あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

確率世界のヴァリエール-09


「騎士様、お待たせいたしました」
花屋の娘がにこやかに小さな薔薇の花束を差し出した。
ジュリア。 イシス。 ラブリーピンク。
健気に咲いた桃色の花たちに彼女の髪を思い出す。
「きっとお喜びになりますよ」
「そうだと良いが。 しばらく放ったらかしだったものでね」
そう言うとワルドは花屋の娘につられて笑った。

花束を抱えながら考える。
(やはり指輪の方が良かったか? 仮にもフィアンセなんだし。
 いや、再会していきなりは重すぎか。 それに、今日はこれもあるしな)
アンリエッタからの預かり物、懐の「始祖の祈祷書」に手を置く。 
(ここはじっくりと時間をかけて昔の距離を取り戻すのが
 最重要課題だ。 それにしても、あんなに、、、)
心の中で感涙にむせび拳を握る。
(あんなに成長しないでいてくれたとは!!
 あの時に思い余って手を出さなくて本当に良かった。
 ナイス俺! ナイス判断! ナイス合法ロリ!!
 いや、いかんいかんぞ、落ち着け俺、落ち着けジャン・ジャック。
 お前は世界をこの手に掴む男なんだ! そう、マニアもうらやむ、、、)
花屋の前で両手を広げ天を仰ぐ。
「禁断の世界を!」

 ※この物語はフィクションです。日本の法律では、同意があっても
  13歳未満の者と性行為をすれば強姦罪に問われ、18歳未満の者
  と性行為をすれば都道府県の淫行処罰条例に該当します。



 確率世界のヴァリエール
  - Cats out of a Box - 第九話



「どどど何処よここっ!?」

ルイズは周りを見回した。
何も見えない。 目が開いているのかすら定かでない。
まるで突然に盲いたかの様な、明るくも暗くも無い灰色の世界。
そこに自分と使い魔との輪郭だけがおぼろげに浮かんでいる。 否。
そう感じたものを見えていると思い込んでいるだけなのかもしれない。
宙に浮いているのか、どこかに立っているのか、それすら判らない。
ただ、繋いだ左手だけが、はかなくも現実感を保っている。

光も無い。 闇も無い。
時間も距離も、天地すらも、無い。
確率世界の箱の外。 ここは。
「ここは、『虚無の地平』だ、、、」


「虚無の、地平ぃ!?」
「うん、ドクはそう呼んでたよ。 向こうでも何度か来ちゃった事があるんだ。
 あちこち飛び回ってると、ごくたまーに、ここに出ちゃうんだよねー。
 あ、ドクってのは少佐と同じで、向こうの世界の知り合いね。
 ドクが言うには、ここは世界の外なんだろうって。
 指定座標の範囲の外。 テクスチャの向こう側。 何処でも無い場所。
 『存在することを許されなかったもの』たちの逝き着く果てだって」

(あ、私だ)

シュレディンガーの言葉に、懐かしい感情が不意に蘇る。
懐かしい恐怖、そして懐かしい孤独。 絶望の先触れたち。
彼が召喚されるまでは、彼の替わりに毎夜の枕を共にした、古い顔馴染み。
ずくり、とルイズの胸がうずく。
ちがう、もうこんな感情は必要ない。
ぶんぶんとかぶりを振ってそれらを頭の中から追い払う。

「ソレってつまりはあんたが『跳ぶ』のに失敗しちゃったって事?
 何やってんのよもう! 
 今日はワルド様が魔法の稽古を付けに学院まで来て下さる日なのに!」
「へー、ワルドとそんな事やってんの?」
「当ったり前よ! ワルド様みたく、こう、格好良く風のスペルを!」
「え? 使えるようになったの!?」
「なれるように努力してんの!」
「なーんだ」
「何だとはなに、よ、、、」
突然感じた圧迫感に、ルイズは自分の頭の上を見上げる。
「なに、これ、、、」

そこにあったのは、船だった。
認知可能な空間を覆い尽くすほどの膨大な質量に、ルイズは距離感を失う。
いや、そもそもここには距離などありはしないのか。
その途方も無い存在感に飲み込まれそうになる意識を何とか立て直すと、
その船以外にもさまざまな漂流物がある事に気が付いた。

大小の円盤。
1 : 4 : 9比の四角柱。
様々な人型の何か。
ひび割れた偏四角多面体。

「シュレ、これって、、、」
「うん、たぶんね。
 ルイズ、この前観てたスターウォーズの中にワープってあったでしょ?
 あれは作り事のお話だけど、あれと似たようなものだと思う。
 ここに漂ってるのは、『ここでは無いどこか』に行こうとして行けず、
 『ここ』でも『そこ』でもない、この『世界の外』に来ちゃったものたちなんだよ。
 あるいは、行こうとしたんじゃなく、初めから誰かに追放されたのか」

様々な世界、様々な時間、様々な座標からこの『虚無の地平』に流れ着いた漂流物たち。
その存在の空洞が心を蝕む。 いや、共感しているのか? この漂流物たちに。
世界に存在を許される場所など無かった、あの日の自分が。
甘やかな負の感情がとろりと心を包み始める。
ゆっくり、ゆっくりと。

「シュレ、もう帰ろ? ここ、何だか怖い」
自分の隣の灰色の影に震える声をかけた。
「うん、そだね。
 な~んか嫌な気配もするし」


==============================


目の前に見慣れた自室の光景が戻る。
「ぶはぁ~」
ルイズはため息をつきながら自分のベッドに倒れこんだ。
「うあ゛あ゛~、気持ち悪かった」
「だいじょぶ? ルイズ」
シュレディンガーが水差しからグラスに水を注いでルイズに渡す。
震える両手でグラスを掴むと、喉を鳴らして水を飲む。
「あー、まだ手足がじんじんする。 頭も。
 今度からちゃんとしなさいよね。
 あんな所行くのもう二度と御免だわ」
「ハイハイ。
 今日は魔法の稽古お休みする?」
「あ! そうだったわ!
 休むわけ無いでしょ、広場行って来る!!」
ガバッと起き上がり慌しく部屋を出て行くルイズを見送る。
「いってらっしゃ~い」

外を見ると日が暮れかけている。 少し早いが今日の任務はもう終わり。
さてどうしようかと考えていると部屋のドアが開いた。
「ん? どしたの、ルイズ。 何か忘れ物?」

こわばった顔でルイズが答えた。
「あなた…誰?」


ルイズがワルドと待ち合わせの約束をした広場。
学院のはずれにあり訪れる生徒もめったに居はしなかったが、
そのぶん魔法の特訓にはうってつけの場所だ。
ルイズは息を切らしながら周りを見渡したが、ワルドの姿は無い。
遅れ過ぎたか? と思ったが約束の時間をいくらも過ぎては居ない筈だ。
「やだ。 ワルド様帰っちゃったなんて事無いわよね?
 でも、グリフォンもいないし、、、」
不安げにきょろきょろと辺りを見回すルイズの背後から声がした。
「ああ、いたいた。 ルイズ」

笑顔で振り向いたルイズの顔が引きつった。
「あんた、、、誰?」


シュレディンガーは困惑していた。
「え? 何言ってんの、ルイズ」
きょとんとした顔で近づくシュレディンガーにルイズが杖を抜く。
「近寄らないで!
 猫耳の…亜人? 何者なの!? あなた」
「え~? 冗談にしてもソレは無いんじゃないの~?
 自分の使い魔に向かってさー」
「私の使い魔? 冗談はやめて。
 私の使い魔はサイト一人よ」
「サイト?」
「そうよ、ヒラガ・サイト。
 もしかして、さっきすれ違った私そっくりな女もあなたの仲間?
 何を企んでるか知らないけど、正直に言った方が身のためよ!」
杖を突きつけるルイズにシュレディンガーは首をかしげる。
「アレー? コレってもしかして、、、」

  。。
 ゚○゚


「はあ? パラ、何?」
シュレディンガーの説明に杖を突きつけたままルイズが問い返す。
「だーかーら、パラレルワールド。
 どうも話を聞いてるとルイズが使い魔召喚した時の分岐なのかな?
 つまり僕ともうひとりのルイズは、こっちとは別の世界から来たの。
 その、ヒラガ・サイト?を呼んだんじゃなくて、僕を呼んだ世界から」
「そんなの信じられるわけ無いでしょ!」

「うん、言ってる僕も半信半疑。 でもそうとしか考えらんないしなー。
 あ、じゃあ、使い魔じゃ無いと知らないような事いったら信じる?
 えーとねー、ルイズは夜寝てる時にー、よく 【自主検閲】 する、とか」
「はああ!? ななな何言ってんのよアンタ!!」
「あとはねー、 【自主検閲】 にホクロが二つ並んでる、とかー。
  【自主検閲】 が結構好き、とか?」
「ななななな何でアンタがそんな事知ってんのよ!?
 ササ、サイトにも秘密にしてるのに!!」
「信じた?」
「ししし信じるも何も」
「んー、じゃあ!」

顔を真っ赤にしてうろたえるルイズに飛びつき、キスをする。

==============================

「おお~? 『跳べ』た!」
学院を遥かに見下ろす雲の上で、ルイズは逆さまになりながら絶叫した。
「きゃぁああああぁぁぁ~~~~っっ??!!」
その横でシュレディンガーが笑う。
「あはは、新鮮新鮮」


==============================


「まあとりあえず、あなたの話は信じるわ」
学院の屋根の上。 夕日を眺めながらルイズはため息をつく。
「もし私に何か危害を加えようって言うんだったら、
 今の力で何処でも好きな所にさらっていけた筈だし」
「ありがと。
 でも魔法って不思議だねー。
 別の世界のルイズだから契約も別なのかと思ったけど」
そう言いながら手袋を外して右手のルーンを眺める。

「あら、あなたのルーンって右手なの?
 文字も違うみたいだし」
「うん。 ぶぃ、ヴィンダールヴって言ったかな?
 サイトは違うの?」
「サイトは左手よ、ガンダールヴなの。
 どんな武器も使いこなせちゃうのよ! 凄いでしょ。
 その力で何度も私を助けてくれたの」
ニコニコと自分の使い魔のことを語る。

「ふーん、サイトの事好きなんだ? ルイズ」
「ななな何言ってんのよあんなヤツ!
 あああ、あれは単なる私の使い魔であって、すす、好きとか!」
くすくすとシュレディンガーが笑う。
「ふふ、良かった。
 こっちの世界でもルイズが使い魔と仲良しで」
「そそそうね、まあ、仲は、悪くは、無いわね…
 あなたの世界はどうなのよ?」
「もちろん仲良し!」

夕日を浴びてゆっくりと伸びをする。
「色々あったけどね。
 ここは平和そうで良かった」
「こっちの世界も色々あったわよ。
 アルビオンのウェールズ皇太子が無くなったり、
 ワルドが裏切り者だったり、
 レコン・キスタが攻めてきたり…
 言っとくけど今だって戦時下なのよ?
 そっちは? 平和?」
「僕らの世界も似たようなもんかなー。
 さて」

立ち上がったシュレディンガーの右手がルイズの目にとまる。
「シュレディンガー? それ…」
「ん?」
右手のルーンがパチパチと静かに放電し、その指先は透けていた。
「何それ……、それもあなたの力なの?」
「いや、、、これは、、」
その時、階下からの悲鳴が二人に届いた。
「この声って……、キュルケ!?」

==============================

「どうしたの? キュルケ!」
キュルケの部屋に飛び込んだ二人が目にしたのは、
慌てふためくキュルケと、二本足で立ち上がったサラマンダーだった。
「フフ、フレイムがいきなり…」
『まあま、驚かんとここへ座んなさいな、キュルケ様』
トカゲの口で流暢にしゃべりながらフレイムがぺたぺたと器用に歩く。
『前々から言いたかったんよ、キュルケ様。
 あんたさんには貞操観念っちゅうもんが無さ過ぎる』

「こっちの世界の使い魔ってみんなこうなの?」
たずねるシュレディンガーへ、ルイズは無言でかぶりを振る。
「ななな…」
キュルケがあわあわと声をあげた時、シュレディンガーの右手が
再びパリパリと放電し光を放った。


「きゃ~~っ!」
廊下の向こうで次々と悲鳴が響く。
「わ、私のロビンがー!?」
『ソバカス、縦ロールと揃って、なぜメガネをかけんのだ!!』

「ど、どうしたんだいヴェルダンデ!?」
『宝石うめえ』

「ぎゃー、ぼ、僕のクヴァーシルがー!」
『お前洗ってない犬の臭いがすんだよ』

『た、大変なのねお姉さま!
 使い魔のみんなが人間の言葉を喋っているのね!?』
「わあたいへん、しるふぃーどまでしゃべってるー」


「な、何コレ? 何が起こってるの!?」
巻き起こる悲鳴と怒号にルイズまでもおろおろと周りを見回す。
「コレって、、、」
シュレディンガーが自分の右手で放電を続けるルーンを見つめる。
「暴走、してるんだ、、、」
よく見ると、指先どころか手首の先まで透けて見えてきている。
「うわっ、どんどん透けてきてるや。
 コレってやっぱりアレだよねー、
 パラレルもののSFなんかによくあるやつ」
自分の手を眺めながらシュレディンガーが苦笑いする。

「いたぁ!! シュレ~っ!!!」
聞き覚えのある叫び声が廊下を突進してくる。
「ななな何か変よシュレ!
 タバサはヘンな本読んでないし、
 ギーシュがモンモランシーの尻に敷かれてるし、
 変な服着た男が私の使い魔だって言い張るし!!」
「嫌だ、シュレディンガー。
 あなたの世界の私って、こんなにやかましいの?」
怪訝そうな顔をしながらルイズがルイズをにらむ。
「え? あ? わ、私がいる!?
 なな、、何よコレ!! どどどどーいう、、、」
後からルイズを追いかけてきたパーカー姿の少年が叫ぶ。
「な、何だよこれ? ルイズが二人!?」
「ああもう、うるさーい!!」
パニックを起こすルイズ達をルイズが怒鳴りつけた。

  。。
 ゚○゚


「はあ? パラ、何?」
シュレディンガーの説明に頭から?マークを出してルイズが問い返す。
「だーかーら、パラレルワールド。
 ルイズ、あ、僕の世界のルイズの方ね。
 えーとえーと、あ、この前『ザ・ワン』観てたでしょ」
「ジェット・リー!! ニーハオ!」
「そうそれ!
 つまりあれとおんなじって事。
 この世界は僕たちの世界と似てるけどちょっと違う世界。
 多分ルイズが使い魔召喚をした所が分岐点になってて、
 サイトが呼ばれたのがこっちの世界、
 僕が呼ばれたのが僕らの世界なんだ、きっと」
(まあそれにしちゃ色々違うみたいだけど、、、)
それに関しては混乱を避けるため、あえて口にしない。

キュルケがこめかみを揉みながら顔をしかめる。
「何となくは判ったけど。 判んないけど判ったって事で。
 で、使い魔たちが喋りだしたのはどういう事なの?」
「それは、このルーンが暴走してるんだと思う」
「シュレ、その手!?」
シュレディンガーが差し出した右腕はすでにひじの辺りまでが
透き通っており、手の甲があったと思われる空間に
ルーンだけが放電しながら浮かんでいた。

「何ソレ!? 大丈夫なのシュレ!」
「そー言うルイズだって、ほら」
シュレディンガーに釣られて皆が足元に目をやる。
シュレディンガーの世界のルイズだけ、すねから下が透けていた。
「ちょ! な! 何よコレ!!」
「多分この世界が、僕らを『無かったこと』にしようとしてるんだ」
「無かった事ぉ!?」
「そう。
 この世界に来てすぐ、僕はこのルーンに関わる力の使い方をした。
 こっちの世界のルイズと『跳んだ』んだ」
「はぁ? 何やってんのよシュレ!」
「んでー、力は上手く働いたんだけど、それで混乱が発生したんだろーね。
 多分この世界のどこかにもヴィンダールヴはいるはずでしょ?
 でも僕がこのルーンを介した力の使い方をしちゃったから、
 この世界にヴィンダールヴが二人いることになっちゃった。
 で、こっちの世界のルイズにも僕の力をつかっちゃったから、
 ヴィンダールヴを使い魔に持つルイズも二人いることになっちゃった。
 結果、ヴィンダールヴの力は暴走。
 困っちゃった『この世界』は一個しかないはずなのに二個になっちゃった
 ものの内、 後から来た方を『無かった事』にしようとしてるんだ、多分」
「そそそ、それってつまり、、、」
「そ。 僕とルイズ」

「ななな何やっちゃってくれてんのよ!!
 マズいわヤバいわジョーダンじゃないわ!
 それってつまりどうなんのよ!?」
「もう少しするとこの世界は綺麗さっぱり元通り」
「私たちは!?」
「ここには居られないからどこでも無い場所に行く」
「げ。 それってさっきの」
「『虚無の地平』」
「どどどどーすんのよ!
 あんな所にまた行くなんて真っ平よ!」
「簡単簡単。
 僕らが元の世界に帰れば良いだけだよ」
「あーそっか、そりゃそうね。
 そういうことは早く言いなさいよ」
シュレディンガーの世界のルイズが安堵のため息をつく。

  。。
 ゚○゚


「ふう。 せっかく会えたのに残念だけど……、
 引き止める訳にも、また会いましょうって訳にもいかなそうね」
サイトの横でこちらの世界のルイズが寂しげに微笑む。
「うん。 でもありがと、ルイズ。
 サイトとお幸せにねー」
「ななな何言ってんのよシュレディンガー!
 ここここのバカ犬はただの使い魔で…!」
「あははっ。
 そんじゃ、バイバーイ」
見送る皆に手を振ると、シュレディンガーは自分の主人に口付けた。


==============================


目の前に見慣れた自室の光景が戻る。
「ぶはぁ~」
ルイズはため息をつきながら自分のベッドに倒れこんだ。
「ありゃー、もうすっかり日が暮れてるねー。
 うわ、外見てルイズ。 すっごい霧!」
「何か判んないけど疲れ果てたわ。
 そーいや向こうの私と随分仲よさげだったわね」
「えー何?
 自分自身に嫉妬ってちょっとナルシストなんじゃなーい?」
「なーに言っちゃってんのよこのバカ猫。
 さ、お風呂でも、、、」
廊下へのドアを開けたルイズが固まる。

「、、、あ、あんた、、誰?」
「アナタノ使イ魔DEATH」
ルイズの目の前には筋骨隆々の大男が立っていた。
手には血まみれの大鉈、下半身には黒ずんだ皮製の腰巻、
肩の上には頭の代わりに真っ赤で巨大な鋼鉄製の三角錐が乗っている。
その後ろにはマネキンのような質感の顔の無いナース達が並び、
血だまりの上で暗黒舞踏を舞い踊る。

突然大音量のサイレンが鳴り響き、壁がめりめりと燃え散って
その中から赤さびた鉄骨の骨組みが顔を出す。
いつの間にかテーブルに置かれたラジオはガリガリとノイズを撒き散らし、
建物のあちこちから悲鳴と絶叫と断末魔と狂ったような笑い声が響く。
大男が部屋の中に入ってこようとして頭をぶつけた。
ごきん 「ア痛」

「ちょ、ルルル、ルイズ!?」
「ここ違う! ここも違う!! ここでもナーイ!!!」

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目の前に見慣れた自室の光景が戻る。
「ぶはぁ~」
ルイズはため息をつきながら自分のベッドに倒れこもうとして止めた。
ベッドの上に緑色にぬらぬらと輝くご立派なモノが反り返っていたからだ。
「おおルイズ、戻ったか」

「ギャーッ、ルイズの使い魔がご立派様にー!!」「シバブー!」
「つつつ次いくわよシュレ!!」
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「ギャーッ、右手がドリルのゴーレムがー!!」「ウミウシ超好き」
「次! 次ッ!!」
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「ギャーッ、オブリ門からデイドラ王子が次々と!!」「バイアズーラ!」
「何処だここー!!」
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「ギャーッ、ルイズのコスが真っ黒な蜘蛛スーツに!!」「G○FTだけはガチ」
「お前誰だー!!」
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「ギャーッ、ルイズの使い魔が黒塗りのトランザムにー!!」「やあマイケル」
「シエスタがエロいー!!」
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「ギァワーッ!」
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「ムホー!」
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「え?」「あ?」
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「お?」
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「」
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目の前に見慣れた自室の光景が戻る。
「ぶはぁーっ! ぶはぁーっ!」
ルイズは息を切らしながらも警戒しつつ辺りを見回す。
「こ、こぉ、今度はどうよ?」

ドアノブが回りびくりと固まる二人の前に、赤いベビードール姿の
キュルケが顔を出す。
「なーにやってんのよルイズ、ドタバタと。
 あらシュレちゃんもおかえり。 今日はもう終わり?」
「やたっ! ルイズ! やっと戻ってこれたみたい!」
「いや、シュレ。 喜ぶのはまだ早いわ。
 念には念をよ」
ルイズがブラウスのボタンをプチプチと外し、
シャツをたくし上げて薄い胸を露わにする。
「ほっ!」
「ル、ルイズ!?
 やっと覚悟を決めてくれたのねっ!!」
「イルアースデルッ!」

「うう、酷いわルイズ、、、 乙女心をもてあそぶなんて」
ドリフの爆発ヘアーになったキュルケが床の上で涙に暮れる。
「アンタのは乙女心じゃなくて漢女心でしょ」
冷たく言い放つとルイズはそのままベッドに倒れこむ。
「はぁ~、もうクタクタだわ。
 お風呂も明日でいいわ。 寝る! お休み!」
そのまま寝息を立て始めたルイズを見ながら、
キュルケとシュレディンガーは困り顔で微笑みあった。

  。。
 ゚○゚


「、、、遅いな、ルイズ、、、」
広場に立ち尽くすワルドの抱えた花束を、夜風が散らした。




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