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ポケモン探検隊INハルケギニア-01


その日、3人は宙を飛んでいた。
…というには少々無理がある。
まずこいつら、3人ではなく3匹である。
1匹目は緑と白の体。体つきは人にそこそこ近いものの肘が異様に張っている。
続いて緑の体に両手の花束。人というにはかなり無理のある小柄な体格だ。
最後に濃い灰色の体に橙の鎧。こいつはとても人間には見えない。例えるならむしろ怪獣だ。
3人の誰も、空を飛ぶことが出来るわけではない。にも拘らず彼らの脚はかなりの間地面に着いていなかった。
3人は一塊になって細い木の蔓を頼りに霞がかって下も見えない深い谷間を滑空していたのだ。
アルプスの少女もかくやという巨大なブランコのようである。
見ている者がいたとすれば「楽しそう」等といった感想が浮かぶかもしれないが、やってる本人達は命がけである。
速度は洒落にならないほど出ているし、目標は深い霧でボンヤリとも見えない。
オマケに下はよく見えないものの覗けば飲み込まれるような深い谷である。
「後5つ数えたら手を離して大ジャンプです。そうすれば向こう岸に」
「痛い痛い痛い!動かないでよね!蔓が切れちゃうでしょ!?」
「しょうがねぇだろ、方向が少しずれてんだ!もうちょい右、右!」

彼らの総称はポケモン。
「ポケットに入るモンスター、縮めてポケモン」らしいのだが、彼らの世界ではポケモンがポケットに入ったり人間に便利に使われたりはしない。
モンスターボール?何それ食えんの?

彼らの生業は探検隊。
まだ見ぬ秘境を探索し、誰が作ったとも知れぬ遺跡を調査して誰が遺したとも知れぬ秘宝を手に入れる。
或いは、保安官の依頼に応じて険しい道の奥に隠れた極悪非道のお尋ね者を成敗する。
後者は正直「探検」隊としてはどうかと思うのだが、お尋ね者がどっかの奥地へ逃げてしまうので仕方が無い。
要するに常人の行けない所に行って色々仕事するのが探検隊である。
そして、現在壮絶なブランコを満喫している3匹はその探検隊の中でも生きながらにして「伝説」と称される一団。
エルレイド、ロズレイド、ドサイドンで構成される探検隊、レイダースである。
彼らは今、嘗て全ての知を集めたとされる「古代の大図書館」の遺跡を目指して道なき道を進んでいるのだ。

現在、ポケモンが使用している道具の中には出所が良く判らないものが大量に存在する。
数多くの種類が存在するわざマシンやピーピーマックスやブロムへキシンなどの薬品類。
これらは明らかに木になったり地面から出てきたものでない上にどういう仕組みでその効果を発揮するのか全く解明されていない。
これらはかつてこの世界に存在していたらしい「ニンゲン」達が作ったものだということだけが明らかになっているのだ。
彼らの伝説は殆どがこれらの「古代の遺産」を元に形作られている。
曰く、古代のテクノロジーの結晶である便利アイテム、ガルーラ像を作り出し、世界のあちこちに設置した。
或いは技マシンのすべてをコンプリートし、技マシンずかんを作成した、等等…
何処までが真実なのかは定かではない。

流石に「アーアーアー!」等と気の利いたお約束をやる余裕はなく、3匹とも全神経を集中して行く手を見つめている。
はたして、3人の視線の先にボンヤリと崖の突端が見て取れた。
「今だ、飛べ!」
体の大きさの関係上、まずドサイドンの体を足場にエルレイドが、続いてほぼ同時にドサイドンとロズレイドが宙に身を投げ出した。
さすが伝説!全員が綺麗な弧を描いて断崖を越えた先の足場に飛んでいく。

次の瞬間、足場の手前に不意に現れた銀の大きな鏡に、3匹は順番に綺麗に突っ込んだ。



その日、ギーシュ・ド・グラモンは困惑のさなかにいた。
2年生の恒例行事である使い魔召還の儀式。
彼は愛用の杖で美しく詠唱を唱え、サモン・サーヴァントの呪文を唱えた。
結果召還されたのは3匹の使い魔。

おかしい。
いや、使い魔に文句があるわけじゃあない。

まず見上げるような大きさの…何だろう、化け物?
良く判らないが肌は岩のような物で出来ているようで、土の魔法を扱う僕に相応しい使い魔と言えるだろう。
頑丈そうな体と力強さを感じさせる豪腕はオーク鬼相手に殴り合いをしても勝てそうだ。
大きなバッグのような物を提げているが何が入ってるんだろう?
次に薔薇の妖精のような生き物。二足歩行している事から亜人に見えないこともないが
そう言う種類の亜人は聞いたことが無い。
両手が花のようになっているがどういう仕組みなんだろうか?
でも薔薇をこよなく愛する僕にピッタリな使い魔だと思う。
最後になんだか良く判らない亜人。
体の色合いとか正直人間離れしているどころじゃないが、凛々しい眼差しと身に纏う涼風の吹くような知的な雰囲気は多分、僕にはピッタリ…かなぁ?

でも…
僕に相応しい使い魔が召還されたのはいいが、なんで一度に3匹なんだ!?
こういう滅茶苦茶な事例はあのルイズの領分だろう!
大体失敗すると爆発って何だそれ!意味が判らない!

と、思って例によって爆音のした方向を見てみたら変わった格好をした人間が倒れていた。
うん、さすが「ゼロのルイズ」。人間を召還するとか想像の遥か斜め上を行っている。

さて、気を取り直してコントラクト・サーヴァントだ。
でも、3匹のうちのどれに掛ければいいんだろう?こんな事態は予想していなかったな…。

うーん、とギーシュが薔薇を顎にやる仕草をしながら考えていると、
不意に周囲を見回していた一番大きな怪物が口を開いた。


「…ニンゲン、か?…」


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