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ゼロの視線-05



第5話

かっぽかっぽかっぽ

のどかなあぜ道を、少し大きめの馬車がいく。
後部座席に乗るはキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー、ギーシュ・ド・グラモン、タバサ
そして我等が(?)ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。

御者席に乗っているのはオールド・オスマンの秘書たるミス・ロングビルとルイズの使い魔たるゲンノスケと名乗る黒髪の男。
「だいたい、なんでアンタらがここにいるのよ!」
「あら、ヴァリエールの人間がフーケ討伐なんて面白そうなイベントに首ツッコむんですもの。
 これはもうツェルプストーの者としては豪快に失敗するありさまを特等席で見物しないわけにはいかないじゃない」
「つきあい」
「せ、先日の決闘騒ぎで随分男を下げてしまったのでね。ここはひとつ格好でもつけないと」
「あ、あんたらねぇ・・・・・・・・      ふああああぁ」
「「ふああああああぁ」」
「ねむい」
「夜道は危険、と朝方出立しましたからね。るいずどのも皆も一眠りされては如何かな」
「あー・そうね」
まだ目的地は遠いみたいだし」
(この眠気は異常・・・)
ギーシュはすでに高鼾だ。
危機感を覚えたタバサは周囲にディティクト・マジックを唱えるが反応はない。
(『スリープ・クラウドではない』)
ある意味安心する。
(あ、シルフィードを呼んでおくべきだったか      ・・・?・・・)
最後の意識で、忠実な使い魔に思いを馳せ、そして何かに引っかかりを感じながらもそのまま眠りに身を委ねていくタバサ。


「さて、後ろの者達は皆眠りにつきました。少々のことでは目を覚まされぬでしょう」
「す、凄いですね。それが魔法を使わぬ眠りの術ですか。しかし何故このような真似を?」
女として多少の身の危険を感じ、僅かに眩乃介から距離を置こうとするロングビル。
「多少差し障る会話を致したくて。さて、何ゆえこのような真似をされるのですか?」
「・・・・・・おっしゃる意味が分からないのですが」
「では聞こう。盗みだした『破壊の杖』とやらの隠し場所にこの子らを連れて行きどうしようというのだ?『土くれのふーけ』とやらよ」

「な、なにゆえわたしをフーケよばわりされるのです?全く身に覚えがないのですが」
「ふむ、どう言えばよいのか・・・・・・・『歩く』というのは案外不安定で危ないものでな」
「は?」
突然関係の無い話題を持ち出す眩乃介に戸惑うロングビル。
「片足を上げて前方に向かって倒れこみ、倒れきる前に上げた片足を前に突き出す。はっきり言ってしまえば『歩く』とはそのように危険な物なのじゃ
 故に体格、服装、装備、修練の癖などが歩き方に滲み出る。しかも御主らめいじの使うごーれむとやらは無意識にであろうな、術者と同じ歩き方をしてしまうのじゃ。
 先日のぎーしゅどのとの決闘の際確認した。
 足跡を見ればどのような生を歩んできた人間がどのような思いで歩んでおるのか大体分かる。
「・・・・・・・・」
「故に先日のふーけとやらのごーれむが、お主のものであるのは分かった。
 分からぬのはその目的よ」
「聞いてどうするんだい?」
蓮っ葉なしゃべり方になるロングビル。いやフーケと呼ぶべきか。
「聞いてから決める」


「起きられよるいずどの。間もなく目的地ぞ」
眩乃介の声に目を覚ますルイズ。
周りの三人も大あくびだ。
「あそこがフーケの隠れ家みたいです」
ロングビルの指差す先を見ると森の中、木々の切れ間に小さな屋根が見える。



一向は相談し始める。無謀に突っ込むのはげの下の下の下策。
とにかく、あの中にいるのなら奇襲が一番である。
タバサは周囲を軽く偵察してきたロングビルが地面に書いた簡単な地図を元に、自分の考えた作戦を披露する。
まず偵察兼おとりが小屋の様子を探り、中にフーケがいれば挑発して外に出す。
中にいてはゴーレムを作る土が使えないので、いやおう無しに飛び出てくるだろう。
飛び出たところを、魔法の集中砲火でしとめる。
と、そこまで決まったところで、周囲を見回すキュルケ。
「そういえばヴァリエールはどうしたの?」
きょとんとした一行に声がかかる。
「あったわよ、『破壊の杖』よこれきっと」
「アンタ・・・・・・空気読みなさいよちったぁ」

『破壊の杖』らしきものを抱えて得意満面でこちらに歩いてくるルイズ。
やれやれ、といった風情で彼女を見る一行の表情が凍りつく。
「どうしたのよツェルプストー。アタシが『破壊の杖』取り戻したのが悔しいの?」
「う・・・・・・う・・・・・」
「長良川の鵜飼い?」
「後ろ!志村後ろぉ!」
キュルケの絶叫に「誰が志村よ」とか言いながら振り向いたルイズが見たものは、漆黒のローブを纏った男(らしき者)
〈その杖を返せ、それは私のものだ!〉
妙にくぐもった男とも女とも判別しがたい声を響かせながらルイズにつかみ掛る『土くれのフーケ』(らしき者)
と、相手が飛びのいた地面に炎が弾け、投げナイフが数本突き立つ。
〈おのれ〉
その言葉とともに地面が盛り上がり、巨大なゴーレムが形を成していく。
「下がれるいずどの!」
「いやよ!あたしはこれまでさんざ馬鹿にされてきた!
 貴族に平民!果ては姉さまや母さままでもがあたしを侮蔑した目でみるのよ!
 ここでフーケを捕らえれば・・・・・・ケルベロスと称えられた王宮警備隊すらなし得なかった事を
 成し遂げればもう誰もあたしを馬鹿にしたりしない!」
それは血を吐かんばかりの絶叫。
それは愛情に飢えた子供の絶望。
その叫びに眩乃介は思い出す。かつて愛した、今も愛する女性のことを。
伊賀鍔隠れ衆頭領の血を引きながら術はもとより体術もふるわず、ただ血筋のみを評価されていた娘のことを。


「されば退け。ここはわしがぬしに勝利をもたらそうぞ」
「え?」
『破壊の杖』をもぎ取り自分を抱え飛びのく眩乃介を、きょとんと見つめるルイズ。
手にした『破壊の杖』の使い方が何故か理解できる事に驚く間もなく、『破壊の杖』いや、ろけっとらんちゃーなるものを眼前のゴーレムにむける眩乃介。
「食らえぃ!」
その掛け声とともに火の玉のような物が飛び、それは驚いた事に巨大なゴーレムの上半身を粉砕する。
〈くっ〉
見事な体術で地面に降り立つ『フーケ』(っぽい者)
「そこ!」〈がああああああ!〉
とっさにキュルケが放ったファイヤーボールが『フーケ』(みたいな輩)を直撃する。
炎に包まれた『フーケ』(決め付けよう)はしばらく地面をのた打ち回ると崩れ落ちていく。
「?」
「これは・・・・・・ゴーレム?」
「やられたわ。何時の間にやらゴーレムに摩り替わって逃げたのね」
即座に地面に耳をつける眩乃介。
「駄目じゃ。複数の足音がここより急速に離れていく。
 おそらくふーけの一味であろう」
「シルフィードで追う」
「東西南北四方へと散っておるでな。しるひーどどのでも捕らえる事適うまい」
「がっでむ!」
「意味は分からんが年頃の娘御がそのような口調するものではない」
「と、いうことは」
「フーケには逃げられちゃったってワケ?」
「任務はフーケを捕らえる事ではない。『破壊の杖』を取り戻すこと」
「つまりはるいずどの、おぬしはりっぱにお役目を果たした、ということよ。
 けるべろすとやらすら出来なかった事を、な」
「あ、あたし・・・・・・が?」
呆然とするルイズ。
「うむ、お主は自らの成した事を誇ってよいぞ」
そして何故だか汗だくのミス・ロングビルと合流した一行は学園へと帰還するのでした。



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