フリオニールは急いで立ち上がり掃き出し窓を開けてベランダへ出ると
「フーケ!」
巨大ゴーレムの肩に座る人物の名を叫んだ。隣には白い仮面を被った男がいる。
「お久しぶりね」
フーケは憎き仇敵に再会したが今回は仲間もいるためか余裕の表情だ。
「なんであんたがここに!」
続いてベランダへ出てきたルイズは驚きの余り目を見開く。フーケは牢屋に繋がれている筈。
なぜラ・ロシェールにいるのか。前後不覚になるほどワインを飲んだ憶えはない。
フーケは二人が驚きを隠さないのを見て
「親切な人がいてね。あたしのような美人で優秀な人間は世の為人の為働かなくてはいけない
と言って牢屋から出してくれたのさ」
満足そうに笑い脱獄を手助けした人物がいることを明かした。フリオニールは拳を握り締め
「ここに俺達がいるって何でわかった!?」
「このフーケ様の情報網を見くびらないでもらいたいもんだね。さぁ、挨拶はこの辺にして
今夜は牢屋に入れられたお礼をたっぷりしないとね」
「勝手に自爆したんだろうが!」
「そうさ、あたしは『破壊の杖』に負けたんであってあんた達に負けたわけじゃないよ!」
フーケの目的を問いただそうとしたが、フーケはこれが答えだといわんばかりにゴーレムの
腕を勢いよく振り下ろした。
ルイズとフリオニールは間一髪でゴーレムの拳を避けるが岩でできたベランダの柵は粉々に
砕け散る。二人はフーケの襲撃を仲間に伝えるべく駆け足で1階へと降りていった。
「フーケ!」
巨大ゴーレムの肩に座る人物の名を叫んだ。隣には白い仮面を被った男がいる。
「お久しぶりね」
フーケは憎き仇敵に再会したが今回は仲間もいるためか余裕の表情だ。
「なんであんたがここに!」
続いてベランダへ出てきたルイズは驚きの余り目を見開く。フーケは牢屋に繋がれている筈。
なぜラ・ロシェールにいるのか。前後不覚になるほどワインを飲んだ憶えはない。
フーケは二人が驚きを隠さないのを見て
「親切な人がいてね。あたしのような美人で優秀な人間は世の為人の為働かなくてはいけない
と言って牢屋から出してくれたのさ」
満足そうに笑い脱獄を手助けした人物がいることを明かした。フリオニールは拳を握り締め
「ここに俺達がいるって何でわかった!?」
「このフーケ様の情報網を見くびらないでもらいたいもんだね。さぁ、挨拶はこの辺にして
今夜は牢屋に入れられたお礼をたっぷりしないとね」
「勝手に自爆したんだろうが!」
「そうさ、あたしは『破壊の杖』に負けたんであってあんた達に負けたわけじゃないよ!」
フーケの目的を問いただそうとしたが、フーケはこれが答えだといわんばかりにゴーレムの
腕を勢いよく振り下ろした。
ルイズとフリオニールは間一髪でゴーレムの拳を避けるが岩でできたベランダの柵は粉々に
砕け散る。二人はフーケの襲撃を仲間に伝えるべく駆け足で1階へと降りていった。
食堂へたどり着くとそこもまた修羅場であった。
大勢の傭兵が宿の玄関から現れキュルケ、タバサ、ワルドの3人と戦闘を繰り広げていた。
3人のメイジはテーブルを盾代わりにし魔法で応戦するも敵は絶妙の間合いをとり魔法が
当たらない位置から矢を放っている。
フリオニールはアイスシールドで飛んでくる矢を防ぎながらルイズを庇うようにして何とか
キュルケ達の元へ到着しフーケ&ゴーレムと仮面の男が外にいることを伝えた。
「脱走とはやってくれるわね」
「復讐の鬼と化しているわ。すごい執念よ」
キュルケとルイズはかつての強敵の顔を思い浮かべて険しい表情をする。
「「土くれのフーケ」といえばアルビオンの元貴族だ。この傭兵もアルビオン貴族と関係の
ある者達なのだろうか。しかし、この前僕が奴を尋問したときは大人しく応じていたのだが・・・」
ワルドはフーケが反省するフリをして脱獄を図ったことに困惑している。
フーケにもう一泡吹かせようとキュルケ達は奮起し立ち上がって魔法を唱えるが傭兵に
届くことはなく、次の瞬間、待ってましたとばかりに矢が一斉に飛んでくる。
どうやら敵は魔法の空打ちをさせて精神力を消耗させてから止めを刺そうとしているのだろう。
「参ったね」
ワルドは辺りを見回しため息を吐く。他の貴族の客はカウンターの下に隠れてブルブルと
震えていて宿のマスターなど負傷者も出始めている。名うてのメイジであるワルドでも
多勢に無勢で持久戦に持ち込まれては堪らない。
フリオニールは見境なく奇襲に打って出てきたフーケと傭兵に怒り心頭のようですくっ、
と立ち上がり
「こんなことをして何の意味がある!?バカな真似は止めるんだ!」
傭兵達に怒声をぶつけるがお構いなしに矢の雨は降り注ぐ。ルイズにマントを引っ張られ
尻餅をついたフリオニールはかろうじて矢を避けることができた。
「バカはあんたでしょ!傭兵が話し合いに応じるわけないじゃない!」
熱血漢な使い魔に注意をするルイズ。フリオニールは「ご主人様」の忠告を無視して再び立ち上がり
「大人しく引き下がれ!さもないと命をとる!」
傭兵達に最後通告を出した。止まない矢の雨。フリオニールは素早くしゃがみ矢を避けると
「命を粗末にする帝国兵みたいな奴らに何を言っても無駄みたいだな。仕方ないけど・・・」
覚悟を決めてアイスシールドを床に置きゆっくりと立ち上がる。矢の大群が襲い掛かるが
タバサが『エア・シールド』の魔法で防いだ。フリオニールはタバサに礼を言うと即座に
『テレポ』の魔法の全体がけを傭兵達に向けて放った(ミンウの『テレポ』に憧れて熟練度を
3まで鍛えていた人の影響を受けやすいフリオニール)。
地面から水色の光線が無数湧き上がり傭兵達を直射した。
「そ、そんな!魔法が届かない距離にいる筈なのにっ!」
得体の知れない光線を浴びて身体がどうなるのか恐怖におののく傭兵達。
光線が止み視界が開けると先陣にいた二人の傭兵が忽然と姿を消していた。
「き、消えた!」
仲間二人が突然神隠し(?)にあい先陣の傭兵達は言葉を失う。
「俺の腕前じゃ二人しか消せないか。でも成功したから上出来かな」
フリオニールはまたしてもバクチに出たが、ハルケギニアに来てから魔法の成功率が高く
なっているので高い精神と熟練を要する『テレポ』もいけるのではと感じていた。
「消したのか!?何をしたのだ!」
テーブルに隠れている為『テレポ』を見ていないルイズ達。ワルドは驚きと恐怖の混ざった目を
しゃがんだフリオニールに向けて仲間を代表して問い詰めた。
「さぁ?俺の意見を受け入れて家にでも帰ったんじゃないかな?」
フリオニールは次元の狭間に飛ばしたという真実を隠しすっ呆けて返答した。本当のことを
言えばこの男は自身への警戒をさらに強くするだろう。
ワルドは苦虫を噛み潰したような表情をしたが、深呼吸をして冷静さを取り戻し
「・・・ここでの戦闘はフリオ君に任せよう。僕とルイズは一足先に桟橋へ向かう。
このような任務は半数が目的地にたどり着けば成功とされるのだからね」
またしてもフリオニール除外作戦を提案した。しかし、今回は状況が状況なだけに誰も
ワルドに異議を申すものはいない。
キュルケ、タバサが頷きフリオニールはワルドの思う壺になるのを一瞬躊躇ったが渋々承諾する。
「ではせいぜい派手に暴れて目立ってもらおう。その隙に僕らは裏口から出る」
ワルドは自身の案が可決するとルイズの手をとり立ち上がった。
矢が飛んでくるがタバサの『エア・シールド』で防御する。その隙にフリオニールが再び
姿を現すと先陣の傭兵達は悲鳴をあげて何名か外へ逃げ出す者が出てきた。
今がチャンスとルイズとワルドは厨房に向かって走り始めたが、途中ルイズは顔を仲間達へ振り向け
「あんた達!絶対に死んじゃだめなんだから!」
精一杯のエールを送った。それをしかと受け取ったフリオニール、キュルケ、タバサは
「MP尽きるまで!」
「当たり前でしょ!」
「楽勝」
リーダーの檄にはつらつと応じた。
そして、ルイズとワルドは厨房を通過し通用口にたどり着く。ワルドはドアに身を寄せ
外に人の気配がないことを感じ取るとドアを開け一路桟橋へ向かった。
フリオニールは統制を欠いた傭兵達に『テレポ』の全体がけを放ち二人の傭兵を消した。
「じ、冗談じゃねぇ!あいつをよく見ろ!杖を持ってねぇじゃねぇか!」
残された先陣の傭兵達は悪魔に出会ったような怯えた目つきでフリオニールを見ると
一目散で外へ逃げ出した。
外で待機している傭兵達は宿の中で何が起こっているかわからず
「何してんだ、てめえら!だらしねぇ!」
「バカ野郎!消されてぇならてめえらが行け!」
仲間に文句を言うが中から出てきた傭兵達は錯乱状態で終には内輪で揉み合いの喧嘩を始めた。
「今よ!」
キュルケは一気に玄関まで走り出すとルーンを詠唱し『ファイアー・ボール』の魔法を放った。
しまった!の叫び声と共に炎に包まれる傭兵達。
「これも」
タバサは油の入った鍋を『レビテーション』の魔法でキュルケの元へ持ってきた。
「新しいレシピの誕生ね」
キュルケはタバサに微笑み再び『ファイアー・ボール』を唱えるとタバサは油を傭兵の
一団に向けてばら撒いた。
瞬く間に炎は燃え広がり辺り一体は阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。
大勢の傭兵が宿の玄関から現れキュルケ、タバサ、ワルドの3人と戦闘を繰り広げていた。
3人のメイジはテーブルを盾代わりにし魔法で応戦するも敵は絶妙の間合いをとり魔法が
当たらない位置から矢を放っている。
フリオニールはアイスシールドで飛んでくる矢を防ぎながらルイズを庇うようにして何とか
キュルケ達の元へ到着しフーケ&ゴーレムと仮面の男が外にいることを伝えた。
「脱走とはやってくれるわね」
「復讐の鬼と化しているわ。すごい執念よ」
キュルケとルイズはかつての強敵の顔を思い浮かべて険しい表情をする。
「「土くれのフーケ」といえばアルビオンの元貴族だ。この傭兵もアルビオン貴族と関係の
ある者達なのだろうか。しかし、この前僕が奴を尋問したときは大人しく応じていたのだが・・・」
ワルドはフーケが反省するフリをして脱獄を図ったことに困惑している。
フーケにもう一泡吹かせようとキュルケ達は奮起し立ち上がって魔法を唱えるが傭兵に
届くことはなく、次の瞬間、待ってましたとばかりに矢が一斉に飛んでくる。
どうやら敵は魔法の空打ちをさせて精神力を消耗させてから止めを刺そうとしているのだろう。
「参ったね」
ワルドは辺りを見回しため息を吐く。他の貴族の客はカウンターの下に隠れてブルブルと
震えていて宿のマスターなど負傷者も出始めている。名うてのメイジであるワルドでも
多勢に無勢で持久戦に持ち込まれては堪らない。
フリオニールは見境なく奇襲に打って出てきたフーケと傭兵に怒り心頭のようですくっ、
と立ち上がり
「こんなことをして何の意味がある!?バカな真似は止めるんだ!」
傭兵達に怒声をぶつけるがお構いなしに矢の雨は降り注ぐ。ルイズにマントを引っ張られ
尻餅をついたフリオニールはかろうじて矢を避けることができた。
「バカはあんたでしょ!傭兵が話し合いに応じるわけないじゃない!」
熱血漢な使い魔に注意をするルイズ。フリオニールは「ご主人様」の忠告を無視して再び立ち上がり
「大人しく引き下がれ!さもないと命をとる!」
傭兵達に最後通告を出した。止まない矢の雨。フリオニールは素早くしゃがみ矢を避けると
「命を粗末にする帝国兵みたいな奴らに何を言っても無駄みたいだな。仕方ないけど・・・」
覚悟を決めてアイスシールドを床に置きゆっくりと立ち上がる。矢の大群が襲い掛かるが
タバサが『エア・シールド』の魔法で防いだ。フリオニールはタバサに礼を言うと即座に
『テレポ』の魔法の全体がけを傭兵達に向けて放った(ミンウの『テレポ』に憧れて熟練度を
3まで鍛えていた人の影響を受けやすいフリオニール)。
地面から水色の光線が無数湧き上がり傭兵達を直射した。
「そ、そんな!魔法が届かない距離にいる筈なのにっ!」
得体の知れない光線を浴びて身体がどうなるのか恐怖におののく傭兵達。
光線が止み視界が開けると先陣にいた二人の傭兵が忽然と姿を消していた。
「き、消えた!」
仲間二人が突然神隠し(?)にあい先陣の傭兵達は言葉を失う。
「俺の腕前じゃ二人しか消せないか。でも成功したから上出来かな」
フリオニールはまたしてもバクチに出たが、ハルケギニアに来てから魔法の成功率が高く
なっているので高い精神と熟練を要する『テレポ』もいけるのではと感じていた。
「消したのか!?何をしたのだ!」
テーブルに隠れている為『テレポ』を見ていないルイズ達。ワルドは驚きと恐怖の混ざった目を
しゃがんだフリオニールに向けて仲間を代表して問い詰めた。
「さぁ?俺の意見を受け入れて家にでも帰ったんじゃないかな?」
フリオニールは次元の狭間に飛ばしたという真実を隠しすっ呆けて返答した。本当のことを
言えばこの男は自身への警戒をさらに強くするだろう。
ワルドは苦虫を噛み潰したような表情をしたが、深呼吸をして冷静さを取り戻し
「・・・ここでの戦闘はフリオ君に任せよう。僕とルイズは一足先に桟橋へ向かう。
このような任務は半数が目的地にたどり着けば成功とされるのだからね」
またしてもフリオニール除外作戦を提案した。しかし、今回は状況が状況なだけに誰も
ワルドに異議を申すものはいない。
キュルケ、タバサが頷きフリオニールはワルドの思う壺になるのを一瞬躊躇ったが渋々承諾する。
「ではせいぜい派手に暴れて目立ってもらおう。その隙に僕らは裏口から出る」
ワルドは自身の案が可決するとルイズの手をとり立ち上がった。
矢が飛んでくるがタバサの『エア・シールド』で防御する。その隙にフリオニールが再び
姿を現すと先陣の傭兵達は悲鳴をあげて何名か外へ逃げ出す者が出てきた。
今がチャンスとルイズとワルドは厨房に向かって走り始めたが、途中ルイズは顔を仲間達へ振り向け
「あんた達!絶対に死んじゃだめなんだから!」
精一杯のエールを送った。それをしかと受け取ったフリオニール、キュルケ、タバサは
「MP尽きるまで!」
「当たり前でしょ!」
「楽勝」
リーダーの檄にはつらつと応じた。
そして、ルイズとワルドは厨房を通過し通用口にたどり着く。ワルドはドアに身を寄せ
外に人の気配がないことを感じ取るとドアを開け一路桟橋へ向かった。
フリオニールは統制を欠いた傭兵達に『テレポ』の全体がけを放ち二人の傭兵を消した。
「じ、冗談じゃねぇ!あいつをよく見ろ!杖を持ってねぇじゃねぇか!」
残された先陣の傭兵達は悪魔に出会ったような怯えた目つきでフリオニールを見ると
一目散で外へ逃げ出した。
外で待機している傭兵達は宿の中で何が起こっているかわからず
「何してんだ、てめえら!だらしねぇ!」
「バカ野郎!消されてぇならてめえらが行け!」
仲間に文句を言うが中から出てきた傭兵達は錯乱状態で終には内輪で揉み合いの喧嘩を始めた。
「今よ!」
キュルケは一気に玄関まで走り出すとルーンを詠唱し『ファイアー・ボール』の魔法を放った。
しまった!の叫び声と共に炎に包まれる傭兵達。
「これも」
タバサは油の入った鍋を『レビテーション』の魔法でキュルケの元へ持ってきた。
「新しいレシピの誕生ね」
キュルケはタバサに微笑み再び『ファイアー・ボール』を唱えるとタバサは油を傭兵の
一団に向けてばら撒いた。
瞬く間に炎は燃え広がり辺り一体は阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。
「まったく、大騒ぎする程の炎じゃないっていうの」
ゴーレムの肩に座りながら様子見していたフーケは傭兵達の狼狽ぶりにため息を吐く。
「倒さずともよい。分散すればそれでよい」
白い仮面の男が無機質な口調でフーケに語る。
「結局あたしがやるしかないのかい」
フーケは大金を叩いてまで雇った傭兵が全く働かないことに苛立ったが(自身の財布から
支払ったわけではないにしても)、あの生意気なガキ共を自身の手で始末できるのだと気持ちを
切り替えてゴーレムを宿の玄関付近まで接近させるとその拳で玄関を殴りつけた。
キュルケとタバサはふわりとゴーレムの拳を避けてフリオニールと合流した。
壁の破片と埃が宙を舞う中、フリオニールは以前の対ゴーレム戦のように『スロウ』の
魔法で動きを封じようと提案したが、キュルケとタバサのリクエストにより『テレポ』を
使うことになった。
フリオニールは単体がけなので命中率も上がるだろうと楽観視し『テレポ』の魔法を唱えた。
例によって大量の水色の光線がゴーレムに直射する。
しかし、ゴーレムは姿を消さない。
ゴーレムの肩に座りながら様子見していたフーケは傭兵達の狼狽ぶりにため息を吐く。
「倒さずともよい。分散すればそれでよい」
白い仮面の男が無機質な口調でフーケに語る。
「結局あたしがやるしかないのかい」
フーケは大金を叩いてまで雇った傭兵が全く働かないことに苛立ったが(自身の財布から
支払ったわけではないにしても)、あの生意気なガキ共を自身の手で始末できるのだと気持ちを
切り替えてゴーレムを宿の玄関付近まで接近させるとその拳で玄関を殴りつけた。
キュルケとタバサはふわりとゴーレムの拳を避けてフリオニールと合流した。
壁の破片と埃が宙を舞う中、フリオニールは以前の対ゴーレム戦のように『スロウ』の
魔法で動きを封じようと提案したが、キュルケとタバサのリクエストにより『テレポ』を
使うことになった。
フリオニールは単体がけなので命中率も上がるだろうと楽観視し『テレポ』の魔法を唱えた。
例によって大量の水色の光線がゴーレムに直射する。
しかし、ゴーレムは姿を消さない。
(なるほど。「即死系」に耐性あり、と)
とフリオニールは心でメモして外で不気味に佇むゴーレムを睨みつけた。