あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

攻撃力0の使い魔-06


ルイズが起こした過去最大級の爆発によって、当然ながら シュヴルーズの授業は中止となった。
爆心地にいた ルイズとシュヴルーズを含め 多数の者たちが医務室に運び込まれる大惨事となったのだから、無理は無い。
教室には もう、生徒も使い魔も ほとんど残っていない。
あとから駆けつけてきた数人のメイドたちが、同じく あとから駆けつけた教師の指示の下、せっせと荒れ果てた教室の片づけをしている。

ユベルは…と言うと、黒板から最も離れた場所……教室の壁に もたれかかって腕を組み、今後の計画……
●このハルケギニアの地に飛ばされたであろう 十代を探すこと
●この学院内の 深い心の闇を持った人物に接触し 懐柔すること
●デュエルを介さずにユベルの存在を脅かすことのできる「爆発」を使うルイズへの対処
以上の3点について思案していた。

(さて……)

●このハルケギニアの地に飛ばされたであろう 十代を探すこと
これについては、言うまでもない。最優先事項であり、当面の目標だ。
●この学院内の 深い心の闇を持った人物に接触し 懐柔すること
これについては、半分 解決したようなものだ。今のところは、タバサの心の闇だけでも 十分だと言える。
それに、この世界の魔法使いたちの中に ルイズ以外にも 自分に対抗できる力を持った者が いないともかぎらない。
今は まだ、ヘタに この世界を引っかきまわして 敵を増やすべきではないだろう。
●デュエルを介さずにユベルの存在を脅かすことのできる「爆発」を使うルイズへの対処
現状、この問題が いちばん厄介だと言える。
さすがに 今すぐルイズを始末するつもりは無いが、ルイズの起こす「爆発」が自分にとって脅威になるとわかった以上、捨て置くわけにもいかない。
今のところ ルイズとは「メイジと使い魔」という協力関係にあるものの、いずれ 敵対する可能性が無いとも言い切れないのだ。
それに どのみち、十代を見つけ出して目的を果たした そのあとには、ルイズが不要な存在になることは明白だ。
ルイズと対峙する場合のことを考えると、あらかじめルイズへの対抗手段を用意しておくか ルイズの攻撃手段を奪っておく必要がある。
だが、そう簡単にルイズが この世界の「魔法」を捨ててくれるとは思えないし、そのときまでに自分が「爆発」への対抗手段を発見しているかも わからない。
そこで ユベルは、魔法の代用として ルイズに「デュエル」を与えることを考えた。
デュエルであれば、十代未満の実力のデュエリストに後れを取るつもりは無い。
少なくとも 正体不明の魔法「爆発」よりは、まだ対抗のしようがある。
上手くいけば、ルイズのほうも 自身の「力」に満足して、魔法のことや使い魔の件すら あきらめてくれるかもしれない。

(だが……問題はデッキだな……)

デュエルをするには、デュエルモンスターズのカードデッキが必要となる。
ルイズをデュエリストに教育する以上、彼女に持たせるデッキを用意してあげなくてはならない。
今現在 ユベル自身が持っているデッキは、2つ。
ひとつは、デュエルアカデミアの地下に封印されていた、世界を滅ぼす力を持った「幻魔」3体をテーマとする【三幻魔】のデッキ。
そして もうひとつは、ユベル自身と その進化系をテーマとする【ユベル】のデッキ。
その どちらかを持たせることになるのだろうか。

(ボク自身のデッキは、ボクにしか扱えないとして……)

ユベルは、左腕を変形させて 手首から肘にかけてヒレのように広がった羽を生やし、生体デュエルディスクを展開する。
そして、そこに納められたデッキから 3枚のカードを取り出す。
炎属性・炎族《神炎皇 ウリア》 光属性・雷族《降雷皇 ハモン》 闇属性・悪魔族《幻魔皇 ラビエル》……三幻魔のカードだ。
三幻魔は 世界の均衡を崩すほどの力を持っているハズなのだが、今は 何の力も感じない。
十二次元宇宙の さらに外に存在するであろう このハルケギニアへのゲートを通過するときに その強大な力を失ってしまったのだろうか。

(……ふん、木偶の坊どもめ……)

精霊の力を失った三幻魔など、もはや 召喚しにくいだけの お荷物だ。とても、ルイズに扱えるとは思えない。
元より、初心者の手に負える代物ではなかったのだが、これで 輪をかけて扱いにくくなってしまった。
【エクゾディア】のデッキは、前の次元で協力者のアモンに譲渡してしまったため、今は手元に無い。
【宝玉獣】のデッキも、十代に対しての人質として確保しておいた元の持ち主:ヨハンの体ごと、この世界に来るときに行方不明になってしまったようだ。

(……と なると、やはり あの部屋のデッキか……)

考えを まとめ終わり、トリステイン魔法学院 本塔5階の宝物庫に向かうため、教室を出ようとするユベル。
そんな異質な亜人に、声をかける者が1人。

「少し…よろしいかね?」

丸い禿頭と眼鏡が煌めく、痩せた中年男性……爆音を聞いて駆けつけてきた教師の1人:コルベールだった。

「キミは…確か 昨日の……」
「教師のジャン・コルベールです。君は、ミス・ヴァリエールの使い魔の…えぇと……」
「ユベルだ。よろしく、コルベール」
「あぁ、こちらこそ よろしく、ユベルくん」

ミス・ヴァリエールの召喚した亜人が、3つの目で まっすぐに見下ろしてくる。
その額のダイヤ型の目の中に刻まれているルーンは、非常に珍しい形をしている。
亜人の正体は いくら調べても判明しなかったが、ルーンのほうなら 手元の参考書籍のどれかには載っているだろう。

「……ふふっ、元軍人の教師に会うのは これで2度目だよ」
「ッ!?」

自身の封印した過去を見透かされて、コルベールは困惑する。なぜ、知っている?
誰かが話したか……いや、この学院で そのことを知っている人間は ごくわずか……それこそ、オールド・オスマンくらいだ。
昨日 召喚されたばかりの ミス・ヴァリエールの使い魔が知っているハズが無い。ありえない。

「あぁ、驚いたかい? ボクは人の心がわかるんだ」

やはり、ただの使い魔ではない。と、コルベールは確信する。
この亜人は、物腰こそ穏やかだが、その態度の裏に 何かを隠している。
だが 少なくとも 今は、この学院の誰かを傷つけようという意思は無いように見える。
しばらくは、様子を見るだけに とどめておくほうがいい。

「だが…今のキミは 平和の中に生きる ただの教師だ。そんなキミが、ボクに何の用だい?」
「……! あ……そ、そう…だったね」

ユベルの言葉で、コルベールは 本来の用事のことを思い出す。同時に 忌むべき過去を再び心の隅に封印する。

「用というのは、君自身と…あと君のルーンについてのことなんだ」
「ルーン?」
「そう。ルーンは契約後に使い魔の体に刻まれる文字で……あっ、君のルーンは額の…その…目の中に刻まれているから、鏡が無いと見えないだろうけど……」
「それで、そのルーンとやらが どうかしたのかい?」
「あぁ、たいしたことじゃないんだがね……君のルーンが珍しいものだから、昨日し損ねたスケッチを……」

と 言いかけて、スケッチをしようにも メモと筆記用具を持って来るのを忘れたことに コルベールは気がついた。

「いや、今 ここで調べさせてもらってもいいかな……?」

コルベールの腕には、ルーンや魔法生物に関する参考書籍が複数冊 抱えられている。
ミス・ヴァリエールの召喚した使い魔について調べている最中に飛び出して来たためだった。

「ほう、研究熱心だね。昨日は あんなにボクのことを警戒していたのに……」
「警戒か……たしかに そうかもしれない。なにせ、キミは…私も見たことの無い種族だからね」

この亜人からは「魔力そのもの」とでも言うべき特異な性質を感じる。
だが、その禍々しい外見に反して、攻撃性は まったく感じられない。
そのため、昨日 召喚の儀の際、コルベールは 警戒と言うより むしろ困惑していたのだった。
そして 今日になって ようやく、ある程度 ほとぼりがさめ、この未知の生物に対して 彼の探究心・知識欲が首をもたげてきたのだ。

「……ふっ、まあ いいだろう。ところで、ボクも1つ…キミたちに頼みたいことがあるんだけど、いいかな?」
「私にできることなら、なんでも協力させてもらうよ」
「そうかい……じゃあ、この学校の5階にある 頑丈そうな金属の扉のついた部屋を調べさせてほしいんだ。
 ボクは 昨日 あの場所から、ある『道具』の気配を感じた。たぶん、キミたちの知らない…魔法ではない技術によって作られた『道具』の気配をね」
「我々の知らない、魔法ではない技術によって作られた道具……!?」

コルベールの表情が急に明るくなり、目が 少年のように輝く。ついでに頭のほうも、中年どころか老年のように輝く。
「道具の気配を感じる」などという不審な発言は、コルベールの耳に届きはしても 頭の中には残ることはなかった。

「そう……なぜ、この学校に『あれ』が存在するのか……その理由を知りたいんだ」
「なるほど……あの部屋…宝物庫は、学院長のオールド・オスマンが鍵を持っているのですが……」

わずかに悩むが、結局 コルベールは 宝物庫に眠る未知の技術の誘惑に負けた。

「……わかりました! 私が直接、オールド・オスマンに掛け合ってみましょう!」
「ふふふっ……ありがとう、コルベール先生……」

■■■■■■

学院長室に向かうあいだ、ユベルは コルベールの怒涛の質問ラッシュに遭っていた。
だが ユベルは、十二次元宇宙に含まれない このハルケギニアの人間の知識に配慮した返答など、用意していないし するつもりも無かった。
そのため、ルイズにしてもコルベールにしても、ユベルの正体については「東方か さらに遠方に生息する未確認生命体」だと結論づけるしかなかった。

「あぁッ!」

道中、ユベルの額のルーンを観察しながら 手元の文献を調べていたコルベールが、突然 声を上げた。

「……どうしたんだい?」
「いや、その…わかったんだ……! 君のルーンの正体が……! 早くオールド・オスマンに報告しなければ……!」

興奮気味のコルベールの説明によると、ユベルの額に刻まれたルーンの正体は「神の頭脳」と呼ばれる伝説の使い魔「ミョズニトニルン」とやらのものらしい。
そいつは、ハルケギニアの魔法の開祖である「始祖ブリミル」が使役した4体の使い魔の1体で、様々な知識と魔道具を駆使して 主をサポートしたのだそうだ。

(知識…道具……情報? なるほど、そういうことか)

今朝 シュヴルーズの授業に出る前 タバサに接触したとき、彼女の持つ能力についての情報が頭に入ってきたのは、
どうやら、その「ミョズニトニルン」とやらのルーンを持ったことによって得られた能力らしい。
これが ルイズの使い魔になったことによる恩恵なら、やはり まだ ルイズは有用だということだ。
そのミョズニトニルンとやらは、あらゆる魔道具(マジックアイテム)を駆使したという。
「人間=道具」と定義するなら、魔力を持った人間であるメイジは 言ってみれば魔力の込められた道具……すなわち「メイジ=魔道具」ということになる。

そんなこんなで、ユベルとコルベールが学院長室の扉の前に辿り着いたとき……そのドアが開いた。
部屋から出てきたのは、眼鏡をかけた 緑色の髪の若い女性。いかにも不快そうな顔で、何やら呪詛にも似た言葉を小声で呟いている。
その女性の心の奥にも 現在進行形の深い闇があることを、ユベルは見逃さなかった。

「ほう……キミも苦労してきたようだね」
「……っ!?」

緑色の髪の女性は、声を詰まらせ その場に硬直する。
扉を開けたら いきなり目の前に見たことも無い怪物……身長2メイルを超える禍々しい外見の亜人が現れたのだから、無理も無い。

「ミス・ロングビル……またオールド・オスマンの……」

コルベールが、つい先程まで学院長からのセクハラに遭っていたであろう女性に 同情の眼差しと優しい声をかける。

「あっ、こちらは ミス・ヴァリエールの使い魔のユベルくんです。おそらく 東方か…さらに遠方に住む未確認の種族だと思われます」
「使い魔……?」
「あぁ……今のボクはルイズの使い魔だ。キミたちに危害を加えるつもりは無いよ」

緑色の髪の女性…ロングビルは、コルベールの隣に立っている亜人を訝しげに見る。
たしかに、害意は無さそうだ。だが、何か……何か引っかかる。

「それで、キミの この学校での仕事は?」

ユベルが ロングビルに問いかける。ロングビルには、この亜人が「この学校での」という部分を強調したように聞こえた。

「わたくし ロングビルは……学院長:オールド・オスマンの秘書を務めております。……あの、それでは、わたくしは これで……」

訊かれたことにだけ答え、早々に この場を立ち去ろうとするロングビル。
こいつにかかわってはいけない。女の勘が、仕事人の勘が、本能が、そう告げていた。逃走のタイミングを見極めるのは得意だった。
だが……

「ねぇ、ロングビル。ボクたちは これから、宝物庫のことで 学院長に話があるんだけど……興味があるなら キミも同席してみないかい?」
「……!」

ロングビルが足を止め、ユベルを見る。その顔には、ハッキリと驚愕…そして 警戒を通り越して 恐怖に近い色が見てとれた。
その様子を見て コルベールは苦笑する。

「いや、そういうわけにもいかないよ。まず、オールド・オスマンに話を通してからでないと……」
「いえ……! わたくしは…まだ仕事が残っていますので……失礼します…っ!」

逃げるように去っていくロングビルの背中を、ユベルの3つの目が見つめていた。

「それじゃあ、私は オールド・オスマンに事情を説明してくるよ」

と、コルベールがオスマンの部屋に入室し、廊下には 腕を組んで佇むユベルだけが残された。

「ロングビル、か……」

いずれ、ミョズニトニルンとやらの能力を実験するための「魔道具」も必要になるだろう。
汚れ仕事に慣れ 心のどこかに欠陥を持ち なおかつ平和ボケしていない者は、手駒として最適だ。

■■■■■■

「成程、君が…ミス・ヴァリエールの使い魔くんか。ふぅむ……たしかに 見たことも無い種族じゃな……長生きはしてみるもんじゃのう」

コルベールに呼ばれて学院長室に入ったユベルを、立派な長い白髭をたくわえた老人……学院長:オールド・オスマンが迎えた。
ユベルは来客用のソファーには座らず、学院長用のデスクに着いているオスマンを正面から 立ったまま見下ろしている。

「それで……君は、宝物庫に用があるということじゃったが?」
「あぁ……あの部屋の中身はキミが管理しているんだろう? だとしたら『これ』に見覚えがあるハズだ」

そう言って、ユベルは 左腕の生体デュエルディスクを展開する。
その変化に、コルベールは小さく感嘆の声を上げ、オスマンは わずかに…だがハッキリと目を見開いた。

「やはり知っているね。ボクの勘が間違っていなければ、あの宝物庫には……」

と、さらに 左腕の生体デュエルディスクにセットされたデッキから カードを6枚程度ドローして、オスマンとコルベールに見せる。

「これと同じような『カード』が、合計70枚 保管されている。そうだろう?」

ユベルの言葉を受けた オスマンは、いつになく真面目な様子で 深呼吸するように長い息を吐いた。

「……なぜ、そんなことが わかるのかね?」
「あの部屋からは、カードの気配がしていた。ボクには わかるんだ」
「そうか……君も その『カード』を持っておる以上、隠したところで無駄なようじゃな。
 ……いかにも。君の言うとおり、あの宝物庫には『英雄の宝札』と『召喚の盾』が保管されておる」
「召喚の……? ということは、使い方も知っているのか。それなのに なぜ、あんな場所にしまっておくんだい?」
「……わしらメイジには魔法があるからのう。このハルケギニアでは、あのような『力』は おおっぴらにせんほうがいいんじゃよ。
 それに、わしは あくまで使い方を知っているだけにすぎん。残念ながら、わしでは あのアイテムの『力』を完全には引き出せないみたいでのう。
 いや、惜しいところまでは行っておった気がするんじゃが……あと一歩 何かが足りなかったのか……」
「……なるほど。キミたち魔法使いが デュエルモンスターズのカードを どう認識しているのか、ある程度わかったよ」

そう言って部屋を出て行こうとするユベルを、オスマンが呼びとめる。

「待ちなさい、ユベルくん。宝物庫に行くつもりなら……わしが付き添おう。ついでにコルペースくんもな」
「コルベールです、オールド・オスマン」
「ほう、よくわかったね。だが、ボクへの警戒を解いてないわりには、ずいぶん素直じゃないか。それとも 監視のつもりかい?」

ユベルの3色の視線を受け流して、オスマンは苦笑する。

「君に宝物庫の壁や扉を壊されては、いろいろと面倒が増えてしまうからのう」

■■■■■■

オスマンが宝物庫の扉を鍵で開けると、ユベルは 勝手に中へと進んで行った。
そして ついに、物置きのようなガラクタ置き場のような宝物庫の中から 目当ての物を見つける。

「キミたちの言う『召喚の盾』とは……やはり デュエルディスクのことだったのか」
「デュエルディスク……?」

いつのまにかユベルの隣にいたコルベールが、その盾のような腕輪のような謎の物体について 興味津々といった様子で尋ねる。
この宝物庫にあったのは、ごく一般的かつ標準的に普及している 海馬コーポレーション製デュエルディスクだった。
海馬コーポレーションの現社長:海馬 瀬人が開発した、ソリッド・ビジョン システムに対応しているデュエルのための器具。
それが「召喚の盾」の正体だった。
デュエリストにとって カードが剣で デュエルディスクは盾であるとするなら、その名称も あながち間違いではない。
事実、リアルファイトの際に デュエルディスクを盾のように扱う者も少なくないのだ。
ユベルは、コルベールへの説明を軽く済ませて デュエルディスクのほうは彼に預け、カードの気配がする箱を手に取る。

「それで、オスマン。デッキ……『英雄の宝札』とやらは、この中かい?」
「そうじゃ。その箱自体は こちらで用意したものじゃがの」

宝物庫の入口付近にいるオスマンに確認し、箱の中身を検める。
底面が ちょうどカード1枚分程度の面積の箱には、デュエルモンスターズのカードが 積み上げるようにして 表向きで納められていた。

(これは…E・HERO……!?)

いちばん上に置かれていた紫色の縁取りのカードを見て、ユベルは動揺かつ狼狽する。
「E・HERO(エレメンタル・ヒーロー)」とは、ほかでもない十代が 好んで使ったモンスター群だ。

(バカな……! 十代が……!? いや、そんなハズは無い……!)

次から次へとデッキのカードを捲っていく。
……《E・HERO エアーマン》……《E・HERO オーシャン》……《E・HERO フォレストマン》……
《黄泉ガエル》……《沼地の魔神王》……《スノーマンイーター》……《フィッシュボーグ-ガンナー》……《デブリ・ドラゴン》……

(……どうやら 十代のデッキではないらしいな……)

このデッキは、たしかにパーツとして【E・HERO】の要素を取り入れてはいるが、どちらかというと【水属性】で括ったデッキに近い。
そもそも、E・HERO自体は ごく一般的に市販され 流通しているカード群だ。十代以外のデュエリストが使用していても不思議は無い。
何より、十代のデッキには 十代専用の特別なカード…幼少時の十代本人がデザインした あのカードが入っているハズだ。
……ひとまずの目的は果たした。もう こんな所に用は無い。
そう判断したユベルは、箱から取り出したデッキを手に持ったまま 出入り口の方へと向かう。

「……さて。それじゃあ、このデッキは もらっていくよ」
「えぇっ!?」「なんじゃと!?」

いっさいの説明を省かれて呆気にとられる オスマンとコルベールを その場に残し、ユベルは颯爽と宝物庫をあとにした。


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