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ゼロの黒魔道士 幕間劇-07


仰ぎ見た空の狭間、
銀竜共の咆哮の先、
混沌に巻く『虹』を切り裂いて、
彼にとっての『最高傑作』が、今敵陣に乗り込んだ。
よろしい。大変よろしい。筋書き通りにことは運んでいる。

「さて……」

脚本家、舞台演出家、ギャンブラー、投資家、軍事顧問……クジャと言う男は、実にさまざまな顔を持っている。
そして彼は今、自らにもっともふさわしい役柄に戻るときがきたことを感じていた。
演目が始まっているのに、指くわえ突っ立っているなど、愚の骨頂だ。
黒子に徹するのはもう終わり。ここからは自身が踊ってやろう。
主役を食ってしまうほどに踊るのも、また一興。


また、ここから逃れることのできぬ理由も存在する。
『紅の瞳』……ブラック・ジャック号の船底に据え付けた、
召喚獣や魂を飲み込むための装置は、不完全品と言わざるを得ない。
何しろ、オリジナルの方は、元々クジャの生まれである『テラ』の技術の粋を集めねば作れぬ物だ。
『神の頭脳』とやらの助けを借り形にはなったものの、いかんせん出力がオリジナルに劣る。
なんとか漆黒の巨人兵器、バブ・イルを足止めすることは適ったものの、
完全にその力を封印するには今しばらく時間がかかる。
つまり、その間ブラック・ジャック号は空中のこの位置に留まらねばならない。


足場は船の甲板のみ。
周囲は前後上下左右とも醜いまでの銀色の獣共で埋め尽くされている。
退くことも、前に出ることもできない防衛戦。
さしたる戦力は、己の身のみ。
悪くない舞台だ。久々の演武には丁度良い。
クジャは妖艶とも呼べる笑みを浮かべた。

「あ、あわわわ……」

いや、己の身のみ、という部分は語弊があった。
甲板にへたりこんでいる少年を戦力に数えるならば、の話ではあるが。

「――そういえば、いたんだっけねぇ、君。確か名前は……」
「ぎ、ぎぎぎ、ギーシュ・ド・グラモンですっ!!」

何事を成すにおいてにも、計算外という言葉がある。
今回の場合は、この金髪の若者がそうだった、ただそれだけのことだ。
クジャは故意に溜息をついた。

「あぁ、そうそう。ギーシュ君だ。
 ……今から、ここも戦場になる。奥に下がっていたまえ」

舞台袖の奥、甲板から船内へ避難する通路を優雅な手つきで提示する。
お引き取りください、というわけだ。
誰かをかばう余裕など、無い。
自分という人間が、他者を気遣うことは不得手であるということは、重々承知している。

「い、いえそれが……」
「ん?観覧希望かな?それとも、血みどろの茶番劇に付き合うつもりかい?」

命知らずの新兵ほど、厄介なものは無いと聞いたことがある。
彼らは状況をより悪化させ、有能なる者までをも死に追いやるからだ。
クジャはその言葉が真であるとの認識をより強くし、
また1つ大きく、わざとらしい溜息をついた。

「いえその……腰が……」

呆れ、を超越すると、時がわずかばかり制止する。
黒魔法や時魔法といったものに拠らず、
よくもこのような現象が起こせるものだ、とクジャは感心した。

「――はぁ……やれやれ世話が焼けるなぁ、まった……くっ!!」

厄介だが、ここは助け起こさざるを得ないだろう。
正直、見捨てても良いのだが、
敵の目的が『魂の収集』である以上、わずかでもそれを回避したい。
渋々、厭々、といった味わいを口内に拡げたような顔をして、
ギーシュとかいう命に手を差し伸べ、引っ張り、無理矢理に起こし立たせる。
少々、重い。
まったく、何もしなくとも肉はついているということだろうか。

「あの、こ、怖くは無いんですか!?」
「怖い?何が?」

礼の言葉もなく、質問ときた。なんという餓鬼だ。
当地の貴族は礼節というものを知らないのか、とクジャは訝しむ。
だが自分自身も、かつては作法を乱す側ではあったので、
その辺は追及してやらないことにした。

「こ、これだけの数の竜……味方がこれだけで……」

フッと噴き出してしまう。
なんだ、そんなことか。
怖い?ただの醜悪な猛獣が?ハルケギニア流の冗談の類か?
クジャという男が唯一恐れることは、醜くなる、ということ。
恐怖に顔が歪むなど、醜さの極みではないか。
そんな自分など、1秒たりとも存在させてはならない。

「――役者冥利につきるじゃないか!久方ぶりの表舞台だからねぇ!――それに」

だから、クジャは笑う。
一度死し、今一度の生を受けた身。
恐怖に沈んでいてどうするというのだ!
第一、である。

自分自身が、元から素晴らしかった美貌と頭脳の持ち主が、
その美貌を少々下げてまでルーンを刻みつけ、『神の頭脳』を手に入れた自分が、である。
少数精鋭だけで強大なる魔王に臨む、とでも?
伊達に、裏舞台で暗躍してきたわけでは無い。
妖艶なる笑みを、クジャは浮かべた。

「独奏曲、というわけでもないからね」

これは、独奏曲では無いが、協奏曲でも無い。
皆が皆、己の主題を奏で、
それが共通したフィナーレへと物語を繋げていく、
いわば、混成曲なのだ。


ゼロの黒魔道士
~幕間劇ノ七~ 戦闘混成曲 -Battle Arranged Medley-


#1 悠久の烈風伝説

助かった、という想いよりも、何故、という疑問が先に立った。

エレオノールの記憶が間違っていなければ、
それは風魔法の一種であった。

問題は、その規模だ。
自分を取り囲んでいた武装市民が、次の瞬間には全て空に舞っていた。
数値で言えば、最大半径300から500メイルほど。
それだけの範囲を、風でできた刃が抉り、空へと運び去ったのだ。

その現象を、初見であればエレオノールは何も言わずただただ、驚いたことであろう。
問題点は、それが初見では無かった、ということだ。
幼少期、何度か見た。
昔話に、何度も聞かされた。
それは、彼女が物ごころついたときから抱いた、畏怖の象徴。

「……」

竜巻の中心に、その人物は無言で立っていた。
軍人の証明である重みを感じる色合いのマントに、
高位の者である証拠の羽飾りをつけた帽子。
顔の下半分は鋼鉄の仮面で覆われているが、
エレオノールの脳裏に、幼き日のトラウマとその姿がほぼ十割重なった。
これが死の前に見る走馬灯であるなら、残酷すぎやしまいか。

「!?か、かかかかか母さムグ!?」
走馬灯の名を呼ぼうとした唇は、トラウマそのものの手で押さえつけられた。
頬に指が食い込む。痛い。夢じゃない。幻影じゃない。
それが、怖い。
仮面と帽子の隙間から、目が見える。
間違いない、見覚えがある。
それが、怖い。

「だ、団長どの、ご無事で!? ど、どなたか存じませんがありがとうござい……」
無事じゃないだろう、どう見ても。
そう言いたいが、口を押さえられている。
エレオノールは、駆けよってきた水兵服の部下へのツッコミを、口をもごもごするだけで諦めた。

「――礼はいらぬ。騎士としての務めだ」
細い体から、堂々たる声。
やや高音ではあるが、張りがある。
イントネーション1つを取っても、完璧なトリスタニア発音であり、
スラリとしたシルエットと共に、一流舞台の花形といった風情だ。

「騎士……?はっ!?
 そのマントはトリステインのマンティコア隊のもの!?
 それに、その羽飾り……ま、まさか!?」
「もがーまが!?むぐぎー!?」
騎士の手に、一層の力が入り、エレオノールは身もだえした。
苦しい。
鼻のあたりに指がかかり、息がしにくい。

「ま、まさかまさか、貴方様は伝説の……“烈風”!?!?」

「カリン、と申す。引退したが、その名を存じてらっしゃる方がいるとはな」

「知らぬわけがありましょうか!?遠くアルビオンまでその武勇は伝え聞いております!
 火竜山脈での竜退治など今でも軍人達の語り草ですよ!?ま、まさか貴方様にここで会えるとは……」

一礼をした騎士に、元アルビオン空軍であった水兵服の男が嬉々としてしゃべる。
伝説、と大層な冠をかぶせられる存在は、そう多くない。
数少ない伝説の1つ、それが『烈風カリン』の名だ。
その名にまつわる武勇は、他者の創作を抜きにしても本が5冊は編めるほど。
その人気は今も絶大で、現在もハルケギニア全土でモデルとした小説が読まれている。
舞台化もされた。人形化もされた。
あまりの人気ぶりに、一時期販売禁止令が出たほどだ。

だが、かつてその武名を欲しいままにした伝説は、ある日忽然と姿を消した。
しかして今、伝説が復活し目の前にいる。
それで興奮するなと言われる方が無理というものだ。


「おしゃべりはそこまでだ。貴公も武人ならば、兵は神速を尊ぶと存じていらっしゃるはず」
「は、はっ!こ、これは失礼を…… っ!?ま、まだ動くのか!?」
切り裂かれた肉体達が、ぬるりと立ち上がる。
腕が取れそうな者、首が落ちそうな者、血みどろになっている者……
いずれもが手に手に武器を持ち、光の無い瞳は、
最早、己が人ではないということを雄弁に語っていた。

その現象に、伝説は頷いた。見覚えがある、といった風に。

「……こやつら、生ける屍は『癒し』の呪文で退治可能です」
「そ、それは真ですか!?」
「水メイジを急がせよ!幸いにここは『水の都』と呼ばれた地、触媒は多いはず!」
「は、はいっ!!」

風魔法で、死者の列を再び切り裂く。
騎士の素振りからすると、軽く、といった程度だが、
手加減が手加減になっていない。
その威力に放心した水兵服の男が、ようやっと指示を思い出し、走り去ったことを見届ける。
それからやっと、エレオノールの呼吸が解放された。

「むが……ぷ、ぷはぁっ!?お、お母様!?なんでここに!?いつもラ・ヴァリエールからお出にならないのに!?」

伝説の『烈風カリン』。
それがカリーヌ・デジレ、ルイズやエレオノールの母であるという事実は、世間では知られていない。

「……国法を破った、娘のお仕置きにです」

騎士の声から、母の声へ。
エレオノールは、その声の張り方が如実に変わったことを感じていた。
恐怖の塊が、母という皮をかぶってそこに存在している。

「は、はいぃっい!?」
「母は貴女に、どのような教育を施しました?」
それはもちろん、『鋼鉄の規律』。
マンティコア隊を唯一無比の部隊に仕立て上げた、『烈風カリン』のもう1つの伝説。
法規こそが、全てを律し、安寧な生活をもたらす。
母となってからも、カリーヌはそう子等に説いた。
当然、罰則も厳格そのものに執り行われ……
エレオノールは、己のトラウマの一端に足を踏み入れかけ、生唾を飲み込んだ。

「ちょ、ちょっと待って母様!?わ、私がいつ国法を!?」

やましいことは無い。
何一つとしておかしいことはしていない。
研究員として、船に乗っている最中に、救援が必要な年があったため降りただけだ。
何もやっていない。
何もできなかっただけかもしれないが、
始祖に誓って国法に背くような真似は……

「母の口から言わせる気ですか?口にするのもおぞましい……国境を無断で越えるなんて!」
「あ゛!?」
失念していた。
確かに、このアクイレイアはロマリア領。
調査許可を提出していたガリアの領土からは明らかに国の境を越えている。

いやそれでも、緊急事態だと感じたのだから。
仕方ないことだったのだから。
後でお叱りは受けたとしても厳しい罰則までは……
弁明と釈明の文言が頭の中をぐらんぐらんと渦巻くが、解答が出ない。
エレオノールは、完全に猫の前のネズミ状態となっていた。


「女王陛下に代わり、今すぐ罰を……」
「あ、あ……」
大竜巻を起こした杖が、再びひらめいた。
エレオノールは地面にへたりこみ、どうにかして状況を改善しなければと脳を動かす。
先ほどの死体に囲まれた時以上の恐怖を、感じていた。
杖はやがて大きく振られて……


「――と、言いたいところですが」
その矛先は、エレオノールのすぐ真後ろへ。
「状況からして、労働奉仕が最適な贖いと判断しますっ!!」
「っ!?か、母様!?」

轟、という風切り音。
風が風を切り裂いて、無限の刃を渦となす。
完全に瓦礫となったていた建物を、屍たち諸共に粉微塵へと変貌させる風。
これが、『烈風』。衰えることを知らぬ、まさに悠久の風。

「立ちなさい、エレオノール!貴族の者がここで立たずして、いつ立つのです!?」

実際のところ、カリーヌは嘘をついていた。
エレオノールは別に国法を破ってはいない。
何しろ、カリーヌ自身が許可をしっかりとっていたからだ。
もちろん、研究船の乗組員全員分である。
甘い。エレオノールは実に甘い。
本当に、母の教えをしっかり学んでいたのだろうか。
何故、カリーヌがここにいるかを少しでも考える余裕があれば、母の欺瞞に気付いたというのに。
もしくは、きっちりと船員名簿を隅から隅まで見れば、ひっそりと『雑用係』にその名があったというのに。

全ては、彼女の夫でありエレオノールの父であるヴァリエール公爵が、親馬鹿であったことが要因である。
エレオノールの新恋人を気にするあまり、何をしでかすか分からなかったので、
先んじて研究船に乗り込むことにしたのだ。

その際、エレオノールが惚れたとおぼしきクジャという男に会ったが……
いや、評価は流動的であってしかるべき。
カリーヌはもう少女ではない、そのぐらいの分別はあった。
しかし、クジャめ。何が『何があるか分からないからお母様が同乗されれば安心です』だ?
やはり、第一印象で何か企んでいると察したのは外れていなかったようだ。
だが、この状況を想像していたらしいことは褒めてやっても良いだろう。
いや、あるいはこの状況を想定してエレオノールを団長に据えたのか?

疑念はつきないが、意味はあるまい。
それよりも、成すべきことがある。

「――貴女、片思いのまんま死ぬつもり?」
「な、なななななななっ!?な、何をおっしゃってるの母様っ!?」

「――よろしい、立てるようね」
「え、あ、ふぇ!?」
これで立てなかったら、『勇気の出る魔法』でもかけてやろうかと思っていた。
子供騙しの嘘呪文だが、それなりに効果はある。実体験で証明済みだ。
だが、カリーヌは信じていた。
自分の娘達は、自分などよりずっと強いということを。
『勇気の出る魔法』など必要無いということを。

「さて行くぞ!平和のために!!」
「あ、え……は、はいっ!!」

アクイレイアは業火の中。
伝説の烈風は、母となりし後も、戦場を駆け抜ける。



#2 ハンターチャンス

ヴィンドボナ、ゲルマニアの首都である。
歴史こそは他国の都市にやや劣るものの、
現皇帝の意向により商人達に門戸が広く開けたためか、
野心と金銭の坩堝となり賑わっている。

だがそれも、今は阿鼻と叫喚の坩堝へと姿を変えている。

「たすけて、たすけて、ママパパたすけてたすけてたすけてぇえぇええ」
今まさに幼子を襲おうとしていた銀竜。
情けも容赦も無く、ただただ血肉を求める獣。

「GRRRRRRRRRRRRRRRRRRWA!」
鼻息がかかる距離。
もう救いの手は無い。
幼子が恐怖から目を閉じた、直後。

ガキン。
鋼を打ちつける、鍛冶場のような音。

「GRRWOO!?」
「いやぁああん!?こいつの皮、堅ぁあいヨォ!?」
「カマ野郎は下がってンだな!こういうのは急所を……どわぁっ!?」

幼子がうっすらと目を開ける。
いつの間にか地を蹴り飛びあがった竜の背に、2人の影。
1人は槍を、もう1人は剣をその手にもって。

「いやぁああん!?」
「と、飛ンじまうのァ卑怯だろッ!?」
飛行中の竜の背というものは、本来不安定な物である。
言わんや、背上の異物を振り落とそうとしているのだ。
暴れ馬など生易しいもので、かろうじてゴツゴツとした突起に捕まり落とされずに済んでいるという次第だ。

家屋に身体をこすりつけるように飛び、
やがて、急上昇。
地面にたたきつけるつもりか?
チキンレースだな?上等だ、人間様舐めるなよ!
背上の2人が、そう覚悟を決めた、次の瞬間。

「GRYAAAAAAAAAAAAAAA!?」

重力に逆らう運動が、断末魔と共に終焉を迎えた。
竜の顔に、3本の棒が突き出している。
両の眼孔と右の鼻孔を貫く真鍮の矢。
そこから溢れる、血の噴水。
「や、やべッ!?落ちンぞ!?リノ助、飛べッ!」
「言われなくてもそうするヨォッ!」

丁度良い位置にバルコニーが存在したことに感謝する。
血みどろドラゴンと一緒に石畳にめりこむなんて真っ平御免だ。
流石に体力を消耗した2人の視線の先、
青屋根の上、反射光が見えた。


反射光の正体は、遠眼鏡。
「――プププ、オデがあいつを狙い撃ち、アハ!」
「……よぉし、上出来だブワジ!」
青屋根の上、たっぷりとした腹を抱えゆさゆさと笑う巨漢と、
古傷を顔中に刻みつけた強面の男。
巨漢が持つのは、その体に見合っただけの長さを持つ大弓。
強面の男が持つのは遠眼鏡。

それと。

『おらブワジっ!?てめェ、せめて低く飛ンでッとこを狙えよッ!?』
『そぉヨォ!危ないでしょうヨォ!?』
「ギジュー!リノ!てめぇらは囮なんだからそれで良ぃんだよ!」
チェス駒を象った通信機、こいつが非常に役に立つ。

何しろ、離れた場所にいる部下共にガンガン指示を送れるのだ。
今回みたいに槍、剣、弓の連携なんざ、糞ったれのメイジでもいなけりゃ簡単にはいかないが、
キングス商会謹製の遠眼鏡と通信装置を組み合わせれば、あら不思議ってなもの。
チェス盤を上から見下ろすように的確な指示を送れてしまう。
こいつは良い。今までとは全く違うルールで戦っている感覚。
神の視点ってのはこんな心地か。高揚感すら覚える。
バッガモナンは手にしたおもちゃ達を愛おしげに転がした。

『ピンポンパンポ~ン♪【メーヴェ団】のダチ様がお送りする、ポイントレース速報ぉ~♪』
「お、来たか」
馬鹿な部下とは一味違う軽妙な調子で、通信機が歌い出し、
バッガモナンの注意がそちらに向けられた。

『なんとなんと!ここに来て一挙5ポイント獲得!【バッガモナン組】がトップに躍り出たぞ!』
『アタシ達トップ?ぃやったぁ!』
『おら!気ィ抜いてンじゃねェよリノ助!!』

朗報。素晴らしいじゃぁないか。
これでお宝にまた一歩近づいたものというもの。
今回のポイントレースは、ゲルマニア全土で行われている。
獣だのゾンビだのが街を襲うから、それを守って、ポイントゲットというシンプルなルールだ。
ポイント上位から、『キングス商会、オークション品どれでも』ってのも悪くない。
期待値は無限大、ポイント下位でも良いお宝が得られるチャンスってのは魅力だ。
とはいえ、より良い物を狙おうと、握る武器に気合いと力が入っちまう。
クジャとか言ったか、依頼主様もよくも考え付いたもんだ。
前払いや後払いといったもんより、よっぽど仕事に熱が入る。
傭兵やハンター、仕事人といった連中の競争心を煽りたて、俄然やる気が出るといった次第だ。

おまけに、その参加者ときたら豪華そのもの。
どっからかき集めたのやら、バッガモナンはその所業に舌を巻かざるを得ない。

【ヴァンネロ】、【チーム・ノラ】、【ガリー】と【ナッツ】のセントリオン系兄弟クランに、
速報を伝えてきたダチのいる【メーヴェ団】といった連中はバッガモナン達と同じ『賞金稼ぎ系』の参加者だ。
(最も、【メーヴェ団】は今回ポイント集計役を買って出ているので、厳密に参加者とは言えない)
普段から獣や人を追いつめる仕事をしている分手慣れており、気が抜けない相手だ。

『軍人系』の参加者もいる。傭兵や、元や現の国軍という連中だ。
元アルビオンの【赤い翼】、クルデンホルフ大公国の【空中装甲騎士団】、
寄せ集め傭兵集団【ミヘン・セッション】という具合に、こちらもそれなりに粒がそろってる。
こいつらは、何より地の装備が格段に良い。クジャから拝借する以前から手持ちの武装が半端じゃない。
砲亀兵なんてどでかいもんを持ち出して他所でがんばってる連中までいるらしい。
機動力ではやや劣るが、破壊力があるため注意すべきである。

危険度や爆発力という意味では、【ヴィジランツ】、【アヴァランチ】、【森のふくろう】、【リターナー】……
こいつら『反帝国系地下組織』の連中も侮れない。
そのモチベーションでもって練度の低さを補ってあまりある働きを見せてくる。
まぁもっとも、とバッガモナンは思う。
こういった『反帝国』な連中がいるせいで俺達が狩りだされたんだろうなと冷静に考えるのだ。

ゲルマニアは、その成り立ちから、現皇帝に対する恨みをもった連中が少なくない。
その領土を拡げるためには相応の策略がめぐらされ、相当の血が大地に染みたと聞く。
だからこそ、恨み骨髄に沁み渡った連中っていうのは国家の中枢にも存在していて、
例え国軍であったとしても、いつ謀反を起こすか分からないという危うさがこの国にはある。
それが故、ゲルマニアは『自由』の名のもとに、国軍に決定的な力は持たせないことにした。
様々な派閥が誕生したが、それをあえて束ねず、取り立てず、互いが互いを睨みあわせることで治めることとしたのだ。
それが、突発的な危機のときには仇となる。
連携が取れない軍隊ほど使えない物は無い。
烏合の衆とはよく言ったもんで、カーカー喚いて何も出来ず死ぬのがオチというわけだ。

だからこそ、依頼主は傭兵や仕事人といった連中を選抜し、ゲルマニアを守らせることにしたのだろう。
そうバッガモナンは読んだ。
重要なのは、金で仕事をこなす連中。
商人達の成りあがりの地、ゲルマニアらしい防衛陣ではないか。
問題は、何故クジャという野郎がやがてゲルマニアを襲うであろう危機を知っていたか、だが……

『バッガの兄ィ!次の指示をくれェ!!』
「お、おぉ、すまねぇ」
いや、よそう。依頼主をあれこれ詮索するのはご法度。
特に、金払いや物払いの良い、心得ていらっしゃる依頼主ならなおさらだ。
自分達がなすべきことはただ1つ。
より多くのポイントを稼いで、より良いお宝をゲットする、それだけだ。

「リノ、ギジュー!次は赤屋根の右のデカいの、狙うぞ!」
『おぅッ!』
『任せといてヨォ!』
通信機に向かって指示を飛ばす。
ポイントトップとはいえ追いつ抜かれつなのはいなめない。
遠眼鏡に入れるは重そうな竜。
高ポイント間違いなし。でっぷり肥って美味しそう、ってなわけだ。

「回り込んで追いつめ……なっ!?」
遠眼鏡の狭い視界の中、竜が、爆ぜた。
たっぷりつまった肉の欠片が、汚い花火みたいに空へ舞う。
何があった。何がありやがった。

『おっとぉ!?ポイントレースにまた動きが!?【メーヴェ団】のダチ様がお送りするぜ!』
通信機から聞こえる声も、心なしか興奮してやがる。
さっさと教えろ、状況が見えない。

『遅ればせながら【元素の兄弟】がレースに参加だぁ!圧倒的な勢いで怒涛の猛追!これは見逃せないぞっ!』

伝えられた情報は、最悪としか形容できないものだった。

「げ、【元素の兄弟】だとぉ!?」

仕事仲間の間じゃ『伝説』、あるいは『悪夢』。
それだけ言えば【元素の兄弟】と分かるほど有名な連中だ。
たった4人という寡兵なのはバッガモナン達と同じだが、
そろいもそろって凶悪、強烈な一流メイジ。
それもただの貴族のボンボン魔法ではなく、超のつく実戦武道派ときている。
歩いた後に残るのはペンペン草一本生えぬ血塗られたレッドカーペットってな噂は耳にタコだ。

そんな連中まで参加しやがるのかよ!
バッガモナンは落とした顎がなかなか戻らないでいた。

『バッガの兄ィ!?ど、どうします!?』
「ば、バカ野郎!奴らと同じシマにいちゃこっちのポイントどころか命が危ねぇ!河岸変えるぞ!街の南だ!」

冗談では無い。
獲物がいなくなる場所なんかにいれるかよ、だ。
住宅地は諦め、街の南へ向かうことを決意する。
商業区なら、まだ獲物はいるだろう。

『了解!リノ助!おらこのカマ野郎!とっとと行くつッてンだろ!?』
『あぁん!待ってヨォ!』

あぁ、畜生!なんだって【元素の兄弟】なんて化け物が出てくるんだ!?
これなら竜とかゾンビの方がまだ大人しいぜ!


#3 The Skies Above

タルブ平原にて、彼女は屍竜に襲われた。
家畜小屋の無事を確認した帰り、その最中である。
太陽を覆う影、襲い来る死の匂い。

声も出ないまま殺されかねなかったところを、救われた。

抱え上げられ、迫る牙をふりきり、森まで一気に逃げ、
ようやっと一息ついて、救い主が大きな鳥に乗った、女性であることが分かった。

「やれやれ……怪我は無い?」
「クェー!」

シエスタは目をぱちくりとさせ、その姿を見た。

「え、えぇ……」
「どっか、痛むのかい?ちょっと乱暴だったかな……」

騎上(いや、ショコボの上だから鳥上だろうか)の人物は見覚えがある。
確か、学院で……

「あなた、確かミス・ロングビル……」
「っ!?」
間違いない。
眼鏡こそ無いが、オールド・オスマンの秘書をやっていたミス・ロングビルだ。

「あ、私、学院のメイドで……」
「あ、あぁ……」
「御病気で学院を去られたとお聞きしておりましたが、お元気のようで……」
「ま、まぁーね!」

大粒の汗をかいているところを見ると、やはり身体の調子でも悪いのだろうか。
いや、それとも自分を抱えて逃げるのに体力を消耗したか。
いずれにせよ、悪い事をしたとシエスタは自省の念にかられた。

「それより、他の村人は?」
「あ、地下に潜ってます!」
「は?」
どういう意味だと、ミス・ロングビルが問う。
まぁ、村人以外には意外かもなぁと、シエスタは少し笑った。

「ひいおじいちゃんが、『こんなこともあろうかと』って作ってたんです!『地下に潜る家』!
 昔話の『地下に潜るお城』をヒントに作ったそうですけど、今まで1度も発動させてなくて……」

エッヘン、と胸を張る。
彼女の曽祖父であるシド・ランデルは偉大なる発明家だ。
村人を守るための装置など、造作も無い。

「……ま、まぁいいけどさ」
それを見て、呆れるのは鳥上の女。
無事なら、その原理や理屈は問うまい。
何より、とミス・ロングビルは思う。
自分が『土くれのフーケ』であることが学院には広まっていないらしい、
そのことの方がよっぽど重要だった。
たまたま学院のメイドに出会ってしまったときは焦ったが、
思わぬ情報が得られたことに感謝と安堵のため息をもらす。

『ミズ・サウスゴータ!次陣が来よりますぞぉ!』
「う゛」

安堵に弛緩していた体が、急に強張る。
何も今ここで通信が入らなくても良いでは無いか。
しかも、隠し通していた己の名を呼ぶ通信が。

『マチルダさん!お早く!!』
「……サウスゴータ?マチルダ?」
「アー……気にしないで。うん、仇名みたいなもんだから」
案の定、感づかれた。
笑ってごまかすしかあるまい。

「クェー!」
「ま、ともかく……タルブは安心そうね。じゃ、あたしはまだ仕事があるから!」
「あ、はい!お気を付けて……」

シエスタはその様子を、首をかしげて見ていた。
違和感があったのだ。

「……なんで、ミス・ロングビルがショコボに?」
あのショコボ、タルブの村の物ではなかったか?
なんで、ミス・ロングビルが……

だが、そんな思考は次の瞬間、ブッ壊された。

「ひぃっ!?な、何あの大っきいの!?」

地平線からせせりあがる巨大な山、山、山。
人の形は真似てはいるが、サイズが何回りも違う。
20メイル、いやそれ以上はある。ミス・ロングビルが豆粒に見えてしまう。
ショコボに乗った指揮官に従えられ、
地響きを轟かせながら行進する山脈を見て、
シエスタは森で一人、腰を抜かした。

一方のタルブ平原に、今再びの戦火の兆し。
何十体もの竜が、アルビオン方面に向かっている。
また、ラ・ロシェール方面に向かおうとするゾンビの群れが見える。
ショコボ上のマチルダは、指揮棒代わりの杖をふりあげたる。
「……行くさね!『ヨルムンガント部隊』っ!!爺い共、空は任せたわよ!」
『爺、とはお酷い……ですが、お任せあられいっ!!』

人の縁とやらは奇妙なもんで、
積年の恨みがこもった元アルビオン王軍の爺共と組んだり、
いけすかないド変態野郎のクジャが作り上げたゴーレム兵団を指揮する羽目になった。
まぁ、悪くは無い。
彼女とて、守りたいのだ。
彼女が暮らした、空の大地を。
彼女の妹が住む、その村を。
彼女の父と母が愛した、その国を。

ゆえに、彼女はショコボを駆る。
タルブの地平線の先、ひしめき合う亡者の群れ。

「さぁて、派手に戦いますか!」

アルビオン浮かぶ空の下、ゴーレム軍が唸り声を上げた。



#4 野薔薇のテーマ

全てが全て、クジャの描いた脚本どおり、というわけではない。
花が花壇のみに咲くわけではないように、
思わぬところから旋律が生まれることもある。

「一時退避!」
「か、囲まれたか……」

アーハンブラ、ガリアの端に当たる地は、悲惨そのものであった。
ここには、無能なガリア正規軍が居座り、襲い来る災いを退ける術をもっていなかった。
わずかに残った寡兵が、後退を続けながら、交易商人や街人達を逃がそうと懸命に足掻く。

クジャも、全員を守りきれるという楽観的な予測はしていない。
特に人が多く集まる大都市とその地域が守れるというのがせいぜいだろう、と読んでいた。
それは、非情だが、的確な判断であった。
全てを守りきれなくなる可能性よりも、確実に多くを守ることを選んだのだ。

割りを食った辺境の兵達は、足掻きながらその身を散らしていく。
わずかでも、守るため。
わずかでも、救うため。

「……全員無事か?」
「……スコット、ボーゲン、ヨーゼフ……皆、死んだ……」
崩れ去った、アーハンブラ城。
その城壁の影、もたれかかったのは一個連隊に満たぬ平民兵達。
持てる牙は、粗末な槍と剣、斧と弓。
オンボロに疲れ果てた平民の武。
相対するは、何百の屍群と、空を跋扈する竜。
後から後から湧いて出る、疲れ知らずの力。

「――だが、まだ俺達がいる!」
「お前……まだ戦う気か!?正気じゃないぞ!?くそったれの上官まで死んだってのに!?」
「……オレも、戦う。弔い」
「やめとこうや。これ以上は、死ぬだけだぞ?」

たったこれだけで、何ができるというのだ。
たったこれだけで、どれだけが守れるというのか。
もうほとんどは逃げたか死んだかだ。
生きてここに残っている奴らはもう諦めて、自分達も逃げなくてはいけないのに。
同僚の無責任な気合いに、その兵はあきれ果てた。

「だが――俺達は、まだ生きている!」
「馬鹿じゃねぇか!?そうまでして戦う義理があんのかよっ!」

一際血気盛んな若者が、胸に手を当てる。
その質問に、思い出すのは、故郷の光。
その質問に、思い出すのは、過ぎし日のあの娘。
そういえば、あの娘、無事に家に帰れたのだろうか。
確か……ラミアと言ったか。桃色髪の可愛らしい子は。
軍人としての気持ちを、ほんの少し思い出させてくれた、あの娘は。

「俺には、命をかける夢がある!!
           未来を信じ、今を貫く――それだけだ!」

彼には、夢があった。
野薔薇が咲く地に、いつの日か、あんな可愛い娘と結ばれて所帯を持つ。
そのために、こんなところで死ぬわけにはいかない。
そのために、多くを守りたい。
理由など、それで十分だ。

「出るぞっ!!」
「オレ、援護、する」
「あ、おい!?――あぁ、ちくしょ!青臭ぇんだよぉ~、一々ぃ~!!」
「行く、ぞぉぉお!あいつらに続けっ!!」
「おぅっ!」
「ま、待てよお前らぁ~!!」


彼らが奏でた旋律は、小さく、意味の無いものだったかもしれない。
だが、その勇壮さは、荒野に咲く野薔薇のように力強かった。


#5 Otherworld

「おぉっと!」

甲板の上で踊る影。

「そぉれ!」

クジャが舞いながら放つ閃光は、遠く離れた銀竜をも捕え、
華やかなまでの眩さに爆ぜ、敵を排除していった。
しかし、数が多い。
『魂』の集まる場所、流石に次から次へと生まれる銀竜は凶悪というわけか。
クジャはふんっと鼻をならした。

銀竜は、『肉体』を持たぬ『魂』から生まれ、
ゾンビどもは『魂』を持たぬ『肉体』から生まれる。
どちらも、己が持たぬ『肉体』や『魂』に飢え、襲ってくる。
故に、本能に忠実なまでの凶暴さというわけだ。


「ぉゃ?」
ふと、背後でゆっくりと起き上がる気配。
銀竜の醜いものではない。

「――出る幕は無い、と思っていたんだけどねぇ?なんだ、君も戦うのかい?」
さっきまで腰を抜かしていた……ギーシュ、だったか。
馬鹿そうだった彼が、戦士の目をして、そこに立っていた。

「――僕だけ、こんなところで倒れていたら、ライバルに……合わせる顔が無いですからっ!」
ほう、いっぱしの口を聞く。
クジャは感心した。
ただの馬鹿から、なかなかの馬鹿に格上げしてやろう。
だが、邪魔だ。
命知らずの無謀さは不必要。
お引き取り願……

「それに――それに――」
「ん?」
まだ、何かあるというのだろうか?
立ち上がったギーシュを狙う銀竜の姿、
それを追い払うことも一瞬忘れ、クジャは彼の言動を見守ろうとする。

「『錬金』っ!!」

輝く光は、『虹』を反射する鋼のもの。
それが、ギーシュの身体を包む。
ギーシュオリジナルの技、魔導アーマー……だが、それだけではない。

「それにっ!帰りを待ってくれている人がいるんです!ここで死ぬわけには、いかないっ!英雄としてっ!!」

ギーシュ以外に、3体。
彼と同様に、光を受け輝く鎧姿。
それが銀竜を撥ね退け追い払う。
ギーシュは、密かに進化していたのだ。
彼も気づかぬ内に、ドットからラインへと。
彼がかつて得意としていたワルキューレと呼ばれるゴーレムの操作と、
魔導アーマーによる自己強化の同時発動。
大人のメイジでも難易度の高い技に成功するほどに、彼は進化していた。

進化のきっかけ。それは、文字通り『雷に打たれた』ような出来事の後。
ビビという少年が、思い出させてくれた。
いつからだろう、英雄がカッコ悪いだなんて思うようになったのは。
いつからだろう、女の子にモテることだけを追うようになったのは。
いつからだろう、自分の弱さを棚に上げ、さらに弱い者を叩くようになったのは。
それを、全て振り払ったのが、ビビの雷だった。
彼の、小さい体で見せた、英雄としての煌めきだった。

異世界から来た彼が、思い出させてくれたのだ。
英雄に憧れていた、かつての自分を。
ビビが、過去の自分が、語りかける。
今だ、行け!求める姿が、あるんだろう? と。

ゆえに、彼は、立つ。
ゆえに、彼は、戦う。
ゆえに、彼は、進化した。さらなる、高みへと。

「……『光の四戦士』、か。古くて新しい物語だね、実に」

クジャは、ギーシュに対する評価を改めることとした。
クジャの判断基準は、善悪などではなく、常に美醜だ。
ギーシュの想いと、輝きを、美しいと感じた。
何故美しいと感じるかは、今のクジャには分からない。
他者を想う気持ちなど無かったクジャには理解しえないのかもしれない。
ただ、漠然と、美しいと感じた。それだけで十分だ。
この少年を守る価値はあると、クジャは感じた。

「やれるかい?この数だ……逃げたっていいんだよ?」
背中あわせとなり、妖艶な笑みで問うは、クジャ。

「さあ?――あと1匹増えたら苦しいかもしれませんね!」
精一杯の強がりを、鎧の奥でしてみせるは、ギーシュ。

「フフ……その時は、僕が1匹多く倒すだけさ」

「なんだ……貴方も戦うんですか?」

「フフフ……」
「は、ハハッ……」

囲む敵の群れの中、意趣返しと言葉遊び。
悪くない。まったくもって、悪くない。

「ほぅらっ!!」
「はぁあああっ!!」

独奏からハーモニーへ。
ブラックジャック号の舞台が、一際華やかに彩られる。


混成曲は、いくつもの想いと旋律を巻き込んで、
フィナーレへと向かって続いてゆく……


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