解除をするなら、徹底的にやらんかい」
「申し訳ありません」
「これでは、好奇心に負けた盗人というだけじゃよ」
今迄で一番長いため息をついて、窓際によった。
同時にオスマンの目には、日の光が入り込み、痛みでまた目をこする。
「……こっちが預かっておる銃も返してみるかね? どうせ、これ以上は何もわからんのじゃし、友愛の印に」
「そういったもののとり方をする人物には見えません。ただ我々が、拉致の上に武器を奪って監禁した野蛮人だという認識をするだけでしょう」
「じゃろうな」
意味ありげにカーテンを閉めて見せるオスマン。
ゆっくり間を取った後で「わしも偉そうなことは言えんがのう」と言いながらコルベールに向き直る。
いっそう疲れた表情と憎らしそうな目に一歩下がるコルベールは、何を言われるのかと身構えている。
「このことは内密にのう」
「で、ですが、これは一大発見です! なにより、手に余ります!!」
ひときわ大きく短いため息をわざとらしく吐き出したオスマンの無言の否定に、コルベールは口を噤む。
「…アカデミーの魔法至上主義者や、この国を動かす伝統第一の頭でっかちの大貴族たちのおもちゃにするのかね? 君がいつも文句をたらしていた連中じゃよ」
「私も優れた選択肢とは思いませんが、彼をここにおいて、我々だけの判断でどうこうするのは、危険では―――」
「怒るじゃろうなぁ」
「―――は…? と、いいますと……」
「軍人と言うのはのう、かき集められた農民や、二束三文の傭兵でもなければ、国の意思に従うもんじゃよ」
オスマンは頭を振って、コルベールの提案を否定しながら続ける。
「騎士の類か、徴兵組みかと言われれば、彼は間違いなく前者じゃから、彼の行動を左右する教育は、国や国の軍隊の方針によるものじゃ
 わしらの生活や姿を見て、忘れ去られた辺境の植民者と認識し、貴族の儀式を叩き潰し、友好的な態度もとろうとしないのは、彼個人の性質であり、彼の故郷や所属集団の性質でもあるじゃろうな」
「ハルケギニアから東方まで、比例するもののない技術力と国力を持ち、あまりに我々が劣っているために、口を利く気にもならなくなるような国家からやって来た兵士を怒らせる行動は
 同時に彼の国を怒らせるような行動であると言うことですかな?」
今度はうんうんと首を縦にふって肯定するオスマン。
「そうじゃよ、そのとおり。そっちのほうが危険で、わしらどころかこの国の手に余る……彼の所持品ならまだしも、彼の体を見たら、解剖するくらいのことはあるかもしれんし
 下手をしたら、エルフのような危険な亜人種であると早とちりをして、ハルケギニア中の国々の立場を危うくしかけん。彼の故郷と外交問題なんぞ寒気がするわい」
「考えすぎですぞ。むしろ、私には彼をこのまま放置して、返す方法を見つけられずに、捜索の手が伸びてくるほうが危険だと考えます
 彼の故郷なら、我々のサモン・サーヴァントの痕跡から、トリステインの位置を割り出すくらいはするかもしれません
 アカデミーが堅物で、いろいろと人目をはばかることにも手を出していることくらいは知っていますが、さすがにこの品々を見れば、迂闊なことはしますまい」
「ミスタ・コルベールの持つような健全な趣味は、彼らは持ち合わせておらんよ。理想的な祭具の作り方くらいにしか興味をもたんわい
 ロマリアもこういってはなんじゃが、同じじゃよ……人種の違いはさておき、始祖を信仰しないだけで対応がずいぶん悪いものになるじゃろうしな」
健全と言うのは少し嫌味な発言だが、オスマンにしてみれば、馬鹿の一つ覚えよりはこの教師の奇妙な趣味のほうが、まだまともな探求だった。
蝋燭の炎を理想的に揺らす風の起こし方より、蝋燭の炎が起こす風を調べるほうが有益かと問われて、推すことは出来ないのだが。
「とにかく内密に頼む……伝えるのは後からでも出来るしの」
話はこれまでと、手を叩いて椅子に座りなおす。
コルベールもこの問答で画期的な解決策を見出せるとは思えず、オスマンの決定に歯向かう気もまるでなかったので、最後の質問をと、屈んだ背筋を正す。
「わかりました。では、彼への待遇はどのようなものにしましょう? 彼がどのような地位に居たのかは不明ですが、知識や態度を見るに、そう低くはないはずです」
「ゲルマニアの例もある、彼の国では単純に爵位がそこまで絶大なものでないのか…あるいはそんなもの、存在せんのか……」
「たびたび、想像できませんなぁ……」
コルベールの遠い目をよそに、頬と髭をなでながら長考するオスマン。
二度三度と一定感覚で唸った後で、「よし」と言って何かを書き始める。
「とにかく、貴族用の生活は到底用意できんから、せいぜいミス・ヴァリエールのお抱え使用人といった感じで、彼女共々それなりのものを提供するしかあるまい
 朝食時にでもなったら、食堂に居るメイドにでも、この書類を渡して“人間の使い魔など初めてなので、他の使い魔とは別物としろ”という旨を伝えてくれんか
 下手に優遇するように言ってしまうと、怪しまれる上に、ばれると厄介ごとが増えるからのう」
書き終わったオスマンが口にしたのは、えらく普通のことだったが、霧亥の召喚主の性格を知る一人の教師として、特に代案はなかったが、コルベールは少し不安を感じた。
「では、そのようにします。朝日が昇るまでもうそうありませんが、これから―――」
「わしは仮眠を取る。人目をはばかってこんな深夜に話し込むのは、老体には響くわい」
「―――私も、少し休ませてもらいます。また後で報告に参りますので…失礼します」
今度はオスマンも仮眠を取ることに成功するが、それもつかの間である。
霧亥は病み上がりであっても惰眠をむさぼることはせず、この惑星の自転周期に影響される睡眠のサイクルにも従わない…

…霧亥は都市を脱出してから三度目の目覚めのときを迎えた。
周囲はまるで都市とは違い、地平線の向こう側にある、宙に浮いた剥き出しの巨大な核融合炉―――もとい、恒星の放つ電磁波でじわじわと明るくなってくる。
正確に24時間周期で明滅を繰り返した都市の発光部位のことを思えば、とても考えられない。
公転周期の影響も受けるとなれば、無駄の多いことだ。
霧亥にしてみれば、なぜそれを制御しようとしないのかと疑問に思うほどだが、ここの技術水準では、自転と公転についての知識を保有しているかどうかすら怪しい。
足を投げ出したまま、霧亥は薄暗い空を見上げ、しばらく物思いにふける。

空に瞬く星星は、都市から見た密度の薄い星空との共通点も多いが、明らかに別物である。
いったい、どれほど遠くへ来てしまったのかすらわからない。
これが純粋に空間的な転移であったなら、むしろ別な世界線、言い方を変えれば別な世界・宇宙にやってきたのより危険なことだ。
これほど共通点をもちながら、よく見れば別物である場所など、相当な長距離に間違いない。

常人なら誰でも悲観的になる状況で、霧亥は傍から見れば何も考えていないのかというほど、落ち着いてそのことを再認識した。
果たして、彼の支援者や都市のシステム、ネットの管理者たちは、自分を発見し、コンタクトできるだろうか?
それさえ可能であれば、もし本当にこの世界で“魔法”と呼称される技術が、正確に都市へ送り返すことが可能なレベルの技術でなくとも、今すぐにでも帰れる。
ルイズたちの協力など、その献身の度合い、協力の成果ともに、あまり当てにするべきものではないはずだ。
最後の超構造体を越えた先であっても、自分がどこかへ持ち去られたことは、都市の運営に携わる位置に居るものなら誰でも気づくはずである。
なんらかのカウンター・プログラムが発動していてもおかしくない、不正行動。
いっそ動かずに様子を伺う構えでもよいのではないか、と霧亥は考え、ここからしばらく動かない方針に変更を加えることはしなかった。
判断自体はまともな人間であっても当たり前に思いつくものであったが、その微細な部分までを思考実験し、これの為に今までに収集された情報の隅々を考慮する処理能力は、ここでは彼にしか出来ない。
一通り考え事が終わり、何をするでもなくゆっくりと染み出してくる赤外線の熱が大気を震わせるのを観察していた霧亥は、こちらに近づく人間に気づく。
入ってきた女性は、遺伝的にも身体特徴的にも、ここでの平均的な構造と多少の差異があった。
「起きていらしたんですね」
今まで目撃した者達とは違ったコスチューム、その物腰からして、この施設の労働者ではないかと霧亥は見当をつける。
手には水の入ったカップと、単純な化合物の粉末などが載った盆がある。
「これはお薬です。魔法が効かないとかで、普通のお薬ですけれど、貴族の方も飲まれるもので、効き目は確かですよ」
霧亥は振り向いて女性の姿を観察しながらコップを手に取る。
女性の特徴的な要素といえば、なにより黒色の頭髪や黄色気味の肌を作る体内の色素で、別な人種であるらしいことが分かる。
コップの中はカルシウム等の無機物で少し汚れた水で、害もなく、水はいちいち合成するよりも経口摂取が望ましいこともあって抵抗も感じず飲み込んだ。
「お薬を飲めませんけれど……」
霧亥は無言で勧めを断ると、また何をするでもなく外の景色を観察し始めた。
何か珍しいものでもあるのかと、盆を手に持ったまま覗いてみても、壊れた壁からは普通の夜明けしか見えない。
「あの……なにか、あるんですか?」
「………」
ネットスフィアに情報の存在しない自然現象であるだけでなく、彼が生まれて始めて目撃した夜明けは、当然この世界の人間にとって特別なものではないが、霧亥はその光景を出来るだけ観察し、理解しようとした。
人口建造物によってはるか原始の時代に駆逐されたが、かつて“地球”と呼ばれた、人類発祥の惑星にも、こういった光景があっただろう。
ネットスフィアの内部にはこういた現象や状況を完璧に再現し、やりようによっては基底現実にそれらをダウンロードすることもできた。
だがここは、都市やネットが、たった一個の惑星の表面を覆うことすら出来ていない世界。
彼の知る秩序には程遠い世界。
どこにもこの景色の情報は保存されていないのだ。
「そのう…ミス・ヴァリエールの使い魔、の方ですよね?」
心配になって確認すると、霧亥は否定しなかったので、まだ困り顔をしながらも、ひとつ提案をする。
「これから生徒たちの起床時間がきます。一緒に起こしに行くというのは……」
自分で睡眠に入っておいて、自分で設定した時刻に覚醒できないというのも奇妙な話だが、その提案は魅力的だった。
いわゆる人並みの感情があれば、ルイズに敵意か殺意を抱く立場にある霧亥は、事態の把握の為に接触する必要があると、無感動に了解する。
「それなら、これを戻してきますから、それから案内しますね!」
何がうれしかったのかと不審に思いながら、霧亥はコップを返し、早足で部屋を出る彼女に遅れること数分。
戻ってくる姿が、曲がり角から見えるようになるのと正確に同じタイミングで廊下へ歩き、合流して進みだした。
ルイズの眠っている部屋は、知覚情報から判明していたが、ある程度の広さがあるこの施設を動き回るには、よく知っている人間を利用するのが安全だ。
構造はさておき、何のための構造であるのかは推測の域を出ず、風習や習慣の類はまったく予想できないといってよかったからだ。

「こちらです」
睡眠時の独特な脳波を発しながら、規則正しい呼吸を続けるルイズの姿を扉越しに感じる。
「それじゃあ、私はこれで失礼します。あ、何かあったら、私にいつでも声をかけてくださって構いません…名前はシエスタです」
霧亥はシエスタと名乗った女性に、特に興味を示さずドアノブに手をかける。
何かを期待していたような素振りを見せていることに気づきつつも、特に声をかけることもしなかった男が生徒の部屋に入っていくのを見終えたシエスタは、何処かへと消えた。
「………」
目の前の状況を、じっと観察した霧亥は、横たわるルイズに歩み寄る。
一通り走査してから、その体に手をかけ、ひっくり返すようにして意識を覚醒させようとする。
「おい………」
声をかけてもう一度揺すると、ルイズはゆっくり覚醒した。
「だれなの…?」
危険なほどに低下した思考能力と感覚能力で、状況を把握し切れていないことに気づくも、特に手を加えない。
そのうち少しずつ理解し始めたルイズは、目の前の男に驚き、それが自分を締め上げた男だと思い出してもう一度驚いた後、やっとまともな会話が可能な状態になった。
ルイズはまったくどうすればいいのか分からなかった。
これが平民のメイドであれば、着替えのひとつでも手伝わせるところだが、目の前でじっとこちらを睨んでいる黒尽くめの男に、そんなことを頼む気にはなれない。
大の男に頼むということにも抵抗を感じるが、そんなものは平民と貴族という絶対的な溝の前には意味がない。
誰も犬に着替えを除かれて本気で恥ずかしがりはしない…が、彼女の中でこの男は、そういったくくりが通用しない存在になっていた。
もう締め上げられるのはごめんだし、その振る舞いは、とても犬扱いをする気になれないほど異質で、貴族を歯牙にもかけていないようにもみえる。
「き、着替えるから」
そういう人物への対処法をまったく心得ていないルイズは、霧亥の腕が自分の服を脱がそうとするところを想像して、二重の意味で顔色を変えると、自分で身支度を整え始めた。
霧亥が微動だにせず監視しているのが気になって、ボタンを閉めそこなうなどのミスを繰り返してようやく着替え終わるまでの間に、朝食の時間が近づいてきていた。
「でも助かったわ、条件を飲んでくれて…使い魔っていうのはね、主人のそばに居るものなのよ。言うまでもないかもしれないけど
 だから、これからは出来れば私の近くで行動してもらえる? そうすれば、私があなたの要望を聞いたり、何か分かったことをあなたに伝えたりもし易いし」
霧亥は考えているのか考えていないのかも読み取れない顔でルイズを見ている。
「出来るだけでいいのよ。私だって、立場的に、そんな積極的にあなたのために動けないし…」
「ああ」
「…やっと喋ったわね」
よほど警戒されているのだと感じて、少しばかり罪悪感が芽生えた。
自分がキリイのような扱いを受けたら、どうしていただろうと考えると、首を締め上げられ、毛髪を引きちぎられたことも野蛮と批判できない。
その上こんなことを話すのは気が引けるが、使い魔の役割…奴隷の役割について説明を始めた。

遠隔地での行動
感覚のリンク
母機の防衛

霧亥の要約によればこの三つ。
思考の書き換えとデータリンク用の阻止と回線の埋め込みに大別される脳の改造はこのためのものだったのかと、一人納得した。
「―――以上なんだけれど、あなたは私の指示に服従するどころじゃなかったし、感覚を共有できてもいないわね
 あの時に刻まれたルーンは残っているのかしら? 烙印のようなもので、契約が成功すれば使い魔には必ず現れるの」
「ルーン文字状の集約端末は機能を停止させてある」
「そ、そうよ、あれは文字よ。もしかして読み方も知ってるの?」
ルイズが驚いたような顔をしたのに、むしろ霧亥のほうが驚いた。
ルーンという呼び名からしても、その形状からしても、確実にこれは原始時代の古い人類が用いていた言語のひとつである。
過去にはいくつもの言語が存在したが、その多くが自然に、あるいは意図的に失われていき、霧亥が活動していた時代には、機械言語を除けば、たった二つの言語しか一般的には利用されなくなった。
そのうちの一つであるアルファベットの大本となったのが、この“ルーン”文字であり、当時それによって記された書物は、学術資料として電子化され、ネットにも保管されている。
何らかの理由で枝分かれし、退行した文明が効率よりも恣意な感性を優先し、ものを記号的に表記するのにこういったものを使う可能性は高く、階層都市でも稀に見られた。
しかし、コルベールと呼ばれた男もそうだったが、“魔法”と呼ばれる技術を行使するものたちですら、その意味を知らないというのは奇妙だ。
送り返すことが出来ないなどという話ではなく、その意味も、制御方法も知らずに、過去の技術を細々と利用しているのだろうか?
確かに、日常的に使える技術も、それを使える人間も限られ、建材や照明以外、まともにこの技術を用いたものは少ない。
霧亥は機能を喪失していた一時期の自分や、都市の技術をその身に纏いながらも知識を失った人々が、網膜や脳裏に直接表示される文字の意味を理解できずにいたことを思い出す。
「機能を停止“させた”って……やっぱり、何かのスペルで打ち消したの?」
霧亥は説明の必要を感じなかった。
理解されるとも思わなかったので、頷きもしない。
「…でも、それを知ってるってことは、大昔はハルケギニアの近くにいたのかしら? 交流があったのかもね。一つ前進?」
「アルファベット以外のゲルマン語派を使用する集団が消失したのは数百世紀の過去だ」
ぬか喜びだったかと、残念そうな顔をしたルイズが、驚愕で目を見開くのに時間は要らなかった。
「ちょっとまって、数百世紀!? それって、何万年も前ってことじゃない! 馬鹿なこと言わないでよ!!」
霧亥は何の嘘もついていない。
世界の発展と肥大に従い、意思疎通で効率的とは言いがたい無数の言語集団が存在する状態は解消された。
むしろ、ゲルマン語派の中でも古株であるルーン文字を使用した集団であるヴァリャーグの消失など、その中でも更に数千年単位で過去のことだ。
都市が正常であった時代、ネットに接続していない幼子でも、一般教養として教え込まれる事実を、霧亥が誤って記憶するはずもない。
数百世紀か、それ以上の昔。
原始のネットが、当時人類が住む唯一の惑星を覆いつくし、国家・民族・思想を消滅させる。
この時点で、恐らくルイズたちには理解できないのだろうが…
「始祖ブリミルの時代の十倍も昔だなんて、人どころかハルケギニアも無いかもしれないじゃない!」
今自分がどの程度の大きさの球面に立っているのかも知らない人間の口から出た、馬鹿げた話だ。
だが、霧亥に言わせれば、ある意味で正しい。
もしここが古い植民地であるなら、かつて新天地で目覚めた始祖達がこの惑星を今の形に“地球化”したはずであり、それ以前には惑星はあっても、ハルケギニアではなかった。
もちろん、その大元である階層都市が、ハルケギニア以前から存在するはずがないという意見は、事実と真逆であることに変わりない。
今回も話したところで無駄だろうと思った霧亥は口を噤む。
「まあ、ここで言ってもしょうがないわよね……最初の話に戻りましょう」
気迫にも根にも負けたルイズは、「ありえなくもないのかも」と薄ら寒く思いながら、霧亥のスキンスーツを突っつく。
「これ、鎧でしょ? 変な武器も隠してたし、体は丈夫だし、傭兵か何かだったの?」
傭兵という語句も、霧亥は一瞬理解できなかった。
特定勢力に属さず、報酬と引き換えに戦闘行動に加担するものたちの総称であり、戦争や紛争が大昔にほぼ消滅した彼の世界の常識ではあまり知られない。
類似する組織は存在し、治安維持を代行する警備会社のようなものは、行政組織に一定の権限を与えられ、多くは法執行権限のほか、即殺権を有していた。
霧亥も、企業の持つそういった組織に、ある意味では所属していたと言えるかもしれない境遇にある。
「身の上話をしろとは言わないけれど、腕は立つんでしょ? ここから出ようとして壁、破っちゃったし…あんな力で大剣を振るったら凄そうね」
剣とは、霧亥の時代でも極々稀に使われることがある。
その形状を例える際などに、明確なイメージもなく“柄の付いた長く薄い棒状のもの”に対して、当てられる語だ。
腕力が関係するとなると、一体どういうものだろう。
この世界の武具を当てにする気はさらさらなかったが、銃がない以上、多少は気になった。
「貴族でも相手にしなければ、相当強いほうになるわよね?」
「………」
無言の霧亥を見ても、自信がないから黙っているようには見えなかったので、ルイズは少し満足そうになった。
優秀な護衛が付いたことへの喜びかと霧亥は思ったが「メイジの質は使い魔を見れば分かる」らしい。
どのような使い魔が存在するのかは知らないが、この施設内部を蠢く、人類以外の生物はどれをとっても、ほとんど全ての能力で霧亥には到底及ばないだろう。
使い魔の何を見るかによるが、正常に拘束できていない以外は、喜ぶに値する。
「もうすっかり朝ね。一緒に朝食に行きましょう、キリイ」
すっくと立ち上がるルイズに、霧亥ついていこうとしない。
「どうしたの?」
霧亥の怪訝そうな表情に気づいた。
問いかけを受けた霧亥は、無感動に質問で返す。
「朝ってなんだ………朝食……?」
ルイズは言葉が出なかった。
霧亥と言葉が通じているのは、召喚時に言葉が通じるように魔法がかかったからであるはず。
なぜ意味が通じなかったのか?
答えを言えば、霧亥は自力で未知の言語を使用するハルケギニア人と意思疎通を可能にしただけであり、言葉の意味はいちいち頭で考えて理解していた。
そして、彼は朝と朝食など知らなかったのである…

…朝とは、一定周期で自転する惑星が、恒星に照らされて始めた時間のことである。
ある時ある部分が朝で、そうでないものは昼や夜。
なんともいい加減な時間の表し方だと、霧亥は思った。
朝食とは、朝にとる食事のことであるらしいが、起きてすぐとる食事をただこう呼ぶこともあるという。
階層都市も超構造体の発光は地球の自転周期に合わせて行われたが、あまりこういった扱われ方はしなかった。
「ここが食堂よ」
ここに来るまでに、ここがどういう国家に属する、どういう施設であるのかの説明を簡単に受けた。
ここには教育を受ける側である生徒たちが一同に会し、食事の席についているらしい。
「………」
生物の屍を身に纏う原人たちは、当然生物の死体を咀嚼するのだ。
自然の生態系などというわけの分からない危険なものが、地中や大気中の物質を、光のエネルギーを使って有機化合物として結晶化させたものを、いちいち分解して吸収。
その昔、古いヒト種も参画していた、生態系。
信じがたいとしか言えない。
都市が暴走し、ネットが機能を失って以降、ナノマシンが削除しない、人のためにかつて創られたある種の菌類に似たものを食用にする集落は確かにあった。
それにしてもこれは異常なことだ。
ここに並ぶ食物を見るに、“地球化(テラフォーミング)”は行われたとしても失敗したか原始的なもので、人類にとって優れた環境や生物を作出できなかったようだ。
「こっちよ」
長机の中央辺りに行くと、そこにある空席にルイズは座り、食事の内容を確認する。
「あなたはそっち、机は使えないの」
指差された床には、小さな椅子の上に、水でふやかした植物と何かの筋肉組織が載った皿と、何かの糖質を含んだ組織を磨り潰して、原始的な最近に腐敗させた後に焼き固めたものが置いてある。
これがこの世界での食事であると理解できても、とても食事という気はしなかった。
その昔、このような食料の合成過程を踏む物好きたちはいたが、それでも栄養バランスや消化・吸収効率は完璧に計算され、言うまでもなく衛生的なものだった。
「すぐ用意させられたのはこれくらい。後は私のも少しなら分けてあげるわよ、どうせ食べきれない量だし」
病み上がりで、今まで食事は一度もとっていない霧亥。
その霧亥に食事を提供するルイズ。
関係を改善させ、主人の懐の広さを見せることで、信頼も築こうという思惑がそこにあった。
加えて「本当は貴族しか入れないから、使い魔は向こうなのよ」という事実をさりげなく伝える。
完璧な手だと思ったが、結果は違った。
「どこいくのよ!」
霧亥は捨て台詞をはくでもなく、不満を露にするでもなく、無表情なままどこかへ出て行こうとした。

貴族しか入れないといったから?
使い魔のことを出したから?
食事が貧相だったから?

いずれも考えられるし、普通これ全部に気を悪くするだろうと、今頃ルイズは気づいた。
あの身体能力と、珍しく高価そうな鎧、博学さ。
傭兵であれば給金は高く、貴族でなくともそう悪い生活をしていないはずだ。
「……どこいくのよ」
悲しくなったのと、周りからの好奇の目に、肩を落として席に戻る。
「騒がしいぞ」というような声を受けて、黙って食事を開始しようとするルイズを尻目に、霧亥は食堂を出た。
別段不満はなかった。
あるとすれば、食事という行為そのものだろう。
霧亥は、仮に機能回復前であっても、めったなことでは食事を取らない。
とることになったとしても、あのような食事は、とてもする気になれない。
必要なのは電力。
次点では、高吸収高効率の純粋な燃料。
廊下に出て、従業員が歩き回る中を一人で歩く。
「あ、キリイさん」
シエスタが声をかけてきたので、霧亥は歩みを止める。
何の用で呼び止めたのかと、じっと睨みつける霧亥の様子を勘違いしたシエスタは「名前は先生方から知らされました」とやわらかい笑顔で答える。
「何のようだ」
「あ、いえ、その……お困りのことはないかな、と」
怒られているような気分がして、縮こまるシエスタはこの施設の従業員。
この施設にある構造や機能はもちろん、この周辺地域の知識も相応に持ち合わせているはず。
「この辺りに利用可能な蓄電施設はあるか?」
「チクデ……そ、それがなくて、困っているんですか? でも、そんなものここにはないと思います。というか、なんですかそれ……」
霧亥の徘徊する都市には、巨大な蓄電槽が無数に存在する。
基本的にエネルギーや情報はすべて転送され、質量すらも空間的な縛りを超えるか、そういったことをせずとも、その場に存在する物質を変成させるだけで間に合う。
動かすことは容易で、熱力学の第二法則すら、プランク定数の世界をのぞいて回避される世界。
むしろ魔法の世界だが、それでも無から有を生み出すわけではないのだ。
どこかには、転送されるものが貯められている。
頻繁に利用される電気エネルギーの保管庫が、並列蓄電槽である。
「あの、とりあえずお食事でもとってはどうです?」
またあれを薦められるのかと思うと、いい気はしなかった。
「食堂に持っていった食事は、お口に合いませんでしたか? もっとおなかに優しいスープか何かを…」
霧亥はその声を無視して、手頃な壁に腰掛けると、腰の辺りのパウチから、あるものを取り出す。
四角く細長い、白色の無機質な物体。
霧亥は複雑な金属臭を“楽しむ”と、口に咥え、とても硬そうな音を立てて砕いた。

シャキ サク

噛み砕く音だけを聞けば、クラッカーか何かにも思える。
「それ、食べ物なんですか?」
エネルギーを補給することが可能な燃料として霧亥は利用できるのではあるが、ハルケギニア人にとっては、吸収どころか消化もできないだろう。
珪素基系の肉体を持つ、身体改造者や、建設機械などが用いるグリス。
本来液状ではあるが、常温では半固形の姿をとる。
更に言えば、石鹸其―――脂肪酸の塩―――を含まないグリスであり、その使用温度は高く、常温はこのグリスにとっては低すぎ、氷のように固まっている。
この為、魅力的な咀嚼音と、十分に強靭なあごを持つものにとっては素晴らしい食感を発揮するのだ。
「…美味しいですか? なんなんです、それ?」
とても食物とは思えないものを、目の前の男が黙々と食べているので、シエスタはつい興味を持った。
霧亥はその言動を受けて、食べかけを差し出す。
「た、食べてみてもいいんですね」
受け取ったシエスタは、なぜか少し顔を赤くしながら、了承も受けずに力いっぱい噛み千切る。
小さなかけらが口の中で砕かれ、舌の上に広がる。
霧亥がグリスを奪い返した直後には、シエスタは流水のある場所へ駆け出していた。
金属や無数の添加剤は、とても味覚的に耐えられるものではないし、飲み込めば最悪、命に関わる。
霧亥はそのことを知っていたので、観察のために渡したつもりだった。
量が減少したことに、今日初めての不満を覚えつつ、顔色は白いままに食事を再開する。
特に口腔内に分析装置も持たない彼女が、なぜグリスをいきなり吐き出しに行ったのかは、むしろこのグリスを気に入っている霧亥には理解できなかった…
…食事などという、数千年かあるいはそれ以上も忘れていたことを、都市の恩恵を受けられないようになって経験せざるを得なくなった霧亥は、
もし気まぐれで錆びたグリスを収集していなければどうなっていたのかと、普通の人間―――彼の世界の基準でいう―――ならば身震いするような想像をしながら、学院の中を散策していた。
行く先々で人と遭遇したが、遠巻きに何かをつぶやくことはあっても、幸い直接会話をしようとすることはなかった。
ルイズが探していることを知りつつ、1000秒もの間、学院中を回り、情報を集めた霧亥は、狭苦しく原始的な施設の構造材にいくつか奇妙な点を見つけるに至る。
何らかの技術によって、分子間力等が変質している物質が多量に見られたことや、操作可能な力場が照明などに組み込まれていることなどだ。
特に後者などは、人間の手作業でも機械的に構築可能な構造であるにもかかわらず、その全てが“何らかの技術”、つまりは魔法と呼ばれるものに依存している。
悲惨なほど偏った技術は、ありとあらゆる物が失われ行く過程で、唯一生き残ったものにかろうじてすがりついた結果だろうか?
途中で聞こえてきた会話によれば、魔法に関する知識と理解は極端に低いものらしい。
「ブリミル」と呼ばれる開拓者集団か企業体によって「魔法」の恩恵を受けているらしいことは判明した。
まるで意味のない情報だ。
システムに俗称が与えられることは当然であるし、それを作り出した集団がいることなど言うまでもない。
固有名詞も、恐らく「6000年の歴史」という様な、いい加減な記録の中でかなり変質しており、当時の人物にその名を出しても通用しないだろう。
「キリイ―――ッ!!」
ルイズが走りよりながら大声で自分の名を叫んだので、霧亥は歩みを止める。
「よかった、出ていっちゃったのかと思った……」
ほっと一息ついたのをみて、霧亥は「本当に出て行くことになったときに追われては面倒だ」と、薄れ始めた機能回復前の経験を参考にしながら考えた。
「食事はどうしたの?」
食事は無用であることは示したつもりだったが、なぜこうも食事にこだわるのだろうか。
ここの人間たちが、それ無しには数日と生きられず、12時間もすれば機能不調を来たす事は容易に分かるが…。
「聞いてみたら、厨房のほうで食事をとってもいいらしいわよ」
「………」
無言で否定を続ける霧亥に、ようやくルイズは折れたが、なにやら不安げな表情のままだった。
その不安の元であるらしい「これからどうするのか」ということについての質問にも無言を貫いた。
なぜ高だか数時間の動向についてここまで干渉しようとするのか、使い魔とはそういうものなのかと、霧亥は少し悩む。
「それで、授業を見学させてあげてもいいかな、って…何かわかるかもしれないわ。こっちの字は読めないみたいだし……」
霧亥は行動を続ければ続けるほど判明する、失われてこそいないが本調子ではない身体機能と、その維持のための補給や整備が困難であること。
この世界の、ありとあらゆる意味での不明な領域の広さ。
以上のような理由から、手近なところから情報をできるだけ集めようとしていた。
できることなら、記号の意味を学習し、記録情報を参照するのが一番時間を節約できるのだが、ここではそういったソフトウェアをインストールすることができないのは間違いない。
「一緒に行ってみる?」
振り向いた霧亥は同意しかけると、ルイズの顔色がまた変化したので、もう一度顔を正面に向け、その視線の先にあるものに注目してみる。
「そんな誘い方じゃだめに決まってるじゃない。といっても、あなたが男の扱いを心得ているはずないけれどね」
「キュルケ……」
メラニンが皮膚組織に沈着しているほか、ある劣性遺伝による多量のフェオメラニンと少量のユーメラニンを含んだ頭髪をした女性体がいた。
この相反する遺伝的特徴を持つ個体はここの人種の中でも特別であるらしく、彼女以外に霧亥は発見できなかったので、今までの観察の中でも少しは印象に残っている。
「これがあなたの使い魔?」
「そうよ」
キュルケと呼ばれた人物の笑い声よりも、霧亥はその後ろに控える生物に注目していた。
古い生物種の分類によれば、あれは脊椎動物の爬虫類ということになるだろうが、体内で有機物を急速に酸化させ、小さな炎を出す妙な生き物だった。
大気組成を変化させるある種の生物を模した都市の一部が変異し、歩き回っては自然に繁殖している地域で、高い可燃性を持つガスを放出しているものを見たが、それを思い出させるものだ。
「本当に平民だなんてね。確かにいろいろ凄いけれど、あなたは悪い意味で凄いわ」
「うるさいわね」
「使い魔ってね、こういうのをいうのよ。ねぇ、フレイム」
「……サラマンダーね」
その生物の名称は、霧亥に俗っぽいという印象を与えたが、その理由をネットで検索することはできなかった。
学術名ではないことがそうさせたのだろか?
キュルケという人物は、長々とフレイムの由来を推測していたが、遺伝情報や形質から、細かな種別はおろか、生息地を確定することも満足にできないらしい。
「炎が綺麗」という曖昧な判断基準で、価値が高いことを主張した。
「それにしても、結構いい男じゃない。線は細めで、顔色は悪いけれどね……病み上がりなんだから、連れまわさないで養生させたら? 食事も取らせなかったでしょ?」
「自分で勝手に歩き回ってるのよ。朝食も自分でとらなかったの」
「あらそぉ…」
キュルケがにんまりとしながら、霧亥のほうを向く。
「いじっぱりね、自分を連れ去った貴族の施しなんか受けないってこと? でもそのタフネスさも、なかなか素敵じゃない」
霧亥は何のことを言っているのかさっぱり理解できなかった。
とにかく、この人物が自分の行動について、誤った解釈をしていることは確からしいが、それを訂正することに意味はないはずだ。
「寡黙なところも素敵ね。真っ黒な瞳も鋭くて、ぞくぞくするわ」
正確には理解はできなかったが、どうやら挑発か何かのようであるらしい言動。
まっとうな感情など捨てるか、失われてしまった霧亥には余り意味がないが、そういう手段をとらせる目的がなんなのかという興味を持たせることには成功した。
「人の使い間に色目使ってんじゃないわよ!」
「あら、あなたの使い魔でも、あなたの男じゃないでしょう―――?」
その後は、霧亥をそっちのけでなにやら口論を始めた。
霧亥は黙って聞くうちに、キュルケが自分に対してとった行動の意味と目的を理解し始めた。
彼女ら自身、深く考えることなどありはしないのだろうが、要するに遺伝子の匂いが彼女をそうさせたのだ。
霧亥にとって、これは驚くべきことである。
生殖と自己複製自体に異常性があるとは言わないが、これはとても人間のとる行動ではなかった。
だが、考えてみれば当然だろう。
なぜなら、霧亥の知る人間も、都市文明もここには存在しない。
ここの人類は、文明を構築する知性としてよりも、さらに社会の構成員としてよりも、まずひとつの生物種の中の一固体として存在している。
剥き出しの個体維持本能である食欲があるように、種を維持するための本能として、生殖はきわめて優先すべきものに据えられているはずだ。
遺伝子プールを保つために、自身と異なる遺伝情報、優れた形質を持つ異性を見分けるための品定めだったのか、と霧亥はキュルケを眺める。
文明が人類という生物種そのものにメスを入れる前、人類が生態系の中で歯車のひとつとして生きていた時代。
遺伝子の乗り物と揶揄される存在であった時代。
あるいはこういった光景を見ることができたのかもしれない。
「いくわよ、キリイ!」
霧亥は自身が遺伝情報を求めて都市を探索していたことを思い出す。
もちろん、それは生殖のためでもなければ、それ自体が目的だったわけでもない。
全ては都市を救うためのひとつの手段として、ネットの正常化を目指した結果、必要になったことだ。
「じゃあね、ミスタ・キリイ」
この世界の人々は、高度な社会も文明も持たない。
霧亥にとっては人間とは思えない存在であり、とても見れたものではないと、これまで観察してきた全てを総合して思う。
逃げ惑いながら黄昏の時代を生きる、都市住民の生き残りたちですら、霧亥の基準でいう、短くもより人間らしい美しい生を、這いずり、のたうちながら全うしていた。
では、この世界の人々を、霧亥の世界で言う人間の基準に当てはめなければ?
「早く来なさいよ」
ルイズに引かれた手を払いつつ考える。
人類が生物種としての意味を失いつつある時代、あるいは人類が生命の定義すら超越した存在になりつつある時代。
霧亥には、その過程を遡れば見えてくる気がした。
ゆっくりと廊下を歩き、窓際により、外の景色を眺める。
有機物の堆積層の上に広がる、代謝と生殖を続ける巨大で混沌とした生物群。
人間らしくではなく、彼らは一種の生物らしい美しさを持つ生を全うするのである。
そのように理解できる何かが、都市に刻まれた記憶の中に、あるいは眠っているのかもしれない…

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