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マジシャン ザ ルイズ 九話

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マジシャン ザ ルイズ (9)無謀なる特攻

「どうしてあのようなことを言ったのかね?ミス・ルイズ」
「あのようなこと?」
「捜索隊に志願する、ということだ」

ここはルイズの部屋。
現在は『禁断の剣』捜索に出発する準備の最中である。

「そんなの決まってるじゃない、私が貴族だからよ」
「貴族だから…それだけかね?」
「学院長先生も仰っていらしたけど、これは魔法学院の問題だから、私達貴族の手でフーケを捕らえなくちゃいけないと思うの。
 それに…貴族にナメたマネしたフーケが許せない。貴族としての誇りの問題よ」
「本当に、それだけかね?」
「………昨日、初めて魔法が成功した。だから、その力で誰かに認めてもらいたい。そういう気持ちが無かったといったら嘘になるわ。
 でも、そんなことを抜きにしても、私はきっと志願したわ。」


「お待たせしました、ミス・ロングビル」
「それでは出発しましょう。皆さん、よろしいですか?」
「はい」
「いいわよ、出してちょうだい」

こうして、トリステイン魔法学院から、ルイズ、ウルザ、キュルケ、タバサ、そして案内役も兼任するロングビルの五人が『破壊の剣』捜索隊として派遣されたのであった。


暫くの時を馬車で過ごし、一行は、フーケが潜伏していると目される森に到着した。
「この先は森が深く、馬車では進めません。ここからは徒歩となります」
ロングビルが他のメンバー達に馬車を降りるように指示する。
「農民に聞いた廃屋はこの先にあります、皆さんはそちらへ。」
「ミス・ロングビルはどうするんですか?」
「他にも何かあるかもしれません。わたくしは怪しいところが無いか偵察にいきます」

ロングビルが先行し偵察を行い、他のメンバーはフーケが潜伏する廃屋へ向かうこととなった。
「ミス・ロングビル、お一人で大丈夫かしら?」
「気にすることはあるまい、どうやら彼女は魔法の腕前も中々のようだ」
そう応えるウルザの背中には二本の剣が背負われている。
本来は昨日の勝負で勝ったキュルケの剣をウルザが使うということだったのだが、
『片手に一本づつ持つならば構わんのだろう?』
との本人の発言で、結局両方の剣を使うということになったのだった。
(に、二本同時に使えるんだったら最初にそう言いなさいよっ!)

「人の事より自分の心配しなさいよ。フーケが現れたらあんたはどうせ逃げ出して、後ろから見てるだけでしょ?
 おじさまに戦わせて、自分は高みの見物――そうでしょう?」
「なっ、なっ、何言ってるのよ!誰が逃げ出すもんですか!見てなさい!フーケなんて私の魔法で!」
「あら~~~~~?声が震えてないかしら~?ビビッてんじゃないの?」
「誰がビビッて何か!」
「まあ、しょうがないわよね。ここは昼間だってのに薄暗くて、気味が悪いもの。
 あ~ん、おじさま~、キュルケこわ~い」
キュルケが豊満な胸をウルザに押し付ける。
「問題無い、周囲にはゴースト等の魔力の気配は無い
 ………それより、廃屋というのは、あれではないかね?」

ウルザの指し示した先に、確かにそれはあった。
フーケが潜むとされる、廃屋が。

左手にキュルケの大剣、右手にデルフリンガーを持ったウルザが先行して廃屋の周囲を探っている。
やがて、何も無いというしぐさで後ろの三人に合流を促す。


「あ……あった『禁断の剣』……」
「なーんか、呆気ないわねぇ、でも冒険なんて実際はこんなもんなのかもねぇ」
「……任務完了」
「何も無ければ、それが最上だ」


ズシンッ!!


突然の衝撃、何かに掴まらなければ立っていられない。
柱に掴まりながらルイズが叫ぶ。
「な!何…!小屋全体が揺れてる!?」
「むう!これはっ!皆、床に伏せろ!」

次の瞬間、横殴りの力で天井が吹き飛ばされた。
そして本来天井が見えるはずのそこにあるものを見て、ルイズが驚愕の声をあげる。

「ご、ゴーレム!!??」


幸い、速やかに廃屋を脱出し、全員無事であった一行であったが、その前にそびえるゴーレムには絶句するばかりであった。
「大きい、、、20、いえ、30メイルはあるわ…」
「あれだけ大きいとなると、フーケがトライアングルメイジだって噂も、間違いじゃないかもね」
「……どいて」
タバサはルイズとキュルケの二人の前に出ると、呪文詠唱を開始する。

「…氷の……矢」

ドゥゥンン!!

「あ、アレはウィンディ・アイシクル!」
「やるわね、タバサ!やっぱそう来なくっちゃね!
 よーし、次はあたしよ!………フレイム・ボール!!」

ドドドドドドゥン!!

「やったわ!命中よっ!」
「いや、まだだ」

周囲から煙が薄れ、現れたのは変わらぬ姿のゴーレムであった。
「う、うそっ!直撃したのにビクともしないなんてっ!
 こんなものどうやって倒すのよっ!」
「私が何とか時間を稼ぐ、安全な場所まで逃げ給え」
「おじさま……でも、安全な場所って…そうだ!タバサ!?」
キュルケの問いかけにこくんと頷くタバサ。
タバサが杖を掲げると、上空から飛竜の幼体が降りてくる。
これで避難するつもりなのだろう。

「ミス・ルイズ!君も逃げたまえ!」
「…いやよ!私は戦うわ!」
言うが早いか、ルイズは杖を掲げ、ゴーレムに向かって呪文を叫ぶ。
「……デストロイ!!」

ボンッ!!

しかし、放たれたのは先日の魔法の手ごたえとは全く違うもの、失敗魔法。

「え!ええええ!?なんでっ!昨日は使えたのに!?」
「ミス・ルイズ!君は下がっていたまえ!」
「いやよ、いや!もう一度よっ!今のはたまたま失敗しただけなんだから!次は成功するわ!」
「今の君では無理だ!」
「無理って何よっ!私はっ!私はちゃんと魔法を使えるようになったんだもん!ここで逃げたら!またゼロのルイズに逆戻りじゃない!
 それにっ!私は貴族よ!貴族は敵に後ろを見せなわ!」
「ミス・ルイズ!」

ゴーレムが小生意気な虫けらを踏み潰すべく、片足を上げ、そして勢い良く地面を踏みしめた。

ズズゥゥン!

「い、いたぁ………」
間一髪、ウルザがルイズを突き飛ばしたことで、ルイズは何とか直撃を免れた。
「よっ、余計な真似しないでよ使い魔が!あれくらい私にも避けられたわ!」
「ミス・ルイズ。君のプライドは分かった」
「だったらっ……っ、え?」
ルイズをかばったウルザ、その額からは一筋の血が流れていた。
よく見れば、それ以外にも何箇所か血が滲んでいる場所がある。
「ちょ、ちょっとあんたっ!怪我してるじゃない!」
「……君の誇りにかけて引くことが出来ないのはわかった。
 しかし、私はこれでも使い魔として召喚された身だ。加えて女性を守るのは男の勤めだ。
 君を守るという、私のプライドを立てて、ここは引いてくれないかね?」
「………わ、私、私っ………」
泣き始めるルイズを背に、ウルザが立ち上がる。
左右の手には二振りの剣。


             若さとは時に、人を衝動のままに駆り立てるものだ
                      ―――ウルザ


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