あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの憂鬱-1

唐突だが俺はサンタというものを信じていなかった。まあその理由だとか過程だとかそんなものはどうでもいいだろう? とに
もかくにもおれは一年のうち一日しか働かない赤服爺さんというものが少年少女の物欲によるものか親御さんたちによる「一年
いい子にしてたらサンタが物をくれるのよ」という普段の素行をただ一日のクリスマスやらでいましめるためのものなのか、お
もちゃ会社の陰謀もとい戦略なんだと思っていた。

鼻水たらしていたころからクリスマスにあらわれる赤いのはコスプレであって本物のサンタなぞいるわけがないと考えていたな
んとも可愛くない俺だが、反面宇宙人だの未来人だの超能力者だの異世界人とか魔法使いとか幽波紋使いとかの存在が絶望的だ
と知ったのは結構最近のことだ。

まあしょうがないだろう? それらの存在を期待してしまうのは。

なんてったって俺が生きている現実は退屈だ。毎日朝起きて飯食って学校行って適当に騒いで帰って暇をつぶして寝るだけの生
活だ。なんとも安穏で平穏で何もない。

それにたいしてどうだ。宇宙人だの未来人だの超能力者だの異世界人とか魔法使いとか幽波紋使いだののいるアニメ的特撮的漫
画的世界はどうだ。毎日面白おかしかったりそうでない事件がおきたり、こちらとくらべるのも馬鹿らしいくらいに刺激的な日
々じゃないか。

俺もそんな世界に生まれたかった!

頭に宇宙人乗せて戦ってみたり未来性ロボットのアイテムつかってみたり飛んでくる銃弾を念動力でとめてみたりこんなのってないよとか敵をバインドして全力射撃とかまぬけは見つかったようだなとかやりたかった!

いやまて実際そういった事態に出くわしたとしても俺は何の力もない。今のうちに何か力をつけておくべきか格闘技とか雑学とか射撃とか。

いやいや逆に考えろ何も俺がメインで戦う必要性は無いだろう。たとえば謎の転校生がやってきてそいつが実は三年後の平行世界の外宇宙からやってきた超能力を持つ魔法使いでそいつに関わる事件に俺が関わるんだメインはそいつで俺はアドバイザー。おお、頭いいな俺。

ああもしくは俺が突然なにかの能力に目覚めるというのはどうだ? ある日俺のそばに悪霊のようなものが現れてオラオラメメタァで実はそういったやつらで構成された組織があって、俺はその善玉の方に所属して悪玉の組織と戦うんだ。これもなかなかいいアイデアじゃないか。

だが実際のところ現実での物理法則というやつは思いのほか強固であったようだ。

俺が期待したような胸躍る事件なんて起こる気配すらない。せめて空から女の子が落ちて来ないかと空を見上げてみて
もご立派にそびえたつコンクリの塔以外には日中は太陽、夜は月星。それ以外には何もなし。とまあこんな感じでおれ
が思い描いたものは結局妄想に過ぎなかったわけである。まる。

小学生の頃の「きっといる」という思いは中学に上がる頃には「いればいいなあ」というはかない思いとなってうすぼ
んやりと俺の脳の
隅でくすぶり続けていた。

だが中学を卒業するころにはそれも風化し塵となりそんなものはいないんだ。でもいればいいなあ、という一般大衆的
な妥協点を見出し定着した。

まあそんなふうに俺はたいした感慨もなく受験し、合格し、今日入学式と相成ったわけだ。

新しい環境といっても同じ中学のやつがかなりきているので期待も不安かなり減退だ。いつだか思い描いた謎の転校生
が一瞬脳裏をよぎったが頭を振ってそれを追い出した。

そして俺は家の扉を空け――

――ルイズと出会った。

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