昔のお話をいたしましょう。
先代のガリア王国の女王陛下であらせられる、イザベラ様がまだ少女の頃、そんな時代のお話でございます。
この時、イザベラ様は大変に困っておいででした。
と、申しますのもガリアはいきなりロマリアと戦争になり、それに乗じて国中で反乱軍が暴れだしていたのでございます。
まったくガリア中がひっくり返るような大騒ぎで、国の半分近くが敵側につくという始末です。
イザベラ様はあわてて父のジョゼフ一世のもとへ行ったのですが、
「気のいらぬのなら国を出て行け」
と、こんな調子でまるでお話になりません。
このままでは国が滅びてしまうかもしれない。
本当に、困って、困って、どうしようもなくなってしまったイザベラ様は、使い魔を召喚されたのです。
始祖の血を引く自分が召喚するのだから、きっとドラゴンかグリフォンのようなすごいものが出てくるに違いない。
そうイザベラ様は思ったのですが、ゲートから出てきたのは、おかしな平民の子供でした。
変な服を着て、帽子をかぶり、両手に何か本を抱えていました。
これにはイザベラ様もショックをお受けになり、すっかり弱りはてて、その場に座り込んでしまわれました。
そんなことをしているうちに、戦火はどんどん広がり、敵の包囲はイザベラ様のおいでになるプチ・トロワまでせまりつつありました。
もはや、これまでか。そう思われていた時、召喚された子供がおかしなことを言い出しました。
「あのね、ぼくとイザベラが仲良くしたら、悪いやつらをやっつけられるんだ」
一体何を言い出すのでしょうか?
イザベラ様は笑って相手にされませんでしたが、
「顔を上げるんだ、イザベラ。やられっぱなしで悔しくないん?」
あまりにしつこく、それに不思議な自身を持った子供の態度に、イザベラ様もついにほだされました。
さて、その子供は一体何をしたのでしょう?
持っていた本をイザベラ様に渡し、それをイザベラ様がお返しになる。
こんな動作を二回繰り返したのです。
すると、どうでしょう!
先代のガリア王国の女王陛下であらせられる、イザベラ様がまだ少女の頃、そんな時代のお話でございます。
この時、イザベラ様は大変に困っておいででした。
と、申しますのもガリアはいきなりロマリアと戦争になり、それに乗じて国中で反乱軍が暴れだしていたのでございます。
まったくガリア中がひっくり返るような大騒ぎで、国の半分近くが敵側につくという始末です。
イザベラ様はあわてて父のジョゼフ一世のもとへ行ったのですが、
「気のいらぬのなら国を出て行け」
と、こんな調子でまるでお話になりません。
このままでは国が滅びてしまうかもしれない。
本当に、困って、困って、どうしようもなくなってしまったイザベラ様は、使い魔を召喚されたのです。
始祖の血を引く自分が召喚するのだから、きっとドラゴンかグリフォンのようなすごいものが出てくるに違いない。
そうイザベラ様は思ったのですが、ゲートから出てきたのは、おかしな平民の子供でした。
変な服を着て、帽子をかぶり、両手に何か本を抱えていました。
これにはイザベラ様もショックをお受けになり、すっかり弱りはてて、その場に座り込んでしまわれました。
そんなことをしているうちに、戦火はどんどん広がり、敵の包囲はイザベラ様のおいでになるプチ・トロワまでせまりつつありました。
もはや、これまでか。そう思われていた時、召喚された子供がおかしなことを言い出しました。
「あのね、ぼくとイザベラが仲良くしたら、悪いやつらをやっつけられるんだ」
一体何を言い出すのでしょうか?
イザベラ様は笑って相手にされませんでしたが、
「顔を上げるんだ、イザベラ。やられっぱなしで悔しくないん?」
あまりにしつこく、それに不思議な自身を持った子供の態度に、イザベラ様もついにほだされました。
さて、その子供は一体何をしたのでしょう?
持っていた本をイザベラ様に渡し、それをイザベラ様がお返しになる。
こんな動作を二回繰り返したのです。
すると、どうでしょう!
パイイイイーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!
そんな叫びと共に、プチ・トロワが吹き飛びました。
爆発でも起こったのでしょうか?
いいえ、違います。
優に50メイルを超えようという巨人がそこに聳え立っていたのです。
見たこともないデザインの鎧兜をつけた、大きな乙女でした。
そうです。
何とイザベラ様と不思議な子供は合体して、巨大な乙女となったのでした。
大きな乙女は大きいだけあってすごい力持ちです。
反乱軍やロマリア軍をちぎって投げ、ちぎっては投げ!
すっかりと勝ち戦気分になりつつあった敵軍を瞬く間にやっつけていきます。
敵の繰り出してきたゴーレムだって何のその。
純情ナックル。
パンチ一撃で粉々です。
その大暴れっぷりをごらんになられたジョゼフ一世はさすがに驚かれました。
大きな乙女の正体が、イザベラ様と平民の子供を知って、さらに驚きます。
無碍にあしらわれたことを怒っておられたイザベラ様は大きな乙女のままジョゼフ一世を捕まえてしまいます。
「父上! 私のことがどうでもよろしいのなら結構ですわ、そんな父上などいりません!!」
そう怒鳴りつけられました。
こうしてジョゼフ一世は力づくで王位を奪われ、国外追放になりました。
小癪なロマリア軍も反乱軍もその勢いでフルボッコです。
敵軍のガンダールヴという者が戦車という兵器を出してきましたが、そんなもの、大きな乙女の敵ではありません。
真上から踏みつけられてペシャンコです。全治六ヶ月の重症でした。
こうして大変なご苦労はありましたが、イザベラ様は使い魔と共に国難をお救いになり、その後女王に即位されたのです。
全てが終わった後、本を持ったあの平民の子供はどこかへ消えてしまいました。
しかし、子供の持っていたあの本はまだグラン・トロワの宝物庫に保管されています。
もしもまたガリアを脅かす悪が現れた時には、あの子供は再びやってくるでしょう。
そして、選ばれた者と共に大きな乙女となるのでしょう。
爆発でも起こったのでしょうか?
いいえ、違います。
優に50メイルを超えようという巨人がそこに聳え立っていたのです。
見たこともないデザインの鎧兜をつけた、大きな乙女でした。
そうです。
何とイザベラ様と不思議な子供は合体して、巨大な乙女となったのでした。
大きな乙女は大きいだけあってすごい力持ちです。
反乱軍やロマリア軍をちぎって投げ、ちぎっては投げ!
すっかりと勝ち戦気分になりつつあった敵軍を瞬く間にやっつけていきます。
敵の繰り出してきたゴーレムだって何のその。
純情ナックル。
パンチ一撃で粉々です。
その大暴れっぷりをごらんになられたジョゼフ一世はさすがに驚かれました。
大きな乙女の正体が、イザベラ様と平民の子供を知って、さらに驚きます。
無碍にあしらわれたことを怒っておられたイザベラ様は大きな乙女のままジョゼフ一世を捕まえてしまいます。
「父上! 私のことがどうでもよろしいのなら結構ですわ、そんな父上などいりません!!」
そう怒鳴りつけられました。
こうしてジョゼフ一世は力づくで王位を奪われ、国外追放になりました。
小癪なロマリア軍も反乱軍もその勢いでフルボッコです。
敵軍のガンダールヴという者が戦車という兵器を出してきましたが、そんなもの、大きな乙女の敵ではありません。
真上から踏みつけられてペシャンコです。全治六ヶ月の重症でした。
こうして大変なご苦労はありましたが、イザベラ様は使い魔と共に国難をお救いになり、その後女王に即位されたのです。
全てが終わった後、本を持ったあの平民の子供はどこかへ消えてしまいました。
しかし、子供の持っていたあの本はまだグラン・トロワの宝物庫に保管されています。
もしもまたガリアを脅かす悪が現れた時には、あの子供は再びやってくるでしょう。
そして、選ばれた者と共に大きな乙女となるのでしょう。