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ゼロの賢王 第12話


(チッ、あの時の奴かよ!?)

ポロンは宝物庫で見たゴーレムを思い出す。
あの時は、距離もあったし、何より自分は自由に動けなかった。
だが、今は違う。
ポロンはルイズをゆっくりと下ろすと、ゴーレムに向かって手を翳す。

「ギラ!」

手から放たれた熱の閃光がゴーレムの腕を捉える。
しかし、腕には傷1つついておらず、ゴーレムに効果的なダメージを与えるに至らなかった。

「やっぱりな・・・!実は見掛け倒しとか期待してたんだけどね!」

ポロンはそう言うと、ルイズの手を引いてその場から去ろうとする。
しかし、ルイズはその場から動こうとしなかった。

「・・・ルイズ?」

ルイズの視線はゴーレムを見つめ続けている。
恐怖で動けなくなったのだとポロンは思ったが、すぐにその方がまだマシだったと気付く。
ルイズは杖をゴーレムに向けた。

「ファイヤーボール!」

杖の先からは火の玉は出ず、ゴーレムの足元が爆発を起こす。
しかし、それもゴーレムには何の影響も与えてはおらず、寧ろ退却するチャンスを失うことになった。
ゴーレムがこちらへ向かって突進を始める。
その巨体からは想像出来ないスピードでこちらへ向かって来ると、あっという間にルイズの近くまでやって来た。
ルイズは目の前まで迫って来たゴーレムに向けて再び杖を向けた。

「ファ・・・」
「バギ!!」

ポロンはルイズが魔法を唱えるよりも先に地面へ向けて真空の刃を放った。
風圧により、一瞬だがゴーレムの動きが鈍る。

「ピオリム!!」

その隙にポロンはルイズを抱えると、自らに呪文を掛けた。
先程よりも身を軽くしたポロンは、少女1人を抱えたまま、常人以上の速度でその場を走り去る。
すぐにゴーレムもポロンたちの追跡を始めた。
その追いかけっこの最中、ルイズはポロンの腕の中で激しく暴れた。

「ちょっとポロン!今すぐに離しなさい!あいつなんか私の魔法で・・・」
「ぐっ、暴れるなって!」
「ポロン!!」
「うるせえ!!!!」

ポロンはルイズに向かって吠える様に言った。
ルイズは「ひっ」と悲鳴を漏らし、大人しくなる。

「状況を考えろ!!死にたいのかお前!?」
「だって私は貴族なんだもの!貴族は魔法が使えるから貴族なんじゃない!敵に背中を見せない者、それが貴族なの!!」
「そんな犬も食わないもん今は捨てろ!!」
「嫌よ!」

ルイズはここに来て意地を張り続ける。

「・・・逃げたなんて知れたら、一生の恥なのよ!?それならここで立ち向かって討ち死にした方がマシだわ!!」
「・・・・・・・・・・・」

ポロンはその場に立ち止まった。
ルイズは「えっ?」と不思議そうな顔でポロンの顔を伺う。
すぐ後ろにゴーレムが迫って来る。

「ちょっと、ポロン!!ゴーレムが・・・」
「敵に背を向けないのが貴族なんだろ?」
「え?」
「止まって欲しかったんだろ?」

ポロンは何の感情も込めずにただそう言ってのけた。
ルイズは顔を青褪めさせる。
ゴーレムはポロンをルイズ毎踏みつける様に足を高く上げた。
ポロンの周囲が影に覆われる。
しかし、ポロンは身動き1つ取ろうとしなかった。
ルイズは思わず叫んだ。

「イヤアアアアアアアア!!」

その時、影が2人をその場から連れ去った。
ゴーレムは何も無い地面を踏む。

「・・・間一髪」

そう呟いたのはタバサだった。
相変わらず落ち着いた様子であったが、よく見ると額に少しだけ汗をかいている。
2人を連れ去ったのは彼女が駆る風竜のシルフィードであった。

「キュイィィィィィ」

シルフィードはひと吠えすると、そのまま高く上昇した。
茫然とするルイズに、ポロンは言った。

「な?生きてて良かっただろ?」
「・・・・・・!!」

ルイズは拳を握り締め、ポロンをポカポカと叩く。
しかし、すぐにボロボロと涙を零し始めた。

「うえぇぇ、バカ、バカ!バカポロン!!ひっく、ひっく・・・」
「・・・すまねえな。だが、あの時のお前は梃子でもあの場を動こうとしなかったし、
 無理矢理連れて来て辺に禍根が残っちまうのもどうかな?と思ってさ。
 調度、上空にこいつが見えたから、ちょっと試してやったのさ」

そう言って、ポロンはシルフィードの背中をさすった。
シルフィードは再び「キュィィィ」と吠える。

「私が助けなかったらどうしたの?」

タバサがぽつりと呟くと、ポロンは笑顔で言った。

「助けないつもりだったのか?」

タバサは何も答えなかった。
ポロンはタバサに向けて親指を突き立てると、すぐに真剣な表情でルイズを見た。

「・・・いいか、ルイズ。何があっても死んだらそこで終わりだ。終わりなんだよ。どんな金持ちでもどんな貧乏にでも等しくな。死を恐れないのは勇気じゃない。ただの馬鹿だ。大馬鹿者だ。人が死ねば、誰かが必ず悲しむ。お前は誰かを悲しませたいのか?」

ルイズは首を横に振った。

「・・・なら、約束しろ。二度と死んだ方がマシとか言うな」

ルイズは無言で頷くと、数十秒前の出来事を思い出して身震いする。
ポロンは震えるルイズの肩を優しく叩いてあげた。

「・・・で、これからどうしますの?ミスタ?」

後ろを振り返ってキュルケが訊ねた。
ゴーレムに対し逃げることしか出来ない自分たちが不甲斐ないからか、先程から存在を無視されていたのが多少気に喰わないのか、
不機嫌丸出しの顔である。

「・・・お手上げ。少なくとも今の俺たちにあいつをどうこうは出来ないだろうな」
「ハッキリ言いますのね。まあ、確かにそうだけど」

キュルケは悔しそうに爪を噛んだ。

「・・・そう言えば破壊の杖はどうした?確か、それさえ持って帰れば良かったんじゃなかったっけか?」
「それもそうですわね。それならここにありますわ」

そう言って、キュルケは破壊の杖を取り出した。

「やっぱりな・・・」
「?これがどうかしまして?」

キュルケが聞くと、ポロンは破壊の杖を手に取った。

「・・・こいつは杖じゃねえ、『マジックアロー』っていう武器だ」
「『マジックアロー』?矢なの?」
「ああ、こいつに呪文を込めると・・・」

その時、ポロンに1つのアイディアが浮かぶ。

「・・・そうか、これならいけるかも知れねえ!」
「ミスタ?」
「あのゴーレムって、やっぱ何かしらの核みたいなのがあんのか?それを攻撃するとバラバラになっちまうような」
「え?・・・そうねえ」

キュルケは考え込むと、タバサが横から口を出す。

「大抵はある。・・・もっともそれは内側にあることが多いからそうそう攻撃は出来ない」
「だが、あるんだな?」

タバサはこくりと頷いた。

「なら、こいつでその内側の核を破壊する!」

ポロンは破壊の杖、改めマジックアローをしっかりと握り締めた。


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