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マジシャン ザ ルイズ 一話

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春の使い魔召喚の日、ルイズは召喚に成功した。
そして、それは前代未聞の使い魔の召喚であった。

ルイズが呼び出したそれは、杖を持ちローブを着たメイジらしき色眼鏡をつけ髭を生やした初老の男であった。
周囲を取り囲む学生達も唖然とする、勿論ルイズも。
「あ、あ、あああんた、誰よ」
人間を使い魔として呼び出すなんて、聞いたことが無い。
問われた男は、周囲を睥睨し呟いた。
「………ウルザ」

ウルザはプレインズウォーカーと呼ばれる多次元宇宙を渡る力を得た魔法使いである。
彼はドミナリアと呼ばれる世界に生を受け、彼の弟であるミシュラとの争い―兄弟戦争―の末に大陸一つを吹き飛ばしたことがきっかけとなりプレインズウォーカーとしての力に目覚めた。
それ以後、彼は弟を誑かした機械生命体が支配する暗黒の次元ファイレクシアに復讐を誓う。
そして、数百年にわたる準備の末、他の八人のプレインズウォーカー達と「ナインタイタンズ」を結成し、ファイレクシアの中枢へ攻撃を開始。
戦い、暴走、裏切り。
ナインタイタンズの仲間が次々と無念の内に帰らぬ人となり、ウルザ自身も囚われの身となってしまう。
―そして、終幕の場面。
ウルザは彼と同様に捕まり、操られてしまった自分の子孫であり同志でもあるジェラードとファイレクシアの闘技場で対峙することとなる。
目前にはファイレクシアの王、宿敵ヨーグモスの姿。
ジェラードを倒しヨーグモスを葬ろうとするウルザ。
しかし、その願いは適わずジェラード首を落とされ彼は長い生涯を閉じたのであった。

(ここは…どこだ?
 ファイレクシアの闘技場では無いようだが…ドミナリアでもないようだな)
「あ、あ、あああんた、誰よ」
自分を召喚したらしい、桃色の髪の娘が問いかけてきている。
周囲を見回す。
どうやらここは教育施設か何かのようで、周りにいるのは10代の子供達ばかりである。
全員が同じような服装をしていることからも、この推測は的外れでは無さそうである。
例外として一人だけ禿げ上がった成人男性がいるが、これは教師だろうか。
正面に視線を戻し、桃色の娘を注視する。
「………っ!」
ぶるっと震える桃色。
どうやら召喚を行ったらしい娘といい、周囲の生徒といい、マジックユーザーであることは間違い無いようである。
その証拠にマナの流れが感じられる。
それならば、事情を話し協力してもらうことも可能であろうと思い至った。
「………ウルザ」


マジシャン ザ ルイズ (1)ワールド・シフト

「ミ、ミスタ・コルベール!やり直しを!やり直しをさせてください!
何かあの人!…ええと、ミスタ・ウルザ、怖いです!」
色眼鏡で直接に目を見たわけではないが、ウルザに見られた瞬間思ったのだ、「こいつはヤバイ」と。
「こらこら、初対面の人をいきなり『怖い』とは何ですか。
 それに召喚のやり直しは無理です、契約をしない限り、進級できませんよミス・ヴァリエール」

そこで、これまで沈黙を続けてきたウルザを口を開く。
「ミスタ・コルベール、この世界は、なんと言うのでしたかな?」
「は?世界?それは一体どういう…」
「召喚の影響で記憶が混乱しているのです、教えていただけませんかな?」
「ああ、そういうことでしたか。
 確かにメイジを使い魔として呼び出すというのは前例がありません、そういうこともあるでしょう。
 この世界の名前はハルケギニアです。加えてここはトリステイン魔法学院です。」
「ハルケギニア…トリステイン…………聞いたことが無いな………」
それだけ聞くと、ウルザはぶつぶつと独り言を始めてしまった。
「ほら!ミスタ・コルベール!怖いですよ!何かぶつぶつ喋ってるし!あれ絶対マイワールドに引きこもる人種ですよ!」
「だからミス・ヴァリエール、やり直しは認められないと…」
「しかし!」

「ミス・ヴァリエール」
不毛な押し問答が正に開始されようと言うところで、案外早く思考の世界から帰ってきたウルザが声をかけた。
「おおよその状況は把握した。
 私と『契約』しなければ、君は留年になってしまう。そして私は記憶が曖昧で右も左も分からない。
 利害は一致している。
 ここは契約をしてしまうのが丸く収める方法ではないかね?」
「けけけけ、け契約って、そんな!使い魔の契約なのですよ!ミスタ・ウルザ」
「…ふむ、使い魔か、長いこと生きているがそんな経験は初めてだが、中々に興味深い。
 少なくとも私を使い魔にすればフェイジングをする以上の働きをしてみせよう」
「で、でも………」
話はメイジと使い魔として契約を結ぶという流れになってきたことで周囲の生徒達が騒ぎ始める。
「メイジがメイジを使い魔に!聞いたことが無い!」「しかもあんな凄そうなのを!」「でもおじさんでしょ?四六時中おじさんと一緒は…」
               「つか、あの歳の差でキスは犯罪じゃね?」

ビビクッ!
真っ白に思考停止していたルイズであったが、生徒の一人が発した台詞で我に返った。
(そ、そうよ…わ、私のファーストキスの相手が、あんな、あんなお爺ちゃん…!)
「どうしたのかね。契約をしたまえ、ミス・ヴァリエール」
「早く契約を済ませたまえ、ミス・ヴァリエール」
周囲の生徒達も口々に「契約」と騒ぎ始める。

『契約』…『契約』…『契約』…『契約』…『契約』
ルイズの周囲を『契約』という言葉が渦巻き始める。
それらと場の空気がルイズの乙女心を侵食し始める。
(で、でもでも、メイジと契約しちゃうなんて前代未聞じゃない!
 もしかしたら歴史に残っちゃうかもしれないし、それにこの人、なんか凄そうな雰囲気だし、もしかしたらトライアングル…いえ!スクエアクラスのメイジかもしれないじゃない!
 そんなメイジを召喚しちゃう私ってば、もしかしたらスクエアを超える、それこそ虚無の魔法使いとかになっちゃうんじゃないの!?
 そうなったらクラスの皆に笑われて、ゼロのルイズなんて呼ばれなくて済むわ!
 わ、わ、私を馬鹿にしてた連中なんてそうなったら、……うふ、うふっ、ふふふふふふふふふふ)
「じゃ、じゃあちょっと屈んで頂けるかしらミスタ・ウルザ」
思考のループに嵌ってしまい口元が緩んでいるルイズであった。

「こうかね?」
「そ、それで大丈夫です」
乙女なルイズが心の何処かで静止しているのを感じるが、暴走した思考は止まらない。
ルイズは呪文詠唱を開始した。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔と為せ」
こうして彼女は4200歳ほど年上の男と口付けを交わし、使い魔の契約を交わしたのであった。

       何事にも不測の事態は起こり得る。起こったならば予測の事態だったことにすればいい。
                                   ――ウルザ


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