あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

天才と虚無-04




 早朝。
 藁束の中で目を覚ましたレメディウスが最初に見た物は、昨日ルイズが洗濯を言いつけた下着だった。
 レメディウスは寝起きのぼんやりとした頭で、藁束から身を起こす。
 一瞬ここは何処かと思考し、数瞬の後に、ここが自分の元いた世界でないことを思いだした。
 血糖値が足りてない。頭が回らない。
 思えば一昼夜、レメディウスは食事を取っていない。
 空腹さえ忘れてしまうほど、昨日のレメディウスは異世界のあり方に驚いていた。

(そういえば、起こせって言われていたっけ……)

 回らない頭で、昨日ルイズが言っていたことを思い出す。
 洗濯もしろと言っていた気がするが、この世界の文明レベルでは洗濯機はなさそうだ。
 ならば何処かに洗い場があるのだろうが、レメディウスはその場所を記憶していない。
 ルイズを起こして聞こうと、やっと回るようになってきた頭で、そう考えた。

「おーい、朝だよー?」

 藁束から出たレメディウスが、ベッドの上で丸くなっているルイズをゆする。
 しかしルイズは軽く呻き声をあげるだけで、一向に起きようとしない。
 <活息醒>の咒式で酸素とカフェインを合成し、覚醒させようかと思ったが、魔杖剣を持っていないことを思い出す。
 自分の生活がどれだけ咒式に依存しているかを、こんなところで思い知らされるとは思ってもみなかった。

「朝ですよー?」

 仕方なくレメディウスは、ルイズの身体をさらに揺する。
 八回と三分の一ほど揺らしたところで、ルイズが「んう……」と可愛らしい声を上げながら目を開いた。
 開いたはいいのだが、その鳶色の瞳は焦点が合っていない。
 ルイズが朝に弱いということは一目瞭然だった。

「起きたかい?」

 のろのろと身体を起こすルイズに、レメディウスが笑いかける。

「ふぇ………? あんた、だれ………?」

 焦点のあっていない瞳でレメディウスを見ながら、ルイズが言った。
 表情筋に力が入らないのだろう、眠たげな半眼が可愛らしい。

「レメディウスだよ。レメディウス・レヴィ・ラズエル」
「れめ…………? ああ、使い魔の……昨日召喚したんだったっけ……」

 思いだしたらしいルイズが、口に手を当てて欠伸をする。
 そのまま猫か何かのように伸びをする。半眼のまま、レメディウスに命じる。

「服」

 レメディウスは椅子にかけたままになっていた制服を手渡す。
 だるそうにしながら、寝巻を脱ぎ始めるルイズ。
 それを見ないように、レメディウスはドアのほうを向いた。

「下着ー……」
「それは自分で取ってほしいなあ………」
「そこのー、クローゼットのー、一番下の引きだしー」
「はあ……」

 溜息をつきながら、クローゼットの引き出しを開ける。
 畳まれて仕舞われた純白のショーツが、目に痛い。
 どれを選んでいいのか解らないため、とりあえず適当につまみあげる。

ほぼ全裸のルイズを出来るだけ見ないようにしながら、レメディウスは下着を手渡した。
 まだ眠いのかのろのろと、ルイズが下着を身につける。

「服」
「え? さっき渡したよ?」
「服、着せて~……」

 えええ、といいながらレメディウスが振り向く。
 下着姿のルイズが、やはり半眼のまま、ベッドに座っていた。

「貴族は、下僕がいるときは自分で服は着ないの」
「貴族だって言うなら、身の回りのことくらい自分でやろうよ………」
「ごちゃごちゃうるさいわ。早く着せて」

 ルイズの態度に、レメディウスは嘆息する。
 もう何を言っても無駄だろうと判断し、ブラウスを手に取った。


○ ○ ○


 ルイズが部屋を出ると、似たような木の扉が三つ並んでいた。
 その扉の一つがひらく。
 中から現れたのは、燃えるような赤毛と褐色の肌の少女だった。
 身長の高いレメディウス程ではないが、その少女はルイズよりもずっと背が高く、女性的な発育も良い。
 しかしそこは、研究者肌のレメディウスである。
 特にそれを魅力的だと思うことも無ければ、「遺伝の違いなのだろうか?」とルイズと赤毛の少女を見比べたりもしていた。

「おはよう、ルイズ」

 赤毛の少女はルイズの姿を認めると、にやりと笑って言った。

「おはよう、キュルケ」

 顔をしかめて嫌そうに、返答する。

「あなたの使い魔って、それ?」

 レメディウスを指差して、馬鹿にした口調で言った。

「そうよ」
「あっははははははははっ! すごいじゃない、本当に人間なのね」

 キュルケと呼ばれた赤毛の少女が、レメディウスを指差して哂う。
 すごいどころの話じゃないと思うのは自分だけなのだろうかと、レメディウスは胸中で呟く。
 個人の力で空間どころか次元にまで干渉し、自分という個体を、殺さずこの世界へ連れてくる。
 『あの』咒式兵器を作り上げたレメディウスだ。
 その行為にいったいどれほどのエネルギーが必要とされるか、知らないわけではなかった。

「サモン・サーヴァントで平民を呼び出すなんて、あなたらしいわ。流石はゼロのルイズ」

 そう言われたルイズの頬に、さっと朱が差しこむ。

「うるさいわね」
「あたしも昨日、召喚に成功したわ。あなたとちがって一発で召喚成功よ」
「あっそ」
「どうせ使い魔にするなら、人間よりこういうののほうがいいわよね~? フレイムー」

 キュルケが勝ち誇った声で、使い魔を呼んだ。
 キュルケの部屋からのっそりと、赤くて巨大なものが現れる。

「火竜の幼生………? いや、違うな。火蜥蜴の一種かな? しかし、随分と大きい」

 その姿を目にしたレメディウスが、自分の記憶と照らし合わせて呟いた。
 大きさは大型の哺乳類、強いて言うなら虎ほどか。
 巨大な体躯に赤を湛え、尾は温度の低い橙の炎で出来ている。
 口からはちらちらと焔が見え隠れしていた。

「あら、あなたなかなか見る目があるじゃない。そうよ、火蜥蜴よ。それも、火竜山脈のね」

 好事家に見せたら値段なんてつかないわ、と自慢げにキュルケがわらう。

「あんた、なんで火蜥蜴――――サラマンダーなんて知ってるの? あんたのとこにもいたの?」

 キュルケの使い魔を褒めたことが気に入らないのか、ルイズが不機嫌そうにレメディウスに問う。
 レメディウスはこともなげに、答えた。

「昔、実験に火蜥蜴を使っていたことがあるんだ。標本とかも作ったよ」

 さらりと言う。
 その言葉に、キュルケの顔が自慢げなそれのまま、固まった。

「実験?」

 ルイズが尋ねる。

「そう、実験。火蜥蜴は身体の構造が火竜と近いんだ」

 ルイズの問いに、講釈をする教師のような口調で語る。

「火竜の検体は貴重だけど、火蜥蜴ならば簡単に飼育できるから、実験はもっぱらそっちを使っていたよ」

 その説明に、ルイズがへえと声を感心した声を漏らす。

「もう随分前の事なんだけどね。なかなか良い検体が手に入らなくて、何度も解剖したっけ」

 あれは疲れたよ、と懐かしそうに言うレメディウス。
 解剖と聞いて、キュルケの顔が固まったまま青くなっていく。

「ここまで大きいと、きっといい標本に出来るだろうね」

 そう言いながらちらりとレメディウスが、フレイムというらしい火蜥蜴を見やる。
 その視線にキュルケが、ビクッ! と肩を震わせた。

「じゃ、じゃあねルイズ。失礼するわ。行くわよフレイム」

 冷や汗を垂らしたキュルケが、ルイズの前からそそくさと立ち去って行った。
 その後をフレイムが、口から火をちらつかせ、尻尾を振りながら歩いて行く。
 キュルケが廊下を曲がり、後ろの付いて行くフレイムも見えなくなったところで、ルイズが噴き出した。

「ブッ! っくくくくくくく! あはっ! あはははははははははっ!」

 息をするのも苦しいといった感じで、ルイズが笑い転げる。
 比喩ではなく本当に、腹を抱えてうずくまり、平手で床をバシバシと叩いていた。

「くくくくくく! ひー! ひーっ!! 見た、あのツェルプストーの顔! 真っ青になっちゃってあははははははははっ!!!」

 鳶色の瞳の端に涙を浮かべながら笑い続けるルイズ。
 やがて笑いすぎて咳き込み、回復して会話が可能になるまで、実に一分と二十二秒が経過していた。

「ああ、あんた最高だわ。あの憎たらしいツェルプストーに一矢報いたんだもの、くくく………」
「ちょっとした意趣返しだよ。少しやりすぎたかな?」

 ルイズのあまりの笑いように苦笑しながら、レメディウスが言う。
 去っていく時、キュルケの顔は真っ青になっていた。少しばかり、怖がらせすぎたかもしれない。

「いいわよ。あの女には、あれくらいでちょうどいいわ」

 未だに笑いの余韻が冷めやらぬ、といった風情でルイズが言った。

「じゃ、朝食に行きましょうか」

 しばらく深呼吸して呼吸を落ち着けると、ルイズはそう言って、女子寮の廊下を歩き始めた。


○ ○ ○


 トリステイン魔法学院の食堂は、魔法の系統を表すという五つの塔で、最も高い本塔にある。
 食堂はレメディウスの常識からしてもかなり広い部類に入る。
 その広い空間を横切るようにして、長い机が三本並んでいた。
 座れる人数は、感覚を広く取るならば一〇〇人、詰めれば一五〇ほど座ることが出来るだろう。
 二年生のルイズが向かったのは真ん中の机。
 向かって左の机には、少し大人びた紫色のマントを着用している生徒。向かって右は少し幼い茶色のマントの生徒が座っていた。
 マントの色は学年を表すものだろうか、とレメディウスは推測する。
 体つきや顔つきから見ても、紫のマントが三年生、茶色のマントが一年生だろう。
 詳しくは、後でルイズに聞けばよさそうだ。

「朝から、良くこんな食事が取れるね…………」

 食卓だろう机の上に並ぶ豪勢な食事に、レメディウスが呆れた声を出した。
 巨大な鳥のロースト。マスの形をしたパイ。果物の盛り合わせ。あの瓶は恐らく葡萄酒だろう。
 よく胸やけしないものだとレメディウスは思う。
 眺めているだけで食欲の失せていく光景だった。

「トリステイン魔法学院で教えるのは、魔法だけじゃないの」

 レメディウスの言葉の意味を取り違えたルイズが、得意げに語り出す。

「メイジはほぼ全員が貴族。『貴族は魔法を持ってその精神を成す』というモットーのもとに、貴族たるべき教育を受けるの」
「へえ………」

 その言葉にレメディウスは、先に食育からすべきではなかろうかと一瞬考えた。
 考えただけで、口に出すことはなかったが。

「だから食堂も、貴族の食卓に相応しいもので無くてはいけないのよ」
「そうなんだ………」

 ラズエル子爵家の嫡男として、自分の栄養管理は自分で行っていたレメディウス。
 そんな彼に言わせれば、この食堂は貴族の子弟には相応しいとはいえない。
 よくもまあ肥満にならないものだと、逆に感心し始めていた。

「あ、ちょっとそこのメイド!」
「? はい?」

 食卓の上に料理を並べる侍女の一人を、ルイズが呼びつけた。
 メイドが盆の上に料理を乗せたまま、こちらに駆け寄ってくる。
 レメディウスは何気なく、その少女を観察する。
 漆黒の髪に同色の瞳。身長は一五〇~一六〇センチメルトルといったところか。
 肉体的な容姿に限るのならば、ヒナギの国の住民に似ている気がした。

「悪いんだけど、コイツの食事を用意してやってほしいの。大丈夫?」

 そういってルイズが、隣に立つレメディウスを指差す。

「え、僕の?」
「なによ、いらないの? 朝ご飯」
「いや、貰えるなら貰うけど………迷惑じゃないかい?」

 レメディウスが黒髪の侍女に視線を向ける。
 話しを振られた侍女が、戸惑うような表情を浮かべつつ、答える。

「いえ、それは構わないですけれど………ここにお持ちいたしますか?」
「椅子もないし、厨房でいいわ。あんたもそれで問題ない?」
「大丈夫だよ」
「じゃあ、食事が終わったら食堂の前で待ってて頂戴」

 ルイズはそういうと、凄まじい料理の並ぶ食卓へと歩いて行く。
 残されたのは、話しを勝手にすすめられたレメディウスと、事情が呑み込めないで戸惑う黒髪の侍女。

「えっと、もしかしてミス・ヴァリエールに召喚された平民の使い魔の………?」
「あれ? 僕を知っているのかい?」
「はい。ミス・ヴァリエールが平民を召喚した、と噂になっていまして」
「早いなぁ、噂になるの。まだ一日経ってないのに」
「みんなこういう噂話は大好きですから」

 そんなものだろうか、とレメディウスは思う。
 口に出ていたのか黒髪の侍女が、そんなものなんですよ、と相槌を打った。

「では厨房へ案内しますね? えっと…………」
「ああ、レメディウスです。以後、お見知りおきを」

 レメディウスが優雅な動作で、侍女に一礼して見せる。
 まるで貴族のような――――実際に貴族なのだが――――しぐさに、侍女はクスリと笑った。

「ご丁寧にどうも。私はシエスタです。よろしくお願いしますね、レメディウスさん」
「こちらこそ、よろしく」

 ではこちらに、と歩きはじめるシエスタ。
 レメディウスはその後ろを、周囲を観察したりしながら付いて行った。


○ ○ ○


 シエスタに連れて行かれた厨房は、丁度食堂の裏に当たる位置だった。
 巨大な鍋や竈がところせましと並び、料理人や侍女たちが忙しなく動き回っている。
 魔法学院の厨房と聞いて、「鍋を勝手に掻き回すお玉」のような物を思い浮かべていたレメディウスは、少し拍子抜けする思いだった。

「すこし待っていてくださいね」

 レメディウスにそう言い残して、シエスタが厨房の奥に走り去る。
 そのまますぐに、白磁の皿を持って戻ってきた。
 皿の中には、温かいシチューが入っていた。野菜が多く溶けているのだろうと、匂いから判断することができる。
 小さなパンが二枚、シチューの横に添えてあった。
 これなら、レメディウスの弱った胃にも優しそうだった。

「貴族の方々にお出しするシチューの残りものです」
「すごいな、美味しそうだ。頂いてもいいのかい?」
「ええ、賄い食ですから」
「では遠慮なく、頂きます」

 そう一言断りを入れて、レメディウスは匙でシチューを救い、口に運ぶ。
 美味しい。最初に、そう感じた。
 ラズエルの食堂で出る化学調味料の大量に使われた料理と、ウルムンの牢獄での、粗末な食事。
 それ等とは比べ物にならないほど美味で、そして栄養価が高そうだった。

「美味しいな、すごく。料理人にも礼を言っておいてくれるかい?」
「あ、はい! 解りました」

 パンを丁寧に千切り、口に運んで咀嚼する。
 飲み込んでから、シチューを匙で掬う。
 少し時間をかけて半分ほど食べたあたりで、レメディウスはシエスタが、じっと自分を見ていることに気がついた。

「なにか、気になることでも?」
「えっ!?」
「ここでは、こういう食べかたは礼儀に反するのかな?」
「い、いえ、そういうわけではなくて………ただ、すごく丁寧な食べ方だなって」
「そういうふうに躾けられたんだ。龍皇国貴族ラズエル子爵家の嫡子としての礼儀だとね」

 がちゃん、とシエスタが持っていた盆を取り落とす。

「きっ、きき、貴族のかただったんですかっ!?」

 少女の顔から急速に血の気が引いて行く。
 そこに至って、レメディウスはしまったと思った。

「貴族と言っても、平民と変わらない没落貴族さ。この衣装を見れば解るだろう?」

 レメディウスはとっさに嘘をつき、自分の衣装を指差す。
 ルイズやその周囲の人間から、この国が貴族が強い力を持つ封建制国家だと言うことは既に予想済みだ。
 それなのにもかかわらず口を滑らせた、自分の浅慮さに腹が立つ。

「それに、こんなに美味しいものを食べたのも久しぶりなんだ。実家は借金まみれで、食事も殆どなかったから」

 前半は本当、後半は嘘。 
 尤も、同盟との戦争に敗れて相続税が導入されてからは、龍皇国のほとんどの貴族がそうなったという事実に基づく嘘である。
 ラズエル家は軍事や情報といった分野に転身し、その危機を逃れた数少ない貴族なのだが。

「そ、そうなのですか…………?」

 シエスタが心配そうに、レメディウスに聞いてくる。
 その様子からも、この国での貴族の力の強さが簡単に予想できた。
 人権という概念がそもそもないのだろう。まるっきり中世の世界である。

「うん。だから僕は貴族だからって威張る気はないし、むしろ、美味しい食事に感謝してるくらいさ」

 これは全て本当。
 貴族が力を失った龍皇国では、爵位など既に虚名。
 そんな虚名をありがたがる田舎者に、爵位を売り払う貴族まで出てくる始末だ。

「そうだ、僕の爵位を君に差し上げよう。正直、僕はこんなものはいらないから」
「は?」

 レメディウスの突然の発言に、シエスタが目を丸くする。

「僕は家名を爵位を失って、ただのレメディウスになる。君は家名と爵位を得て、シエスタ・レヴィ・ラズエルになるんだ」
「そ、そんなの受け取れないですよ!」
「まあ、没落貴族の爵位なんか欲しくないか。貰っても、ついてくるのは借金くらいだしね」
「いえ、そういうわけではなくてっ!」

 慌てて首を振るシエスタ。その様子を見て、レメディウスが笑う。
 やがてそれに気付いたのだろう侍女の少女が頬を膨らませた。

「もう! わたしみたいな村娘をからかわないでください!」
「ははは、ごめんごめん」

 怒るシエスタに謝罪しつつ、レメディウスは匙でシチューを掬って食べる。
 さらに残ったシチューをパンで拭い、それを食べ終えると皿と匙を綺麗に揃えた。

「ごちそうさま。おいしかったよ」

 そう言ってレメディウスがシエスタに食器を手渡す。

「お気に召していただいて光栄ですわ」

 シエスタが食器を受け取りながら言った。
 皿にこびりついたシチューまで綺麗になっているのを見て、微笑む。

「それでは僕はそろそろ行くことにする。料理人にも、礼を伝えておいてほしい」
「はい、確かに承りました」

 それだけ言い残すと、シエスタに見送られながら、レメディウスは厨房を後にした。

「レメディウスさんかぁ、面白い人だったな…………」

 厨房に残ったシエスタが、青年が立ち去った後の空間をぼんやりと眺めながら、そう呟いた。
 その呟きは誰に聞きとられるわけでもなく、虚空へと消えていった。 



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