あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

デモゼロ-14

 馬鹿力のルイズ、元「ゼロ」のルイズ
 とうとう、自分の使い魔の正体を知っちゃった

 それは、悪魔寄生体
 宿り主に、強き力を与える存在

 …だが、しかし
 その力に飲み込まれれば、本当に悪魔のごとき存在となってしまう

 自分は、どうするべきなのか?
 今ならまだ、間に合うと言う
 だが、しかし


 …自分に、使い魔を捨てる事など、できるのか?



 広い広い、華やかなホール
 そこで、魔法学院の生徒や教師たちが、各々着飾った姿で、踊りや雑談を頼んでいた
 …今夜は、フリッグの舞踏会
 土くれのフーケの騒ぎで、一時は中止すべきでは、との声も出たものの
 ルイズたちの活躍により、無事事件が解決した…と言う事になった為、例年通り開催される事になったのだ
 キュルケは華やかで露出たっぷりのドレスに身を包み、多数のボーイフレンドに囲まれて雑談を楽しんでいた
 傷痕は水メイジの治療にって完全に消えており、痛々しさは全くない
 もぐもぐもぐ
 タバサは、そこから少し離れた所で、黒いパーティドレスに身を包んだ姿で料理に夢中だ
 大変な戦いの後だったからか、いつもより食欲倍増である
「もう、よく食べるわねぇ。その小さな体にどれだけ入るのよ?」
 す、とボーイフレンドたちから離れ、キュルケはタバサの様子に苦笑した
 思わず、ルイズの状態を思い浮かべたが…この親友は、前々から、体格に似合わずけっこう食べる子だった、と言う事実を思い出す
 …きょときょと
 キュルケは、ホールの中を見回す
 目当ての相手の姿は、まだない
「遅いわねぇ、ルイズ」
「………」
 そう
 ある意味で、今夜のパーティの一番の主役と言ってもいいルイズの姿が、まだない
 準備に時間がかかっているのだろうか?
 キュルケは、つい数時間前のルイズの様子を思い出し…心配になってくる


「私…次第…」
 選択を突きつけられたルイズ
 使い魔を、捨てるか、否か
 使い魔を捨てなければ…どこか、一つでも間違えたら、その存在に己を飲み込まれる
 人の心を、失ってしまうかもしれない
 その恐怖を自覚して、震えていたルイズ
 キュルケに出来た事は、そのルイズの体を、そっと支えてやる事だけで
「……私、は」
 ぎゅう、と
 強く、強く、拳を握り締めていたルイズ

 きっと、あの苦悩は…同じ立場に立たされた者にしか、わからない


 …と、その時
 ホールの扉が、開かれた
「ヴァリエール公爵が息女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ヴァリエール嬢、おな~り~!」
 ひらり
 美しい、純白のドレスに身を包んだルイズが…ホールに、姿を現した
 その姿は、馬子にも衣装?
 いや、違う
 ルイズが本来持っている高貴さ、美しさが、存分に発揮された姿
 普段、ルイズの事を馬鹿にしていた生徒たちも、思わず見とれてしまう姿だ
 まぁ、人間なんてそんな物である、所詮見た目だ
 特に、男子生徒たちは、その美しさに思わず見とれ、ルイズをダンスに誘っている者もいる
 …が、しかし、ルイズはその誘いを全て断っていた
 そして、ずんずんずん
 向かう先は!!
「…あ、やっぱり」
 思わず、呟くキュルケ
 ぱくぱくもぐもぐ
 用意された豪華な料理に食いつくルイズの姿に、キュルケは思わず、和んだ笑みを浮かべたのだった


 もぐもぐもぐ
 うん、美味しい!
 やはり、体を動かした後の食事と言うものは最高だ
 …一応、その、ドレスに着替える前にも、軽く食べたのだ
 着替えている間、おなかが鳴りっぱなしと言うのも嫌だから
 …そうなのに、やっぱり、食べたい
 色々と視線が突き刺さっている気がするが、気にせずルイズは食事する
「…あ、あの、ルイズ様…」
「あら、シエスタ。あなたも食べればいいのに」
 もぐごっくん
 デルフを運んできてくれたシエスタに、笑いかけるルイズ
 ルイズのそんな言葉に、シエスタは慌てて首を左右に降った
「い、いえ!私は、まだ仕事がありますから…」
「そう?…あ、デルフはそこの壁にでも立てかけておいてくれる?御免なさい、重たかったでしょ」
 いえ、とシエスタは微笑んで、デルフをすぐ傍の壁に立てかけてくれた
 そのまま、料理を運ぶなどの仕事に戻るべく、ぱたぱたと離れていく
 一応、デルフもルイズの手によって活躍したのだし
 剣であるデルフには、舞踏会などよくわからないかもしれないが、一応、雰囲気だけでも味合わせてあげようと思ったのだ
 が、流石にドレス姿の自分が持ってくるわけにもいかず、シエスタに運んでもらったのだ
 ひゅ~ぅ、とデルフは口笛のような音を出す
「賑やかなもんだねぇ。俺には何が楽しいのか、よくわからねぇけど」
「ま、あんたは踊る事も食べる事もできなんだし。とりあえず、雰囲気だけ味わったら?」
 言いながら、ルイズは他の料理に手を伸ばす
 …せっかくのパーティだ、今日は食べ尽くそう!!
 食欲全開の、そんなルイズの姿に
「…舞踏会ってのは、踊ってなんぼなんじゃね?」
 と、デルフは剣の癖に、至極真っ当なツッコミを呟いたのだった


 どうしよう
 どう、声をかけようか
 キュルケは、少し離れた位置からルイズを見つめ、悩む

 …ルイズが、決断した様子を
 キュルケは、間近で見たのだ

「…教えて、モートソグニル」
「ちゅ?」
「あなたは、あの化け物を…人間に戻した、わよね?あれは…私にも、できる?」
 俯いていた、顔をあげ
 ルイズは、真っ直ぐにモートソグニルを見つめ、そう尋ねた
 こくり、モートソグニルは頷いてくる
「できまちゅよ。僕たちのような力を持った者は、あぁやって悪魔の種を取り出すのでちゅ」
「……それじゃあ」
 ルイズの瞳に宿るのは、強い、決意
 彼女は、答えを選んだのは
「私は…この力を捨てない。捨てる訳には、いかないわ」
「…どうして?」
 モートソグニルの問いかけに
 ルイズはゆっくり、はっきりと、答える
「弱き者を護る、救う。それが、貴族の役目。あの化け物の状態になってしまった人たちは、平民だったわ。
 あれは、メイジでも、太刀打ちするのが難しい相手。
 きっと、あれに立ち向かえるのは、同じ力を得た者だけ…そうなんでしょう?」
 ちゅちゅ、とモートソグニルは頷いている
 …それは、キュルケにもなんとなくだが、わかっていた
 トライアングルクラスの自分やタバサでも、あの化け物と戦って、勝てるという確証はない
 …しかし
 そんな相手を、ルイズとモートソグニルは、いとも簡単に薙ぎ払ってしまった
 あれらに太刀打ちできるのは、同じ力を得た者たちだけなのだ
「そして…あの状態になってしまった人達を人間に戻せす事が、救う事ができるのならば…
 私は、その力を、捨てる訳にはいかないの」
 あぁ、ルイズ
 その瞳に、強い決意を宿らせながらも…小さな体は、震えている
 力に飲み込まれるかもしれない恐怖
 それと、必死に戦い続けている
「私は、どうしてなのかはわからないけれど…魔法が使えない。貴族なのに、魔法が使えない『ゼロ』のルイズ。
 こんな私でも…この力が、あれば。弱い人達を、護る事が、救う事ができる」
 …あぁ、だから
 あなたは、険しい道を、選ぶというの?
「だから、私は使い魔を、この力を捨てる訳にはいかない。『ゼロ』の私でも、誰かを救えるのなら
 …私は、この力を捨てたりしない。力に飲み込まれたりしない、制御してみせる!!」
「…ルイズ」
 強く、強く、はっきりと
 皆の注目を浴びている中…ルイズは、そう言い切った
 戦うのだ、と
 彼女は、明言してみせたのだ

 あの瞬間の、ルイズの決意の表情
 しかし、同時に震えていた、体
 …果たして、自分は、あのルイズに、どう声をかけてやればいいのだろうか?
「…あら?」
 ……と、キュルケが悩んでいると
 ルイズに、す、と近づいている青年の姿に気付く
 あれは…
「…もう。先を越されちゃったわね」 
 青年がルイズに話し掛けている姿に、キュルケは苦笑して
 気持ちを切り替えるように、すぐ傍のテーブルの料理に、手を伸ばすのだった


「ルイズちゃん、ルイズちゃん」
「むぐ?……あ、モートソグニル」
 自分に話し掛けてきたモートソグニルを、ルイズは見上げた
 整った身なりの、青年の姿をとっているモートソグニル
 舞踏会と言う場のせいか、さほど違和感を感じる事無く、場に溶け込んでいる
「楽しんでまちゅか?」
「えぇ、とっても!」
「食ってばっかりだけどな」
 ぎゅうううううううう
「っちょ!?痛い痛い痛いやめてーお願い手加減してー!!」
 余計な事を言ったデルフの柄を、思いっきり握り緊めるルイズ
 悲鳴をあげるデルフの様子に、モートソグニルは苦笑してきた
 うん、これくらいにしてあげようか
 ぱ、とルイズはデルフを解放してやる
「モートソグニル、いいの?オールド・オスマンから離れていて」
「大丈夫でちゅ。ご主人様の許可はとってまちゅ」
 なら、いいのだけれども
 じ、と…モートソグニルは、ルイズを、見つめてきて
 ぽつり、呟いてきた
「…良かったんでちゅか?ルイズちゃん。本当に…その力を、捨てなくても」
「貴族に二言はないわ」
 そうだ
 これは、自分が決めた事
 自分が出した、答え
 この力で、誰かを救う事ができるのならば
 …自分は、恐怖に打ち勝ってみせる
 力に飲み込まれたりしない
 必ず、制御しきってみせる
「だから、モートソグニル…この力の、制御の仕方。教えてね?」
「もちろんでちゅ。協力するでちゅよ」
 ありがとう、とルイズは微笑んだ
 そして…そろそろ、料理を食べるのにも、満足して
 にこり、モートソグニルを見上げる
「ちゅ?どうしたでちゅ?」
「せっかくだから…一曲、踊ってくださる?」
 ルイズの、その申し出に
 ちゅちゅ?と、モートソグニルは、途惑った様子を見せた
「え?でも…僕、所詮鼠でちゅから。ダンスなんて、できないでちゅよ?」
 わたわたわた
 慌てているその姿に、ルイズは思わず笑みを深めた
 戦っている姿や、学院長室での様子などを見ていた時は、なんだか凛々しい感じだったけれど
 今のこの様子は、まるで彼の本来の、あの可愛らしい鼠の姿を連想させて、気持ちが和んでしまう
「大丈夫よ、私がリードするから」
「ちゅ…そ、それじゃあ、一曲だけ…」
 恐る恐る、ルイズの手に手を差し伸べたモートソグニル
 ルイズは、この日一番の、最高の笑顔を浮かべて…モートソグニルの手をとったのだった

 くるり、くるり
 今日のパーティ一番の主役と、どこからともなく現れた青年が、ダンスを踊る
 慣れない様子のモートソグニルを、ルイズがリードしてやる様子は、どこか微笑ましくて
 いつの間にやら、ホールの視線を釘付けだ

「はっはっはぁ!メイジと踊る使い魔なんて、初めて見たぜ!!」
 けらけら
 そんな二人の様子に、デルフはさも愉快そうに、笑い声を上げたのだった












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