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ときめき☆ぜろのけ女学園-06


「ルイズ・ヴァリエール」
「あんた西洋妖怪ハッグだよね?」
 ある朝、登校してきたルイズは3人の小鬼にそう切り出されて面食らった。
「へ? せーよーよーかい?」
 言葉の意味がしばらくつかめなかったルイズだったが、やがてはたと気付く。
「あっ、ええ、そうよ! 私は西洋妖怪ハッグ!」
(わー、ルイズ……、自分の設定忘れてたね)
 ルイズと一緒に登校したキリがその様子に冷や汗を垂らす。
「だったら魔法で明日どしゃ降りの雨を降らせな」
「えええっ!?」
 小鬼(赤)の発言に驚愕したルイズに小鬼(青)が追撃をかける。
「ハッグなんだろ? 雨降らす魔法くらい簡単だろ?」
「い……、いえ……、えっと、それは……あっ!」
 しどろもどろになっていたルイズだったが、ふと何かに気付いて反論する。
「それなら雷神達も得意じゃない。太鼓叩いてドーンドーンって。ねっ、ミスタ・ブー!」
 どこから取り出したのか太鼓を叩くルイズに太った小鬼(緑)は、
「雷神? 何それ。うちら小鬼ですけど」
「……小鬼と雷神って違うの?」
「全然違う」
 そう否定する小鬼達だったが、青空の書き割り前に置かれた雲型の長椅子に座っていたためまるで説得力が無い。
「本当に違うの?」
『全然違う』
 ――ガタンッ
 小鬼(緑)の体重に負けて雲型の長椅子が傾き、小鬼(赤)・小鬼(青)がひっくり返る。
「雷神でしょ!?」
「違うってば!」
「嘘よ嘘よ嘘よーっ!」
「そんな事より雨! 早く!」
「ルイズっ、私達からもお願い!」
 小鬼(赤)の言葉を信じられず首を振るルイズの耳に、別の生徒の言葉が飛び込んできた。
『雨を降らせて!!』
 振り向くとそこには、「マラソン反対」と書かれたたすきや鉢巻を身に着けた体操服姿の生徒達が多数。
(あ、納得……いやいやいや、でも納得したところでどうしたらいいのよーっ!?)
「ルイズ、お願い」
「雨」
「恵みの雨を!」
「雨を」
 わらわら群がる生徒達に困惑したルイズに助け舟を出したのは、
「ねっ、みんな、いいじゃん、走ろうよ。マラソンは美容とかダイエットにもいいんだって」
 体操服姿でガッツポーズとやる気満々のキリだった。
(キリ……)
 体操服姿のキリに思わず見とれるルイズ。
『え~~~っ』
 しかしキリのやる気と裏腹に生徒達は不満げな表情だ。
「走ると腹が減ってたまらん」
「傘が開くし」
「豆腐が崩れる……」
『マラソン反対ー!!』
「キリは敵ねっ」
「敵だ」
「頑張ろうよ~っ」
 大ブーイングを受けるも根気強く説得を続けるキリにルイズは、
(どうしよう、私のせいでキリが……っ。私もどうにかしなきゃ! 雨……、雨……、雨って言ったら……これよー!)
「みんなっ、私に任せて!」
『おおー』
「ルイズ、大丈夫……?」

「(雨といえばてるてる坊主。子供の時はいっぱい作ってたのに、いつの間にかすっかり忘れてたわ)えーっと、まあおまじないっていうか簡単な魔法みたいなので、こうやって白い布で頭を丸くして首の所を縛るのよ」
 ルイズは黒板にてるてる坊主の絵を描いて生徒達に説明し始めた。
(1人で作っても効果がそれなりにあったんだから、みんなで作ればきっと……)
「あとは顔を描いたら完成! ね、簡単でしょ……」
 と言って振り返ったルイズの視界を、頭から大きな白布を被り首の部分を紐で縛った生徒達が埋めつくしていた。
「わーっ!」
 ルイズは慌てて顔を背けた。
「顔描いて」
「うん。でも前がよく見えない」
「まあ適当に」
「うん、適当に」
 と毛筆で適当に顔を描く生徒達。
「ルイズ、こうやって目を出してもいいのか?」
 ペロも目と口の穴を開けてルイズに尋ねてきた。
(何を盗みに行くつもりなの?)
 その傍らにはキリらしき、猫耳っぽい突起が頭部から突き出ているてるてる坊主。
(……っていうか、キリまで!)
 気付けば、教室内は等身大てるてる坊主と化した生徒達でいっぱいになっていた。
(どうしよう、何かもう違うって言い出せないわ!)
 するとそこへ、
『騒がしいわね、席に着きなさい』
(いけない、ミス・ロクロクビが!)
「授業を始めますよ」
 そう言いつつ入室してきたろくろ首先生も、頭部をてるてる坊主で覆っていた。
(ミス・ロクロクビも走りたくないのねーっ!)
「じゃあ今日は教科書の……」
 驚愕するルイズとは裏腹に、ろくろ首先生は普段とまったく変わらず授業を開始する。
(何かもう違うって今更言い出せないんだけど……、みんなで願えば叶うような気がしてきたかも)

 こうしてマラソンをしたくない乙女心は一致団結をし、来る明日のマラソン大会に備えてるてる坊主ファッションで身を固めた。
 やがて規則に反する者・お洒落を楽しむ者……、
「いやあああ! 走りたいのー!」
 意に反する者を強制的に仲間に加えようとする者も現れ、すっかり白装束の集団になりはてた頃、
『♪てるてる坊主~てる坊主~ 明日天気にしておくれ~』
 ルイズは気付いた。
「しまった……、逆だわ……」
「ルイズ、どうしたの?」
「どうしよう、キリ……。逆っ、逆だったわっ。つまり下剤と下痢止め間違えたというか……」
 自分の間違いにだらだら冷や汗を流すルイズ。そこに、
「え? 何?」
「間違い?」
「何が?」
 奇妙な迫力を伴いルイズを覗き込む3人の小鬼。
「いえ……、えっと……、あの……、その……、逆にすればよくて……、えっと……こうよ!」
 しどろもどろで答えた後、勢いよく逆立ちするルイズ。
「ルイズっ」
「なるほど」
 逆立ちしたために露出したルイズの下半身を冷や汗を流しつつ支えるキリと、それに納得の声を出す小鬼達。
 ……そしていつの間にか、下半身丸出しのてるてる坊主とそれを支えるてるてる坊主達が秋の組体操。


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