あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロ大師-02


「……」

ここは、学院から1キロほど離れた草原である。
草原とは言っても延々と続いて居るわけではなく、ところどころに小川や岩山も存在していた。
岩山の上に立ち黒いマントを纏った聞仲の影は、2つの月に照らされて長く伸びている。
目を瞑り、十分な気を溜め―――

「……はっ!!!」

――― そして、鞭を振るう。

結果からすれば、禁鞭Ⅱの威力は彼の予想以上の出力だった。
周りの岩山は全て打ち砕かれ、砂粒となっている。
それどころか、自身の周りの平地すらも打ち据え消し飛ばし、聞仲の周りには巨大なクレーターが生まれていた。
新しい宝貝の力を見る為に試しに振った程度でこれである。

「……出力が強すぎだ」
『衰えてはいないようじゃのう、聞仲』

珠と会話する光景は、この世界の誰が見ても異様なものだろう。

「1/4程度という話だったが?」
『そこが改良点さ。目くらましの部分を少なくして、ヒットする分に余力を回したんだ。他にも端の部分を回す事で……』
「余計な機能は外せ」
『フフフ……この通信珠には九竜神火罩の硬度と怠惰スーツの強靱さ、拌黄珠の回避性を組み込んであるんだ。その禁鞭Ⅱでも、そうそう壊れはしないよ』
「……チッ」
『何が出るか解らんでな、強い武器があって困る事はないじゃろう』
「元始天尊。居なくなった者の名前を挙げろ。ここに慣れたら捜索を始める」
『ふむ、白鶴、リストを』
『はいはい』
『では―――』


数人の雑魚レベルの妖怪仙人達の名前が並んで居る。
とはいえ、一般人からすれば十分すぎるほどに危険な存在である為、一刻も早く発見しなければならない。

「―――、ちんとう、土行孫、それに王天君」
「王天君!?」
『王天君とはいっても、三体の内のⅠのようじゃな。奴が興味を持っておった楊センはこちらに居るし、
御主に対してちょっかいをかけてくるとも思えんが、注意が必要じゃ』
「……」
『生前がどうあれ、彼等は神じゃからな。よほどでなければ悪さもしないじゃろうが』
「あいつは余程だと思うが?」
『その気ならばいずれ現れるじゃろう』
『それよりもこの珠の側面のボタンを押してくれ!』

ブオン、という音と共に円状のマップが表示される。
表示されているのは一番中心に位置する大きな丸と、それから少し離れた所に位置する小さな丸。

『コッチの世界とはエネルギーとかそういう物が違うみたいだ。だから、そういうイレギュラーな反応を
探せば見つかるって寸法さ。レーダーで反応があった場合はそのマップに表示されるよ』
『どっかで見たようなデザインっスねえ……』
「まあいい。この小さな点はあの学院を指しているわけだが」
『? 学院に……? 何だろう、故障かな』
『ム、見つけたぞ』
『げっ、ナタク!』
『火尖鎗と金磚の出力を10倍に上げろ。あの赤い奴にはこれでも勝てん』
『10倍って、君はもう金蛟剪があるわけで』
『上げろ!』
『ギャーッ!!!!』





ルイズが使い魔としての一通りの説明をした後、聞仲は何をしたかといえば。

「文字が読めない。図書館はどこだ?」

図書館へ向かい、初級用の本から言語の勉強を始めた。
そのスピードは凄まじい物があったが、聞仲の恐ろしい所はその効率の良さと作業量である。
教えているルイズも驚くほどの速さで基本的な部分を理解し、文字も書けるようになった。
バリバリと本をめくりながら文字を書き連ねる様を見て、ルイズは教えるのをやめて自分の勉強を始める。
……とはいえ、勉強家のルイズにとっては既に読んだ本ばかりである。

「ねえ、ブンチュウ。あなたは……その、軍師ってことは、軍人でしょう?」
「そうだが?」
「それなのになんでこんなに習得が早いの?」
「軍師に必要なのは頭脳だからな」
「……」

ルイズの抱く軍人のイメージは、主に2通り。
傭兵のような野蛮な連中と、メイジであり騎士である者達。
そう、自分の母である―――
そこまで思考したところで、恐ろしい母が思い浮かんだので慌てて思考を止めた。

聞仲の積み上げていく紙を1枚取り上げてみると、見慣れた文字の横にやたらカクカクした文字が書かれている。
ルイズは当然ながらそれを読む事は出来なかった。

「これ、あなたの国の言葉よね」
「そうだ。例えばこれは―――」

聞仲は空いた所にさらっと2文字を書く。

「私の名前だ」
「聞仲、って読むの?これで?」
「そうだ」

ルイズは変な文字だ、と思っていたが口にはしなかった。
そもそも読めないのに形だけ見て変な文字だと言うのはさすがに気が引けるからだ。
暇になった彼女は聞仲が書いた対応表を見ながら、彼の国の文字を見よう見まねで書き始めたのだが―――

「文字が多すぎて覚えきれないわ」
「だろうな」

昔教師が言っていた「1文字が意味を持つ言語」なのだろう。
ハルケギニアでは基本的に共通言語が用いられるので他の言語に触れる機会はあまりないのだが、
ルーンを読み解く為の言語学の分野ではそういった研究がされている、らしい。
もっとも魔法に関する研究者というのはそれほど多くなく、アカデミーを除けば個人的な魔法の研鑽に終わってしまうメイジがほとんどだと聞く。
そこまで思考したところで、恐ろしい姉が思い浮かんだので慌てて思考を止めた。
ちらりと聞仲の様子を見ると、一心不乱に文章を写し、おそらく読めなかったのだろう語句は書き留め、さらに進めている。
この男も相当な威圧感の持ち主なのだが、今は普通にする事が出来ている。
意識が完璧に目の前の本達に行っているからだろうか。

「貴方の事、聞いても良い?」
「いいだろう」
「えーと……じゃあ、まず、歳とか」
「……もう数えるのはやめた」
「言いたくないの?」
「違うな、仙人というのは老化が極端に遅くなる。数百年生き続けながら20代の体を持ち続けることもあるからな」

「……センニン、って何?」
「仙人、と書く。わかりやすく言うなら、化物のような力を持った者達の事だ」
「???」
「生命のエネルギーとでも言おうか。こちらでいう魔法の源のようなものを持つ者だ」
「メイジみたいな?」
「才能を持つ者は修行を重ね、いずれ仙人となる。他にも岩などの鉱物や動物が化けて妖怪仙人となる場合もある」
「ヨーカイ?って何よ」
「こちらで言う……亜人に近い。例えばそこにいる蜘蛛が長い間月の光を浴び続けると、やがて人語を解すようになる」
「ふーん……」

到底信じられない話だが、しかし聞仲が嘘をついているようにも見えない。
蜘蛛を見ようと体を向けた時、身長の高い聞仲の向こう側にあったあの珠が見えた。
今もふよふよと浮いて、たまに点滅している。

「一番聞きたかったんだけど……その玉は何?」
「これか。これやこの鞭は宝貝と言って、仙人の使う武器だ。この珠は……太乙。喋れ」
『ん、なんだい? それにしてもこっちと時間差がなくてよかったね』
「わあっ!?やっぱり喋った!」
「この娘に宝貝自慢でもしてるがいい」
『面倒事を押しつけられた気分だ……』
『ム!』

~ ナタク・太乙・スープーの封神何でもQ ~
『というわけで始まったこのコーナー、初めての人でも優しく教えちゃうよ!』
『ム!』
『まず仙人っていうのは、仙人骨っていう希少な骨を持つ人間が、スカウトされてなるものなんだ』
「スカウト?」
『そう、選ばれたエリートなんだ。放っておけばその仙人骨の力は体力に返還されるから、体力バカが生まれてしまう』
『ム!』

『修行を積んだ道士(仙人見習)は、宝貝という道具を貰う事が出来るんだ』
「この珠とか?」
『これは僕が開発したものなんだ。仙人となってからは自分の宝貝は自分で開発するようになる』
『ム!』
『宝貝を扱うには仙人骨の力が必要なんだ。だから、普通の人が持つと力を吸い取られてミイラになっちゃうよ!』
『いつかの再来ッスね』

『他には仙人は歳を取りにくくなるという特徴があるんだ』
「不老ってことかしら」
『ちょっと違うんだルイズちゃん。極端に歳を取りにくくなるだけで、ちょっとずつ歳をとるんだ。寿命はないけどね』
「女性の夢ね」
『仙人骨は生まれつきのものだから、後天的になることはあまりないんだけどね』
「才能……」
『しかし死にものぐるいで鍛錬を積んで、体が死ぬほど鍛え抜けば生まれる場合もあるのですよ。そこにいる聞仲も、そうやって努力した結果今の力を手に入れたのですよ』
『どわあっ!』
『いきなりアップは怖いッスねえ』
「……報われない努力だってあるじゃない」
『それは貴方次第です。出来ないと嘆く前に、やるべき事があるはずです。努力する姿勢は大事だと思いますよ』
「姿勢……」
『せいぜい鍛錬することです。その方が面白いですしね』
「……」

「その辺にしておけ、道化」
『こんなに面白くなりそうなら、私があの鏡に入っておけばよかったですかね』
「……貴様の代わりに誰がこちらへ来た」
『貴方ならもう解っているでしょう?』
「太公望か」
『先に言っておきますが、私が無理に入れたわけではありません。どこぞから取ってきた桃を持って飛んで居たところで鏡に激突したのです』
「……」
『直に見る事は出来ませんが、最高に面白いショーになるよう期待しています』
「……」
『では、またいずれ』


『あれ?終わり?』
『また申公豹にいいとこ取りされたッス……』
『ム!』


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