あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロのチェリーな使い魔-11



フリオニールが外に出ると、巨大な火の玉が目の前に迫っていた。
「な、なんだ!」
フリオニールは間一髪でそれを避けたが、廃屋に直撃し炎上した。
火の玉の飛んできた方向を見ると、尻餅をついたルイズ、杖を振り下ろしたキュルケ、
そして、その二人ではなく別の所に視線を移しているタバサがいた。
タバサの見ている方向をフリオニールも見てみると、そこには灰色の体で羽を生やした
悪魔のようなモンスターが両腕を体に巻きつけ、さながらビジュアル系バンドのような
ポージングをして立っていた。
急いで3人の元へ駆け寄るフリオニール。
「どうしたんだ!」
「なななな、なんかキュルケがへへへへ変になった・・・」
動揺するルイズに代わり、タバサが冷静沈着に
「『先住魔法』」
と説明するが、その間にもキュルケはルーンを詠唱している。
『ファイアーボール!』
キュルケの杖から再び火の玉が放たれフリオニールに襲い掛かる。
素早くアイスシールドを装備し火の玉をガードする。先程のものより一回り小さかった為
何とか防ぐことが出来たが、熱がフリオニールの左手に伝わってくる。想像以上の威力だ。
すると、4人の様子を不気味な表情で静観していたモンスターが、突然、『コンフュ』の
魔法を唱えると、4人の頭上に無数のひよこが出現し円を描くように動き回った。

(くそっ!これがあの悪名高い『コンフュ』かっ!)

フリオニールはミンウから『コンフュ』の存在を聞いていたが、実際に掛けられるのは初めてだった。
デルフリンガーを装備していないとはいえ、ワルキューレを破壊できるフリオニールの拳。
レディがこれを喰らったらひとたまりも無いだろうと不安に駆られる。
(掛かりませんようにっ!掛かりませんようにっ!)
祈りが通じたのか(?)フリオニールは無事であったが、今度はルイズが『コンフュ』の餌食になった。
ルイズは口角を限界まで上げてニヤリと笑うと、ルーンを詠唱し杖をタバサに向けた。
目が据わっている。
危険を察知したタバサは素早い動作で『ウィンドブレイク』を放ちルイズを吹き飛ばそうとしたが、
ルイズの爆発魔法と相打ちになってしまった。多量の砂煙が二人の間に舞い散る。
すると、今度はキュルケがルイズに襲い掛かり後頭部にエルボーを打ちつけた。
よろけるルイズだったが、返す刀で振り返りボディブローをキュルケの腹に見舞った。
取っ組み合いのケンカ(?)を始めるルイズとキュルケ。魔法の影響なのか素なのか
フリオニールには判断がつかなかったが、
(このままじゃやばい!)
猛ダッシュでモンスターに接近した。
「キキーーーッ!」
モンスターはフリオニールを威嚇すると『ブリンク』の魔法を唱えた。
フリオニールは(くそっ!)と悔しがったが、8体に増えたモンスターを両手素手で殴りつけた。
しかし、ほとんどが分身に当たった為致命傷にはならない。

次の瞬間、

上空から無数の氷の矢がモンスター(達)に降り注いだ。巻き添えを食らわないように
必死に避けるフリオニール。
「ムキーーーッ!」
氷の矢を浴びたモンスター(達)は断末魔の叫びを上げると1体に戻り地面に倒れた。


我を取り戻したルイズとキュルケ。お互い衣服がはだけ髪がボサボサなのを確認すると、
「何よあんた、その格好!」
「あ、あんたこそ、く、口から血なんか流して!」
声をあげて笑った。
フリオニールはルイズとキュルケの無事にほっ、とするとタバサに近づき
「ありがとう。君が援護してくれたんだね。さすが『シバリエ』」
お礼を言った。タバサは無言で頷き、
「偏在」
とモンスターを指差した。『ブリンク』のことを言いたいのだろう。
話そうか否か逡巡するフリオニールであったが、馬車で待機しているはずのロングビルが
タイミングよく一同の元へ戻ってきた。

「馬車へ戻る途中、魔物を見かけたもので心配になり戻ってきました」
「ああ、それならここにいる『シバリエ』が倒しました」
フリオニールがタバサを指差してロングビルに説明した。相変わらず無愛想(?)のタバサ。
「そうですか。では、私は馬車へ戻りますね」
ロングビルはそう言い残し再び馬車へ戻っていった。
そして、ロングビルが視界から消えて間もなく、高さ30メイルはあろうかという
巨大なゴーレムが瞬く間に生成されルイズ達の前に立ちはだかった。

「フーケのゴーレムよっ!」
「じゃあ、さっきのモンスターはフーケの!」

ゴーレムは慌てふためくルイズとキュルケに照準をに定め、踏み潰そうと足をあげた。
迫り来る足の裏を二人は辛うじて避け、阿吽の呼吸でルイズがゴーレムの胴体に爆発魔法を
かけると、すかさずキュルケが『ファイアーボール』を軸足に狙いを定めて放った。
すると、ゴーレムの胴体の表面はえぐられ片足は膝下を焼き尽くされた。
(やった!)
心で歓声をあげる二人であったが、ゴーレムはバランスを崩して倒れる前に見る見るうちに
破壊された胴体と膝下を再生させた。
「ち、ちょっと、どうしたらいいの・・・」
動揺を隠せずうろたえるルイズにフリオニールは
「逃げましょう!」
と真面目な顔で叫ぶが、ルイズは鬼気迫る表情で
「そんなことできるわけないでしょ!」
自身に言い聞かせるかのように怒鳴った。全身はガタガタと震えている。
「そうですか」
フリオニールは往生際の悪い主人だな、と思いつつもルイズの是が非でも任務を果たそう
というその心意気と勇気に感服し、対ゴーレムの作戦を練る為、頭をフル回転させた。
左手の紋章が淡い光を放つ中、フリオニールは一か八かの賭けに打って出ることにした
(ギーシュの時といい肝心なところでバクチをするフリオニール)。

フリオニールはゴーレムに不敵な笑みを浮かべると、『スロウ』の魔法を唱えた(覚えたて。熟練度1-06)。
ゴーレムの頭上に光る球体が出現した次の瞬間、球体から一筋の光がゴーレムの頭に垂れると、
巨大な光る蜘蛛の巣となってゴーレムの全身を覆った。
蜘蛛の糸に絡まれ身動きが取れなくなったゴーレム。取り払おうと必死にもがくが、
もがけばもがくほど糸は絡まる。ゴーレムは終に動くのを止めた。

「なっ、何よあれ!?」
突如出現した蜘蛛の糸に驚愕するルイズとキュルケ。
「やっと見れた」
ぼそっと呟くタバサ。
「何を言っているんだ!さぁ行くぞ!」
動きを止めただけでゴーレムを破壊したわけではない。熟練度の低い『スロウ』なので
限界もあるだろう。フリオニールは一刻も早く現場から立ち去ろうと3人の少女に声をかけた。
すると、木の陰からロングビルが突然姿を現し、フリオニールの背中に狙いを定めて杖を向けた。
その姿を発見したルイズが
「危ない!」
と叫んだが、ロングビルの杖の先から濃い緑色をした大量の液体が噴出した。
しかし、液体はフリオニールの手前で止まり、回れ右をすると猛スピードでロングビルの
元へ向かっていく。
「ど、どういうことだい!?」
ロングビルは絶叫したが避けることが出来ず液体に飲み込まれた。


ロングビルが意識を失い地面に倒れると同時にゴーレムも消失した。すると、ルイズ達は
一斉にロングビルの元へ向かった。
「まさかミス・ロングビルがフーケだったなんて・・・」
キュルケは信じられないとばかりに頭を振る。
「生きてるの?レイラ・・・じゃなかったロングビルさん・・・じゃなかっ」
フリオニールはいたって冷静であるが言うことは頓珍漢になってしまっている。
「かなりの重症よ。残念だけど、もう助からないでしょうね」
自身の使い魔の言葉を遮りフーケに死の宣告を言い渡すルイズ。
しかし、何故、謎の液体はフリオニールに直撃せず杖の主の下へ戻ったのか?
不可思議な現象に一同首を捻る。
「とりあえず復活させますか」
フリオニールは捕縛用の縄をフーケに縛り付けると、『レイズ』の魔法を唱えた。
すると、上空から一人の天使が舞い降りてきてフーケの頭を撫でた。
「なんなのよ、もう!」
蜘蛛の糸の次は天使。「ダーリン」と呼ぶ男の理解を超えた行動に苛立ちを隠せないキュルケ。
「・・・・・・」
タバサは舞い降りた天使を興味深そうに見つめている。
天使が姿を消すとフーケは意識を取り戻した。
「うっ・・・とんだドジ・・・踏んじまったよ」
全身には謎の液体によるダメージが残っている為、言葉は途切れ途切れだ。

「とにかく、詳しい話は学院に戻ってからにしましょう」
ルイズの〆の言葉に頷く一同。タバサが口笛で使い魔の風竜を呼び、捕らえたフーケを
『レビテーション』の魔法で持ち上げ風竜の背中に乗せた。次いでタバサ、キュルケの順に乗る。
「乗って」
タバサはルイズとフリオニールに同乗を勧めた。
「馬車はどうするの?」
フリオニールはタバサに問う。すると、タバサは無言で風竜の首を叩いた。顔色の悪くなる風竜。
ルイズとフリオニールはそれを見てみぬフリをして風竜に乗るのであった。



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