あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロのチェリーな使い魔-05



「ギーシュが本気を出したぞ!」
熱狂するギャラリー。

ワルキューレが槍を装備しているのを目の当たりにしたフリオニールは
「武器を使うのか!?」
「これは決闘だよ?まぁ、生きるか死ぬかは君次第だがね」
勝敗は決したといわんばかりにギーシュは言い放つ。

「人間同士が殺しあっていいものか!お前といい皇帝といい人の命を何だと思っているんだ!」
「平民風情が貴族であるこの僕に説教かい?相変わらず無駄口の多い男だよ君は」
「人の命を粗末に扱う奴は許さない。絶対にだ!」

フリオニールは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の・・・とフリオニールは歯を食いしばり
両方の拳を力強く握り締めた。その時、左手に浮かぶ紋章が微かに光を帯びたがフリオニールは気付かない。

すると、息を切らせて走ってきたルイズが2人の間に割って入った。

「ギーシュ!バカな真似は止めて!決闘は禁止されているはずよ!」
「それは貴族同士の決闘だろう?ミス・ヴァリエール。これは貴族と平民の決闘だ。それに・・・」

ギーシュはフリオニールが破壊したワルキューレを指差し、
「君の使い魔はものすごい馬鹿力のようだ。災いの芽は摘んでおいた方が良い。
メイジ殺しになられても厄介だからね」
冷たく言い放った。

地面に転がるワルキューレの残骸を見て驚愕するルイズ。
「これ・・・あんたがやったの?」
「ええ。硬かったけど」
「あんたが強いのはわかったわ。けど、相手はゴーレム6体よ。いくらなんでも無茶だわ」
「あいつは人の命を軽んじている。俺はそれを正したい。どいて下さい「ご主人様」」
フリオニールは厳しい表情を変えることなく言うとルイズに下がるよう促した。

「いい?やばくなったら逃げるのよ。後はわたしが何とかするから」

何だかんだで自分のことを気にかけてくれているんだな、と嬉しい気持ちになる
フリオニールであったが、ルイズが引き下がるのを合図に決闘は再開した。

6体のワルキューレは二手に分かれてフリオニールを囲い込み槍を構えた。すると、フリオニールは
一呼吸置いて『ブリンク』の魔法を唱えた。すると、分身が作り出されフリオニールは
計3人となった。(成功した!よかったぁ、と心で安堵するフリオニール。熟練度は2前半)。

「なに!『偏在』だと!」
「奴は『風のスクウェア』なのか!?」
「いや待て!あいつは杖を持っていない!」
「『先住魔法』か!?」

フリオニールの『ブリンク』を目の当たりにしたギャラリーは騒然となった。
『ブリンク』に一瞬戸惑ったギーシュであったが、気を取り直してワルキューレに号令を
かけるとワルキューレ達は一斉に槍を突き出した。その内4本の槍は2人のフリオニールを
捕らえたがそのまま透過した。
残りの2本。フリオニール本体は1本を避けたが最後の1本を避けきれず左腕を切りつけられた。
フリオニールは痛みに顔をしかめたが、猛スピードで自身を傷つけたワルキューレに
接近すると拳の連打で砕いた。
すると、残りのワルキューレ5体は素早く槍を構え直して本体のフリオニールを狙う。
だが、同時にフリオニールの分身2体も本体に近づき高速でシャッフルを始めた後
ファイティングポーズをとる。
5対3の攻防。今度は幸いにも本体を狙った槍は1本のみだった為、フリオニールは
難なく突きを避けてワルキューレに拳を見舞った。
4対3。徐々に差を詰められるギーシュ。

フリオニール達(?)を眺め「ゴクッ」と生唾を飲むギーシュ。
(まさかここまでとは!落ち着け、落ち着くんだ)
辛うじて平静を保ち、深呼吸をしてフリオニールをじっくり観察すると、
(!!!よく見ると2体だけ若干色合いが薄いぞ!)
「見破った!」
ギーシュは興奮して叫び、すぐさまワルキューレに号令をかけフリオニール達を取り囲む。
そして、突き出された4本の槍は1人のフリオニールに狙いを定めていた。

(しまった!)

それでもフリオニールは諦めることなく瞬時にリッパーナイフ(ゴートスのおたから)
を抜刀し、
1回転することによって全ての槍をなぎ払うことを試みた。
すると、フリオニールの左手の紋章がまばゆい光を放ちナイフを持つ右手に力がみなぎると、
渾身の太刀で前方、右方、後方の槍の柄を切り落とすことに成功した。
しかし、左方の槍には間に合わずフリオニールの右腕を突き刺した。鮮血がだらだらと
流れ落ちフリオニールの顔は苦痛に歪むが、熟練度1でここまで出来たのは上出来だと思った。
命を繋いだのだから。
「小賢しい真似を!」
あと一歩のところでチャンスを逸してしまったギーシュは地団駄を踏んだ。
「危なかったぜ。俺の『ブリンク』を見破るなんてやるじゃないか(本当は熟練度が低いだけなんだけど)」
フリオニールは激痛をやせ我慢してドヤ顔を作ると、リッパーナイフを左手に持ち替え
右腕に刺さった槍を切断した。
「ふん!それでは自慢のパンチを出せまい」
槍を失ったとはいえワルキューレは4体ある。分身の判別方法も判っている。左右の腕を
傷つけることもできた。まだ流れはこっちにあるとギーシュは分析する。
「そうか、そんなに素手がいいのか」
フリオニールはリッパーナイフを上空へ投げ右手でキャッチして左腰につけている
鞘に納めると、左手で刺さった槍頭を引き抜いた。出血が一段と酷くなる。

「もう充分でしょ!やめなさい!」
フリオニールの出血を悲痛な面持ちで見つめ叫ぶルイズであったが、お構いなしに最終ラウンドは始まった。

柄のみとなった槍を棒代わりにしてフリオニールの全身を叩きつける4体のワルキューレ。
フリオニールは頭部をガードしながら打撃に耐え、隙を見つけては1体また1体と両腕の
痛みに耐えてよく頑張っ(ryワルキューレを砕いていった。

そして、残るはギーシュのみ。

フリオニールは打撃のダメージなのか貧血の為なのか、ふらふらとした歩調でゆっくりと
ギーシュに接近する。

「やばい!ギーシュが殺られる!」
ギャラリーは一斉にフリオニールに杖を向ける。
「待って!」
それを静止したのはギャラリーに紛れていたキュルケであった。
「ギーシュがどうなってもいいのか!」
混乱するギャラリー。
「彼は大丈夫よ。でなきゃミス・シェヴルーズを助けたりなんてしない!」
キュルケは確信を込めて叫んだ。

(燃えたよ・・・まっ白に・・・燃えつきた・・・まっ白な灰に・・・)

自慢のワルキューレを全て素手の平民に破壊され(ナイフも使っていたが)自信を失った
ギーシュは膝をつくとorzの格好になった。
すると、フリオニールは

「むやみに人を殺めようとしないと誓え!」
「くっ!・・・」

ぎゅっ、と唇をかみ締め顔を上げるギーシュ。目の前のフリオニールはボロボロだ。
自身が殴り合っても今なら勝てるのではないかという思いが一瞬頭をよぎったが、
ワルキューレの残骸が視界に入るとその着想をすぐに捨てた。
「このギーシュ・ド・グラモン、武人の誉れ高いグラモン家の男だ!祖国の為なら
 命は惜しくないし蹂躙する者あれば容赦なく切る!」
「よくぞ言った!って言いたいけど、これは祖国の為じゃないよね」
「・・・わかったよ、僕の負けだ。君にも彼女達にも謝るよ」
「俺も茶化したりして悪かった」

そして、フリオニールはギーシュに手を差し出した。ギーシュは戸惑ったがその手をとり
握手を交わすとゆっくりと立ち上がった。
その光景を見て呆気にとられるギャラリー。

「な、なんだ?終わったみたいだぞ?」
「結局どっちの勝ちなのよ?」
「平民の方だろ」
「いや、奴はボロボロでギーシュは無傷だ」
「でもギーシュのあの様子じゃ・・・」

困惑するギャラリーを傍目にルイズは急いでフリオニールに駆け寄る。

「もうバカバカバカ!このバカ犬!」
「いいじゃないか!タダ、じゃなかった済んだことだし」

フリオニールはルイズに微笑を浮かべると『ケアル』の魔法を自身に唱えた。
全身が淡い光に包まれフリオニールの傷を次々に塞いでいく。
しかし、突かれた右腕の傷だけは流血を多少抑えることができただけで塞ぐことが出来なかった。
全身には痛覚もまだ残っている。

「あ、あんた、いいいい今何したの?」
「これですか?後で説明しますよ。って「ご主人様」俺の話ぜんぜん聞いてくれないじゃないですか」
「う、うるさいうるさい!後でたっぷりお仕置きだわ」
「勘弁して下さいよ。そうだ、俺かなり出血してるから栄養取らせて下さい。栄養」
「誰がご褒美なんてやるもんですか!」

丁々発止のやり取りをしながら『ヴェストリの広場』を後にする主人と使い魔。
その後ろ姿を見てギャラリーは勝者がフリオニールであることを悟った。

(ああ、タフな上に『先住魔法』(?)まで駆使する使い魔なんて、ちょっと羨ましい)
相手が悪かったなぁ、とぼやくギーシュであった。



新着情報

取得中です。