あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの御使い3

 トリステイン魔法学院を臨む、草原の一角――祈る金髪の少女を遠巻きにして、桃色髪の少女と前頭部の禿げ上がった中年男とが見守っていた。

「世界のどこかにいる、私と相性の良い御方。
 どうか私の声に応え、この場に姿を現してくださいな」

 両掌を合わせ、まるで、恋呪いのような祈りを捧げる少女の名は、アネメア・グレンデル。
 ゼロのルイズによって、トリステインに召喚されてから、一週間後の事である。

「……アネメアお姉さま、本当に大丈夫なのかしら?」

 まだ、こっちの魔法を学び始めてから一週間しかたっていないのに……心配そうな顔でそんな事を呟くルイズに、コルベールは少女を安心させるように笑みを浮かべた。

「ミス・グレンデルは、既にコモンマジックなら充分に使いこなせる。
 能力的には問題……ふむ、どうやら成功したようだね」

 アネメアの祈りに応えるように、現れた銀色の円盤……それを見て、ほうと感心した様な言葉を放つコルベールに、その傍らのルイズも顔を綻ばせて胸をなでおろす。

『どうやら、成功のようですわね』

 そして、目の前に現れた鏡に近付き、アネメアはほうと息を吐いた。
 どうやら、自分のような者にも、契約に答えてくれるモノがいるらしい。
 ならば、自分はそれをできるだけ暖かく迎えよう……期待を胸に抱きながら待つアネメアの、しかし目の前にまず現れたのは、彼女の使い魔となる生き物ではなく、飛び込んで来た二つ三つの小石であった。
 それをひょいと交わしつつ、アネメアは考える。

『何か、向こうにいますわよね?』

 なかなかこちらに姿を見せない彼女の使い魔に、アネメアは可愛らしく小首を傾げた。


『これがなんだかわからなくて、警戒しているのでしょうか?
 そうすると、向こうにいるのはある程度高い知能を持っている動物――小猿か何かでしょうか?』

 そんな彼女の目の前、キラと輝く何かが、ちょっとだけ頭を覗かせ、消える。
 明かに知性を感じさせる動きに少しだけ違和感を感じながらも、アネメアは向こうに向かって呼びかけてみることにした。
 あの過酷な戦いから色々経験を重ねてきたアネメアだったが、なんと言うか、天然入っているところはあまり変わっていない。

「あの、そちら側におられる御方、私はアネメア・グレンデルと申します。
 敵意はありませんので、出来ましたらこちらに姿を現していただけないでしょうか?」

 そんなずれた言葉を鏡の向こうに放ち……そして、次の瞬間アネメアは、出てくるものを押し戻そうとするように鏡に駆け寄りながら、血相を変えて叫んだ。

「……いっいけません!」

 鏡の中からまず姿を現した、彼女の使い魔となるべき存在の一部――それが、人間の指であるに気付いたのだ。

「戻ってくださいッ!」

 アネメアは突き出された手に手を重ね、それを向こうに押し込もうと……

「!?」

 ……した瞬間、彼女が握った手から、一切の力が失われる。


 するり

 そんな擬音が似合いそうな動作で、銀色の鏡から黒髪の少年の頭が覗いた。
 恐らくは、何らかの要因で気絶したのだろう、目を瞑り、口を半開きにした少年の顔は、そのまま万有引力の法則に従い、アネメアのふくよかな胸に飛び込む。

「あ、あ、あ、アネメア姉さまになんて事をするのよ、このエロイヌゥゥゥゥゥゥ!!!」

 一瞬の沈黙、草原に少女の雑巾を引き裂いた様な金切り声が走った。
 そしてルイズは、あたかも先行した声を追うように、すさまじい勢いで走り出す。

 ……平賀才人、死亡確認。

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