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サイボーグ 0009-02



サイボーグ 0009  

2話
「失礼します。お加減は大丈夫ですか?」
とコルベールはジョーに語りかけた。
自分を心配するようで、どこか険しいコルベールと名乗る男の表情を見ていると、
何か勘ぐりたくなる気持ちが働いたが、
「ええ。おかげさまでもうある程度は動けそうです。」
と答えた。

コルベールは、じっとジョーの全身を見つめたあと、切り出しにくそうに、
「あなたは、一体何者なんです?いえ。あなたは一体何なのですか?」
と険しい顔をさらに険しくした。
「失礼ですが、あなたの身体にディテクト・マジックをかけさせて頂きました。
 結論として、あなたは人間ではない。という事が分かりました。」
「ディテクト・マジック?」
「ええ。物事の本質を見極められる魔法です。ご存知ないですか?」
「魔法・・・そんなものが存在するのですか?」

コルベールはその答えが、さも珍しいもののような表情をし、少し空気が和らいだ。
ジョーにとっては、この異常事態に自分を知られる事への良し悪しの区別がつかず、言葉を探した。
空気が和らいだと言っても、この男は自分に対して、少なからず警戒しているようである。

「僕は、多分あなた方の敵じゃない。」
「ええ。使い魔である以上我々の敵である。という可能性は低いでしょう。
 しかしあなたのような存在を召還したという前例が無いもので、我々は警戒する必要がある。
 あなたを召還したミス・ヴァリエールや、このトリステイン魔法学園の生徒達を守る為にも。」

ヴァリエールとは先ほどの少女の事だろう。
そして、僕は彼女に召還された?先ほどの魔法の力というものか?
サイキック能力とは別物のように感じるが、人を呼び出すほどの召還とはどれほどの力だろう。
しかもあの、大気圏突入という絶体絶命の状況で。
あの001でも出来るかどうか分からない。
とすると、本当の意味で僕は、あの少女に命を救われた事になるのか・・・。

「分かりました。僕もあの少女に恩を返さなくてはなりません。
 その為にも、お互いの為にも、まずは情報が欲しい。
 答えはそれからでも遅くはないでしょう?」
コルベールの話で、予想通りと、予想外の情報を手に入れる事が出来た。
まず、自分は先程の少女、ルイズ・フランソワーズに召還された。
そして治療を受けて今に至るわけだが、根本的に誤解していた事がある。
二つの月を確認した時点で可能性を考慮すべきだったのだが、どうやら僕は異世界に召還されてしまったようだ。
そしてこの世界では魔法がほぼ全ての役割を果たしている。僕の世界の機械のように。
この世界では機械文明は存在せず、全ての生活の基盤に魔法が存在するのだ。
異世界という言葉にコルベールは随分と驚いていたようだが、先のディテクト・マジックの結果を考えるに、それもありえると考えたらしい。

そして使い魔。
僕は彼女に召還された直後、使い魔としての契約をさせられたらしい。
彼女の立場を聞くに、彼女にとっては選択の余地は無かったと思われる。
強制的である上、元の世界に帰る方法は無く、死ぬまで彼女の使い魔として生きなければならない。
001の力があれば戻る事も不可能ではないかも知れないが、彼と連絡を取れない以上、その可能性は考えられない。

「今の状況でお話出来るのはその程度ですな。」
ふう。とコルベールが一息つくと、もう一度険しい顔で質問をした。
「そして、一体あなたは何なのですか?
 人の言葉を話し、人そっくりの外見をしている。でも正確には人ではない。
 お気を悪くされたら申し訳ないのですが、これは必要な事なのです。

僕は苦笑してしまった。
いつだったか004が自分の事を、「人間でも機械でもない」と言っていたのを思い出し、
それと変わらぬ言葉を異世界の住人に聞かされるとは思ってもいなかった。

コルベールの情報は、自ら検証してみなければ真偽の程は分からないが、
人となりは信用出来るように思えた。
さらに、機械文明の存在しないこの世界では、自分の本質を話したところで理解出来ないだろうと思った。
話してしまっても構わないだろう。

「僕はかつて人間でした。
 ですが、ブラックゴーストと呼ばれる闇の組織に拉致され、肉体を改造され、
 戦闘用サイボーグとなったのです。
 サイボーグというのは・・・」

サイボーグ研究所からの脱走。
暗殺者達との戦い。
ミュータント戦士達との戦い。
地下帝国ヨミでの最後の死闘。
話していくうちにコルベールの顔が、好奇心で明るくなっていくのが分かる。
元々こういった分野に明るい人なのかと苦笑すると同時に、自分に対する警戒心が薄れていくのを感じた。
「いやはや、何とも信じがたいお話ですが・・・。いや、実に面白い。」
「僕にとっては必死に走り続けただけで、面白い話ではないですよ。
 いや、でもある意味幸せだったのかも知れません。みんなと出会えた事は。」
「お気を悪くされたようで申し訳ありません。しかし実に興味深い。」

話し込んでいて気づかなかったのだが、外はすでに明るみがさしはじめていた。
自分の存在というものを人に話す事が無かった為、コルベールとの話は自分にとってもプラスに働いている事に気づいた。
僕はきっと、この境遇を普通の人に話したかったのだろう。

「おっと、もうこんな時間ですか。
 シマムラ・ジョーさん。あなたの事は学園が責任を持って対応させて頂きます。
 おや?その左手のルーンは・・・。」

どうやら珍しいもののようで、コルベールはそれを書き留めると、
ごゆっくりお休みになって下さい。と言い残し去っていった。

元の世界のみんなに思いを馳せる。
みんなの元へ帰りたいという思いはもちろんある。
フランソワーズの元へ駆けていきたい。
だが、多分僕はもう戻れないようだ。
どうにか戻る術はないのだろうか・・・。

そしてもう一人のフランソワーズに思いを馳せる。
高飛車な態度で接してきたが、コルベールによるとそれは、劣等感から来る虚栄心らしい。
命を救われた以上、彼女に恩を返したい。

だが、全ての事は、この身体が完治してからだ。
そうして起こしていた身体を横たえると、すぐに眠りへと落ちていった。



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