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雪風とボクとの∞-08


「雪風とボクとの∞(インフィニティ) ∞8」

 ――……ミツナリに新しい友人ができた……。
 ――……同じめがねっ娘スキーのワルド子爵……。
 三成と親しげに会話しているワルドを、タバサは木の陰からそっと見つめていた。
「最近『メガバーガー』とかいう物があるだろう」
「ええ、ありますね」
「あれ……、『メガネバーガー』と読み間違えてドキッとしないかい?」
「します!」
「『この店のメガネバーガー全部いただこーう!!』と叫びたくなるな!」
「なります!!」
 ワルドの熱い思いに共感し、三成はがしっとその手を握り合った。

(……何を話しているかわからないけれど……何だか凄くわかり合ってる……)
 頷き合う三成・ワルドの様子を眺めて、タバサは複雑な表情になった。。
「読み間違えといえば、もう1つあるのだが……、『メガミ』を『メガネ』と読み間違える事……」
「あります!」
 そこで三成はふとある事に気付く。
「あっ! でもワルド子爵……」
「『めがねっ娘』=『女神』、意味は間違っていないのではないでしょうか!?」
「その通りだよ、ミスタ・ナグモ!!」
 握手した手を振り何度も頷く三成・ワルド。
(……あ……また何か強くわかり合ってる……)
 その様子にタバサは何やら言い知れぬ嫉妬を感じて、思わず2人の元に歩み寄る。
「……あ……ミツナリ……何してるの……」
「あっ、タバサ」
「むっ」
 ワルドの向けた鋭い視線にタバサは本能的に何かを感じ取り硬直した。
「その歪みから察するに……、両目とも0.1って所かな?」
「……ぴったり……」
「流石ワルド子爵!!」
「その0.1の君は誰だい?」
「……あ……えっと……」
「僕の主人です」
「……タバサです……」
「めがねっ娘のご主人様あー!?」
 あまりの精神的な衝撃に、ワルドは飛び退き、尻餅をつき、後方に倒れて頭を強打した。
「大丈夫ですか、ワルド子爵」
 慌てて駆け寄った三成だったが、
「寄るな裏切り者!!」
「裏切り者?」
「キミは僕と同じ夢追い人だと思っていたのに。なのにちゃっかりめがねの青い鳥を手に入れているなんて……。その青い鳥とキミはあんな事やこんな事を!!」
 ワルドの発言に思わず赤面する三成・タバサ。
「なっ……」
「……私達……まだそういう関係じゃない……」
「え? そうなの?」
「……はい」
「何だ、そうなのか」
「……もう……ワルド子爵ったら……」
 誤解が解けて穏やかに笑いあう3人……と思われたが、
「……なんて騙されるものかあ!!」
「子爵!?」
「こんな可愛いめがねっ娘のご主人様がいながら何もしないなんて、君は聖人君子か!? 僕だったら絶対するね! 例えば……」
 そう言いつつワルドは周囲を見渡し、
「この牛乳を……」
 発見した購買部の売店でパック入りの牛乳を購入して、
「わざとピュッと彼女に飛ばして、キャッてなって……」
 自分が飛ばした牛乳を素早いフットワークで自分の眼鏡で受け止め、
「『ああ~ん、めがねにミルクがあ~。めがねにミルクがあ~……』」
 牛乳まみれの眼鏡をかけたまま荒い息遣いで呟くワルドにタバサは完全に引いていて三成にしがみつき、三成も冷や汗をかきつつその様子を眺めていた。
「あぶなーい!!」
「ぎゃぶう!?」
「……ルイズ……」
 次の瞬間、ルイズの左ストレートがワルドの顔面を捉えた。
「はっ! ひょっとして今僕何か口走っていたのかい!?」
 地面に倒れたワルドが身を起こした時、彼の目には正気の光が戻っていた。
「だだ漏れですよ!!」

「……すまなかった。僕は……、僕はめがねっ娘を見るとどうしてもいけない事を考えてしまうんだ!!」
(最低だ!!)
 滂沱の涙を流しつつのワルドの告白にどん引きするタバサ・ルイズ。
「僕の心にはシャイターンがいるんだ!! シャイターンがいるんだ~!!」
 そしてそのままワルドは走り去っていってしまった。
(どうしてあんな人が婚約者になったのかしら?)
 やはり滂沱の涙を流しつつ自身の不幸を嘆くルイズの後方で、タバサは三成に問いかける。
「……ねえ……ミツナリ……ミツナリの心の中には……シャイターンいないよね……」
「ああ」
「……よかった……」
 タバサは三成の言葉にかすかな笑みを浮かべ、三成はそのタバサの笑みに安心感を覚えるのだった。
(僕のシャイターンはタバサの笑顔に封印されているようだ)
 ふとタバサは手にしているパック入り牛乳の事を思い出した。
「……あ……これ……ワルド子爵の飲み残し……どうしよう……」
 そこまで言ったところでタバサの鼻を何かがくすぐった。
「……ふぁ……は……くしゅん……」
 くしゃみをした拍子に手に力が入り、ストローからほとばしった牛乳がタバサの眼鏡を汚した。
「……ふああ……いっぱいかかった……」
 そう言いつつ白濁した視界の中三成達の方に歩み寄るタバサだったが、
 ――パアーン
「このシャイターンめ!!」
 彼女を待っていたのは三成によるハリセンの一撃だった。
「……何で……」
「シャイターンめ! シャイターンめ~!」
「……何でー……」
 黄昏時の空に三成・タバサの声とハリセンの音が響き渡っていた……。


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