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ゼロのチェリーな使い魔-06



フリオニールは決闘の後、ルイズの部屋に戻り床に座ると『ケアル』の重ね掛けをして養生した。
右腕の傷は次第に塞がれ全身の痛みも引いていくと全快になった。
『ケアル』を再度見せられ驚くルイズであったが、フリオニールの身を案じているようで

「本当に大丈夫?なんなら『水』のメイジに頼んでもいいんだけど・・・」
「これで完全復活です!」
「そう・・・それでは説明してもらいましょうかしら」

すると、フリオニールは真剣な表情を作り説明を始めた。

己が異世界の人間で、そこでは反乱軍に参加し帝国軍と死闘を繰り広げていてその中で
突然この世界に召還されたこと。従って、本音を言えばすぐにでも元の世界に帰りたいこと。
そして、自身の住む世界では魔法屋で売っている本を購入し憶えることによって
(1回使用すると本は消滅するが)杖を使わずとも誰でも魔法を唱えることが出来ること。

フリオニールの説明に二重のショックを受けるルイズ。特に「誰でも」魔法を使えることに言葉を失った。

「まぁ、俺も多少魔法を使えるけど、やっぱり特訓とセンスは必要なんです」
フリオニールは一人ミシディアへ旅立ったミンウの顔を懐かしむ。
「ひ、ひょっとしてあんた、ま、魔法の本を今持っていたりするの?」
ルイズは『ゼロ』の二つ名返上のチャンスがきたとショックから立ち直り目を輝かす。
「すんません。道具をしまってある袋(アイテム欄)はその時仲間が持ってまして・・・」
フリオニールは残念そうな顔で言った。
「・・・そうよね。言われてみればあんたを召還したとき着の身着ままだったものね」
ルイズはがっくりと肩を落とした。
「ルイズさんには爆発魔法があるじゃないですか。俺の住む世界にはあんな爆発を
おこせる魔法はありませんよ」
ルイズを励ますフリオニール(幸運(?)にもフリニールはパラメキア闘技場とフィン城で
ウィザートと対戦する機会がなかったのと勉強不足でルイズの魔法に似た『フレアー』の
存在を知らない。第3話でそのことを説明し忘れたのでここにて補足。)であったが、

「あんたの素性を知った以上、その言葉は哀れみにしか聞こえないわ!」
「そんなことはない!俺だってちょっと前まで非力だったんだ。帝国軍の騎士に襲われ、
瀕死のところを王女に助けてもらって・・・」

苦しそうな表情を浮かべお互いの目を見つめる二人。沈黙がルイズの部屋に流れるが、
先に目を逸らしたのはフリオニールであった。

「とにかく、俺は「ご主人様」がすごい魔法使いだと信じてますから。ミンウも真っ青なくらいの」
「な、ななな何言ってくれるのかしら、こ、ここここのボケ犬は!と、とにかく、あんたの
素性は他言無用よ!」

ルイズは顔を真っ赤にして腰掛けていたベッドから立ち上がると、そそくさと部屋を出て行った。

(ああ、帰る方法があるか聞きたいんですけど・・・)

バタン、とドアの閉まる音が響いた後、フリオニールのお腹は空腹の限界突破をしたと
ばかりに音を鳴らすのであった。
(とにかく腹ごしらえだな。洗濯はその後でいいや)

ルイズの後を追うように部屋を出て食堂へ向かったフリオニール。
到着し、中を覗くと黒髪のメイドが夕食の準備に取り掛かっていた。

「あの~、すみません」
「はい?」

メイドはテーブルを懸命に拭く手を休め、声のした方を振り返る。

「ちょっとご相談が・・・」
「?あなた、ひょっとしてミス・ヴァリエールの・・・」
「フリオニールです。よろしく」
「きゃっ!」

メイドは嬉しさのあまり素っ頓狂な声をあげたが、すぐに居住まいを正しフリオニールに近づくと

「シエスタと申します。お声かけいただき光栄ですわ。それで、ご相談というのは?」
「食事を分けて欲しいんだ。もちろん、タダで、とは言わないよ」
「そうですか!それでしたら厨房へご案内します」

シエスタは嬉々としてフリオニールと共に厨房へ向かった。
二人は厨房に入ると、シエスタがはつらつとした声で

「みなさん!「我らが剣」がお見えになりました!」

忙しく手を動かしていた料理人たちは一斉に動きを止め、

「おお!君がミス・ヴァリエールの!」
「あの憎ったらしい貴族の小僧を懲らしめた!」
「『先住魔法』の使い手!」
「鬼の拳を持つ男!」

歓迎ムードとなった。何かあらぬ尾ひれがついてるなぁ、と思いつつも照れるフルオニールの
前に一人の男がやって来た。

「俺がコック長のマルトーだ。よろしくな!」
「あなたがコック長ですか!フリオニールです。よろしく!」

マルトーとフリオニールは握手を交わし、、

「マルトーさん、いきなりですがお願いです!食事を分けて下さい!」
「へっ?・・・なんだそんなことか。たらふく食っていけ!」

がっちりと抱き合うのであった。
その後、用意された食事に取り掛かっているフリオニールにマルトーは

「しかし、平民なのに魔法を使える上、素手でメイジのゴーレムを壊すなんてよ、
 お前さん一体何者だい?」
「ごほっ!い、いや、まぁ、あれです。東方の出身です」
「するとエルフってか?」
「俺は人間です」
「そうか。なんにしたって俺はお前さんを気に入ったぜ。明るくて気分の良い若者じゃねぇか!」
「そう言ってもらえると嬉しいです!」

会話が弾む。すると、フリオニールは突如ナイフとフォークをテーブルに置き、腰に提げた
リッパーナイフを鞘ごとワルトーの前に差し出し、

「これは食事のお礼です。受け取って下さい」
「?これって小僧のゴーレムをギッタギッタに切り刻んだナイフだろ?さすがにそれを
貰うわけにはいかねぇよ」
「これはあなたが持っていて下さい。勇気あるものに相応しいリング、じゃなかったナイフです」
「まぁ、お前さんがそこまで言うなら。確かに受け取ったぜ!」

フリオニールの楽しいひとときは過ぎていった。
しかし、その夜、洗濯を忘れルイズにひどく叱られるフリオニールであった。


ギーシュとの決闘の翌朝。

ルイズとフリオニールはトリステイン魔法学院の院長に呼び出された。
決闘の噂は昨日の内に学院内に広まり、フリオニールの並外れた力と得体の知れない
魔法を使ったことが波紋を呼んでいた。

ゴーレムを素手で破壊する拳の威力。亜人なのか?
杖なしで魔法を使った。エルフなのか?

食堂で朝食をとる際にも二人にからかいの言葉をかける者はなく、態度が急によそよそしくなった。
ルイズは昨日まで自身を『ゼロ』と蔑んでいたクラスメイト達の急変に閉口したが、
肝心のフリオニールは朝食が昨日からワンランクアップ(具有りスープとロールパン)
したことに喜んでいた為(ルイズの指図かワルトーとシエスタが気を利かせたのかは不明)、
周囲の冷たい目線は気にならかった。

院長室の前に立つ二人。

「失礼のないようにするのよ」
「わかってますって」

コンコンとドアをノックするルイズ。どうぞ、と言う女性の声を聞いてゆっくりとドアを開けた。
部屋の中には見事な白髭を生やした老人とコルベール、秘書の女性が緊張した面持ちで迎えた。
「それでは、私はお茶を煎れてきますわ」
秘書が思いついたように言うと、
「おお、すまんのぅ。ミス・ロングビル」
老人はロングビルに笑顔を送った。
ロングビルはそれを合図に部屋を出る。その時、ロングビルはフリオニールを値踏みする
ような目線で一瞥したが本人は爽やかなスマイルでそれに応えた。
ルイズはドアの閉まる音を確認すると老人に

「ミスタ・オスマン。ここへ私が呼ばれたのはやっぱり・・・」
「うむ。そこの使い魔君のことじゃ」

オスマンは髭をさすりながらフリオニールをガン見した。
フリオニールは作り笑いをして自己紹介した。なぜなら、基本的に髭を蓄えた老人が苦手だからだ。
そのような風貌の老人と対面すると反乱軍の作戦会議室にいる年老いた参謀役を脊髄反射で思い出す。
彼には散々苦渋を舐めさせられた。

ミンウが仲間に加わっているにもかかわらず自分達のことをひよっこ呼ばわり。
大戦艦完成の責任のなすり付け(それ以前に反乱軍はミスリル入手にさえてこずっていたのは棚上げ)。
ヒルダ王女救出の際の挑発的発言。
大戦艦爆破後の手のひら返しetc

フリオニールはオスマンの顔を見るたびに、当時のことを思い出しイライラするのであった。

「あの、彼には事情がありまして・・・」
逡巡するルイズ。
「ああ、俺、異世界から召還されたんです」
ルイズの心配を余所にフリオニールはあっさりと答えた。

(ちょっと!そのことは他言無用って言ったじゃない!)

ルイズは心で叫び肘でフリオニールの腕を突付くが、フリオニールはさっさと話を終わらせたい。
「なんと!異世界とな」
目を丸くするオスマン。
「そうか。それでか・・・。院長。彼の『使い魔のルーン』は非常に珍しいものでして」
ようやくコルベールは口を開いた。
「ふむ。どれどれ」
オスマンはフリオニールの左手をとり、まじまじと見つめる。
「確かに変わっておるのぅ。どうじゃろう、ミスタ・コルベール。一つ調べてはもらえんかの」
「承知致しました。しかし、異世界から召還されたとは驚きでした」
「ふむ。ごく稀に異世界の人や物などがハルケギニアに召還されることはあるのじゃよ」

オスマンは数十年前に出会った命の恩人がそれらしいこと。その人物から譲り受けたものが
このトリステイン魔法学院の秘法として所蔵されていることを語った。
フリオニールはようやく話のわかる人間に出会えたと思い(老人ではあるが)、

「院長!元の世界に帰る方法はあるんですか?」
「すまんのぅ。それはわしにもわからんわ」
「そんな・・・」
「そう気落ちしなさんな。わしらも出来る限り調べてはみるつもりじゃ」
「お願いします!」

フリオニールとオスマンの会話を聞いていたコルベールは

「そこまでして帰りたいとは抜き差しならない事情があるとは思いますが、それまでは
ミス・ヴァリエールの使い魔として精進して下さい」
「わかりました」
「それと、院長。他の生徒達には彼のことを何と説明すればよろしいでしょうか?」
「そうじゃのう・・・『使い魔のルーン』のこともあるしのぅ・・・そうじゃ、とりあえず
 ロバ・カル・アリイエ出身ということにしておこうかの」
「それは名案です!」
「これでこの話はひとまずじゃな」

オスマンの解散宣言を潮にルイズとフリオニールは院長室を退室した。



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