あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

虚無と最後の希望 Level23


level-23「不安」


 それは一つの希望であった、彼女たちが行った村にペリカンが存在していた事。
 『Dropship 77-Troop Carrier』、兵員輸送を主とし降下艇。
 それだけに留まらず重量60トンを超える主力戦車を含む車両を輸送可能としながらも、装備によってガンシップとしても活用できる。
 ワートホグとは比べ物にならない機動力、技術レベルから見るに撃ち落とせるような対空砲火が存在しないため、航空機と言う特性を遺憾なく発揮できる。
 さらにはペリカン単体でも大気圏離脱も可能な航空機だ。
 大気圏内での巡航速度も風竜に匹敵するだろう、速度は落ちるが多少無理をすれば、100トンを超える物体でも輸送できる。

 帰る為の足掛かりに成り得る、稼動し飛行できるかと言う問題もあるが調べておく事に損は無い。
 状態としては墜落している形ではなく、降着装置を出した状態での姿で着陸していると言う。
 それは誰かが操縦して飛行できていたと言う証明、UNSCの隊員か、操縦方法を習ったこの星の原住民か。
 どちらにしろそれなりの可能性を見込める、確かめておいて損は無いはずだ。

「だからタルブに向かいたいって?」
「ああ」

 ペリカンの状態、学院の外で地面にめり込んでいるペリカンとは雲泥の差で現存しているらしい。
 動くのであれば回収しておく必要が出てくる、この惑星で完全なオーバーテクノロジーである航空機を放置しておく事は出来ない。
 何らかの要因で動かない、燃料や内装の一部破損などで飛べないのなら全体を完全に破壊などしておいた方が良い。
 もとより異星人、異星起源の知的生命体にテクノロジーの提供は基本的に禁止されている。
 音声のコミュニケーションである言語を操り、一定水準以上の生産活動、王制による群衆の統治。

 定義の範疇に当てはまる一定レベルの文明が存在している、その為法が適用されて技術提供の一切を行えない。
 たとえ行ったとしても、所持している技術の殆どが戦闘用。
 銃の構造や車両や航空機の稼動原理を提供すれば、おそらく起こるのは戦い。
 即実用化は無いが、長期的な観念で見れば構造や原理を元にした兵器が出てくるだろう。
 既存の銃などはその最たるもの、構造を解析し、高性能効率化に至る技術を見つけ、精度の有無はともかくコピーをして取り入れて進化するだろう。

 それをルイズへと説明して、タルブの村へと向かいたい旨を示す。

「……その、ペリカンってなによ。 そんなに大事な物なわけ?」
「大事と言うより危険な物だ」

 科学技術の飛躍的進歩を促しかねない、流石に理解出来るほどの解析が出来るとは思えないが。
 コルベールのような、内燃機関の原理を提唱し、実物を作り上げるだけの人物が居るのは大きい。
 地球人類と同じように、100年や200年で魔法を凌駕するほど科学技術が発達する可能性もあるだろう。
 魔法は至上、そう言った思念が見られるために、確執が大きくなり、魔法に対抗できる力が手に入れば戦争に発展するかもしれない。
 技術を提供しなくても何れ来るだろう歴史を早める必要も無い、そう言った事もあり、武器は回収するし、ペリカンも処分しておかねばならない。

「……そんなものまであるの?」
「ああ」

 疑惑の瞳、ルイズからすれば常識の範囲外のモノ。
 実際の代物を見せれば納得するかもしれないが、飛ぶか飛ばないか、そもそも内装が生きているのかすら分からない。
 言葉だけでは理解できないし、納得も出来ないだろう。






 そうして話を聞かされるルイズは、全身を包む緑色の、所々色が剥げた重厚な鎧を着る大男を見上げる。
 同じく頭を包み込む緑色のヘルメットに、その前面に貼り付けたような金と橙の合い色。
 鎧の表面に付いた大小様々な傷が過酷な状況を生きて駆け抜けたと、戦場を知らないルイズでも分かる存在感をもってそこに居た。

 そんな使い魔から聞かされた話は大きすぎてよく分からない、鉄の箱に乗って空の向こう側に行けるだとか、風竜に負けない速さで飛ぶだとか。
 なにより気になるのがあの夜空をより近くで見れる、誰もが夢見て諦めたモノを実現する力があると言う事。
 とても速く飛べる風竜や、風石を満載したフネでも届かなかった場所に行ける?
 今一よく分からない、想像できないと言った方が正しかった。
 あのじどうしゃ、わーとほぐの例があるから一方的に否定も出来ない。

「……本当にそれがあったの?」

 ルイズはタバサを見て問いかける。

「あった」

 一切の迷いなく、青い髪を揺らしてタバサが頷く。

「……分かったわ、確かめに行きましょう」

 実際にあるようだし、チーフが言ってる通りの物だったら……、乗ってみたいかも。

「でも明日ね! 今日はもう遅いから」

 窓の外の夜空には双月が上がってる。
 今から出て行っても準備してないし、着の身着のままで野宿とかしなくちゃいけないし。
 どうせなら今から準備して、明日日が昇ってから出かけたほうが良いと思う。

「外出許可は貰っておく」

 すぐさま踵を返してチーフは部屋を出て行く、小さな音を立ててドアが閉まり、廊下から床の軋む音が遠ざかっていく。
 タバサも続いて出て行こうとしたけど、私はそれを手を向けて止める。

「待って! 聞きたい事があるんだけど……」

 タバサは動きを止め、ドアノブに掛けていた手を離して振り返った。

「………」
「えっと、ペリカンってどんなの?」
「鉄の箱」
「……鉄の箱って」
「それ以外に形容できる言葉を持っていない」
「動物とか幻獣に似たような……」
「居ない」
「………」
「知っておくのは名前と、鉄の箱が空を飛ぶ、それだけで良いと思う」

 そう言って、今度こそ部屋を出て行ったタバサ。
 ガチャリと、ドアが閉まってから数秒。

「……分かる訳無いでしょ!」

 鉄の箱がすごく速く空を飛ぶことを想像出来ないルイズは、タバサの淡々とした言葉を理解できず声を上げていた。
 チーフが許可を貰ってきてから、ルイズは殆ど何もせず、ルイズが動くまでも無く準備を整えていた。
 シルフィードに乗ってどれ位の時間を掛けて到着したのか、ワートホグで移動した際の掛かる時間はどれ位なのか。
 予想して正確でないにしろ余裕を持って行動できるよう、食料や防寒具などの準備を完了させた。
 その際に食料の提供を厨房に申し出た時に、向かう先を尋ねられて答え、その村がシエスタの故郷だと言う事をコック長から聞かされた。
 身近に信憑性が高い情報がある、聞かない理由など無く、時間を割いて貰い、チーフはシエスタに話を聞いた。

「……はい、タルブは私の故郷ですけど」
「タルブに……、空を飛ぶ鉄の箱があると聞いたが」
「空を飛ぶ……? あ、はい。 私が生まれる前、ひいおじいちゃんが生きている頃は飛ばせることが出来ていたと」
「……その人物以外に飛ばせる者は?」
「いえ、ひいおじいちゃんだけしか。 動かし方は教えることが出来ないって言われたと聞いてます」
「そうか」
「……ペリカンがどうかしたんですか?」

 その一言で確実に存在するとチーフは確信した。
 『ペリカン』と言う呼称は出していないにも係わらず、シエスタ、黒髪の少女はペリカンの名を口にした。

「そのペリカン、回収しなければならない」
「え? どうしてですか?」
「軍の物だからだ」
「……ぐん?」
「ああ、UNSC……国連宇宙軍が製造、使用する軍用機だ」
「……それじゃあひいおじいちゃんは」
「所属は分からないが、おそらくは軍人だろう」

 予想外だった、シエスタがタルブ出身で、しかも子孫だとは。
 そうだと分かれば色々話を聞かねばならない。

「詳しい話でしたら、お父さんたちの方が知ってると思います」

 事をスムーズに運ぶために、同行を求めるチーフ。
 いきなり押しかけてペリカンを持っていくと宣言したら、要らぬ騒動を起こすことになるだろう。
 それを防ぐためにも同行を求めてシエスタは快諾し、コック長からも許可を貰い、シエスタが付いて来る事になった。

「……ふーん、それなら良いけど」

 ルイズも邪魔にならなければ、そう言って認めて出発する準備が整った。
 そうして夜が更け、一部除く誰もが寝静まる時間になってもチーフは寝ずに警戒に当たり続けた。
 数時間が経って双月が地平線の彼方に落ち、太陽が月が落ちた地平線とは逆から上る。

「ほんと、相棒はいつ寝てんだ?」

 その朝日を開けた窓から眺め、すぐに視線をベッドに寝ているルイズへと向けなおす。
 規則正しい寝息を立てるルイズ、そのか細い肩に出来るだけ優しく手を置いて。

「時間だ」

 ゆっくりと揺する。
 ルイズは煩わしそうに寝返りを打ち、チーフの手を払いのけようとするが。

「………」

 離れない、金属がの如くルイズの肩に当たられて揺すり続ける。

「起きろ」

 最初は優しくても、それで起きないならば激しくなるのは当たり前で。
 頭がグラグラ揺れるほどに揺すられ。

「……おきる、おきるから……」
 流石に堪らなくなって体を起こすルイズ、手で目を擦りながら唸る。
 それを見てチーフは汲んできた水を入れた桶をルイズの前に差し出し、チーフとは比ぶべくもないほど小さい手で顔を洗い始める。
 学院で過ごす時の習慣になりつつある朝の洗顔、それを見てチーフはふと昔のことを思い出した。
 徴兵される前の自分は、こんな風に優しい母に世話を焼かれたのだろうかと。
 遠い昔の記憶、もう顔も思い出せない母の事が浮かぶなど、環境が激変したためだろうか。

 一瞬の物思いから戻り、顔を洗い終わったルイズにタオルを手渡す。

「……ありがと」
「一通りの準備は済ませてある、終わったら正門の前へ」

 そう言って桶を持ったままチーフは部屋を出た。
 寮の廊下を歩き、階段を下りて水場へ向かい、桶を片付けてから倉庫へと向かう。
 学院を包む朝霧の中を歩き、火の塔側にある倉庫、その隣にはワートホグを停めている車庫がある。

 壁は錬金で変質させた鉄製、ドアも同じく鉄製でスクウェアの『硬化』と『固定化』の重ね掛け、鍵には重量500キロほどもある巨大な鉄製の閂。
 通常の鍵では簡単に『アンロック』の魔法で開錠される為、単純な重量を鍵としているが。
 一定以上のメイジなら『レビテーション』で持ち上げられるため、近々宝物庫の近くに新しく保管庫を作ろうかと言う話も出ている。
 そもそもロックを掛けられたら、たとえその錠を開けられる鍵でも開かなくなってしまう。
 魔法など欠片も使えないチーフが、出入りできなくなると言う点も考慮されていたりするが。

 厚遇に見えるが、チーフが使用する銃器の危険性をオスマンらは十二分に理解しているための提案。
 もしこれが出回れば、いかに強力なメイジでも簡単に殺せる事が分かる為、無用な血を流さぬ為の提案だった。
 チーフはその危惧を理解し、回収した銃は基本的に解体、疲労が少ない部分は部品取りして修理用として保管してある。
 金属疲労などで使うのを躊躇われる部品は錬金を掛けてもらい、原形を留めなくしていた。
 射撃出来る物にしても解体して部品を散らばらせてあるため、盗んだとしても組み立て方が分からなかったり必要な部品が足りなくなるようにしている。

 即座に撃てる銃と言えば、チーフが携帯している物だけであり、どうしても使いたいのであればチーフから奪い取る位しかない。
 無論、そんな事を行える存在は数少ないのだが。
 倉庫に到着して閂を片手で持ち上げ、倉庫内に入ってチーフは持っていく銃器の選出を行う。
 優秀なサイドアームとして挙げられるM6Dマグナムピストルは必須、中距離から近距離でかなりの威力と精度を期待できる。
 他にもUNSC全軍に配給されているコンバットナイフ、刃渡り25センチ弱、全長40センチ弱の近接戦闘用ナイフも両肩に留めてある。

 問題はメインウェポン、取り回しの邪魔になるような物はアウト。
 当たり前にロケットランチャーやスナイパーライフル、スパルタンレーザーなどは持っての他だ。
 一番小さいスパルタンレーザーでも一メートル近い、スナイパーライフルに至っては平均的な成人男性の身長より長い。
 どれも火力は魅力的だが、携行出来る弾数も少ない。
 となれば必然的に選ばれるのはアサルトライフルかバトルライフル。

 携行弾数は多いが集弾性が良くないアサルトライフルか、携行弾数は少ないが正確な射撃を行えるバトルライフルか。
 わずか数秒だけ考え、背中のアサルトライフルを手にとって解体し始める。
 椅子に座って一分と経たずバラして、それぞれの部品を棚などに納めていく。
 変わりにバトルライフル、モデルBR55の部品を集めて組み立てていく。
 こちらも一分ほどで組み立て、二発の弾薬と一発だけ入った弾倉を持って足元の階段へと目を向け、非常に細長く狭い地下室へと下りる。
 そこは射撃場に見立てた、地面から5メートル下、そこから幅3メートル、横250メートルほどの薄暗い空間。

 下りてきた階段側に置かれているランプに触れると光が点り、連動して壁に取り付けられているランプにも光が宿り。
 250メートル先の人の形に見立てられた木製のターゲットまでの空間を照らす。
 弾倉をバトルライフルに嵌め込み、ボルトを押し込んで一発だけ薬室に送り込む。
 弾倉に残る弾薬の数が『01』と表示され、正常に薬室へと弾薬が送られたことを示す。
 それを確認してバトルライフルのスコープとHUDが連動し、視界に銃口が向いている方向を示す青いサイトが表示される。
 サイトを木製のターゲットの胸に向け、二倍率のズームビューにてより正確にサイトを合わせて引き金。

 タン、と一つ音が鳴って銃口からマズルフラッシュを伴って弾丸が撃ち出される。 「いつもながらうるせぇな」

 右腰に据えているデルフリンガーが一言。
 音速の数倍で飛翔した弾丸は、ターゲットの右20センチほど逸れた後ろの壁に抉り込んだ。
 音が反響して鼓膜が破れるかと思うほどの銃声も遮断し、弾倉を取り外してまた一発込め、バトルライフルの調整。
 右に逸れた弾道を左寄りへと調整し、弾倉を嵌め込んでボルトを押し込む。
 バトルライフルを構え、狙いは同じ場所。
 サイトをターゲットの胸に合わせて引き金、先ほどと同じく弾丸が飛び出して、今度はターゲットの右胸を撃ち抜く。

 同じように弾倉を外し調整、三発目を込めて嵌め込み狙う。
 三度目の正直か、三発目は狙い通りターゲットの胸に穴を空けた。

 非効率、と言わざるを得ないだろう。
 補給として投下される訳ではないし、手に入れた存在が敵となって使ってくると言う状況も恐らく無い。
 無限ではない、ここに来る前から当たり前だったが、同じ有限でもこちらのほうが圧倒的に有限の上限が低い。
 手に入れる方法は落ちている物を拾うしかない、それもどこに落ちているか分からないし、明らかに耐久年月を疾うの昔に超えた物まであった。
 なぜか落ちている物が全てが即使える状態で、と言うことは有り得ず、確保に苦労している。

 それでもわざわざ分解して保管し、組み立てて多くはない弾薬を消費して調整するのは、彼らの意思を汲み取っているから。
 この世界には明らかに無用の長物、この惑星から去る時はあらかた処分していかなくてはならないだろう。
 帰れないなら、アーマーを含めて処分しなくてはならない。
 残しておくべきではない代物なのは間違いないのだから。
 狭い階段を登りながら倉庫に戻り、バトルライフルの空の弾倉を外す。

 棚からマガジン、バトルライフルの弾倉を4つ、ピストルの弾倉を11個。
 それぞれ一つずつ弾倉を装弾、残りは腰や外太股にストック。
 セーフティーを掛けてバトルライフルは背中に背負い、ピストルは太股のマガジンの上に取り付け固定。
 グレネードも手に取り腰に取り付ける、そうして装備を整える。
 その後は倉庫の奥にある扉、隣の車庫に繋がる戸を潜り、ワートホグを見ながら大きな両開きの扉を押して開いた。





 一方、ルイズは着替えが終わった後、マントを羽織り部屋を出れば。

「遅いじゃないの」

 キュルケが待っていた。

「……何が遅いのよ、ていうか何? 何で起きてるのよ」
「タルブに行くんでしょう? だから私も起きてるのよ」

 そう言ってキュルケが笑う。

「何でキュルケが付いてくるのよ、関係ないでしょ」
「あのね、私がタルブに行こうって提案したから見つけられたのよ? タバサがあれはチーフの物だろうって言ったから、早く教える為に戻ってきたって言うのに」

 どう言う物か見る権利位はあるでしょ。

 ふふぅーんと、自慢げに胸を張って揺らす。
 それを見て顔をしかめる、なんて余計な事をしてくれたのかと。

「そんなのは心の中にしまっておきなさいよ!」
 大声でキュルケに怒鳴りつけ、足を踏み鳴らして歩き出す。
 余計な事をして! ありのまま罵倒してやりたかったけど、キュルケなんかより門で待ってるチーフの所に行かなくちゃ!

「待ちなさいよ! ルイズ!」
「うるさい!」

 後ろから聞こえる声を無視して階段へと向かった。
 階段を下りて、寮を出て、正門に走り出す。
 見えてきた門にはいつものわーとほぐ、後ろのほうに荷物を載せてロープで縛っているチーフも見えた。
 そのわーとほぐの近くにはメイドが一人、白のシャツに若草色のロングスカートを履く黒髪のメイド。
 そしてもう一人、いつもの格好のタバサが佇んでいた。

「行こう」

 ギュっとロープを縛って、大きな荷物を固定してからチーフは言った。

「そうね、さっさといきましょ」

 それに頷き、わーとほぐの傍による。
 自分で座席に座ろうとしても、位置がちょっと高くて乗り込めない。
 だから乗るときはチーフに手伝ってもらう、チーフが座席のすぐ隣で膝を立ててしゃがみ、手を差し出してくる。
 私はその手を取って、立てられた膝に足を掛けて階段のように上って乗り込む。

「わ、私もですか?」
「ああ」
「そうよ、ほかに乗る場所ないでしょう」
「……そうですね」

 クッションを敷き詰められた座席の端に寄り、同じようにして上ってきたメイド。

「……失礼します、ミス・ヴァリエール」
「さっさと乗りなさいよ」
「は、はい!」

 声が大きなメイドが隣に座るのを見つつ、少し離れた場所でシルフィードの背に上るタバサといつの間にか着ていたキュルケを見る。
 一瞬目があったけど。

「ふん」

 すぐ逸らした。
 まったく余計な事をしてくれたキュルケ……。
 チーフの話を聞いていた時には思いつかなかったこと、『ぺりかん』と言う物が動いて飛んで行ったりしたら……。
 チーフはそのまま帰ったりしないだろうか、絶対に帰りたいって言ってたし……。



 浮かべたのは不安、やっと召還した使い魔が居なくなる事に。
 自分の近くから去ってしまう事に、隣で悲鳴を上げるメイドの声を聞きながら考えていたルイズだった。



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