あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ZとZ 第四話「土くれと魔竜」

ルイズがオスマンと話している頃。
フーケとシャドーはガリアの辺境にある森を歩いてた。この森に以前紹介した彼女のアジトがある。
シールドライガーに敗れた彼女は、自分のアジトに不思議な竜の石像があるのを思い出した。
石像はあの蒼獅子と全く違うようで、どこか似ているような気がするのだ。
何か関係があるのか調べてみるつもりだった。

「やっと見つけたよ。いい場所だな。ここを探し当てるのに随分苦労させられた」
突然闇の中から声が聞こえた。
「だれだ!?」
声のした方へ杖を向ける。が、声の主は気にせず近づいて来る。
「はじめまして。土くれのフーケ。いや、マチルダ・オブ・サウスゴータと呼ぶべきかな?」
「顔を見せな!」
フーケが怒鳴ると、二人の間に魔法の明かりが現れ、二人を照らしだした。
白い仮面を被ったメイジらしき男の姿が現れた。
「あんた怪っしい臭いがプンプンするよ、その趣味の悪い仮面とかからね。このあたしに何の用だい!?」
男はフフフ、と仮面の下で笑ったらしかった。
「私はレコンキスタの使者だ。君を迎えに来た」
「レコンキスタ?」
「国を越えた真の貴族達の連合軍だ。腐った王族を倒し、エルフどもから聖地を取り戻す。
そしてハルケギニアに全てのメイジの理想郷を創る事を最終目標としている」
「そのレコンキスタ様がこのあたしに何の用なんだい?」
「さきほど言った通りだよ。共にレコンキスタの理想のために戦おう。ということさ。同志よ」
「お断りだよ!あたしゃ貴族が大嫌いなんだ。あんた達だけで勝手にやってな!」
「そうか、残念だ」
男はフーケに杖を向けた。 フーケも構える。
「無駄だ、私はスクウェアだ。君はトライアングルだろう?勝ち目はない」
おまけにルイズ戦で魔力をほとんど使ってしまっている。確かに勝ち目は薄い。
それでもフーケは戦う事を選んだ。


フーケは地面から人間の胴体ほどの太さの腕を作り出し、男を殴り付けた。
が、手応えはない。
(避けられた!)
フーケは横に跳ぶ。
彼女の立っていた場所を烈風の槍が駆け抜けた。
「よく避けた。これならどうだ?エアハンマー!」
フーケは次から次へと飛んでくる空気の塊を地面に転がりながら避ける。
「くっ!」
木が彼女のゆくてを遮った。
「終わりだな。土くれ」
男は、大木を背にして起き上がろうとしたフーケの額に杖を突き付ける。
「何か言い残したことはあるかね?」
フーケはへへっ、と笑って言った。
「あるよ。ひとつね。シャドォーー!」
黒い光が男に向かって飛んでくる。
男は咄嗟に後ろへ跳んで回避する。
フーケはその隙をついてシャドーにつかまり、森の奥へと跳んだ。
低空で木の合間を縫うように飛ぶ。上を飛ぶと繁り過ぎた木が邪魔になるのだ。
フーケはそのまま森を脱出するつもりだった。左手のルーンが輝くまでは。
何かが呼んでいる。ルーンを通して訴えかけてくる。
『動きたい、暴れたい!、戦いたい!!』
「痛っ!」
感情の激流がフーケに直撃し、頭痛を引き起こす。彼女はこめかみをおさえた。
(わかったよ!行けばいいんだろ!いけば!)
「シャドー!左に曲がりな!アジトヘ行くよ!」
フーケ達は遺跡への階段を駆け降りた。奥へと進んでいく。
仮面の男は姿を現さなかった。諦めたのだろうか?
(まだ探してるような気がする。あたしの勘だとあの男は相当執念深いタイプだね)

奥へと進むほどに強くなる激しい感情が津波となって襲ってくる。
吐き気がしてきて立っているのすら辛くなってくる。
だが遺跡の主は立ち止まることを許さない。
這うように歩いてやっと最奥の空間ヘとたどり着いた。
竜の石像が一体、彼女を待っていた。凄まじい威圧感だ。
フーケは背筋が冷たくなった。
そのとき、コツ、コツ、と入口の方から靴音がした。
「やっと見つけたよ、土くれ。慌てていたようだな、入口を隠すのを忘れるなんて」
(くそったれ!見つかっちまったじゃないか!)
「さあ、鬼ごっこは終わりにしよう」
仮面男が一歩、また一歩と近づいてくる。フーケはそれに合わせるように後退する。
だが今やフーケの敵は仮面男だけではなかった。
『戦わせろ!戦わせろ!!戦わせろ!!!』
餓えた感情が絶え間なく押し寄せる。
フーケは少々パニックになって怒鳴った。
「あーもう!うるさいんだよ!たたき起こせ!シャドーー!」
シャドーが石像の中に飛び込むと、光がほとばしった。
まるで石像の鬱屈した感情が爆発したようだった。
光が止むと黒と紫の身体の竜が現れる。
「な、なんだこれは…、魔物か?」
仮面男が驚いて立ちすくむ。
無理もない。ライガーの件がなければフーケも腰を抜かしていただろう。
フーケはハッチを開くとコクピットに飛び乗った。
操作方法は全てルーンが教えてくれる。
「ジェノザウラー、感謝しな!いま動かしてやるよ!」
ジェノザウラーは咆哮し、出口の方へ駆け出した。
「えっ!?ちょ!あたしまだ何もしてない!」
ジェノザウラーは尻尾を振り回し、狭い出口を無理矢理拡げる。
「うわぁー!」
それに巻き込まれた仮面の男は間抜けな悲鳴をあげて消えた。

ジェノザウラーは止まらない。
ハイパーキラークローを振り回し、レーザーガンをぶっ放す。
ロングレンジパルスレーザーライフルで天井に穴を開け、地上に飛び出る。
「ちょ!待って!待ってってば!」
フーケは今にも泣きそうだ。コクピットに必死にしがみついている。
獰猛な咆哮をあげ、木々を薙ぎ倒し、地面を掘り返しす。
「お願いだよ!止まって!」
するとジェノザウラーはどっしりと構えて突然動きを止めた。
ホッと息をつくフーケ。手で涙を拭う。
(あれ?でも…これって…)
ジェノザウラーは口をガバッと開きエネルギーを溜め始める。
ルーンを通じて情報が流れ込んでくる。
「か、荷電粒子砲!?」
(まずい!あっちには確か村があった!)
「やめろ!ジェノザウラー!やめろったら!!」
コクピットをドン!と叩く。
…止まらない。
「ジェノザウラー!これから好きなだけ戦わせてやる!
だから!だからあたしの言うことを聞けぇぇーーー!!!」



フーケは地面に寝転がり、空を見上げていた。
ジェノザウラーが木を薙ぎ倒したので、森に穴が開いたのだ。
ふらふらでしばらく立てそうにない。
それでも、村を守った達成感は彼女を優しく包み込んでいた。
横を向くとシャドーとジェノザウラーが彼女の傍らに静かに佇んでいる。
(これからが大変だね、あたし)

二つの月がこの上なく美しい夜だった。



第五話へ続く

新着情報

取得中です。