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ツガイノツカイマ-後編

奇跡、と呼ぶには残酷すぎる偶然が起こった。

場所が森の中であったために、シャルロットの体は、幾重にも太い枝に叩き付けられながら、
勢いを減じた後に地上へと落ちたのだ。

全身を激痛に焼かれ、避けられぬ死を間近にしながら、それでもまだ、シャルロットはかろうじて息をしていた。

(お母様……、イザベラ……)

大きく息を吐こうとした瞬間、血泡がごぼりと肺腑より溢れる。
携わってきた裏稼業の長さゆえに、シャルロットは自らを苛む死の気配を、どこか冷静に省みていた。
しばしの間、シャルロットは敵の陰謀と、残していく家族への憂いに心を傾けていたが、
やがて、意識の混濁と共に、とりとめの無い思いが奔流のように胸を衝いて溢れ出した。

戻ることの無い、ヴェルサルティルでの輝ける日々。
敬愛する父、優しい母親。
実の姉妹のように、仲の良かった従姉。
おせっかいで奔放で、何度も自分を助けてくれた、憧れの友人。

そして、大好きだった男の子……。

シャルロットの歩んだ十六年の日々が、次々と胸中に溢れ返り、感情の追いつく間もなく消え去っていく。
やがて、想いが虚無の彼方に霧散し、刻が現在へと還る。
シャルロットの胸中に最後まで残ったものは、ただ一つであった。

「シル…… フィ……」

仰向けに虚空を見上げる少女の視界に、悲しげな瞳を向ける【彼女】の顔が逆さまに映る。
自然、双眸より涙が溢れる。
傷を負い、血にまみれ、幾重にも羽の千切れた翼を広げ、それでもやはり【彼女】は美しかった。

「いいの……、これで、あなた、は……」

シャルロットの中に、その心をざわめかせる蔭りは、既に、無い。
ゆっくりと拘泥していく意識とは対照的に、東の地平より溢れた光が、夜のヴェールをゆっくりと剥ぎ取っていく。

「あ……、ああ……!」

感嘆の声が思わず洩れる。
シャルロットが最後に目にしたものは、ようやく白みがかり始めたガリアの空。
いつかの日に、シルフィードの背で吹き抜ける風を受けた、どこまでも自由な空だった。

「つぎ、は…… わたし も……」

最後の声は言葉にはならず、やがてシャルロットは、ゆっくりとその瞼を……。



……

………。

――だいじょうぶ。

(…………えっ?)

ことり、と胸に染み入る声に、閉ざしかけた瞼を僅かに押し開く。
うすぼんやりとした輪郭の中、シャルロットはその奇妙な光景を、他人事のように茫然と見つめていた。

曖昧な少女の眼前で、シルフィードはおもむろに、自慢の鉤爪を口許に運ぶと、がぶりと牙を立てた。
爪先より零れおちる濃厚な赤が、少女の頬をはたと染める。

――にんげん、好き。

胸元を温ませる穏やかな声が何を意味するものなのか、今のシャルロットには理解できない。
ただ、その調べは少女の許に心地よい安心感をもたらした。

――好きだから、いっしょがいい。

自らの血液を十分に含むと、シルフィードはおもむろに頭を垂れ、その口許を、少女の小さな唇へと寄せた。
少女がまだタバサであった頃、初めて出会った【彼女】に対してそうしたように。

――これからはもう、ずっといっしょ、死ぬまで。

(…………)

その日、余人の目の届かぬ、底深い森の中で――

【彼女】達は、二度目の契約を行った……。



鏡に映る簡素なドレス姿を前に、ガリア女王、シャルロット・エレーヌ・オレルアンは、
その日何度目かとなる深いため息をついていたた。

胸元に聖具の模様が刻まれただけの、白一色の簡素な出で立ちは、彼女の信条を端的に表明するためのものだ。
数刻後、彼女はこの修道女のような姿で、居並ぶ諸侯、名士たちの中央へと進み。
ロマリア連合皇国の推し進める【聖戦】への全面協力を宣言する手筈となっていた。

ハルケギニア随一の大国・ガリアと、ブリミル信仰の総本山・ロマリアが手を結び、
尋常ならざる実力を持つエルフを相手に、空前の軍事行動を起こす――。
その行為がもたらすものを、彼女は今日この日まで、出来る限り考えぬように過ごしてきていた。

(こんな時、お兄様が傍に居てくれたなら……)

ふっ、と脳裏に浮かんだ弱音を、かぶりを振って隅へと追いやる。
彼女を静謐な牢獄より解き放ち、広大な世界へと導いたオッドアイの青年の姿は、そこにはない。
彼は数日前、二人のシャルロットの交代を主導した後、ガリアの地より姿を消していた。

あの日の一連の陰謀劇に、目撃者はいない。
それどころか、事の真相を知る数名を除けば、少女の真贋を疑う者すらいないであろう。
本来ならば事実が明るみになる確率など、限りなくゼロに等しいのだが、
それでも、あらゆる可能性を摘み取っておくのがロマリア流である。
事件の実行犯であるジュリオが、各国の名士の集う公式の舞台に、のこのこと顔を出せる筈も無かった。

(駄目、こんな風に弱気になっては)

きっ、とシャルロットが顔を上げる。
彼女がかつて、ジョゼットと呼ばれていた時に抱いていた、確かな想い。
宝物のように大切な感情を信じ、守り通して生きていこうと、彼女は心に決めていたのだ。

そのために、血を分けた実の姉が身代りに押し込められていくのを、彼女はただ無言で見送った。
たとえ彼女の想いのために、犠牲となる者の数が数万倍になろうとも、
今さらそれをためらうような、偽善者の真似だけはしたくはなかった。

「そろそろ準備の方をなさって下さい、シャルロット女王陛下」

扉の外より響く、共犯者・バリベリニ卿の声に、シャルロットが音も無く立ち上がる。
鏡に映る青い瞳には、既に何の迷いも無かった。



「ガリア王国を統べる女王として、皆様がたに宣言すべき儀があります」

式典の慣例を打ち破る異例の言葉に、諸侯の内よりざわめきが漏れる。
壇上に屹立した新女王・シャルロットは、すっ、と右手を挙げ、
新王宮の前庭に静寂が戻るのを待った後、ゆっくりと口を開いた。

「我らガリア王国は、神と始祖ブリミルの良き僕として、ロマリア連合皇国の主導する【聖戦】に、全面的に協力いたします」

即位の挨拶もそこそこに放たれた、新女王の度肝を抜く宣言が、居並ぶ諸侯に衝撃をもたらす。
もっとも、ロマリアの存在がなければ、頭上に冠を戴く事も無かった新女王の事である。
その若さもあり、初めから彼女がロマリアの傀儡なのではないか、という噂は、少なからず囁かれていた。
祝賀の場に満ちたざわめきは、むしろ「やはり……」という諦観の色の方が濃いようであった。

「――広大なるハルケギニアの台地に、始祖ブリミルの……」

――その時であった。

不意に眼前に舞い落ちてきたひとひらの羽根に、淀みなく続いてきたシャルロットの演説が止まる。
何の気なしに上空を見上げた瞬間、彼女の心臓がどくりとうねり、その表情が愕然と氷づいた。

観衆のひとりが思わずあっ、と声を上げ、たちまち庭中にざわめきが溢れ出す。
彼らが目にしたものは、この場にふさわしからぬ容姿で悠然と天を駆る、二頭の獣であった。

特に人目を引いたのは、成竜をも凌ぐ体格を有した、半人半鷲のキメラである。
美しくしなやかな女性の裸身と、荒々しく翼を広げた猛禽のギャップが、作為めいた意思の存在を思わせる。
一方で、そこかしこに負った無数の爪痕が、【彼女】の持つ野生の風格を際立たせるかのようであった。

だが、人々を一層驚かせたのは、成人にも満たぬ体長の、小柄な片割れの方であった。
大柄な獣の艶やかな黒に対して、【彼】の毛並みは、蒼天に溶け込むかのような鮮やかな青。
白磁のように白く滑らかな肌、ほっそりとした両腕からアンバランスに伸びる鉤爪。
そして何より目を見張るのは、可憐さの中に凛々しさの同居した端正な面立ち。
さらさらと風に流れる青色の髪、額より出来物のように膨らんだ小さな角、そして……。

「お姉…… さ ま……?」

呆然と天空を見上げる少女の瞳と、地上を睥睨する【彼】の瞳、四つの青が中空で交錯する。

「タバサッ!?」

呆然とする女王の呟きを遮り、観衆の中より悲痛な叫び声が上がる。
声の主はゲルマニアの名門・ツェルプストー家のキュルケであった。
大空に煌く青色の獣を見た瞬間、まるで堰を切ったかのように、彼女の口から想いが喉を突いて飛び出していたのだ。

理論的に考えるならば、彼女の叫びは正しいものではない筈だ。
【タバサ】の名は、眼前にいるガリアの女王、シャルロットが名乗っていたものである。
壇上の少女は学生時代のそれと寸分違わぬ容姿をしていたし、
厳重なるディテクト・マジックの審判により、彼女がシャルロット本人である事は明白であった。
だがこの時、タバサの親友として長い時を共有してきた彼女には、直感的に分かってしまったのだ。
記憶に残る姿よりも、幾分逞しさを増した【彼】こそが、本物のタバサであるという事を。


「お、おお……!」

それまで壇上の隅で、影法師のように気配を殺していたオレルアン夫人が、幽鬼のようによろよろと歩みだし、
傍らにいた新宰相・バルベルニ卿の襟元に、はっしともたれかかった。

「バ、バリベリニ卿、あ、あなた方は、何と言う事を……」

「お、お気を確かになされよ、大后陛下!
 あのようなあやかしに騙されてはなりませぬ」

「お黙りなさい! ロマリアはあの子に……、私の娘に何をしたのです!?」

「くっ、衛兵! 奥方様が動揺なされておる! 安全な場所へお連れせよ!」

拘束を拒む大后の金切り声が響き渡り、人々のどよめきがいよいよ混乱を極めていく。
だが、バリベリニもまたロマリア皇国の秘事を託された切れ者である。
予期せぬ波乱を前に、すぐさま即興の歌を演じ始めた。

「ええい! 何をしておるか?
 衛兵、早くあの二頭を撃ち殺すのだ!」

「し、しかしッ! あの獣のお姿は……」

「分からぬか! あれなるは陛下の即位を嘲笑い、神聖な式典を踏みにじらんとする不埒な者共の陰謀だ!
 これ以上彼奴らの手によって、陛下の晴れの舞台を汚されてはならぬ!」

主人と同じ顔の獣を殺せという非常な指令に、屈強で鳴らした正規兵達も思わず鼻白む。
だが、状況を鑑みれば、バリベリニの言葉は正論に思えたし、何よりそこは主の御前であった。
ヒッ、と貴族の一人が悲鳴を挙げる中、一列に並んだ衛兵たちが、上空へと銃口を向ける。

――と、

「おやめなさい!」

という、鋭い怒声が後方より上がり、その場の殺気がびくりと殺がれる。
やがて、悠然とした足並みで群集を二つに割って、声の主が壇上へと姿を見せた。

「こ、これは、イザベラ様……」

「神聖なる式典を血で汚すおつもりですか、バリベリニ殿?」

シャルロットの従姉妹であり、かつては大国ガリアの暗部を担う【北花壇騎士団】の団長を務めた異形の王族・イザベラ。
慮外の人物の登場に面喰いながらも、バリベルニが慇懃に反発を試みる。

「これは異な事を……。
 あの二頭の合成獣が、陛下に仇なす者たちによって生み出された事は明白ではありませぬか?
 あれをこのまま放置しては、大国ガリアの威信は……」

「――ここに来て日の浅い卿は存じぬ事でしょうが、あれなるは陛下の使い魔のシルフィードです」

バリベリニの事など眼中に無いと言った風に、イザベラが視線をシャルロットへと向ける。


「使い魔は主人を慕うもの。
 なればこそ、シルフィードは陛下と似た同属を選び、つがいとしたのでございましょう」

「…………」

「その使い魔のパートナーを撃ち殺すなど、生木を裂くようなもの。
 それこそ陛下の威光に唾を吐く仕儀ではありませぬか?」

理路整然とした彼女の言葉、だが、穏やかな口調とは裏腹に、
やくざ者のような凄みに満ちた眼光が、若き女王を捉える。

(この女は、気付いているんだ……!)

シャルロットの背筋に悪寒が走る。
突如として政策を一変させた女王、その女王に瓜二つの獣、そして、彼女を良く知る者たちが見せた動揺……。
一つ一つは単なる状況証拠であっても、それらが同時に曝されてしまえば、分かる者には分かる。
彼女は全てを知った上で、従姉妹の命を救うべく、偽の女王を恫喝しているのだ。

「そうだタバサ! あれはシルフィードだ!」

周囲の沈黙を打ち破り、階下より少年の声が響く。

「覚えているだろう、タバサ!
 お前はアイツの事を、本当の姉妹みたいに大切に想っていたじゃないか!?
 新女王だか何だか知らないけど、アイツが悲しむような事をするなッ!」

「…………」

周りの制止を振り切って喚き散らす少年の名前を、シャルロットは知らない。
話の内容から察するに【彼】が通っていた学院の生徒、と言った所であろう。
眼前の容易ならざる従姉妹とは異なり、支離滅裂で、駆け引きの欠片も無い少年の叫びは、
それゆえに一層深く、彼女の心を抉った。

静かに頭を垂れ、シャルロットが瞑目する。
彼女の唯一の望みは、愛するジュリオの望みが叶う事、つまりは聖戦の成就である。
その想いのためであったら、何だって出来ると誓った彼女であった。
障害となる敵は、全力で排除せねばならない。
彼女がこの場で言わねばならない言葉は、ただ一つであった。

やがて、シャルロットきっ、と顔を上げ、居並ぶ群集に向かい、高らかと宣言した。

「あの二頭に危害を加える事、まかりなりません!」

新女王の澄み切った声に、おお、と人々が声を上げる。
それぞれの思惑がそこかしこに零れ落ちるが、大抵はその声の中に、安堵の色が混ざっているようであった。


(結局、私はあの人には勝てなかったのだ……)

深い諦念と共に、シャルロットが上空の【彼】を見つめる。

たった一度きり、顔を合わせただけの姉。
家族、才能、世界――、まったく同じ血、同じ容姿でありながら、彼女の欲しかった物を全て有していた姉。
想いを叶える為に、それらの全てを奪い去り、犠牲に捧げた筈の姉……。

けれど、それでも尚【彼】は、少女が本当に欲しかった物を抱き、悠然と空を往くではないか。

全ては彼の為に、というシャルロットの献身は、
その実、彼女のちっぽけなプライドを守るための悪足掻きに過ぎない。
だが、彼らは違う。
赤毛の少女も、黒髪の少年も、青髪の従姉妹も、ただ純粋に【彼】を守るために動いたのだ。
彼らの正しさを前にして、下らない意地を守り通せる筈も無かった。

ともあれ、この一存によって、敬虔なるブリミル信徒の放った、深慮遠謀の一角は崩れた。
現在、長い政局の混乱を乗り越えたガリアにあって、オレルアンの一門に取って代われる貴族はいない。
『現女王は偽者かもしれない』などと言う曖昧な大義によって叛旗を翻す愚か者は、居並ぶ諸侯の中には存在しないであろう。
だが少なくとも、若き女王が強権を振りかざし、大規模な軍事行動を起こすことは、既に不可能となっていた。


―― く る る る る る る ぅ


そんな地上の喧騒を意にも介さず【彼】が剣呑に喉を鳴らす。
【彼】が公の場に姿を現したのは、ガリアの未来の為でもなければ、ロマリアへの恨みの為でもない。
人の世とは異なり、彼らの住む世界は、そんなに複雑には作られていないのだ。

【彼】はただ、ようやく自由になった自分の姿を、大切な人たちに自慢するために現れたのだ。
初めて魔法を成功させた幼子が、最愛の家族に対してそうするように。


―― く る る る る る る ぅ


陽気に嘶き翼を広げ、天空で鮮やかにチークを舞う。
くるくると地上を見渡し、かつてタバサであった時に出会った大切であった人たち、その一人ひとりに感謝を捧げる。

誰よりも心優しく、自分を包んでくれた母親に。
幼い頃、姉のように慕っていた、大切な従姉妹に。
幾度と無く魂の孤独を救ってくれた、憧れの友人に。

――そして、大好きだった男の子に……。


「エレーヌ……」

まるで憑き物が落ちたかのように、オレルアン夫人が力無く天を仰ぐ。
傍らに寄り添ったイザベラも、寂しげな瞳で静かに頷く。
あんな風に笑う【彼】の姿を見るのは、何時以来の事であっただろうか……。



「……くっ、ふふ、ふはははっ!」

突如、弾かれたかのようにからからと笑い出した赤毛の少女に、周囲の者がぎょっ、と目を剥く。
彼女がどれほど親友を大切にしていたか、居合わせた学友たちは知っていた。
我が目を疑うような光景に、彼女もまた、壊れてしまったかのように見えた。
だが、そんな周りの心配を他所に、キュルケは心底おかしくてたまらないと言った風に、目尻の涙を拭った。

「あ~ぁ、結局おいしい所は、シルフィードに全部取られちゃったわね。
 仕方ないか、あの子は初めて出会った時から【彼女】にぞっこんだったものね……」



(綺麗……)

見上げるシャルロットの双眸から、自然、涙が零れ落ちる。
シンプルなものは、ただそこに在るだけで美しく、見る者の心を打つ。
彼らのように美しく生きるには、人の世は、そして少女の世界は、あまりに多くのしがらみで溢れ返っていた。
胸をざわめかせる想いが、嫉妬なのか、憧れなのか、今のシャルロットには判断がつかなかった。

「どうかお幸せに、お姉さま……」

寄り添うように東の空へと消えていく二頭の獣に、少女はそっと、場違いな祝辞を送った……。



かつて、まだタバサであった頃の少女と出会う前、
【彼女】は元いた世界で、ただ【竜】とのみ呼ばれていた。

彼女たち【竜】は種族的な特徴として、惚れっぽくて一途な性格で知られていた。
好奇心旺盛で何にでも興味を示す反面、一度組んだつがいを変えることは殆ど無い。

元来、成竜まで育つ事自体がまれな種である。
その性格ゆえ繁殖の機会を逃しやすく、自然、個体数は極めて少なかった。

そんな彼女たちが、神代の時代より生き延びてこられた秘密は、内在する血の力にある。

【竜】の血液は、口にした者の肉体を同属へと変貌させるのだ。
非常に惚れっぽい性格のため、大抵の【竜】が、この方法でパートナーを得る。

そういう意味では、【彼女】に施された使い魔の契約はきっかけに過ぎず、
その本質を、何ら歪めるものでは無かったと言えよう。

【彼女】に見出された【彼】もまた、数年の後には、伴侶にふさわしい体格を有した【竜】となる事であろう……。

ともあれ、彼女たちが人々の前から姿を消した事により、物語はこれで幕を閉じる。

動乱の時代を迎えたハルケギニアでは、今後も様々な人間たちが、無数のドラマを織り成していく事となるであろうが、
それはもう、彼女たちとは何ら関係の無い世界の出来事なのだから……。



―― 一般に、【竜】の寿命は。おおよそ三百年……。





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