あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

秋山異世界物語 天気晴朗ナレドモ風強シ(仮)-04


「……ごほっ」

突然だが、秋山(真之)が倒れていた。
理由は、深夜コルベールと語らい合いが勢いを増し。
酒にまで手を付ける事になり、泥酔してる所をルイズがコルベールの研究所にまで来て、発見。

素敵な衣装を着けている、とても着飾ったのだろう。

素敵な衣装を着てる少女は、とても顔が赤い、酔っているのか、否。
怒っていた、いや、この表現だけでは生温い。
とにかくすぐさま秋山の襟を掴むと、少女とは思えない腕力を発揮、頭から叩き付けた。
酔ってる事もあり、痛みは少なかったが、気絶した。
むしろ気絶したから痛みが無いのだろう。
その秋山が頭から叩きつけられた時の音により、コルベールまで。

「おや、ミス・ヴァリエールじゃないか、何をしてるのだね?」
「それは――」

コルベールは、酔いが醒めた。

「……すいませんでした」
「説明の手間をはぶかさせていただき、ありがとうございます」

血管を浮かべながら笑顔を作った。

「とにかく、こいつは回収します」
「わ、分かった、借りてすみませんでした」

襟を掴んでどかどかと、一々足音を鳴らして出て行った。

「……おぉ、こうしてる場合じゃない……アキヤマ君のおかげで、こいつらの手がかりを見つけたぞ……とはいえ、金が無いか、どうしたものか」

酔いが醒めたコルベールは、紙上に書かれている、一つの船に、手を加えていった。


夜が明けた。
昨日何事も無かったかのように、朝起きた秋山は後頭部に少し痛みを感じていた。
原因を脳内で探ってみた、コルベールって人に捕まって、話してみれば、良い人で、キーパーソンだと思っていたら。

「……思いだせん」

とにかく主人を起こさないと、彼の仕事はこれから始まる。
ゆさゆさと体を揺さぶり、起こす。
体を起こして、秋山の方を見やると、顔面パンチを浴びせた。

「何をするんじゃ!」
「昨日の貴方に聞きなさい」
「知ら――」

秋山の顎にパンチ。
こいつは私の顔に泥を塗るような大罪を犯したのだ、そう日が立って許せる物ではない。という事。
とにかく秋山は気絶。
ルイズはその秋山をそのままにして、授業を受ける仕度をしていった。

が、意外と浅かったのか、ルイズが出てってすぐ起き上がる事が出来た。

「……思い出した、じゃが。なんであそこまでおこるんじゃ?」

と腹で考えてはみたが、逆におなかが減ったので、とにかくふらつく事にした。
中庭とかで粟とか見つける気で、ルイズの部屋から出て行った。
が、粟なんかよりもっといい食物が、この後現れるのである。

「ん、おぬしは……」
「あっ――」
「あぁ、メイドの――」
「シエスタです!アキヤマさん!どうしてここにいるんですか!」
「ん、あぁ腹が減ってな」
「なら、こっちにいらっしゃってください!!」

何時の日かフレイムに裾を引っ張られていった時を思い出した。

「おぉ、シエスタ、どうした息巻いて……って貴方は、まさか!!」
「はい!マルトーさん、彼がアキヤマですよ!!」
「貴族に勝ったって言う、アキヤマか!?」
「はい、おなかが空いたというので、つれてきました!」
「でかした、おい手前ら、アキヤマさんが来てくれたぞ!すぐさま絶品料理を作らねえか!」

その太った親父から発せられた声がキッチンをつつむと、周りのコックがそれに応答する。
全員がすぐさま、仕度に入り、調理に入った。
シエスタに誘導されて、テーブルのある椅子にすわった。

「おぉ、おぉ、なんぞな」
「いいから座ってください!」
「あし何かしたか?」
「そりゃ、すげぇ事したさ!貴族に勝ったんだぜ?魔法使う奴に真正面から、武器も無くてよ!」
「そんなに凄い事なのか?」
「おいおいおいおい、聞いたか野郎共、こいつが本当の武人だぜ、武人は誇らない!」

「武人は誇らない!」コック達全員が復唱。

「本当に、あの時は逃げてすいません、でもアキヤマさんのおかげで希望が生まれました!人って何でもできるんですね!」

こう語っていく内に、大変な量の料理が並べられていく。

「待て、待て。こんなに食べ切れん」
「でもよ、俺等はこの日を待ってたんだ、精一杯作らせてくれよ」
「毎日通うから、その日その日の分に分けて作ってくれんか?」
「……アキヤマがそういうならしかたねぇな。シエスタ、最後に奥から取っておきの酒取り出して来い!」

「はい!」そういうとシエスタは奥の酒蔵庫に行き、すぐさま酒を持ってきた。
そして手際良く酒をついでいく。

「いただきます」
「ん、どんどん食ってくれよ!」
「うむ、ほんに旨いのしー!!」
「そうか!そうか!どんどん食ってくれよ!!」

どんどん頬張っていくアキヤマの姿をにこやかに見守るシエスタがいた……。

そんなことがキッチンであった時、ルイズは。

「何で部屋にいないのよあの馬鹿は!!」

何故部屋に戻っているか、突然コルベールがミスターギトーの授業に乱入し、王女がこの学院に来るという報を伝えた為。
授業が中止になった、アキヤマを呼んで、そのパレードを見に行くつもりだったのだが、部屋にいない。
仕方ないので怒りながら、一人でパレードを見に行った。

「さてっと……食った食った、本当に旨かった、ありがとう」
「あぁ、それくらいに良い食いっぷりなら逆に礼を言いたい位だ」
「お、そうだ。そろそろ部屋に戻ってないと、お上に何言われるか知らん、という事で、飯は本当に旨かった、明日も来る」
「おう、またこいな!」

完全なすれ違いである、部屋に戻ってもだれもいなかった。
本当はコルベールと話していたかったが、また。「なんでいないのよ!馬鹿!」とか言われて頭を殴られたら敵わない。
という事で待機を選んだ。

部屋で戦術書を読んでいると、ドアを叩く音がした。
来客か、と。本を閉じてドアを開ける。
すると、フードを被った女性がいた。自分より5cm近くでかい。
自分が小さすぎるだけなのだが。

「あら……、間違えたかしら」
「ルイズに用でないのなら、間違いです」
「あぁ、でしたら合ってます。で、ルイズは?」
「出掛けております」
「……あなたは?」
「お上の使い魔だぞな」
「お上?」
「ルイズのことです」
「あぁ」

このどうでもいい話の展開から、ルイズが来るまでの10分間。
秋山は暇だったので自分がいた場所、自分の国はどういうところかを説明した。

「あなたの国は鉄の船が浮かぶのですか、そして工場という場所で大量の物が作る事が……へぇ――」

ガチャっと、ドアが開いた。ようやくルイズが部屋に戻ってきた。

「アキヤマ!どこに――姫様!?」
「おぉっ!ルイズ!あぁ、もう、遅いじゃないですか」
「すいません!姫様、でもこんなところになんのようで!?」
「あなたに、用があったのです」
「おぉ、姫様からの任務、例えどんな」

まるで劇の芝居を見てるようだったので、ポケットから炒り豆を取って食べていた。
が、炒り豆が無くなった。

「―――」

言葉が出ない、炒り豆が無くなった、この世界での補給を絶たれた師団みたいな、そんな感じだ。
太陽を失った地球、酸素の無い海。炒り豆の無い秋山。
こうなったら全力でこの世界から脱出しなければいけない、だが。
このハルケギニアではまだしなきゃいけない事がある。
それでも炒り豆が無いとつらい、涙が出てくる。

「……というわけなのです」
「アルビオン皇太子に送った恋文のせいで、トリステインとゲルマニアの同盟が反故にされてしまうかもしれない……それは重大事ですわ!」
「ぶはっ」

重大事ですわ!
呆れて物が言えない、いや、笑ってるせいで物が言えない。

「久しぶりに笑った」
「何笑ってるのよ、重大事じゃない!?」
「何処が」
「え?」

ルイズは、こいつは馬鹿かと、心の中で思った。
アキヤマは、こいつらは馬鹿かと、心の中で思った。

「そんな物があればよっぽどの馬鹿でない限り、燃やすじゃろう」
「……」
「それに、そんな恋文一枚で反故?ありえん、ゲルマニアの王様さんも本気で自分の事を愛しとるって勘違いでもしとるんか?相手だって理解くらいしちょるぞな」
「でも……」
「でももかかしもあるかい、その反乱勢とやらが、本気でその恋文でも探してると思ってるのか?恋文探しの軍隊なんてはずかしいじゃろ、死んだほうがマシじゃ」


「早く王宮に攻め入って、トリステインの姫の恋文を探さないと、トリステインとゲルマニアが同盟してしまう、それだけはとめたいなぁ」
上記馬鹿一号

「そ、それでももしもの事があります!」
「お主、いや、姫さんはそんな大事そうにしてる友人を戦地に向かわせる気かな?それに、もし御見さんの国と、ゲルマニアの国の同盟を阻止したいなら、そんな手紙軽々捏造できる」
「……」

ルイズが怒鳴ろうと肩をぴくぴくさせていたので、顔の前に手を出し先に抑える。

「よい、よい。もしもの事で眠れないのなら、あしだけ行く、この世界の事を良く知らんといかんからな」
「そんな、使い魔がいくのに主人がいかないなんて――」
「御見さん、年はまだ15、6だったな」
「……」
「危ないとこに行くには少し若い、足手まといになるやもしれん」

ルイズが下を向く、まだ行く気がある様子だ。

「あの、一人は危ないのでは?案内を付けます」
「貴族ならいらん、このトリステインはどうやら、秩序を取り替えんでずっと進んできたから、どうやら貝殻や藻屑が大量に付いておるようじゃ、となると基盤がそろそろがたつくだろう。
 なら、万が一かもしれんが、アルビオンの反乱勢に加担するつもりで、行く奴もおるかもしれん、世の中一寸先は闇じゃ、何が起こるかわからん。どうやら反乱勢は、貴族中心社会を作ろうとしとるみたいじゃが?」

全部コルベールとの会話で分かった事だ。
それならこの姫も分かっている、国王が亡くなり自身が象徴となってる今、忠誠など無く、いばるためだけに国にいる貴族の存在。
なんどか枢機卿に注意されている。
しかし、貴族の中にもいる、忠臣が。
ただ、姫の目には映っていないだけであった。

「でも、一人は……」
「そうよ、あんたこの世界でどうやって外で過ごすのよ」
「この世界?」
「あ……」

少しの時間も惜しい姫に、仕方なく秋山の事情を話した。

「なるほど、別世界とやらが……」
「そうです、さっき会話の中にでてきた鉄の船が水の上で浮くとか、そういうのは全部あしらの世界での事」
「信じがたいですね」
「そうでしょうな、ですがあしみたいな肌の人種はこの世界におりますかな?」
「そういえば、そうですね。気づきませんでした」

そういってくすりと笑う。
どうにもルイズが魔法を使うと、そのつど常識を吹っ飛ばして――いや、無くしてしまうのだ。
それがおかしくて笑った。

「あなたの魔法が本当の魔法ですよ、ルイズ」
「はぁ……?」
「じきに分かります」
「……?」

秋山が持ち前のせっかちを発揮して、手軽な荷物だけを風呂敷に入れてく。

「早く出発した方が良いのでしょう、案内は最近仲良くなったシエスタとかいうのと行きます。という事で呼んできます」
「え?シエスタ?誰よそれ」

聞こえているが、説明も面倒くさい、聞こえないフリをし、ドアを思いっきり開けた。
ガチャッと音がし、扉が開く、はずだったのだが、バンッと言った音が鳴り、ドサッと、次にキューと人の声が聞こえた。
この前決闘を持ち込んで負けた人、確かギーシュだ。

「何しとる」
「あ、いや。通りかかっただけ……」
「ほうか」

何事も無く、通り過ぎて行く。
が、一回だけ、片目でギーシュを覗いた。
ばれている、そりゃそうだ。
あれでばれてない方がおかしいのではないか。

「……すまない、俺も連れて行ってくれないかね!」
「来たければくればいい」

意外な返事だった、故にルイズが納得しない。

「なんでギーシュは良くて、私は駄目なのよ!」
「御見さんは死ぬ覚悟を知らん、その上姫の相談役にもなりうる位置、死なれたら姫が困るじゃろ」
「ぼ、僕は死んでも姫殿下が困らないから……と?」

肩を落とす。

「そんなことは、知らん。ただ、御見さんは何かやりそうな顔じゃ、大きな一仕事をな、だから付いて来て世間を広めても、よかろう」
「そ、そうかい?僕は何かするのかい?」
「知らんぞな、それは御見さんの仕事じゃ」

褒められたらすぐ立ち直る、なんとも単純な性格だ。

「まぁまず姫さんに挨拶してこい、あしは少し、野暮用を済ます」
「……?」

野暮用とは何なのか、気になったが、まずは姫殿下に挨拶だ。
まさかこんな間近で見る事が出来るなんて思わなかったギーシュの血圧は、いつもより高くなっている事は言うまでも無く。
そんなギーシュの様子はさて、置き。

秋山は、コルベールの研究室に行く事にした。

「コルベール殿、あしはこれからアルビオンとかいう場所に行って来る」
「えぇ?そんな突然どうして」
「まぁ、野暮用ですな、そこで、アルビオンの事を聞きたいぞな」
「あぁ、はい。アルビオンはまず島が空に浮いてます」
「聞いてはいたが、それは本当ぞな?」
「浮いてます、確実に」
「分かった、で、現在の政情は?」
「レコン・キスタとかいう反乱軍が本城に追い詰めていて、王国は瀕死寸前とかなんとか」
「うむ、うむ。兵力は?」
「王国が倒れた後、何事も無ければアルビオンには竜騎兵という空飛ぶ龍にまたがる部隊と空海軍、つまりフネに戦力が割れるでしょうな、まぁ、陸は全て傭兵ですな。
 だとしても脅威ですぞ、アルビオン艦隊は最強と言っても恥ずかしくない」
「空飛ぶ、船か、どういう形をしてるのか?」

そこらへんに散らばってる本達から一発でその本を引き出してきた事に驚いた。

「えーっと、ここらへんに……ありました、こんな感じです」

「なんじゃ」と、一言言って笑った、戦列艦そのものだった、それが浮いている。
笑うしかない、それと。
この程度の技術力なら、戦術はまだ要らない、いるのは技術力だ。

「分かった、コルベール殿、砲の研究と設計を急ぎしてくれんか」
「は、はぁ……何故ですか?」
「レコン・キスタに対抗する為じゃ、砲弾の形は球体じゃいかん、よく飛ぶようにするには、この形にする必要がある」

といってさらさらと紙に形を書く、現代でも良く見る形の砲弾だ。

「確かに簡単に貫けそうなデザインですね……、なるほど、フネを倒す事に重点を置いたデザインですか」
「それもある、が、この形は飛距離が倍以上になる、これの中に火薬を入れれば、最強じゃ」
「そんなことをすると、発射時に爆発しちゃうのでは?」
「まぁ、聞け。これな、まず砲弾の先に、信管を付けてな、これがつぶれると、中の火薬が反応するようにする、と、敵艦にぶつかれば火災やら色々起こす事が出来る」

そこらへんにあった白紙の紙はどんどん秋山の絵で白を失っていく、一度裏を見てみたら、なんか重要そうな書類だったけどもはや気にしない。
ちなみに秋山は絵心もあった、詩も巧かったことは余談だろう。

「次に砲じゃ、これも重要じゃ、現在の技術レベルでギリギリな位に装填から発射を速く出来るようにしてくれ。そして、できるだけ射角を高くしてくれ、30°から70°まで高くできればよい」

コルベールが少し苦い顔をする。

「……」
「なんじゃ」
「いえ……技術とは、戦争に使われていいのか、私には分からなくて……火薬は、火です……、火は、戦争でしか役に立たないのでしょうか」
「はっはっは――、んなこっちゃないがな。まず、戦争で。俺等の技術で作ったこいはすごいぞーってとこみせんと、王国は目をつけてくれんじゃろ、そのあと、とんとんやればええ」
「……そう、ですな!はっはっは――」

陽気に笑ってみせはしたものの、やはり少し哀しみが残る。

「そうじゃ!火ってのは生活の基本じゃ!戦争だけじゃない、料理にも使う、花火にも使う、陶器を作るのにも使う、火が唯一鉄を溶かす事が出来るじゃないかの、鉄をどんな形にでも出来るんじゃ」

秋山がそういうと、コルベールは苦い顔を解いた。

「そうですな!火は、やはり戦争以外にも役に立ちますな!」
「うむ、とにかく、頼んだ、これはコルベール殿、あなたにしかできない、これを機に、技術がどれくらいすごいか示すんじゃ、」
「しかし、設計は良いけど、作れるのでしょうか、金が無い」
「安心しろ、その事はあしが帰って来てから、上手く運ばせる」
「そんな簡単にできるのかい?」
「うむ、できる」

「頼んだぞな!」最後にそう言って、そそくさ研究所から出て行った。
空飛ぶ船が主力、その上戦列艦。
なら、死角は下、トリステインの空海軍戦力は大きく劣る。
ならどうするべきか、簡単な事だ。
そのままルイズの部屋に戻っていった。
姫様はまだ残っていた。

「姫さん」
「はい?」
「あしは軍人じゃ、じゃから予想だけで語れば、アルビオンとは近く戦が起こると考えておる、注意せい」
「……?」

分かってないようだが、じきに分かる。
シエスタにもとっとと連絡をしてこなければならない。
さっと、部屋を出て食堂まで走った。

「では、私も長くここにいすぎましたので、王宮に戻ります」
「はっ!姫殿下、任務を遂行いたします!」
「はい、頑張ってくださいね」

そういって王女は微笑んだが、その瞬間ギーシュは昇天した。

「シエスター、おるかー」
「なんだ、夕食でも食いに来たのか!こりゃ夜食の時間だぞ!」
「あぁ、軽い物作ってくれんか、後明日の分の弁当がほしい」
「ん?どっかいくのか」
「少し野暮用なんじゃ、頼む」
「うむ、明日の朝、来い。まぁ夜食はちょっと待ってろな!」

すぐ様軽食の用意をしだした、なんとも優しいおっさんだろうか。
それと同時に、シエスタが来た。

「はいはい、なんでしょうか!アキヤマさん!」
「うむ、明日アルビオンに行く、よければ着いて来てほしい」
「なんでぇなんでぇ!デートかい!にしても物騒な所にデートにいくなぁっ!俺は止めねぇ、これほど名誉な事はないからな!」
「私も別にかまいません!空飛ぶ島らしいですが、アキヤマさんがいれば大丈夫です!!」
「おう、言って来い!アキヤマよ、どうかシエスタを頼むよ」
「うむ」
「できた!さぁ、これを食え、そして明日の弁当を食え、すると力がみなぎるぞ!!」

このテンションは薩摩に似た感じがある、なんとも覇気に押されるのだ。
ともかく軽食を食べて、腹を満たした秋山は。
シエスタに「では、明日」と言って、ルイズの部屋へ戻った。
帰ると早々。

「本当に私を連れて行かない気?」
「あぁ、御見さんは、貴族という雰囲気がどんな服着てても一瞬でわかってしまう、それじゃ、駄目なんじゃ、今回する事は目立っちゃいかん」
「そう、必ず無事に帰ってくるんでしょうね」
「分からんなぁ」

と、いいつつ死ぬ気もないし、死ぬとは微塵にも思っていなかった。
とにかく今するべき事は全てしたので、仮眠程度にハンモックに横になった。
ルイズがついてくるなと言われて、素直について来なかったのには理由があった。

破壊の杖を触った時の映像である、ルイズ自身は見た瞬間に内容を殆ど忘れている。
その為、ルイズ自身何故それが自身に対して拒否反応を出しているのかが、理解できない。
とにかくそれが気持ち悪いのである、いや、この気持ち悪さの原因は違う、その映像の内容が、とても、残酷で。
アルビオンに行く事で、いや、とにかく何か自身が行動を起こしたら、今とぎれとぎれの映像が鮮明に映ってしまうかもしれない、それが恐かったのだ。
とにかく、行動を恐れた。


夜も早く明ける。
ルイズの部屋に鳴った一番の目覚ましは、シエスタの声だった。
が、ルイズは寝ている、秋山は既に仕度が出来ていた。
4時、ルイズが起きれる時間ではない。

「おはようございます、早速出発しましょう!」
「あせるな、ギーシュをよんでこなけりゃいかん」
「ギーシュといいますと貴方に倒された貴族ですね?何でですか?」
「あいつは、何か仕事をする、だからあいつに役に立ちそうな事はするんじゃ」

という事で、秋山が一歩部屋から出ようとすれば。

「でも、ここにいますよ?」
「へ?」

部屋から顔を出して見れば、部屋の扉の左側に、ギーシュが座りながら寝ていた。
秋山が兄と白川と寝るときによくやった寝方だ、最初の頃は体の節々が疲れていた。

「おい、おきぃ」
「……んむ、何だね……」
「もう行くぞ、姫さんの任務はよいのか」
「おぉっ!任務遂行の時はきたか!よしいこう!」

元気な奴である。
ギーシュが昨日、姫からの命令で様々な手筈を整えていた、姫殿下の手紙も、馬も。
その為、日も上がっていない朝に馬が3頭用意されていた。
しかし、秋山好古は馬に乗れても、秋山真之は馬に乗れない、手も足も足りないのだ。

「もしかして、馬に乗れないのかい?」
「うむ、この通りの体格じゃ、欧州の馬は乗れん」
「なら!私が馬を操りますので、後ろに乗ってください!」

咄嗟のシエスタの提案、シエスタですら乗れるのに秋山ときたら……。
という事に秋山は恥を持たない。
乗れないなら乗れない、事実は否定できないものだ。
早朝、馬1頭を返して、2頭だけで出発することになった。
秋山26歳始めてのおつかいである。

「何日かかるんじゃ、そのラ・ロシェールとかいうんは」
「2日は掛かるそうですよ?」
「ほうか……」


その貴族1、軍人1、平民1の奇妙なパーティーを、遠くから見送る人がいた。
姫とオスマン氏である。

「彼等に始祖ブリミルのご加護がありませんことを……」
「心配そうな顔をおくりなさんな」
「しかし……」
「アキヤマの判断は正しい、ルイズを連れて行けば、逆に目立ってしまう」
「ですが、彼等の護衛にとワルドを付けようとしたら、行方不明。あぁ、不安だけが募ります」

姫の考えは確かだ、戦場になっている中にあの3人、誰でも心配するだろう。

「アキヤマはやりますぞ、彼の顔は、何か大きな事をします、それにガンダ……うぉっほん」
「……?」
「気にしないで下され、まぁ、彼等は、目立ちませんからな、それが一番重要ですの、ちゃんとギーシュにも常にフード着用、服を平民の服に変えさせる事も命じたのじゃろう?」
「えぇ」
「なら、大丈夫でしょう、事故も起こしますまい」
「異世界から来た風、ですか……」

突然の姫の言葉に何かが器官に入った。

「ごほっごほっ!!……その話をどこで?」
「ルイズが」

あの小娘が……、アカデミーにつかまるかもしれんというに……。という事を言葉には出さず、心の中で呟いた。


場を移す、コルベールの研究室に。

とにかく言われたとおり、砲の研究をしていた。
まず、頭の中の研究室との戦いである、どのように配置すれば砲を上に向けたまま、飛距離を出せるか。
秋山から言われた、弾の形を円錐と円柱を合わせた形にすれば、飛距離はなるほど、伸びるだろう。
が、この砲弾が問題だ、砲の中に火薬を入れて、目標物を爆破しろというのである。
どうすればぶつかった瞬間に炸薬が起動するのか、最初は衝撃に頼ろうとしたが、それでは不発率が高い上に事故が多いだろう。

次に円錐部分の中に導火線を曲げながら入れて点火し、~~秒後に爆破という方式を立てようとした。
そうなると不発率が多い上、相手の高さ、場所を考慮して導火線を調整しなきゃいけないという面倒臭さがあったのだが、今現時点では結局この方式にした。
次は砲身だ、空に向けて撃つのだから、なるべく空に近づけた方がよいという事で、従来の青銅砲より、2倍は砲身を長くした。
結果、これは功を為す事になる。
が、次の問題が出る、どうやって弾を充填するのか、後ろから入れる、なるほど理論上では楽だ、が。
技術力が付いていけない、これにはコルベールの禿頭を悩ませた、が、簡単な事に気づいた。

台を使えばよい、そこから前装式で火薬と砲弾を入れればよい。とても単純な事だ。
こうなると速射がしにくいが、仕方ない、アキヤマも納得してくれるだろう。
次は発射の時もちいる火薬だ、これは量を多くすれば遠くに飛ばす事もできるが、寿命を短くしてしまう。
それに、多くいれれば入れるほど、この砲身の長い青銅砲は恐いのだ、火薬を装着する事が。
ここで紙に目をつけた、紙で円柱状に火薬を覆って底に綿をつめれば、衝撃による暴発の危険性を薄くする事が出来る。

後する事は、従来の火薬に少しだけでも進化をもたらす事だ、火を扱う分コルベールは楽しみながらやった。
まず、普通の火薬を燃やす前に一個一個薬品を垂らす、とにかくコルベールの家系の財力を惜しみなく使った薬物がそこにはある。
そこで一個の薬品が、効果を出した。
前までの研究で、色々な薬品を混ぜていき、何か化学変化は起きないかという研究をしていた。
その薬品を流す事が惜しかった為、取って置いた、一個の調合物である、しかも鉄を入れたり、熱したりした物である。
この世界では化学が無いといっていいほど発達していない為。
化学式なんてものはない、ただの偶然が偶然を生み出して出来た結果である。

この薬品の中身はなんだったか思い出す、適当に瓶と瓶を合わせて、熱を加えると、さっきしみこませた物と同じような白色の結晶粉末、火薬にしみこませてみた、同じような物になった。
これで、大体の問題は解決した、が、まだまだ考える所はある、流石に今回は没頭しすぎたなと窓を見つめながら思った。

外を見てみれば、既に夜になっていたのだ、コルベールが外に出ると、えらく腹が減っていた事に気づいた。
マルトーの親父に料理を食べさせてもらおうと、食堂に足を運んだ、すると、食堂にあるカレンダーの日付があの日から2日経っているのに気づいた。
自分の目を疑い、こすってからもう一度見ても、2日経っていた。
コルベールはまるまる2日、研究室で砲の研究をしていたことになる、よく自分の精神力が持った物だと、自分で自分を褒めた。


新着情報

取得中です。