「呪符に封じられていた『G』の魂。私の「黒目」の中に広がる「無限」に封じ込めた、彼の身体の中に戻しました」
「聖王女の望みは、来るべき危機が来たその時に、聖王国における全ての力をあわせて闘いに望むこと……だからこそ、彼はその為に生きていなくてはならない」
「例え……どんな手段を使ったとしても」
「だから彼と言う獣は、もう一度闘う為に牙を磨ぐ必要がある」
「その為に私達の前にある、他の世界から繋げられた扉に彼を通すのですか」
「『G』の止められた時間を、僕が動かしたよ」
「聖王女の望みは、来るべき危機が来たその時に、聖王国における全ての力をあわせて闘いに望むこと……だからこそ、彼はその為に生きていなくてはならない」
「例え……どんな手段を使ったとしても」
「だから彼と言う獣は、もう一度闘う為に牙を磨ぐ必要がある」
「その為に私達の前にある、他の世界から繋げられた扉に彼を通すのですか」
「『G』の止められた時間を、僕が動かしたよ」
二人の前に、安らかに眠る一人の青年が現れ、ゆっくりと前方の鏡のような物に吸い込まれていく
自分の周りが騒がしいのに気付き、青年はゆっくりと目を開けていく。
そして、「邪」の符に封じ込められた三年間の最後を思い出し、飛び起きる。
そして、自身の身体をゆっくりと確かめるように少しづつ動かしていく
そして、「邪」の符に封じ込められた三年間の最後を思い出し、飛び起きる。
そして、自身の身体をゆっくりと確かめるように少しづつ動かしていく
「人形ではなく、人間に戻っている!?」
その事実に驚愕しながら、人形の身体でガウと言う少年に言ったように…まっすぐ、ただひたたすらに、前に進めるのではないかと考えてしまい、ゆっくりと目を瞑る
周囲が自分に向かって、「平民」と呼ぶ事など気にしない程にその事実を喜ぶ
周囲が自分に向かって、「平民」と呼ぶ事など気にしない程にその事実を喜ぶ
「…なの? だ・か・ら、アンタ何者なのって聞いてるでしょ!」
「俺か? 俺は、傭兵王国クルダが58代目修練闘士『G』カイン・ファランクス。貴様は誰だ娘?」
「俺か? 俺は、傭兵王国クルダが58代目修練闘士『G』カイン・ファランクス。貴様は誰だ娘?」
左手の修練闘士の証である刺青を、Gは見せながらその場にいる全員に聞こえるように名乗った。
全員がポカーンとしている。
当然だろう、「傭兵王国クルダ」などと言う国は聞いた事が無いのだから。
全員がポカーンとしている。
当然だろう、「傭兵王国クルダ」などと言う国は聞いた事が無いのだから。
「…そんな国、聞いた事無いわよ」
「俺は名乗ったぞ。名前を聞いているんだ、答えろ…娘」
「わ、私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。あなたを召喚したメイジよ」
「俺は名乗ったぞ。名前を聞いているんだ、答えろ…娘」
「わ、私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。あなたを召喚したメイジよ」
今度は、Gが顔を顰める。
魔導士(ラザレーム)や呪符魔術士(スイレーム)、フェルシアの降魔符印法士ならば知っているがメイジと呼ばれる者を聞いた事が無いのだ。
魔導士(ラザレーム)や呪符魔術士(スイレーム)、フェルシアの降魔符印法士ならば知っているがメイジと呼ばれる者を聞いた事が無いのだ。
「俺を召喚したと言ったな、世界に11人しかいない魔導士(ラザレーム)にそんな名前の者は居ない」
相手を威圧させる気なのか、Gの目が闘争を望む獣のような光を放つ。
ソレに気付いた、コルベールがGに危機感を抱いているのだが、周りの者達は誰もその事には気付いていないようだ。
ソレに気付いた、コルベールがGに危機感を抱いているのだが、周りの者達は誰もその事には気付いていないようだ。
「らざれーむってのが、メイジの事ならなんでたった11人しか居ないのよ。アンタどんな田舎者よ」
「俺を召喚したと言っていたから、魔導士かと思ったら呪符魔術士(スイレーム)が俺を召喚したと言う事か。気に入らんな」
「私だって、平民なんかを召喚して気分は最悪よ。ミスタ・コルベール召喚のやり直しの許可を」
「俺を召喚したと言っていたから、魔導士かと思ったら呪符魔術士(スイレーム)が俺を召喚したと言う事か。気に入らんな」
「私だって、平民なんかを召喚して気分は最悪よ。ミスタ・コルベール召喚のやり直しの許可を」
うんざりしていると言う表情を隠しもせずに、ルイズはコルベールの顔を見る。
Gも、修練闘士である自分を召喚しておきながらこんな態度をとるルイズに、ご立腹のようだ…召喚したのが、ルイズのような子供ではなくコルベールのような大人だったならば、すでに殺しているのではないかと思える程、機嫌が悪い。
Gも、修練闘士である自分を召喚しておきながらこんな態度をとるルイズに、ご立腹のようだ…召喚したのが、ルイズのような子供ではなくコルベールのような大人だったならば、すでに殺しているのではないかと思える程、機嫌が悪い。
「コルベールと言ったな。今すぐに俺をクルダに戻せ…こんな茶番に付き合うつもりは無い」
「ミスタ・ファランクス。セヴァールとは何ですかな?」
「その力は一騎当千。傭兵王国クルダ二千年の歴史において、59人しか存在しないクルダ傭兵の象徴だ」
「ミスタ・ファランクス。セヴァールとは何ですかな?」
「その力は一騎当千。傭兵王国クルダ二千年の歴史において、59人しか存在しないクルダ傭兵の象徴だ」
コルベールは流石に、絶句した。
ルイズが平民を召喚したどころか、一国の重要人物を召喚してしまったのだ……こんな政治問題になるような人物を召喚したなどと誰が思うだろうか。
そして、先程召喚された事に関して茶番と言ったのが理解出来た……正直、使い魔にする為に召喚した等と言ったら確実に暴れるだろう
正直、コルベールにはソレを止められる力が、自分にあるとは思えなかった…
ルイズが平民を召喚したどころか、一国の重要人物を召喚してしまったのだ……こんな政治問題になるような人物を召喚したなどと誰が思うだろうか。
そして、先程召喚された事に関して茶番と言ったのが理解出来た……正直、使い魔にする為に召喚した等と言ったら確実に暴れるだろう
正直、コルベールにはソレを止められる力が、自分にあるとは思えなかった…
「で、一体何の用で俺を召喚した? 内容次第では我が闘争の餌食にするぞ」
完全に脅しである。
コルベールの額は大量の脂汗で、普段とは比較にならない程に輝いている程だ。
コルベールの額は大量の脂汗で、普段とは比較にならない程に輝いている程だ。
「そ、それはで「私の使い魔にする為よ!」なっ!!」
「俺を使い魔にするだと?」
「俺を使い魔にするだと?」
コルベールの錯覚なのか、周囲の温度が氷点下まで下がった気がした。
ゆっくりと周囲を見ると、召喚された使い魔の一部が生徒達を見捨てて我先にと逃げている。
生徒達も、急に鳥肌が立った事に慌てながら、Gとその目の前に立つルイズの姿を見ている。
当のルイズは、恐怖で怯えて逃げたくなる心と身体に困惑しながら、Gの目を強く見据える。
ゆっくりと周囲を見ると、召喚された使い魔の一部が生徒達を見捨てて我先にと逃げている。
生徒達も、急に鳥肌が立った事に慌てながら、Gとその目の前に立つルイズの姿を見ている。
当のルイズは、恐怖で怯えて逃げたくなる心と身体に困惑しながら、Gの目を強く見据える。
「良いだろう。少しの間なら使い魔になってやる」
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!五つの力を司るペンタゴン!この者に祝福を与え、我の使い魔となせ!」
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!五つの力を司るペンタゴン!この者に祝福を与え、我の使い魔となせ!」
そしてこの時、確かにルイズとGはコントラクト・サーヴァントを結び…
Gの右手に使い魔の証であるルーン(ヴィンダールヴ)が浮かびあがる事となった
Gの右手に使い魔の証であるルーン(ヴィンダールヴ)が浮かびあがる事となった