あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

Trick or treat

それは昼下がりの事件だった。
学園一の問題児として有名なルイズは己の使い魔を召喚した。
だが、彼女の前に現れたのは強そうなモンスターではなく、血濡れの包丁を持ち、不気味なマスクを被った大男であった。
生徒達が戦慄したのは言うまでもない。その大男はしばらくじっとしていたが、不意を突く形でルイズを襲おうとした。
勿論、それは同現場にいたコルベール教授によって阻まれた。
皆が悲鳴を上げる中、コルベールは猛火を大男の周りに放ち、「処理」したのだ。
大男は窒息でもしたのか、倒れると動かなくなった。
死体は駆けつけた兵士達によって共同墓地の片隅に葬られることになったのである。
ルイズはこの一件で強いショックを受け、その日は部屋に閉じこもるほかは無かった。

「さっさと埋めちまおうぜ。この野郎、とんだガタイをしてやがるからなァ」
下級兵士達がぶつくさと文句を言う中、死体を埋める穴が掘られている。
しとしとと生ぬるい雨が降りしきる夜だった。墓守を含めた兵士達は早くこの場から離れたいと思っていた。
死体は驚くほど外傷が無かった。まるで眠っているようであり、それが不気味さに拍車をかけていたのだ。
だが、それが却って興味を生むものでもある。
「こいつの顔、見たくはないか?ダント」
「何を…」
同僚の名前を呼んだ兵士は、大男の"素顔”に興味を持ったのだ。
ダントと呼ばれた男が振り返ると既にマスクに手をかけている。
「そんな薄気味の悪い野郎の顔なんざ見たくねぇよ。さっさと終わらせて飲みに…」
言葉は続かなかった。マスクを外そうとした兵士は大男の首に手をかけたまま、動かなかった。
いや、"動けなかった”のである。

「こいつ、生きて!」
男が叫び終わる前に、ごきんという奇妙な音が墓地に響いた。
大男の腕はマスクを外そうとした主の首に伸びていた。そして、そのまま…。
「こ、こいつは化け物だぁ!!」
ダントはそれまで穴を掘るのに使っていた採掘具を振り回して大男を殴ろうとした。
だが、その前に大男はただの肉塊となったモノを己の前に突き出す。
採掘具は深々とモノに突き刺さる。ダントは悲鳴を上げた。よりにもよって同僚の腹に…。
驚愕して動けないダントの前で、大男はモノから採掘具を引き抜く。
そして、そのままダントに向けて振り下ろした。

この光景を見た墓守は一目散に逃げようとしたが、大男の腕の方が素早かった。
でっぷりと太った墓守を片手で持ち上げる大男。それはまるで、子犬の首をつまみあげるような光景だった。
大男はそのまま墓守を穴に向けて放り投げた。そこで墓守は理解した。
埋められるのは、この怪物ではなく、俺達の方だったのだと。

殺戮が終わった後、大男は己と共に運ばれてきた包丁を拾い上げる。
そして、そのまま街へと向かった。
ここはハドンフィールドでも無ければ、今日はハロウィンの日付けでもない。
だが、それでも男の足は止まらない。マスクの奥にある瞳は、真っ直ぐに学園の方向を見据えていた。


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