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大使い魔17-16


だがだん♪ だがだんだがだん♪
「大使い魔ー、ワーンセブーン!!」

オゥオオー オゥオオー 彼こそは~
オゥオオー オゥオオー 大使い魔~ワンセブ~ン

燃える真っ赤な太陽
ギラリ輝く装甲
見よ! 右手の虚無のルーン 

風の唸りか雄叫びか~
イザベラ企画の大殺戮

立て! 要塞ワンセブン
防げる者は他になし

オゥオゥオゥ オゥオオー オゥオオー 彼こそは~
オゥオオー オゥオオー 大使い魔~ワンセブ~ン

吼えて逆巻く荒海
ザバリ砕いて鋼鉄
見よ! 怒りに輝く眼

波のうねりか血飛沫か~
ガリア国軍大艦隊

行け! 戦闘ワンセブン
迎え撃つのは神の笛

オゥオゥオゥ オゥオオー オゥオオー 彼こそは~
オゥオオー オゥオオー 大使い魔~ワンセブ~ン

「大使い魔ワンセブンは、自らの意思を持つロボットである。ルイズを守るため、この世の邪悪と戦うのだ!」

オゥオゥオゥ オゥオオー オゥオオー 彼こそは~
オゥオオー オゥオオー 大使い魔~ワンセブ~ン

割れた荒野の大砂塵
ユラリ動いた黒影
見よ! 巨大なヴィンダールヴ

渦巻きのぼるは竜巻か~
ハスラー・ロボット大侵略

飛べ! 飛行ワンセブン
世界の終わりの救世主

オゥオゥオゥ オゥオオー オゥオオー 彼こそは~
オゥオオー オゥオオー 大使い魔~ワンセブ~ン


戴冠式まで後2日と迫ったある日、学院の方は突如現れたデルザー軍団の一部、ドクロ少佐と鋼鉄参謀の脅威が未だに尾を引いている。
一方、王宮ににレコン・キスタの刺客が侵入していた!

第16話「死へのカウントダウン開始! 許されざる再会」(パラボラロボット登場)


王宮内、ジローの部屋。
本棚には音楽関連の本や楽譜が詰め込まれ、常にギターの音が絶えず、それ以外の楽器まで網羅された部屋である。
六年前まで、ジローが一時的に放逐されていたため、その間は墓場の如く寂しげだったが。
暇そうにしているジローの耳に、ドアが開く音が入る。
ジローがドアの方を向くと、ドアが開かれ、そこにいるはずの無い者たちがいた。

「ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド!」
「件の葬儀以来です、ジロー王子殿下」
「一体いつの間に!?」

戦闘態勢に入るジローであったが、それを諌める声がする。
既に聞くことができない筈の声が。

「落ち着くんだ、ジロー」

その声は聞いたジローは驚愕するしかなかった。
声の主は既に故人であったから。

「義父さん……!」

ワルドは、その隙を突き、持っていた笛を吹く。
笛から発せられた音色は、もう聞くことはないと思われた、あの音色。
『ダークに生まれし者はダークに還れ』と囁きかける悪の音色。
不意を突かれたがために、ジローの不完全な良心回路は抵抗できずに機能を停止。
ジローもまた操られるがままに連れて行かれる。


城内のある一角。
何もしないのはアレだと城内で働くメイドたちの手伝いをしていたロボコンは、いつも通りに今日の分の手伝いを全部やってしまい、暇つぶしに日課の城内探検をやっていた。
初めて足を踏み入れるその一画に来た際、ロボコンは目撃してしまう。
ジローが、ローブで全身をすっぽりと包んだ怪しい一団と共に歩いているところを。

「あれ? ジローさん、その人たちは誰~?」

勿論反応無し。
それどころか、怪しい一団の一人がいきなり『ブレイド』で剣と化した杖でロボコンに斬り付けて来た。

「何するんだよ!」

怪しい一団の一人を思いっきり突き飛ばし、激昂するロボコン。
隠密行動のためかブレイド以外の魔法を使うのを躊躇っている隙を突いてロボコンは暴れるが、笛の音と共に動き出したジローに殴られ、吹っ飛ばされる。

「痛ってー!?」
「こうも早く見つかるとは……。合流地点……ラグドリアン湖に急ぐぞ!」

長髪ヒゲ面の男(ワルド)がこれからの行き先を口にする。
残りの面々がそれに頷き、前もって用意されていたと思われる重機動馬車に乗り、急いでその場からいなくなった……
そして、それが発覚するのは40分も後であった。
「義兄上が!?」
「は……。殿下を乗せた怪しい重機動馬車が、ラグドリアン湖へ向かったそうです」

アニエスの報告に、神経を尖らせるアンリエッタ。
事件は、意外な形で発覚し、誘拐犯たちの行き先もあっさり特定された。
ジローを運んでいる怪しい連中をたまたま見かけたロボコンが、ジローを助けようとして返り討ちにあい、その際にワルドが不用意に口を滑らしたのをしっかり聞いたのである。
アンリエッタはここ数日、高等法院の老人連中とアカデミーのやらかした、ワンセブン捕縛未遂に関わった者の一部を打ち据えるほどの酷いヒステリーを起こしていた。
当然、この報告は彼女の怒りを激しくする。

「エルフなど歯牙にかけぬほどの猛者である義兄上を一体どうやって? 魔法衛士隊に通達、ジロー王子捜索の命を下します。それに、グリフォン隊に一番槍を任せるようにと」
「は! ところで、ミス・ヴァリエールとその使い魔への協力の要請は?」
「義兄上を誘拐したほどの者たちである以上、必要でしょうね。聖人ジョーに、協力の要請を伝えてもらうように」
「御意」

大急ぎで部屋を出るアニエス。
アンリエッタは一人呟いた。

「義兄上……。私は、アンは、あなたの義妹は本当に嫌な女です。この状況を利用して、ワルド如きを未だに慕うグリフォン隊どもを、己が手を汚さずに粛清しようとしています……」


「殿下が!?」
「うん。信じられないけど、ジローは抵抗らしい抵抗も出来ずにさらわれたらしい。偶然連れ出すところを見たロボコンが助けようとしたらしいけど……」

数分後のトリステイン魔法学院、要塞ワンセブンの甲板上。
加速装置で、すぐに学院に到着したジョーは、すぐにワンセブンの所に向かい、ちょうど日向ぼっこ中だったルイズに事情を説明する。
そして、何故ジローが簡単にさらわれたか、二人はすぐに答えを出せた。

「……」
「……」
『“ギルの笛”!!』

片や光明寺博士の知り合いであったギルモア博士から、片やワンセブンから、教えられたために知った。
ギル・ヘルバートが生涯吹き続けた邪悪の笛の存在を。
更に、良心回路が不完全ゆえにジローはその笛の音色に耐え切ることは出来ないことも。

「聖人ジョー、これからラグドリアン湖の方へ向かいます。貴方もワンセブンに……」
「僕には誰よりも速く走れる『足』がある。一足先に向かわせてもらうよ。加速装置!」

加速装置の発動とともに、瞬時に姿を消す009。
余りの速さにルイズは呆然となる。

「風よりも速くやって来て、ワンセブンが飛ぶよりも速くいなくなっちゃった……。て、それどころじゃなかったわ! ワンセブン、ラグドリアン湖へ!」
「イエス。ワンエイト、留守番を頼む」

ルイズがワンエイトヘルを被り、サロン内へと入った直後に、ワンセブンは飛行形態へ変形。
そのまま離陸し、ラグドリアン湖方面へと飛んでいった。

「了解。いってらしゃ~い」

手を振るワンエイトに見送られながら、飛行ワンセブンの姿は徐々に小さくなっていった。
ラグドリアン湖の湖畔。
療養も兼ねて、カトレアはサブローを連れて遊びに来ていた。
ちょうどいい所を見つけ、白いカラスを停めるサブロー。
サブロー自身はサングラス以外に頭部に着けているものは無く、いつもかぶっていたヘルメットは、何故かカトレアがかぶっている。
あの騒動(第9~10話で、ジローとサブローがやった兄弟ゲンカ)から数日、(心停止の件で)カトレアは殆どヴァリエール領内で缶詰め状態であった。

「いつ見ても綺麗ね、ここは」
「ご主人はまだ2回目だったと思うが」
「野暮なことは『メッ』よ」

サブローの野暮な突っ込みを、優しく諌めるカトレア。
サブローを召喚するまで、ヴァリエール領から出られなかったカトレアには、トリステイン魔法学院も、アルビオンも、全てが鮮烈に映ったのである。
オークやオーガどころか、メイジすらものともしない戦闘力を有するサブローが駆る時速600km.のモンスターマシン、「白いカラス」があったからこそカトレアは外の世界を見れたのであった。
ポワトリンの力のおかげで、病気の方はかなり抑えられてはいるが、それでも体の負担自体はかなりのものである。
今はいつ、また心停止をおこすか分からない状態なのだ。

「……。? 馬車が走る音だ……」

ふと物思いにふけていたサブローの耳に、馬車が走る音が入る。
かなり急いで走る重機動馬車が視界に入り、何となく怪しく思うサブロー。
それと同時に、ハルケギニアでは基本的に聞けない筈の、「物体が音より速く飛ぶ音」も耳に入る。
空を見上げると、サブローの視界に飛行ワンセブンの姿が映った。
それを見て、さっきの馬車に何かあると確信したサブローは、白いカラスに飛び乗り、カトレアが乗るのと同時に急発進させる。

「飛ばすからしっかり捕まっててくれ!」
「せっかちさんね」

白いカラスは爆音と共に、湖畔を走る。飛行ワンセブンが追っている重機動馬車を、追うために。


それから数十秒後、急ぐ怪しい重機動馬車の前に、ジョーが立ちはだかる。
重機動馬車は停車。
直後に乗っていたメイジたちが降りてきた。

「お久しぶりです。聖人ジョー」
「ジャン・ジャック……。相変わらず目が濁っているね」
「そちらも相変わらずご冗談がきついようで」

真剣な表情で対峙する両者。
刹那、ジョーがスーパーガンの引き金を引く。
ワルドは楽々とかわし、ウインド・ブレイクを放つが、ジョーは切り札で避けた。

「加速装置!!」

超高速により、ワルドたちの視界から消えるジョー。
混乱を他所に、ジョーはジローが乗っている位置を確認。
瞬時にジローを助け出そうとするが、そのジローがギターに内蔵されたマシンガンの銃口をジョーに向けた。

「!!」

下手をすれば仮面ライダーをも負傷させる強力な『超銀弾』(主成分:人工純銀とその他諸々)が数十発も直撃し、ジョーは吹き飛ばされ、加速も解除してしまう。

「ウインド・ブレイク!」

その瞬間を狙ったワルドのウインド・ブレイクが命中。
ジョーは何とか受身を取って立ち上がるも、ジローが追い討ちの飛び蹴りをかまし、ジョーはまともに食らって膝を折る。

「ジロー殿下はこの笛の音を聞くのは随分お久しぶりだったらしく、少し吹いただけで簡単に操られてくれましたよ。聖人ジョー。どうでしょうか? この私同様、こちら側に寝返ってはもらえませんかな?」
「……断る。僕はちっぽけな人間だ。だが、僕は、僕はお前たちのやろうとしていることを、ブリミルの名誉にかけて断じて認めない! 人間としても! 彼の使い魔としても!!」

大見得を見事に切って見せるジョー。
それに呼応するように、飛行ワンセブンと、白いカラスも到着した。
翼を畳んだ要塞ワンセブンの右足のハッチから、奇妙な形の乗り物が出てくる。
その名も、シグコンタンク2号。
外観こそ、初代シグコンタンクをピンク色に塗っただけに見えるが、その実初代を軽く超える重武装がなされている。

「何だ!?」

ワルドが素っ頓狂な声をあげた直後、内部から武器がせり出し、ワルドたちが乗っていた重機動馬車目掛けて発砲。
乗っていた者たちは全員降りた後であったが、重機動馬車はそのまま粉々に吹き飛ばされた。
その直後、上部にあるハッチが開き、そこからルイズが顔を出す。

「薙ぎ払えー!」

ルイズの命令に呼応するように、シグコンタンク2号は今度はワルドたち目掛けて発砲。
それと同時にルイズは一旦頭を引っ込める。
直後、ハッチからハンペンとガン鉄が銃器片手に飛び出し、続けざまに発砲を開始した。

「みなぎりますぞ~!」
「容赦せんぞ~!」

そして要塞ワンセブンも戦闘形態へと変形を開始した。
ミヨンミヨンミヨン、ヨヨヨヨヨ、キュピーン! バギィィィィン!!
それを見ていたワルドは、ワンセブンを睨みながら呟いた。

「やはり来たか。ではこちらも『カード』を出すとするか」

ラグドリアン湖の水面から、巨大ロボットが飛び出す。
出て来たのは、ハスラー謹製のパラボラロボット。
出現と同時に、パラボラロボットは名の元になっている、全身に張り付いたパラボラに静電気を集め、荷電粒子光線を発射。
無駄弾の方が多かったが、それでも威力はかなりのものらしく、地上に向けて放たれたものは激しい爆発を起こした。
流石に鬱陶しいらしく、サブローは即座にチェンジし、ハカイダーショットの銃口を向けるが、ワルドの偏在がそれを阻む。

「エア・カッター!」
「ムッ」

偏在のエア・カッターをしゃがんで避け、同時にハカイダーショットの引き金を引くハカイダー。
発射された高周波弾が偏在を消し飛ばし、その真後ろにいたメイジの一人の頭も衝撃波で右半分を粉砕する。
が、断面から血が泡立ち、そのまま吹き飛ばされた部分が再生された。

「何だと!?」
『ホホホホホ。これが私の力なのだよ』

パラボラロボットから流れる声。
それはレコン・キスタ首魁、クロムウェルのものであった。

『初めまして諸君。私がオリヴァー・クロムウェルだ。諸君が戦っているこのパラボラロボットは、遠くにいる者の声を自分がいる場に届けることが出来るのだよ。本題に移ろう。私は虚無の力によって死者に偽りの命を持たせ、他者を操ることが出来るのだ!』

クロムウェルの声の直後、パラボラロボットの全身についているパラボラから紫色の光が放たれる。
それと同時に、カトレアと、彼女に介抱されていたジョーの精神に激しいノイズが走った。

「!!」
「これは!?」
『パラボラロボットは我が虚無の力をも、そちらに送ることが出来る。流石に始祖の使い魔でも抗し切れないようですな。……ぬご!』

自信満々にクロムウェルが己の力を演説している隙を突き、ワンセブンはナイキ級ミサイルを発射。
当然、突っ立っているだけで木偶の坊(ワンセブン視点)のパラボラロボットに直撃。
パラボラロボットはこちらの音声も向こうに届く仕様になっているらしく、アルビオンにいるクロムウェルは爆音で仰け反った。

「隙を突くのは戦術の基本」

しれっと呟くワンセブン。
その光景に全員が絶句(注:ルイズだけはワンセブンにノロけています)する中、ジローだけは、シグコンタンク2号に乗っているルイズに、マシンガンの照準を合わせ、引き金を引く。
それに気付いたワンセブンは、射線上に文字通り割って入り、銃弾を足で防いだ。

「キカイダー! 目を覚ますのだ」

しかし、ジローはワンセブンの声に応えず、チェンジ。
その配色は、ギルの笛の音の影響なのか、本来なら青い部分も真っ赤に変色していた。

「ジローさん……!」

絶句するハンペン。
悲痛な顔で自分を見つめるハンペン目掛け、キカイダーは無感情のまま突撃。
ハカイダーはそれを慌てて阻止し、カトレアに叫ぶように呼びかける。

「ガン鉄、ご主人! ハンペンを下げてくれ! このままじゃハンペンは狙い撃ちだ」

カトレアとガン鉄は、その呼びかけに呼応して、茫然自失のハンペンを引きずりながら非難させた。
直後、キカイダーとハカイダーの激しい格闘戦が始まる。
とりあえず、安全な場所にハンペンを置いて来たガン鉄は、ワルドに銃の照準をあわせようとしたが、『ブレイド』によって剣と化した杖が眼前に迫り、慌てて回避。
それを見たカトレアは、自分も変身しようとするが、キカイダーの隣にいる男がローブのフードの部分をめくり上げ、その顔を晒したことで固まってしまう。

「……へ、陛下!?」
『私の力を以ってすれば、ヘンリー陛下を生き返らせるのも造作も無い!』

ヘンリー・トリステイン。
そう、6年前に病没した先王であり、マリアンヌの夫にしてアンリエッタの実父、そしてジローの義父である。
あまりのことに眼を丸くしたのは、カトレアだけではない。
ルイズもだ。

「そん、な……!!」
「そこにいるのは……。おお、ルイズか。ジロー。ルイズを連れて行くぞ。そうすれば、きっとアンリエッタもこっちに来てくれるだろう」

ふと思いついたように、キカイダーに指示するヘンリー。
キカイダーはハカイダーから距離を取り、淡々とそれに応じた。

「了解。義父さん」

ジャンプし、エアークラフトで一気に間合いを詰めるキカイダー。
だが、そうはさせまいとジョーが咄嗟にスーパーガンの引き金を引き、撃ち落す。

「目を覚ますんだ、ジロー! 君のお義父さんは、ずっと前に死んだ! そこにいるのはクロムウェルが操っているだけの死体だ!」
「……!」

ジョーの言葉に、かすかに激昂の様子を見せたジローは、ヘンリーの指示を無視してジョーに牙を向く。
次々と繰り出されるパンチとキックを、必死にかわし、時に受け流すジョー。
突然のことにヘンリーは驚き、焦ったワルドはギルの笛を左手で持って吹こうとする。
しかし、それを目にしたジョーが、吹かせるはずがなかった。

「加速装置!」

満身創痍一歩手前の体では、そう長時間は加速できない。
が、超音速の速さで動ける以上、ホンの一瞬発動するだけでも十分過ぎた。
加速装置が発動した場合、ジョーが触れたものは一部の例外を除き、摩擦熱で燃え尽きる。
そう、少しでも触れた時点で。
ジョーはギルの笛に少しだけ触れ、直後に加速装置を解除する。
瞬間、ギルの笛は、義手であるワルドの左腕諸共盛大に炎上した。

「うぐわぁ――――っ!!」

絶叫を上げ、ギルの笛を手放しながらも、ワルドは大急ぎでエアハンマーを唱えて強引に消火する。
ワルドが手放し、地面に転がったギルの笛の方は紅蓮の炎に包まれたまま、火花を上げて爆発。
ワルドは忌々しげに呻く。

「ぐうぅっ……ロマリアから盗み出した貴重品を!」

それと同時に、キカイダーは糸が切れた人形のように倒れた。
右半身の一部だけが青に戻った、アンバランスな状態で。

「ジロー!」

驚いたヘンリーは、慌てて駆け寄る。
その光景のパニックになりかけていたルイズに、ワンエイトヘル越しにワンセブンのアドバイスが飛んだ。

「ルイズちゃん! ここに来るまでの間に新しく覚えた、あの術を使うんだ!」

その言葉に、ようやく正常な状態に戻るルイズ。
ワンセブンのアドバイどおり、ここに来るまでの間に祈祷書を呼んで習得した、第二の呪文の詠唱に入る。
詠唱に入ったルイズの姿を見たワルドは、すぐに勘付く。
ルイズが虚無の力を行使しようとしていることに。

「ルイズ! まさか……!」

焦ったワルドは偏在の残りと共にエアカッターを発動。
ルイズ目掛けて真空の刃の群れが飛び掛る。
が、呪文の完成が先だった。

「ディスペル・マジック!!」

その言葉と共に、エア・カッターは偏在ごとかき消され、そしてクロムウェルによって操られた死人たちも倒れていく。
それには、ワルドもクロムウェルも驚愕するしかなかった。

『わ、私の力が……! 私の力が、かき消されただと!?』

この光景にうろたえるクロムウェルを他所に、パラボラロボットは淡々と攻撃を繰り返す。
だが、ワンセブンはそれを物ともせず、鉄拳でパラボラの一つを破壊。
パラボラロボットが思わず後退した隙を突き、最終兵器を発動させた。

「グラビトォオオオン!!!」

発声の直後に、左右の腕を、天を突くように交互に突き出し、 そして両手を上にかざしてすぐに振り下ろす。
瞬間、腹部のシャッターが開いて、グラビトンが発動する!

パキューン、パキューン、パキューン、バギィィィィン!!
ファキィーン! シュピィーン! ヴァァァァア!!

突如として発生した超重力に、パラボラロボットの全身が歪み、圧縮された。

シュビビビビ~! バゴーン! ズギャァーン!! ドォッカァァァ―――ンッ!!!

圧縮が限界に達した瞬間、パラボラロボットは爆発。
その爆発すら圧縮され、繰り返され、湖畔に轟音を轟かせた。
その余りにも派手で盛大な大爆発を逆手に取り、ワルドは死に物狂いでその場から離脱する。
当然ワンセブンはそれを確認するが、エレオノールをエクスプロージョンから庇った際(第十三話参照)に負った、グラビトンの損傷のせいで追撃どころではなかった。

「おわー!」

ワンセブン内部では激しい爆発が起こり、それは内部サロンにまで及んだ。
ロボターの悲鳴が、サロン内部に響く。
幸い、すぐに収まったものの、グラビトンの損傷は更に深刻になる。
ロボターもまた、サロン内の掃除に取り掛かった。

「陛下!」

ルイズが大慌てで、倒れたヘンリーに駆け寄る。
カトレアたちもそれに続く。
ヘンリーは咳き込みながらも、相変わらず呑気なままだった。

「ルイズか……。ジローは、ジローはどうした?」
「まだ、お目覚めになられておりません」
「そうか……。ジローは、私はあの時、ジローとアンリエッタにまで最期を看取らせてしまった。死ぬ瞬間を二度も子らに見せる羽目にならなくて良かった……」

呑気そうなこと言うヘンリーだが、その体は徐々に冷たくなり、肌の色も濁り、目の瞳孔も開き始めている。

「ルイズ、マリアンヌとジロー、アンリエッタに『すまなかった』と伝えてくれないか」
「……はい」
「アンリエッタのことを、ジローと共に支えてやって欲しい。あれは聡明で政の才覚も人望もある。だが、底知れぬ怒りと残忍さを秘めている。私はそれが爆発するのではないかと不安なんだ」

心の底からアンリエッタのことを心配しているせいか、ヘンリーには二度目になる死に対する、恐怖は欠片も見られない。
厳しくも、飄々として穏やかだった先王の願いに、ルイズは言葉を発せず頷くことしか出来なった。

「許せよ、面倒事を押し付けてしまって……。すまんが、もう眠らないといけないみたいだ……。頼むぞ、ジローとアンリエッタのことを」

この一言を最後に、ヘンリーは目を閉じる。
そして、完全に冷たくなり、目を覚ますことはなくなった……。
魔法衛士隊のグリフォン隊がこの場に到着するのは、それから十数分後のことである。


真夜中 ルイズちゃんが目を覚ます 夜の空にはまだ 双月がそびえているよ
何だか ありえない夢のようさ ルイズちゃんを狙う 悪の影がやけにリアル過ぎる

Don't you know? Don't you know? you know? やつらが動き出した
Don't you know? Don't you know? you know? 決して目を逸らさないで
その手で包む ルイズちゃんを 守り抜くため戦う

BRAVE of Ishimori Pro SPIRITS! 目の前の悪蹴散らして
BRAVE of Ishimori Pro SPIRITS! それは宿命なのでしょう
兄さんは一人じゃないから 挫けず前を向いて 
大きな 力で 突き進む BRAVE Of Ishimori Pro SPIRITS!

トリスタニア 裏通りでルイズちゃんに 吹きつける風が 不安な気持ち煽ってるようだった
何だか 妖しげな雲行きだ 悪の汚れた手が ルイズちゃんをさらう算段みたい

what you want? what you want? you want? ワルドを地獄へ落とす
what you want? what you want? you want? 願うのはそうラブパワー
その手で包む ルイズちゃんの 愛に応え戦う

BRAVE of Ishimori Pro SPIRITS! 立ちはだかるワルドは殺す
BRAVE of Ishimori Pro SPIRITS! それが運命なのでしょう
兄さんは一人じゃないから 恐れず前を向いて
大きな 力で 突き進む BRAVE Of Ishimori Pro SPIRITS!

その手で包む ルイズちゃんを 守り抜くため戦う

BRAVE of Ishimori Pro SPIRITS! 目の前の悪蹴散らして
BRAVE of Ishimori Pro SPIRITS! それは宿命なのでしょう
兄さんは一人じゃないから 挫けず前を向いて 
大きな 力で 突き進む
BRAVE of Ishimori Pro SPIRITS! 立ちはだかるワルドは殺す
BRAVE of Ishimori Pro SPIRITS! それが運命なのでしょう
兄さんは一人じゃないから 恐れず前を向いて
大きな 力で 突き進む BRAVE Of Ishimori Pro SPIRITS!

BRAVE Of Ishimori Pro SPIRITS!!


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