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魔法少女リリカルルイズ03


黒い獣が体を起こす。
起こしただけではない。体を膨張させて大きくなり、姿も凶悪に、逆立つ体毛の間からは触手がいくつも生えている。
獣が跳びあがった。
ルイズめがけて落ちてくる。
「きゃっ」
杖を獣に突き出す。
それは反射的な行動であり、何か考えがあったわけではなかった。
「protection.」
杖からの異国の言葉が聞こえた。
喋る杖の先からは光が壁のように広がり、獣を阻む。
雷のような音がルイズの耳を叩いた。
光の壁に抗う獣はもがきながら光の壁に爪を立て、爪を食い込ませていった。
「こ……のぉっ」
ルイズ派杖を振り下ろし、壁にしがみついた獣を振り落とそうとした。
だが振り下ろしきる前に獣は壁を蹴って飛び退き、猫のように回転しながら着地。
間をおかずに正面からルイズに突進してきた。
「きゃ……えいっ」
「protection.」
再び雷の音が鳴り響き、獣を光の壁が受けとめる。
今度は獣は飛び退かない。その場に足らしきものをつき、爪を立てて、ぐいぐいと光の壁をルイズごと押してくる。
「あ……あ……」
また雷の音がした。
獣から栄えた無数の触手に叩かれた光の壁が音を立てている。
1回、1回叩かれるごとに獣の爪が壁にめり込んでいき、触手は壁を削っていく。
次第に光の壁が点滅を始め、その姿を霞ませていった。
そして、ついに消えた。
「きゃぁあああーーっ」
「ルイズ!」
目の前に魔法陣が現れた。
魔法陣は新しい壁となって再び獣を遮る。
振り向くとフェレットが変身した男の子が右腕を突き出していた。
「ルイズ!心を澄ませて」
「そんなこと言っても……」
「心を澄ませば、ルイズの呪文が浮かんでくるはず。それで君の魔法を。あいつは僕が全部防ぐから」
もう一度ルイズは前を見た。
獣が魔法陣の壁を潰そうとしている。
とまどってはいられない。
ルイズは目をつぶった。
獣のうなり声と雷の音が心を乱そうとするのを必死におさえる。
突然、心が静かになった。
心の奥の、奥から聞こえてきた。ルイズの呪文が。
「リリカル!マジカル!」
体の中から力がわき出し、それが杖に流れていく。
杖を獣に向けた。
「リリカル!マジカル!」
ルイズは少しずつ理解してきた。
自分は力をわき出す泉だ。
その力を杖という器に満たせば、杖が魔法の完成を手伝ってくれる。
「リリカル!マジカル!」
魔力が満ちた。
「封印すべきは忌まわしき器。ジュエルシード!」
男の子の呪文がまだ魔法にならない力に方向をつける。
「ジュエルシードを封印」
ルイズは心に浮かんだとおりの呪文を紡ぐ。
「sealing mode. set up.」
音を立てて杖が変形し、光り輝く翼を生やした。
ルイズの心にまた別の呪文が浮かぶ。
今度は獣を封印するための呪文。
「リリカル!マジカル!ジュエルシード、シリアル21、封印!」
「sealing.」
杖から細く鋭い光が伸びる。
光に貫かれた獣は爆発した。
その爆発はいつもの失敗したときの魔法だった。
でも、この爆発は失敗ではないかった。
杖に導かれてはいても、ルイズが自分の意志で使った魔法だった。
爆発の煙が晴れると、その跡には獣はどこにも居なかった。
「あ……」
かわりに抉れた地面に青く光るものが埋まっている。
「ルイズ」
男の子が辛そうに腕を上げ、光るものを指さす。
「それに、ジュエルシードに杖で触れて」
「う、うん」
ルイズは男の子がジュエルシードと呼んだ青い宝石に、杖を向ける。
「receipt number XXI.」
杖の呪文のような言葉と同時に青い宝石は杖に吸い込まれていった。
どうやら終わったみたいだ。
「ふう……え?」
ルイズの体がまた輝く。
新しい服は元に戻り、形を赤い宝石に戻した杖が宙に浮かんでいた。
ルイズが手のひらを赤い宝石に向けると、赤い宝石はルイズの手の中に収まった。
危険はなくなったみたいだ。
自分の力で切り抜けたような気がして感慨深いものがある。
が……気づいた。
「ね、ねえ!これってなに?どういうこと?」
ルイズは男の子の方に振り向くが、そこには誰もいない。
かわりに、首に赤い宝石をかけていないルイズの使い魔のフェレットが倒れていた。


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