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機械仕掛けの使い魔-第11話



機械仕掛けの使い魔 第11話


 クロの放ったしっぽミサイルは、ゴーレムの手首に直撃、見事破壊に成功した。同時に、本体から離れた右掌は土くれに戻り、拘束から解き放たれた。
 しかし、やはり以前と同様、至近距離でのミサイル爆発によって、クロは完全に目を回してしまった。
直撃すれば一般家屋どころか、クロやミーくんのボディさえもバラバラに破壊してしまう威力のミサイルだ、無理もない。

 気を失ったまま、地面に直撃するかと思われたクロだったが、そこは事前に言い含められていたシルフィードが、寸前で咥えて回収した。
あまりにも予想外の脱出方法だった為、一瞬は面食らったが、さすがは竜種の中でも最速と言われる風竜であった。

 既に目的の物2つを見つけたフーケは、立て続けに頭部、右手首とゴーレムを破壊された事に若干の戸惑いを覚えつつも、冷静にことを進めた。
 2つの内、1つは簡単に持ち運べる。触った感触や外観からして金属製のようだが、見た目に反して非常に軽い。普通に、手に持って行ける。
 しかし2つ目はそうは行かなかった。こちらは同じ金属製でも、名前から想像出来るように、やたらと重い。引きずるのもままならないほどだ。
 仕方なく、フーケは2つ目の品に『レビテーション』をかけて浮かし、手で押してゴーレムに乗り移った。

 と、ここでフーケは大事な事を思い出した。2つ目の品の重量に気を取られ、お約束を果たすのを忘れていたのだ。そそくさと宝物庫に引き返し、壁に向かって杖を一振り。
壁にいつも通りのメッセージが刻まれているのを確認すると、一つ頷いてもう一度ゴーレムに飛び移る。
 …意外と、どこか抜けている面があるのかも知れない。

 結果的にゴーレムと宝物庫を2往復したワケだが、その間に予想された攻撃は、なかった。先程のガトリング砲の件もあって、恐る恐る下を覗き見るフーケだったが、
シルフィードを含む全員が一箇所に集まっており、しかもこちらに注意を向けていないのを見ると、チャンスとばかりに、学院の外に向けて、ゴーレムを歩かせたのだった。

 クロが目を覚まし、その場の全員が安堵の表情を浮かべた頃、ゴーレムは既に、その姿を消していた。目的を果たし、学院の外壁を跨いだ後、逃走にあたって30メイルのゴーレムは、あまりにも目立ちすぎるのだ。
フーケは学園の敷地から出てすぐにゴーレムの錬金を解き、元の土くれに戻したのである。その後は適当な森にでも入ってしまえば、追っ手を撒くのは難しい事ではない。
『レビテーション』をかけてもまだ運ぶのに難儀する2つ目の品に手こずりつつも、フーケはまんまと、学院からの逃走に成功したのであった。

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 5人と2匹は、途方に暮れていた。目の前で起きた襲撃事件に、結果として何も出来なかったのだ。
しかも、救出したクロに気を取られてハッキリとは見ていなかったが、フーケは宝物庫から出る際、何か巨大な物を運び出していた。
つまりは、単なる襲撃事件ではなく、強奪事件である。

「私も解析に立ち会ったから解るわ。あれは破壊のゴーレムよ」
 フーケが逃げた方角を忌々しげに睨みつけていたエレオノールが、言った。
「破壊のゴーレム、ですか?」
「そう、一度も動いていないけど、途轍もなく頑丈な身体と、鋭い爪を持つゴーレム。
爪なんか、ちょっと触っただけで調査員の指が深く切れてしまったほどだったわ」
「じゃあ、もし動いたりしたら…」
ルイズの疑問に、「破壊をもたらすでしょうね」と簡潔に答えたエレオノールは、大きな溜息をついた。

「この事は、他言無用よ」
ルイズ、キュルケ、タバサ、シエスタ、そしてクロと、順番にその瞳を見ながら、エレオノールが忠告する。
「破壊のゴーレムは、アカデミーでも全く研究が進んでいない、未知のマジックアイテムなの。そんな物が盗まれたとあっては、王室が黙っていないわ」
「じゃあ、何で学院の宝物庫に置いてあるんですの? アカデミーで保存すればいいのではありません?」
髪を掻き上げながら問うキュルケに、エレオノールは眉間にシワを寄せた。
「あなたは確か、ツェルプストー家の…。まぁいいわ――」

 エレオノールの説明によると、何人ものスクウェアクラスのメイジによって『固定化』がかけられている学院の宝物庫は、トリステイン王国で最も堅牢な構造を持っている建造物らしい。
しかも学院には常時、優秀なメイジである教師がいる。それゆえに、貴重なマジックアイテムなどを保管するには最適な場所なのだとか。

「――という訳よ。2箇所に大きな風穴が空いてたし、片腕しかなかったけど、分解も出来ない。魔法を受けてもビクともしないあのゴーレムを解析するのは、今の私たちでは不可能。
それに、もし動き出せば、その時は恐らく甚大な被害が出る。だから、解析が出来るようになる日まで、最も安全かつ、動き出しても時間を稼げる宝物庫に、保管する事にしたの」
 確かに、分厚い鉄扉や頑丈な錠前、そして幾重にもかけられた『固定化』を施された宝物庫は、外部からの侵入だけでなく、内部からの攻撃にも効果を示す構造だ。
宝物庫内部に閉じ込められたら、どう足掻いたところで、脱出は困難を極めるだろう。

 その話を聞きながら、なるほどと感じ入っていたルイズたち4人だったが、クロだけは、ここまでのエレオノールの発言に、引っ掛かりを感じた。
(大きな風穴が、2つ…?)
 金属製の頑丈な身体、鋭い爪、隻腕、そして2つの風穴。あまりにも条件は揃い過ぎている。
決め付けるには早いかも知れないが、クロはもう、“ある者”しか、想像出来なくなっていた。

「なぁ、エレオノールさんよ…」
 この想像に、クロは震えを隠せなかった。まさかアイツまでもが、この世界に来ているのか…?
「その、破壊のゴーレムってのは…、身体は濃いオレンジ色で、銀色の嘴みてぇな口じゃなかったか?」
クロの質問に、エレオノールはあからさまな反応を見せた。動揺した素振りを見せたかと思うと、すぐに立ち直り、鋭い目付きでクロを睨みつけたのだ。
「何で、それを知っているの?」
「え…っ?」
これには事実上の外野であるルイズも驚いた。口から出任せかと思ったクロの問いは、正鵠を射ていたのだ。

 エレオノールには答えず、遠くを見るような目で、クロが呟いた。
「戦う為に作られた、か…」

――なぜお前にケンカ売られてるか、解らねぇんだよな…!

――それは…キミもボクも、戦う為に作られた、ロボットだからズラ!

――キミの名前は確か…クロちゃん…

――キッドだ! 頭によく叩き込んどけ!

 今でも、クロは鮮明に思い出せる。砂漠の世界で死闘を演じた、最強の敵だった、あのロボットを。
自分の運命に嫌気が差し、戦いの中に死地を求めた、友を。
「もう、休ませてやってもいいんじゃねぇか…?」
 同情を込めたクロの呟きは、誰に聞かれる事もなく、漆黒の空に溶け込んだ。

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 その後、エレオノールは学院長室に向かった。フーケ襲撃の顛末を報告する為だ。
報告中に余計な横槍が入ると、説明に必要以上の時間がかかる為、エレオノールはルイズたちを先に部屋へ帰し、1人で向かったのだ。

 そしてルイズたちは、とぼとぼと寮塔へ引き返していた。エレオノールが報告に行った今、自分たちにやれる事はない。フーケも見失った上、その行き先の手がかりもない。
それに、ゴーレムの手によって締め上げられたクロ、ゴーレムの右腕に連続して魔法を撃ち込んだキュルケとタバサは、これからすぐにフーケ追撃に向かうには、準備が明らかに不足している。
 クロの場合は、締め上げられたボディのメンテナンス、キュルケとタバサは消耗した精神力の回復が必要だった。
このままでは、クロは最悪の場合ボディの機能停止、キュルケとタバサは戦闘中の精神力切れが発生する危険性があるのだ。

 と言うより、学院の生徒であるルイズ、キュルケ、タバサ。使用人であるシエスタ。そして使い魔たるクロとシルフィードには、普通に考えれば、明日はいつも通りの日常が始まるのだ。
ゆえに正しくは、やれる事がない訳ではない。
 本分を全うする為、明日に備えて体を休める、これに尽きる。

 寮塔の門をくぐろうとしたその時、キュルケが立ち止まった。目を見開き、うっすらと汗ばんでいる。
「…どうしたのよ、ツェルプストー?」
その様子に気づいたルイズが、キュルケを見上げる。ルイズとは20サント近く背丈が違うので、不本意ながらもルイズは、キュルケと話す際は見上げる形となるのだ。
 1つ違いの年齢でも、体型に関しては天と地ほどの差も開いている2人だった。

 ここで、片時もトリスタニアでの買い物を手放さなかったシエスタも、キュルケの異変から、ある事柄を思い出し、全身を硬直させた。
そんなシエスタを見、タバサの思考もまた、寮塔の異変に行き当たり、雪のように白い肌を真っ青に染め上げた。
 彼女たちの異変には特に興味のなかったクロだったが、クロはクロで、寮塔の異変に心踊らせていた。楽しそうな事柄を、この黒猫が忘れるワケなど、ないのだ。

 明らかに様子のおかしい3人と1匹を目の当たりにし、ようやくルイズも、その原因を思い出すに至った。
と言うより、これから彼女が向かう先は、まさにその中心なのだから、忘れる方がおかしい、と言えよう。

「あぁ、そう言えばツェルプストーが言ってたわね。私の部屋に幽霊が出た、って」
 気味が悪い、という印象は持っていたものの、実際に見るなり聞くなりしなければ、ルイズとしても信じられないのだろう。割と平然としていた。
「何であなたは、そんなに冷静なのよ!」
キュルケが食って掛かるが、澄ました顔で髪を掻き上げている。
「だって、眉唾過ぎない? 今朝まで私は、この部屋で寝てたのよ? それなのに、いきなり幽霊が出た、なんて言われてもねぇ…」

 ここに至って、ルイズとキュルケの態度が、普段のそれとは完全に入れ替わった。キュルケがムキになってルイズに言い寄るが、当の彼女は余裕な表情を崩さない。そして、
「胸にばっかり栄養が行くから、頭がボーっとして、そんな幻聴が聞こえたんじゃない?」
「ペッタンコなあなたには言われたくないわよっ!」
このザマである。とうとう、ルイズがからかう側に回ってしまったのだ。普段の2人を知っている者なら、天変地異の前触れかとも思うだろう。

 そんな2人に呆れながら、クロは1匹でずんずんと、寮塔へと入った。左手に、フーケ逃亡後に回収したガトリング砲を装備して。
「く、クロちゃん! 幽霊ですよ、危ないですよ!?」
シエスタが慌ててクロを止めるが、止まらない。止まるわけがない。
 クロの顔は、立て続けに起こる騒動に、込み上げてくる悦びを隠せないでいたのだから。

 ニヤニヤと笑うクロを先頭に、ルイズ、シエスタ、キュルケ、タバサの順で列を組み、寮塔の階段を登っていく。
タバサが殿となっている理由は、もはや言うまでもない。
「タバサ、魔法を使い過ぎて疲れたんでしょう? 部屋に戻っても…」
「…いい、私も行く…」
 タバサの様子を見て、当たり障りのない理由をでっち上げて部屋に返そうとするキュルケだったが、タバサは譲らなかった。

 タバサからしてみれば、確かに幽霊の類は恐ろしい。だが同時に、この状況をクロがどう打開するか。
あの破天荒な黒猫が、どのようにしてこの問題を解決するかにも、興味があったのだ。

 そして、もしこの件を見事に打ち破ったのなら。タバサには考えがあった。
 ドットとは言え、メイジを一蹴する武器、戦闘能力。それを裏付ける経験。
きっとこの黒猫となら、自身が抱える“問題”も、解決の目処が立つだろう。どうにかして仲間に引き込む事が出来れば、あるいは――
 眼前の脅威に耐えてでも、果たしたい目的が、タバサにはあるのだった。

 ルイズの部屋があるフロアへと到着。ここには1つを除いて、異変はなかった。その異変とは……
「んー? 誰かと思えば、この前のクソガキじゃねーか」
「へ? ギーシュ?」

 ルイズの部屋の前。その扉の横に、ギーシュはいた。右手に杖であるバラの造花を持ち、ドアのすぐ横の壁に背を預け、ルイズ私室のドアを睨んでいる。
 階段を上がってきたルイズたちには、全く気づいていない。大した集中力だが、女子寮たるこの寮塔で、それもどうだろうか。
 ギーシュの足元に寄り、クロが訪ねてみた。
「オメー、何やってんだ?」
「何って、怪しい影を見つけてね」
「怪しい影、だぁ?」
問うクロと、答えるギーシュ。なぜか会話がしっかりと成立している。

「モンモランシーとケティ、そしてあのメイド…シエスタくんには謝罪した。しかしルイズとあの猫くんには、まだ謝罪が済んでいなかったからね。
少し気は引けるが、女子寮に入ってみたら、階段を登って行く、怪しい小さな影がいるじゃないか。
すわ一大事だと追いかけてみると、その影はルイズの部屋に入っていった。だからこうして、様子を伺っているのさ」
「そいつぁご苦労なこった。で、どうすんだルイズ?」
「…え? ルイ、ズ…?」

 ここでようやく、ギーシュが気づいた。油の切れたロボットのような動きで首を巡らす。
その先には当然、ルイズを始めとした4人が立っていた。そして足元に眼をやると、ガトリング砲を携えたクロ。
「のわっ!? ど、どどどうしてここに!?」
「あら、ここは女子寮よ。私たちがいたら、おかしいのかしら?」
「おかしくはない! おかしくはないけども!」
 完全に挙動不審者の動きになったギーシュを尻目に、クロはドアを挟んで、彼とは反対側に陣取った。右手をガトリング砲に添え、いつでも射撃出来るよう備える。

「オメーがどこにいたって関係ねー。でも、その影ってのは、ルイズの部屋に入って行ったんだろ?」
「あ、あぁ…。僕が階段を登り切ったら、丁度その影が、ドアを開けてルイズの部屋に入ったんだ。間違いない」
「へぇ。じゃあ、ソイツは例の幽霊じゃねーな…」
残念そうに呟くクロ。それをルイズは、聞き逃さなかった。


「ちょっと待ってクロ。何で幽霊じゃないなんて解るの?」
「あン? 今のクソガキの話で解んねーのか?」
「クソガキって…いい加減、名前で呼んで欲しいな…」
 ギーシュは、クソガキ呼ばわりをやめて欲しいようだ。当然と言えば当然である。しかい力ない反論はクロの耳に届かなかった。無視したとも言う。
「そう言えばそうねぇ。幽霊なら、ドアなんてすり抜けちゃうはずよ」
「話が早くて助かるぜ、キュルケ」
「ふ、フン! 私だって解ったもん!」「じゃあ聞くなよ…」
強がるルイズに呆れつつ、クロはギーシュに目配せした。

 クロの視線から意図を読み取ったギーシュは、自身も杖を握り直し、ドアに集中した。こういうところは、さすがに武門の出だと言えよう。
 そんなギーシュを見ながら、キュルケがシエスタに耳打ちした。
「ねぇ、ホントにギーシュ、あなたに謝ったの?」
「え? あ、はい。あの日の夕方、わざわざ厨房まで来られて…」

 シエスタの話は、こうだった。
 クロとギーシュの決闘騒ぎが起きた日の夕方、シエスタが厨房で仕事をしていると、突然ギーシュが現れたそうだ(新たに2つ、頬にモミジが咲いていたが、ギーシュの名誉のためにシエスタが割愛)。
そして彼女の姿を見つけるやいなや、周りには目もくれずに進み寄り、謝罪の言葉と共に深く頭を下げたのだとか。

「へぇ…。ギーシュったら、ちゃんと反省してたのね…」
 ルイズにもシエスタの話は聞こえていたらしく、頷きながら相槌を打った。
「軽薄そうなヤツだと思ってたけど、ちょっと株が上がったわね…」
凛々しい表情でドアを見据えるギーシュを眺めながら、キュルケが呟いた。
「アンタ…、また例の病気?」
呆れながら尋ねるルイズだが、キュルケも調子を取り戻し、涼しげな顔で返した。
「病気だなんて失礼ね。でも、まだまだ『微熱』にもならないわ」
 「まだまだ」という事は、いずれ『微熱』から『情熱』に燃え上がる可能性もあるのかも知れないが、そこはギーシュの活躍次第だろう。

 作者としては、許すつもりなど欠片もないが。

 クロとギーシュが、同時に腰を落とした。
「いいか、「せーの」の合図で、オイラがドアを蹴破って、部屋ん中にガトリングをぶち込む。オメーはあのガラクタを作れるだけ作って、生き残ってたら半殺しにしろ」
「ガラクタじゃなくて、ワルキューレという名前があるんだがね…」
「ちょっと! 私の部屋なんだから、何か壊したら承知しないからね!」
後ろからルイズががなり立てるが、気にした様子はない。
 とにかくクロは、騒ぎにかこつけて、ガトリング砲を乱射したいのだ。物騒なヤツである。

「じゃ、いくぞ」「承知した」
 クロとギーシュの目付きが鋭くなる。ガトリング砲は回転を始め、ギーシュの杖からは、花びらが床に舞い落ちた。
「「せーの――」」
 クロが右足を後ろに振り上げた、その時――

「おーーーーーっす!!!」
 威勢のいい声と共に、ドアがバタンと大きな音を立てて、勢い良く開いた。あまりに唐突な展開に、クロとギーシュはその場からルイズの部屋とは正反対の方向に、咄嗟に跳び退った。
 しかし、その方向にあるのはキュルケの私室、すなわち壁である。しかもこの廊下、案外幅が狭いため、クロとギーシュは大の字で壁に背中から衝突し、そのまま床にずり落ちた。
「声が小さーい!! おーーーーーーっす!!!!」
「「ういーっす!!」」
半ばキレ気味ではあったが、クロとギーシュは、扉の向こうにいた“者”の呼びかけに素直に応えた。
 むしろ、この呼びかけに逆らう事が出来る者など、そういないだろう。ここがハルケギニアである、という点には触れない方向でお願いしたい。

「って、オメーは…!」
 開け放たれたドアの向こうを見て、クロは目を疑った。
「よぉクロ、元気してたかー?」
快活にクロに話しかける、身長1メイルにも満たないその“者”は、クロとほぼ同じシルエットを持っていた。

 クロの反応に、最も近い位置にいたデルフが疑問を投げかけた。
「何でぇ、幽霊だの影だの言ってたが、相棒の知り合いか?」
デルフには答えず、クロはひたすら、頭の中で「ありえねぇ」と連呼していた。
 なぜ、ここに、コイツが、いるのか、と。

 そんなクロの内心は知らず、その“者”は指を一本立て、
「インターネットの人気投票でぶっちぎり1位のミーくんだよ!」
呑気に、自己紹介などしてくれた。余談だが、実話である。



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