「きゃあああああぁ!!」
「「「「!?」」」」
「「「「!?」」」」
フーケが創りだした巨大ゴーレム。
タバサが呪文を唱えて創りだした小規模の竜巻では、びくともしない。
キュルケが創りだした火炎を持ってしても、同じだった。
タバサが呪文を唱えて創りだした小規模の竜巻では、びくともしない。
キュルケが創りだした火炎を持ってしても、同じだった。
「巨大な…ゴーレム。逃げて、カイン!」
「逃げる? 立って闘う限り…クルダの傭兵に『敗北』は無い!」
「ちょっと! 幾ら何でも素手であのゴーレムと闘うなんて、無茶に決まってるでしょ!」
「逃げる? 立って闘う限り…クルダの傭兵に『敗北』は無い!」
「ちょっと! 幾ら何でも素手であのゴーレムと闘うなんて、無茶に決まってるでしょ!」
ギーシュが決闘で作り出したゴーレムよりも、遥かに巨大なゴーレムの前に…
人間であるGが立ち塞がった。
そして、Gが放った蹴りがゴーレムの右腕に罅をつくり、次に繰り出された左拳がゴーレムの右腕を破壊する。
だが、それを嘲笑うかのようにゴーレムはすぐさま再生してしまう…
嬉しそうな顔をするGとは違い、ソレをみるルイズの表情は複雑だった
人間であるGが立ち塞がった。
そして、Gが放った蹴りがゴーレムの右腕に罅をつくり、次に繰り出された左拳がゴーレムの右腕を破壊する。
だが、それを嘲笑うかのようにゴーレムはすぐさま再生してしまう…
嬉しそうな顔をするGとは違い、ソレをみるルイズの表情は複雑だった
その日の朝…
「『炎の土』が盗まれたそうじゃなコルベール君」
「はい、犯人は貴族の間で被害が多い『土くれのフーケ』だそうです。宝物庫の壁にそう刻まれていました」
「ふむ・・・・、で目撃者は居るのかの?」
「いえ、いません」
「使い魔にもかの…」
「使い魔は目撃者に入りませんから」
「はい、犯人は貴族の間で被害が多い『土くれのフーケ』だそうです。宝物庫の壁にそう刻まれていました」
「ふむ・・・・、で目撃者は居るのかの?」
「いえ、いません」
「使い魔にもかの…」
「使い魔は目撃者に入りませんから」
部屋に沈黙が続く…
その頃、食堂で手伝いをしていたGはと言うと
その頃、食堂で手伝いをしていたGはと言うと
「どうしたんですか、急に不機嫌そうな顔をして」
「いや、急にオレが召喚された時…近くに居た、ハゲを殴りたくなっただけだ」
「いや、急にオレが召喚された時…近くに居た、ハゲを殴りたくなっただけだ」
その場にGが居ないにもかかわらず、学院長室の二人は死神に鎌を突き付けられているかのような感覚に陥ったそうだが、どうでも良い事なので割愛…
「つっ、つまり後を追おうと思うにも手がかりは無しとゆう事なのです…」
「時に、ミス・ロングビルはどうしたね?」
「……それが、朝から姿が見えなくて」
「この非常時に何処へ行ったのじゃ?」
「時に、ミス・ロングビルはどうしたね?」
「……それが、朝から姿が見えなくて」
「この非常時に何処へ行ったのじゃ?」
コルベールとオールド・オスマンが話していると、ミス・ロングビルが現れた。
コルベールは、ミス・ロングビルに捲くし立てる為に口を開く…
コルベールは、ミス・ロングビルに捲くし立てる為に口を開く…
「ミス・ロングビル!こんな大変な時に何処へ行っていたのですか!」
「申し訳ありません。朝から急いで調査していたもので。犯人が国を荒らし回っているフーケの仕業と聞き、直ぐに調査してきました」
「仕事が早いの。で、結果は?」
「はい、フーケの居どころがわかりました」
「なんとっ!!」
「申し訳ありません。朝から急いで調査していたもので。犯人が国を荒らし回っているフーケの仕業と聞き、直ぐに調査してきました」
「仕事が早いの。で、結果は?」
「はい、フーケの居どころがわかりました」
「なんとっ!!」
「ドリュアルクの砂?」
「盗まれたと言う、炎の土とやらは間違いなくドリュアルクの砂だ」
「盗まれたと言う、炎の土とやらは間違いなくドリュアルクの砂だ」
手に握った少量の砂を見せながら言うGの言葉を、ルイズ達が聞く
「きゅきゅっ? きゅ~きゅきゅ?(ドリュアルクの砂? どんな砂なの?)」
「植物の成長を助けると言う効果で有名な砂だが、もう一つの使い方がある」
「もう一つの使い方? って、私のフレイムの言葉が解るのね…凄いわぁ」
「話を続けるぞ。もう一つは、火と反応すると爆発的に燃え上がる性質だ」
「…どれぐらい燃えるの?」
「砂袋が五つあれば、街一つを火の海で出来る程だ。以前、国に戦争を仕掛けた時に…リーン殿達が別に動いてやっていた」
「植物の成長を助けると言う効果で有名な砂だが、もう一つの使い方がある」
「もう一つの使い方? って、私のフレイムの言葉が解るのね…凄いわぁ」
「話を続けるぞ。もう一つは、火と反応すると爆発的に燃え上がる性質だ」
「…どれぐらい燃えるの?」
「砂袋が五つあれば、街一つを火の海で出来る程だ。以前、国に戦争を仕掛けた時に…リーン殿達が別に動いてやっていた」
Gの言葉を聞いたルイズ、キュルケ、タバサ、フレイムがポカンとした顔をする。
「どんな国にそんな事をやったのよアンタ!」
「傭兵王国クルダだ。聖国撲滅論を掲げるソーウルファン王国の者を少しばかり利用したがな」
「……えっと。カイン、貴方は傭兵王国クルダの象徴なのよね。なんでそれ程の人物が、そんな事をやったのかしら?」
「第56代目修練闘士『紅』カイ・シンク。第57代目にして真修練闘士『刀傷』ヴァイ・ロー。第59代目修練闘士『影技』エレ・ラグ。『影技』の数倍の実力を持つと言われる兄『黒き翼』ディアス・ラグ。人外なる者『闇』」
「きゅっ、きゅきゅきゅ~~きゅっ?(もしかして、その人達を倒す為に戦争を仕掛けたの?)」
「いや…聖王国アシュリアーナが誇る最強の力達に守られた『クルダ王』…第55代目修練闘士『鷹の目』イバ・ストラを討ち取る。その為にオレは一人で戦争を仕掛けた」
「傭兵王国クルダだ。聖国撲滅論を掲げるソーウルファン王国の者を少しばかり利用したがな」
「……えっと。カイン、貴方は傭兵王国クルダの象徴なのよね。なんでそれ程の人物が、そんな事をやったのかしら?」
「第56代目修練闘士『紅』カイ・シンク。第57代目にして真修練闘士『刀傷』ヴァイ・ロー。第59代目修練闘士『影技』エレ・ラグ。『影技』の数倍の実力を持つと言われる兄『黒き翼』ディアス・ラグ。人外なる者『闇』」
「きゅっ、きゅきゅきゅ~~きゅっ?(もしかして、その人達を倒す為に戦争を仕掛けたの?)」
「いや…聖王国アシュリアーナが誇る最強の力達に守られた『クルダ王』…第55代目修練闘士『鷹の目』イバ・ストラを討ち取る。その為にオレは一人で戦争を仕掛けた」
普通、一人で一国と闘うのを戦争とは言わない。
にも関わらず、Gは『戦争』を仕掛けたと言ったのだ…その場に居る全員が、信じられない者を見るような目でGを見る
修練闘士全員が、一騎当千の力を持つ者ばかりなのだとしたら…守られている王ですらGに匹敵する実力があるのだろう…
そんな国にたった一人で戦争を仕掛けて勝つなんて、絶対に不可能だろう…
にも関わらず、Gは『戦争』を仕掛けたと言ったのだ…その場に居る全員が、信じられない者を見るような目でGを見る
修練闘士全員が、一騎当千の力を持つ者ばかりなのだとしたら…守られている王ですらGに匹敵する実力があるのだろう…
そんな国にたった一人で戦争を仕掛けて勝つなんて、絶対に不可能だろう…
「一応聞いとくけど、どうなったの?」
「王の居る冥府の間で敗北したが、清々しい気分だった」
「王の居る冥府の間で敗北したが、清々しい気分だった」
満足そうに言うGを見ながら、全員が冷汗を流した。
ただ純粋に最強を目指した結果、国にすら喧嘩を売った愚か者が目の前に居ると言う事実に驚愕するだろう…
それとも、王の居る間まで辿り着いた事に驚愕しているのかもしれないのだが…
ただ純粋に最強を目指した結果、国にすら喧嘩を売った愚か者が目の前に居ると言う事実に驚愕するだろう…
それとも、王の居る間まで辿り着いた事に驚愕しているのかもしれないのだが…
その後、オールド・オスマンが有志を募り
ドリュアルクの砂の危険性を聞いた、ルイズ、キュルケ、タバサの三人が志願し…
三人と共に、G…そして、ミス・ロングビルの五名が目的地である森の廃屋に向かい…驚く程簡単に『炎の土』は発見された
ドリュアルクの砂の危険性を聞いた、ルイズ、キュルケ、タバサの三人が志願し…
三人と共に、G…そして、ミス・ロングビルの五名が目的地である森の廃屋に向かい…驚く程簡単に『炎の土』は発見された
そして、冒頭に戻る…
「後…五撃。それだけでこの土人形を破壊してやろう!」
再生したゴーレムを見ながら、左手の刺青をゴーレムに見せるGの目は、まるで闘争を喜ぶ獣を連想させる程であった…
そして、自分が言った『立って闘うクルダの傭兵に『敗北』は無い』…その言葉を実行するその為に、Gはゴーレムが振り下ろす拳を、速く…そして力強く踏み込み回避する
そして、自分が言った『立って闘うクルダの傭兵に『敗北』は無い』…その言葉を実行するその為に、Gはゴーレムが振り下ろす拳を、速く…そして力強く踏み込み回避する
「クルダ流交殺法表技━滅刺(メイス)━」
踏み込みを生かし、Gが叩き込んだ拳がゴーレム吹飛ばしながら、突き抜けた衝撃がゴーレムの背部を破壊する…
だが、攻撃はそれでは止まらない…
何故なら…再生するのならば、再生する前に破壊しつくせば良い…そんな単純な考えで破壊するつもりなのだ…
吹き飛ぶゴーレムに裏拳、蹴り、突きの三撃を叩き込む。
攻撃を叩き込まれたゴーレムは少しずつ、だが確実にGによって砕かれていく
だが、攻撃はそれでは止まらない…
何故なら…再生するのならば、再生する前に破壊しつくせば良い…そんな単純な考えで破壊するつもりなのだ…
吹き飛ぶゴーレムに裏拳、蹴り、突きの三撃を叩き込む。
攻撃を叩き込まれたゴーレムは少しずつ、だが確実にGによって砕かれていく
「我は獣、我が拳は牙、我が闘争は狂気なりっ!!」
━━武技言語━━
修練闘士をはじめ、一部の闘士のみが使う事が出来る自己暗示にによって自身を催眠状態にし…
限界以上の力を引き出すための、技
七撃で破壊する為だけに、Gはソレを使ったのだ…
修練闘士をはじめ、一部の闘士のみが使う事が出来る自己暗示にによって自身を催眠状態にし…
限界以上の力を引き出すための、技
七撃で破壊する為だけに、Gはソレを使ったのだ…
「クルダ流交殺法表技━圧潰(アクス)━」
ゴーレムに左肘を当て、その掌に右腕の拳を叩き込み…威力を倍加させ、その一撃で巨大なゴーレムを粉砕してしまう
ルイズ、キュルケ、タバサの三人は開いた口が塞がらなかった…
ただの人間が、合計七撃の攻撃で巨大なゴーレムを粉砕してみせた……目の前で行われず、人から聞いたとしても誰も信じないだろう
ルイズ、キュルケ、タバサの三人は開いた口が塞がらなかった…
ただの人間が、合計七撃の攻撃で巨大なゴーレムを粉砕してみせた……目の前で行われず、人から聞いたとしても誰も信じないだろう
「立って闘う限り『敗北』は無いって言ったけど、あんなのに勝つなんて凄いわね…」
「ねぇ、タバサ…私の頬を引っ張ってくれる?」
「………」
「ねぇ、タバサ…私の頬を引っ張ってくれる?」
「………」
ルイズの頬をタバサがつねり、引っ張る。
「痛いっ!」
その痛さが現実なのだとルイズに認識させる。自分が召喚した使い魔は、紛れも無く言った事を実証してみせたのだと…
「このドリュアルクの砂は、此処で処分する」
「処分ってどうするのよ……アンタ、まさかっ!」
「そのまさかだ。衝撃等はオレに任せておけ」
「本当に、大丈夫なの?」
「あぁ。構わんのだろう、フーケとやら」
「処分ってどうするのよ……アンタ、まさかっ!」
「そのまさかだ。衝撃等はオレに任せておけ」
「本当に、大丈夫なの?」
「あぁ。構わんのだろう、フーケとやら」
Gが、茂みを睨みつけ…その場からミス・ロングビルが現れる
「えっ、ミス・ロングビルがフーケ? どう言う事よ」
「片道四時間。それだけの時間がかかる道のりを、調査して戻って来た。時間をかけているのならば可能だが、短時間で調べ上げるのは不可能なはずだ…違うか?」
「何を言っているんです。だから、近所の農民に聞き込みをしたんです」
「近くにオレ達以外に、人間の気配が無いのをどう説明するつもりだ?」
「片道四時間。それだけの時間がかかる道のりを、調査して戻って来た。時間をかけているのならば可能だが、短時間で調べ上げるのは不可能なはずだ…違うか?」
「何を言っているんです。だから、近所の農民に聞き込みをしたんです」
「近くにオレ達以外に、人間の気配が無いのをどう説明するつもりだ?」
ミス・ロングビル、ルイズ、キュルケ、タバサの4人は…Gが千人からなる鉄騎兵団で、参謀を務めていた事すらある。
Gは、断じて筋肉馬鹿と言うわけでは無いのだ。
口に出さないだけで、他にも理由があるのは確かだろう…
Gは、断じて筋肉馬鹿と言うわけでは無いのだ。
口に出さないだけで、他にも理由があるのは確かだろう…
「気配って……解るの?」
「修練闘士は、戦場で戦う傭兵でもある。『闇』以外の気配ならば、余程の相手で無い限り読める」
「修練闘士は、戦場で戦う傭兵でもある。『闇』以外の気配ならば、余程の相手で無い限り読める」
Gが断言した以上、ソレは事実なのだろう。
ならば、ミス・ロングビルがフーケなのは間違い無いとルイズ達は悟る。
ルイズがミス・ロングビルに杖を向けたのを見て、キュルケやタバサも杖を向ける。
それに観念したように、ミス・ロングビルは…フーケは巨大ゴーレムを新たに作りG達に向かわせる
ならば、ミス・ロングビルがフーケなのは間違い無いとルイズ達は悟る。
ルイズがミス・ロングビルに杖を向けたのを見て、キュルケやタバサも杖を向ける。
それに観念したように、ミス・ロングビルは…フーケは巨大ゴーレムを新たに作りG達に向かわせる
「キュルケ!『炎の土』が入った袋を燃やして」
「えっ! 解ったわよ…もうっ!!」
「えっ! 解ったわよ…もうっ!!」
キュルケが放った火炎が炎の土、ドリュアルクの砂が入った袋を燃やし…
炎の魔力によって、爆発をするかのようにドリュアルクの砂が燃えようとした瞬間、Gが爆発の衝撃ごと炎をゴーレムに向かって殴り飛ばした
殴り飛ばされた衝撃と炎が、ゴーレムを破壊し、燃やしながら空に向かう。
遠くから見る者が居たならば、巨大な火柱が生まれたようにしか見えなかっただろう。
炎の魔力によって、爆発をするかのようにドリュアルクの砂が燃えようとした瞬間、Gが爆発の衝撃ごと炎をゴーレムに向かって殴り飛ばした
殴り飛ばされた衝撃と炎が、ゴーレムを破壊し、燃やしながら空に向かう。
遠くから見る者が居たならば、巨大な火柱が生まれたようにしか見えなかっただろう。
その後、Gがフーケを気絶させてから学院に帰って行った。
追記:発見した時に、一握り分のドリュアルクの砂をGが瓶に入れ、フレイムに渡したのだが…
フレイムがキュルケに渡し、後日授業で使うのだが…それはまた別の話である
フレイムがキュルケに渡し、後日授業で使うのだが…それはまた別の話である