あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

毒の爪の使い魔-41b


翌朝…
ルイズ、タバサ、ジャンガの三人はシルフィードに乗って一路学院へと戻る事にした。
門の前にはルイズの家族と城中の使用人達が総出で見送りに出てきていた。
ルイズはカトレアに抱きついている。
戦争に行けば次に会えるのはいつか解らない。だから、恋しくならないように、
今の内に精一杯この心地良い抱擁を楽しんでおこうと思ったのだ。
カトレアは優しくルイズの頭を撫でた。
「ルイズ…、頑張ってね…小さなルイズ。でも無理は駄目よ? 無事に帰ってきてね」
「はい。解っていますわ、ちいねえさま」
「戻ってきたら一度何処かへ旅行に行きましょう。家族全員で…ね」
その言葉を聞き、ルイズは力強く…しかし、微笑みながら頷いた。
「勿論。絶対に行きましょう! ちいねえさまとお出かけする事、わたしずっと楽しみにしてたんだもの」
姉妹は仲良く笑い合った。
そんな二人を見守る公爵とカリーヌ、そしてエレオノール。
と、カリーヌは隣に佇むジャンガを見る。
「…解っていますわね?」
カリーヌの言葉にジャンガは横目で見据える。
「何がだよ?」
「娘にあのような狼藉を働いたのです。もし、傷の一つでも付ければ承知はいたしませんよ?」
「…許してくれたんじゃなかったのかよ?」
「あれはあの場で追求を続ければ話が終わらないからそう言ったまで。
カトレアの事には感謝はしていますが、それとこれとは別」
「融通が利かないのは見事なまでに親子だな…」
「ですから、わたくしの娘を守りなさい。その為に一晩稽古をつけたのですから」
ジャンガの言葉はスルーしてカリーヌは話を続ける。
カリーヌの話にジャンガは顔を顰めた。
夕べのあれは稽古と呼んでいいのだろうか?
お互いに邪魔は入らない、油断も無しのマジ勝負。
稽古などと生易しいレベルではない……死闘と呼んで差し支えない激しさだった。
あのヒゲ面のような魔法衛士隊の制服に身を包み、色褪せた年代物のマントと羽帽子を身に付け、
鉄のマスクで口元を覆ったその時の姿は尚更迫力を感じさせた。
恐らく、ルイズが見たら失神するかもしれない迫力が確かにあった。
ジャンガはため息を吐いた。
「…了解、了解。テメェなんざに言われなくてもテメェの物はテメェで面倒を見るさ」
「多少の物言いの悪さには目を瞑りましょう。…それよりも、今の言葉は信じさせてもらいましょう」
「そいつはど~も、キキキ」
「お父さまは一個軍団の編成を承諾なさいました。跡継ぎが居ないからと指揮権は他の軍に渡してありますが。
あなた達はその軍が乗るのと同じ艦へ乗りなさい。詳細は負って伝えるという事ですわ」
「準備万端だな…、こりゃ失敗したら高くつきそうだゼ…キキキ」
そうこうしている内にルイズはカトレアと暫しの別れの挨拶、そして大切な約束を交わすのが終わったようだ。
家族と大勢の使用人に見送られながら、ルイズ達三人を乗せたシルフィードは飛び立った。
「行って来ます! 約束は絶対に守りますから!」
元気な声で見送りに出てきた家族や使用人に手を振るルイズ。
それに答えるように父や母、二人の姉も大きく手を振った。



――同時刻:アルビオン・ハヴィランド宮殿――

ハヴィランド宮殿の中、白一緒に塗りつぶされた荘厳なホール。
そこの円卓の上座にはシェフィールドが座っている。
シェフィールドは手摺の上に肘を立て、手の甲の上に頬を乗せたまま、円卓の上に広げられた地図を眺めている。
「もう間も無くだな…、トリステインとゲルマニアの連合軍が此処<アルビオン>へと、やって来るのは」
声の主はシェフィールドではない。
離れた所の窓から空を眺めているガーレンだ。
シェフィールドは振り向かずに答える。
「そうだな。…そちらの準備はどうなっている?」
「無論抜かりは無い。迎撃用の駆逐艦隊は既に編成が終わって”例の装置”の整備も終了している。
いつでも戦闘は可能だ。…もっとも、そこで全滅させるのは面白くないがな」
「どういう意味だ?」
「言ったはずだ…、連中には”此処へ来てもらう必要がある”からな。それにジャンガの事だ…、
我輩の筋書き通りに動いてくれるはずだ。奴は単純だからな…ククク」
言いながら不適に笑う。
そんな彼の背を見据えながらシェフィールドは怪訝な表情をする。
…理解が及ばない相手である。ある時ふらりと現れたかと思えば、
ジョーカーの知り合いだからと勝手に協力を申し出てきた。実質有能なのではあるが…如何せん考えが読めない。
正直不気味だ…、この男は腹の底で何を考えているのかまったく解らない。
「別にどうもせんよ」
突然掛けられた声にシェフィールドは、ハッ、となった。
ガーレンは窓を向いたままだ。そして、再び肩を震わせて笑う。
「何もせんよ、我輩は。ただ、我輩の目的とお前の主人の目的は同じ場所を目指しているのだ。
そして、その主人と知り合いであるジョーカーが協力をしている。…手伝わん方が不思議ではないかね?」
そう言いながらガーレンは振り返る。

――その顔は何処までも穏やかな笑みを浮かべていた。


新着情報

取得中です。