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ゼロの女帝 第二十六話




「ふむ、と」
まもなく日が落ちようか、という時間。
サイトにルイズにキュルケにギーシュ、あとシルフィ(人間モード)にモンモランシーという一行は
タバサの母の面倒を見ていた執事より聞いた情報で、彼女らが連れて行かれたであろう地の
近く(と思われる)の街の酒場で一休みしていた。
「しかし、この街の近くとしか分から無いのはこまったモンねぇ」
「夜が明けてからシルフィードで周囲を捜索するしかないのかしら」
「あの状況でそれだけの情報が入ったのは僥倖だろうぜ。それより……」
突然立ち上がったサイトは、支払いを終えると酒場の外に出て行く。
「どうしたのよダーリン」
「勝手な真似は控えてくれないかね」
「みんな落ち着いて、すまねぇがちっと来てくれ」
皆納得できないままぞろぞろと歩いていく。
どうやらサイトは一人の騎士を追って歩いているようだ。
薄汚い裏道に入ったところでサイトは声をかける。
「この辺でいいだろうおっさん。さっきから俺らに気を叩き付けてたようだけど何か用かい」
「お、おっさ・・・・・・それはともかく、さっきから君たちが口にしていた『タバサ』という名前はひょっとしてシャルロット姫様のことではないか」
「きゅい!お姉さまいっつもあのデコ姫から『しゃるろっと』って呼ばれてたのね。あと『がーごいる』とも」
「やはりそうか」
「おっさん!あんたタバサの事を知っているのか!」
「二十代でおっさん呼ばわりって」
「十分おっさんだね」
「………キミらもすぐそんな年齢になるんだよ……その時自分が口にした言葉を後悔したまえ」
「ンなことどうでもいいから、タバサの事知っているのなら教えてくれ」
「それは出来ん」
「何故!もうすぐタバサは酷い目に合わされちまうんだぞ!」
「……だとしても、だ少年。
 私の名はバッソ・カステルモール。騎士としてガリア王家に忠誠を誓った身だ。
 給料も貰っている以上たとえ間違っていようとも王の行いを邪魔しようとする者を放ってはおけん。成敗させてもらう」
「おっさん!」
「頼むから私をおっさんと呼ばないでくれ。君たちへの殺意が増してしまう」
すらりと剣を抜くカステルモール。
「君達が何者で、シャルロットさまをどうしようというのかはもう聞かない」
「おっさん!タバサはどこにいるんだ!」
「今から君達は私に斬られるのだよ。
 シャルロットさまはここから西に3キロメイルほどいった地にある城に幽閉されている、などと知る必要は無い」
「えっ?」
「その城には約100人ほどの兵士が居るが全員平民出でメイジは一人もいないなどという事を知るのも無意味だ」
「おっさん……」
「と、いうわけでこれが私のガリア王家に対する忠義だ!行くぞ少年!」
「おうっ!」
びしっ どさっ
一合も剣を合わせる事なくサイトのデルフリンガーに打たれて倒れるカステルモール。当然峰打ちだ。
「おっさんには『不本意』だろうけどタバサは俺らが助け出す。ガリアもハルケギニアも知ったことか」
そのまま立ち去る一行。
カステルモールは地に伏したままため息をつく。
「シャルロットさまの事を頼んだぞ少年。
 ・・・・・しかし留学など、シャルロットさまにとって追放に等しい行いだと思っていたが
 命がけで助けてくれる友を得る事が出来たとは、なにが幸いするか分からぬものよな。
 あと出来れば放置しないでどっか安全な所に連れていってくれるとうれしかったなー」


「きゅい、あの城なのね」
「カステルモールとやらが本当の事を言っていれば、の話だがね」
「いい男が嘘言う訳無いじゃない」
「「いや、それはどうだろう」」
サイトとギーシュのツッコミにキュルケは動じることなく
「男どもだって見栄えのいい美人の言う言葉はまったく疑うことなく信じるでしょ?それとおんなじよ」
「まあ正直疑ってる時間はないな」
「で、どうすんのよ。正面から切り込むの?瀬戸なら出来るだろうけど」
「いや、へたに騒ぎ起こすとタバサが場所移される恐れがある。
 切り込むのは避けられないだろうけどそれも最小限におさえたい」
「そのためにこの樽を買い込んだのかい?あとモンモランシーに何つくらせてるのかね君は」
「見てなって。文字を読めない平民が殆どいない地で大量のミステリーを読み漁ったこの俺に任せておけ」

「ふあーあ」
「たるんでるぞ」
門番をしている兵士があくびをして、同僚にたしなめられる。
「緊張しろってのが無理だぜ。
 こんな辺境のボロ城の門番!何がおきるって言うんだ」
「先日妙な母娘が連れてこられただろう。何かイヤな事が起きるかもしれん」
「だとしても、俺ら下っ端にゃ関係無ェだろ。
 第一王様が手懐けたっていうエルフが番してるんだ。
 事ありゃアイツにおしつけてトンズラするのが賢いやり方だぜ」
「まあ・・・・・・・な」

そんな所に小さなボロ馬車がやってくる。
「止まれ!」「何者だ!」
「すみませーん、ちょっと道聞きたいんですけど」御者席には黒髪の少年が座っている。
門番達に、近くの町までの道を問うてくる。
「いえね、兄貴が親の財産使い込んじまったモンではした金渡されて追いだされちまったんですよ。
 で、商売始めようとトリステインで酒を買い込んで売ろうと思って」
「ほう、酒かい」
ろくに楽しみの無い辺境の城勤めで退屈しきっていた門番は食いついてきた。
「よければ二,三樽買ってくれません?」
休憩中どころか本来勤務中のはずな兵士すら集まってきた。
「痛んでないのか?」
「味見してみましょうか?」
黒髪の少年は樽のふたを叩き割ると、木製のカップで一杯すくい、飲み干す。
「くああ、旨ぇ!」
その心底旨そうな声に、くびりと喉を鳴らす一同。
「隊長ぉ」
「しょうがねぇな、お前らカップに二杯だけなら飲んで構わんぞ 一杯ずつ順番だからな」
「うおぉぉぉぉ!」
樽に群がる兵士たち。


数分後、その場にいる兵士全員が大いびきをかいていた。
「これはどういうことだい?」
「俺が最初に使った以外のカップの裏底にモンモランシーが作った遅効性の眠り薬をしこんでたのさ。
 みなカップを直接樽に入れて飲んでたからね」
「つまりこいつら気づかずに、自分で酒に眠り薬いれてたってわけ?」
「ま、そゆこと。半分眠ってくれりゃもうけ、と思ってたらまさか全員とは……」
「飢えた男って哀れね」
「さて、と」 ちゃきっ
デルフリンガーを構えるサイト。
「この先にタバサがいて、そしてその前にミゼットがいる」
「エルフだってば」
「それじゃ、いくぞ」

多くのいびきをBGMに、城へと向かうサイトたちなのでした。




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