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ゼロのチェリーな使い魔-21



フリオニール達が「スカボロー」の港でルイズとワルドを待ち伏せしていた頃

ルイズとワルドの乗った船がフリオニールの想像通り空賊の軍艦に拿捕されていた。
捕まえた船にトリステインの貴族が二名同乗していたので、賊はとりあえず軍艦の船蔵に
軟禁し、賊の一人がアルビオン行きの目的を問いただすときびすを返して蔵から出て行った。
空賊なんぞに屈服してたまるものか、と毅然とした態度を崩さないルイズにワルドが
「いいぞ、ルイズ。さすがは僕の花嫁だ」
すっと近づき肩を抱いて励ます。ポイントを稼ごうと躍起になっているようだ。
しばらくすると先程の賊が二人の元へやってきて
「お頭がお呼びだ」
船長室へと案内した。
狭い廊下を通り細い階段を上るとある一室の中へ入るよう促された。二人はドアを開けて
中を見渡すと豪華なディナーテーブルがあり、上座に派手な服を着飾り水晶の付いた杖を
握った男が鎮座しているのを確認した。恐らく元メイジの船長だろう。
「さぁ、名前を言え」
「大使としての扱いを要求するわ」
ルイズは恐怖に震えながらも空賊のお頭に一歩も引くことはなかった。
押し問答の末、このお頭こそがアルビオン王国の皇太子ウェールズ・テューダーその人で
あることが判明した。
ウェールズは賊に扮した変装を解き、拿捕は敵の補給路を絶つ為であることを弁明すると
「アルビオン王国へようこそ大使殿。君達を試すような真似をしてすまかった。外国に
 我々の味方がいるなど夢にも思わなかったのだよ」
歓迎の挨拶と無礼の謝罪をした。
ルイズとワルドは居住まいを正し自己紹介を済ますと、
「アンリエッタ姫殿下より密書を言付かって参りました」
ルイズは胸のポケットからアンリエッタの手紙を取り出した。
恭しくウェールズに近づき手紙を渡そうとしたルイズだったが
「あの・・・失礼ですが、本当に皇太子様ですか?」
躊躇いがちに伺った。するとウェールズはクスクスと笑い出し
「さっきまでの変装を見ていれば無理もない。僕はウェールズさ。何なら証拠をお見せしよう」
ルイズの指にはめられた指輪を見つめて言った。
この指輪はアンリエッタがルイズに手紙を託す際に困った時の旅の資金にでも、とプレゼントした
ものでルイズはこれから一体何が起こるのか好奇心に駆られた。
ウェールズは自身の薬指に光る指輪を外すとルイズの手をとりアンリエッタの指輪に
近づけた。二つの宝石は共鳴し合い虹色の光を放った。
「僕の指輪はアルビオン王家に伝わる『風のルビー』だ。君が嵌めているのはアンリエッタの
 『水のルビー』。そうだね?」
ルイズはコクリと頷く。ウェールズは微笑を浮かべ
「水と風は虹を作る。王家の間にかかる虹さ」
大使を労った。ルイズは改めて謝罪の言辞を述べ手紙をウェールズに手渡す。
ウェールズは大事そうに手紙を受け取り花押に接吻すると封を開け便箋を取り出した。
真剣な表情で手紙を読み耽るウェールズ。途中驚いたように目を見開いた瞬間があったが
最後の一行まで読み終えるとルイズとワルドを笑顔で見つめ
「了解した。しかし、姫より返して欲しいと頼まれた物は今手元にはない。ニューカッスルの
城にあるのだ。僕の宝物だからね。多少面倒だがお二人にはご足労願いたい」
ニューカッスルまで同行するように促した。
ローブをまとった怪しい男と対面するフリオニール達。
「いいんじゃない?そのかわりガゼネタ掴ませたら承知しないわよ!」
キュルケは他に当てがあるわけではないので、ラ・ロシュールから出港した船に男女一組の
貴族が乗っていて昼頃にはこのスカボローに到着しているはずである旨をローブの男に
伝えると金貨10枚を支払った。
持ち逃げされたら困るから、という理由でフリオニールがローブの男に付き添うことになり
約束が違うとゴネるローブの男の袖を引っ張ってレストランから出て行った。

フリオニールはローブの男と共に波止場をはじめ裏通りのカジノなど人が集まる場所へ
出向いて聞き込み調査をしたが目ぼしい情報を得られなかった。
どういうことだ!と怒るフリオニールにローブの男はおずおずと
「お客さん、何かの勘違いではありませんかね」
「そんなことはない!ラ・ロシェールの発着場には船はなかったんだ!」
「でしたら賊に捕まったとしか・・・」
「やっぱりそうか!?くそっ!」
「・・・お客さん、これは噂なんですがね・・・」
ローブの男は顔を近づけると小さな声で
「王党派が空賊に化けて反乱軍の物資を横取りしているそうな」
「本当か!?」
「まぁ、あくまでも噂ですし実際に目撃したものはいませんがね」
「王党派はどこにいるんだ?」
「はぁ、ニューカッスル城に篭って最後の抵抗をしてますが」
フリオニールは「ご主人様」からアルビオン行き同行を言いつけられたが何の用事で出向いて
いるのかまでは判らない。
王党派が味方であるにせよ敵であるにせよニューカッスルへ行けば手がかりが得られる
かもしれない、と顎に手を当てて思考を巡らせていたが意を決して
「ニューカッスルまで案内してくれ!」
「しかし、あそこは今激戦区ですよ?」
「かまわん!」
「じゃあ、保険金としてあと金貨40枚を」
ローブの男は右手を差し出し甲高い笑い声を発するのであった。
フリオニールはローブの男を伴って波止場のレストランへ戻り今後の対応を協議する。
行き違いになっては困るのでキュルケを留守番役とし、とりあえず様子見という形で
フリオニール、タバサ、ローブの男の3人が出向くことになった。
留守番に文句を言うキュルケを懸命に宥めている間にシルフィードが夕日を背にやってきた。
立派な風竜を目の当たりにしローブの男はゴクッと唾を飲むと
「いやぁ、立派なドラゴンですな。これなら明日未明にはニューカッスルに着くでしょう」
お世辞を言いつつ保険金の催促をした。
やってられない、とばかりにキュルケは憤然と財布から金貨10枚を抜き出すとローブの男に
乱暴な手つきで渡した。
ローブの男は提示した金額より低い額を渡されたので文句を言おうとしたが、このような
ドラゴンを飼い慣らしている連中はきっと只者ではないと考え直しひひひっ、と薄気味悪い
声を出して金貨を受け取った。

その日の夜

ルイズはニューカッスル城に無事到着しウェールズからある物を受け取ったことにより
この度のミッションの折り返し地点まで来た筈なのだが何故か物憂げな表情だった。
無理もなかった。アンリエッタより受けた密命は以前、アンリエッタがウェールズに送った
ラブレターを取り戻すことだったのだ。しかも内容は始祖ブリミルに誓った愛の告白が
刻まれている。始祖に誓う愛は婚姻の際の誓いである。アンリエッタがこれから嫁ごうと
するゲルマニアの皇室にその手紙が伝われば重婚の誹りを受けて婚約解消となってしまう。
そうなればゲルマニアとの同盟関係も破談しレコン・キスタへ小国トリステイン1国で
立ち向かわねばならなくなるだろう。
アンリエッタは王女としての責務を果たそうとしウェールズはそれを認め自ら身を引こう
としている。
深い絆で結ばれているのに引き裂かれる数奇な運命。アルビオン王家を窮地に追いやった
レコン・キスタと呼ばれる反乱軍に対する怒りがルイズの心にふつふつと湧いた。
しばらくして怒りが治まると自身の使い魔がハルケギニアへ来る前にそのような組織に
属していたことをふと思い出した。
(あいつ、何やってるのかしら!?)
ラ・ロシェールではぐれて以来顔を見せないフリオニールに対し不安と苛立ちを募らせる
ルイズの元へワルドがやってきた。
「さぁ、ルイズ。これからパーティだ」
「ええ」
ルイズは一言返事をするとワルドと共に大使を歓迎するパーティ会場へ足を運んだ。
宴も終わり宮廷内が静けさを取り戻した頃

ニューカッスル城近郊まで到着したフリオニール達はシルフィードでこれ以上進むと捕らえられて
尋問を受けることになるだろうと考え徒歩で森の中を抜けることにした。
しばらく歩き兵隊に見つかることなく辛くも城外までたどり着いたが、城は軍艦や大勢の
兵士に取り囲まれていて落城一歩手前の様相だ。
森の木陰に隠れながら本当にここにルイズがいるのだろうか?と半信半疑になるフリオニールに
ローブの男が
「着きましたぜ。さぁ、宝物庫目指して頑張りましょうや」
揉み手をして言った。この男の目的が火事場泥棒であることを理解したフリオニールと
タバサはジト目でローブの男を見る。
男はひひひっ、とバツの悪そうな笑いを発すると
「何なら私がこっそりと中の様子を偵察してきましょうか?」
城へ忍び込むと言い出した。どうする?とタバサにアイコンタクトをとるフリオニール。
「え~と、桃色の髪の小柄な少女と羽帽子をかぶった口ひげの大男ですね」
ローブの男は再確認するようにぶつぶつ呟くと例によって右手を差し出した。
しかたがない、とフリオニールは背中のデルフリンガーを外して男に差し出す。
「これ、新金貨20枚で買ったんだ。本当はもっと値が張るらしい」
「あ、相棒!この俺っちを身売りするなんてひでぇじゃねぇか!」
「我慢してくれデルフ!あとでルイズさんに頼んで買い戻すから!」
「こんな怪しい奴に渡して大丈夫かよ・・・」
ローブの男は口元をニヤつかせてデルフリンガーを受け取ると
「私の記憶が確かならば通用口は向こうですな。では行ってきまっせ。もしお目当ての
人がいれば「外でお友達が待っている」と伝言しときますよ」
闇夜に消えるように静かに城壁に近づいて行った。



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