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堕天召喚録カイジ 第5話


第五話「王国」


ああ……それにしても退屈っ……!!


トリステイン魔法学院の学院長室は本塔の最上階にある。
そこにいるのは、トリステインの影の帝王……オールド・オスマンと、学院中の教師たちであった。

ざわ…… ざわ……

長い白ひげをたくわえたオスマン氏は、重厚なつくりのテーブルに肘をつき、目の前の教師たちを見回した。

「ククク……無論……と言うか……
 言うまでもなく……わしは持っておるっ……!
 この学院の誰よりも……持っておるっ……!
 力をっ……!
 カネで……コネで……!
 魔法力で……権力で……! 持っておるっ……!
 ククク……!
 生徒はいわば人質っ……! トリステイン王家であっても容易には手を出せぬ……!
 最近では、ガリア王家へのつながりも手にした……
 簒奪された血筋だが……正統継承権は持っているっ……
 転ばぬ先のなんとやらだ……!
 常にリスクの分散は怠らないっ……!」

ざわ…… ざわ……

学院長の言葉に教師たちがざわめく。やがて一人が手を叩き始めると、すぐにそれは万雷の拍手に変わった。

「学院長っ……! 学院長っ……! 学院長っ……!」

教師たちの声に両手を上げて応えるオールド・オスマン。


「バカがっ……!!!!」


バーンッ!!
突然机に手を叩きつけるオールド・オスマンに、一瞬で学院長室は静まり返る。

「つまらんわっ……まるで……!!

 わしは……もっともっと……楽しみたいんじゃっ……!
 女を……! 賭博を……! 決闘を……!
 邁進せよっ……! 掻き集めるんじゃっ……! 世界中の力をっ……!!
 貴族とはつまるところ力につきるっ……!
 それを牛耳る魔法学院こそ……王っ……!

 築くんだっ……!
 王国をっ……!」

オールド・オスマンの言葉に歓声を上げる教師たち。

ワァー!! ワァー!! ワァー!!

「学院長っ……! オスマン学院長っ……! 学院長っ……!」
「容赦なく勝てっ……! 王国実現のためにっ……!」
「勝ちますっ……! 勝ちますっ……!」
「以上だっ……! フフ……では……解散しよう……!」

昼の訓示を終え、教師たちは各々の授業へと戻っていった。
……いや、ひとりの教師が、学院長室に残っていた。コルベールである。

「学院長。内密のお話が……ミス・ヴァリエールの呼び出した使い魔のことなのですが……」
「なんだっ……! はっきりと言えっ……!」

イライラとコルベールをにらみつけるオールド・オスマン。コルベールは冷や汗をかきながら続ける。

「はっ……! 珍しいルーンであったので、調べましたところ、伝説の『ヴィンダールヴ』ではないかと……!
 『ヴィンダールヴ』といえば、幻獣を自在に操るという使い魔……ご報告をと思いまして……」

コルベールの話を聞き、見る見るオールド・オスマンの表情が変わっていく。

「ククク……カカカ……コココ……!
 面白いっ……! 面白いではないかっ……あぁ~んっ……!?
 詳しくだっ……もっと詳しく説明しろっ……!
 我が右腕っ……! コルベールっ……!」
「はっ……!!」

コルベールはその輝く頭を深々と下げた。
右腕……!
これはつまり……事実上……
学院長に次ぐナンバー2であることの証明……!
コルベールはほかの教師をおさえ……ナンバー2……!
その地位を確立したっ……!



ルイズが爆破した教室の片付けが終わると、使い魔たちは各々の主人のもとに帰っていった。

『覚えていてくれ……! 我らは友人っ……!
 いつでも、共にあることを……』

別れ際、フレイムの一言がカイジの心にやさしい灯を燈していた。

(やれる……! 一人じゃねぇっ……! 俺は孤独じゃないっ……!
 仲間っ……! 友人っ……! 信頼っ……!
 それこそが本当の力……魔法なんかよりもずっと強力な力っ……!
 貴族たちに反撃するナイフっ……小さくとも尖った刃だっ……!)

……やがて、自分のベッドで静かに泣いていたルイズが、教室に戻ってきた。
黙って二人で食堂に向かう。

カイジの昼食は抜きであった。


第五話「王国」終わり


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