あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ルイズとヤンの人情紙吹雪-03


チュンチュン。
スズメが鳴いているー。
朝だ。すがすがしい朝だーー。
夜寝て朝起きるなんて、何て健康的な吸血鬼なんだ俺。
朝日射し込む窓の前で伸びをするぜ。
朝日なんてへっちゃらだぜ。
こー見えてもヴェアヴォルフの端くれだからな。
太陽と水ぐらいは効きません。燃えたら死にますけどね。
なんて丈夫な体なんだ。
藁のベッドで寝ても全然だいじょーぶー。
Fuck!ルイズのヤローー!藁に人寝かすかよフツー!
可愛いツラして寝やがって。犯すぞコラ。ホッペつんつんするぞコラーーッ!
つんつん。ぷにぷに。
つんつん。ぷにぷに。
「うぅ~……………」
……。
おー起きない起きない。アブねーアブねー。
チラッ。
……。
洗濯の山、か。
昨日ルイズは洗濯しろって言ってました。
やるわけがありません。本当にありがとうございました。
……。
スヤスヤ……スピースピー……。
安らかに寝てやがるなー。
起こせとは……言われてネーな。
言われててもやりませんがね。ぷっ。
……。
………。
ひーーまーーだーーなーーー。

……。
………。
決めた。起こします。
「ルイズちゃーーん、起きなさーーーい あーーさーーでーーすーーよーー。」
つんつん。ぷにぷに。
つんつん。ぷにぷに。
「………うぅ~ん…… クックベリ~パイ~……もう食べれないぃ~……ムニャムニャ…」
コイツ……本当にコンナ寝言、言うヤツ初めて見た。
「おーーーきーーーろっての! 起きねーと犯しますよーーーー?」
ぐぅにぐぅに。むにーむにー。
おお、ホッペタ伸びるねー。
ぐぅにぐぅに。むにーむにー。
おほ、おもしれー。
ぐぅにぐぅに。むにーむにー。
「うぅ…むひゃ……う~……うにゅ……」
……。
まだ起きねーとは。結構強めに抓ってるはずだが…。
なかなかヤルじゃねーのルイズ。
けど僕はヒマなんデス。
「起ぉきろ、コラァァァーーーーッ! ヴァンパイアの俺様がスカッと爽やかに起きてんだからテメェも起きやがれェェェェ!!」
ぶわっ。
毛布を剥ぐ。
ぐぅぅぅぅにぃぃぃぃぃッ。
ホッペを持ってハンキングツリー。
「ふわぁ!? あひゃひゃひゃひゃ! ひゃにごとぉ!? い、いひゃ、いひゃいぃぃ! あ、あんひゃいっひゃいひゃんひゃんひゃひょぉ!?(意訳 : 何事ですか?痛いです。あなた、一体何なんですか?)」
「朝です コンニチワ。 親切にご主人様を起こしてやっている使い魔のヤン提督です。 好きなものは各個撃破 あと紅茶。 じゃなかったヤン・バレンタインですだヨ。」
パッ。ドサッ。
手を離されベッドに自由落下するルイズ。
痛む頬を押さえて涙目でヤンを睨む。
「わ、わかってるわよ! お、おおお覚えてたわよ? つ、使い魔のヤン・バレンタインでしょ?」

「そーそー おはよーー 今日も一日元気にいこーぜー。」
さらに眼光をするどくさせヤンを睨む。
「き、昨日言い忘れてたのに起こしたのはえらかったわ。 で、でもね! もうちょっと優しく丁寧に起こしなさいよ!! すっごい痛かったでしょ!!」
ルイズはまだ頬をさすっている。
「……わーかったよ 優しく起こせばイーんだな 優しく。」
言うやいなや、ヤンはルイズの両肩を掴む。ヤンの顔がルイズの顔に急接近して、そして……。
「ッ!?」
ヤンはキスをした。
召喚されたときのようなヤツ。
すなわちディープ。
「ん、んぐぅ!!? ん、ん~! んぅ…! …んん!」
起きたてで、しかも不意をつかれたルイズは茫然自失になった。
何が起きているのかも理解できず、目を白黒させながらもがいている。
そうこうしている内にまたもやルイズの口腔をヤンの舌が縦横無尽に暴れまわっている。
「ん~~ッ! ん、んぅ、んッ! ハァ…ん! ふわぁ…ん、ん~……ッん!」
あの時のような激しいが、どこか優しくて憎めない。
そして拒めない。
爽やかな朝日が射し込む広い部屋に、淫靡な水音が響く。
やがてヤンの舌が引き抜かれて、唇が銀糸を細くしながら離れていく。
ルイズの口からは、どちらかの唾液がツゥっと一筋流れていた。
ルイズは息荒く、ベッドの上にペタンっと座り込んでいる。頬には朱がさし、見る人が見たら準備OKなのかそれとも終わった後なのか、といったところである。
「こんな感じ?」
痛くなかったろ~ひっひっひ?などと言いながらヤンは口の端を吊り上げる。
だんだんとルイズは思考を取り戻していく。
そして今起きたことことを考える。
……。
………。
い、今……。
い、いいいいいいいい今コイツなななななな何を!?
し、し、舌?ベロ?タン?なにが?なにを?え?

………………。
キ、キキキキキキキキキキスッ!?二度目!?
わ、私…私……う、うわ…うわわわわわわわわわわわわ!?
「こ、ここここここここここの馬鹿犬ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッ!!!!!」
ルイズは叫び、立てかけてあった杖を引っ掴むとヤンに向かって振り下ろす。
一連の動きは速かった。
本当に速かった。

ドゴーーーーーン!

パンツァーファウストをぶち込んだような音が響いた。
Amen(エイメン)、ヤン。



ヤンは洗濯籠を持ってウロウロしていた。
ルイズに黒焦げにされた後、洗濯物を持たされて部屋を追い出された。
染み一つ無く完璧に洗い上げるまで帰ってくるな、との命令が下されたのだ。
洗濯ったってよ。どーすりゃいいんだよ。どこでやりゃいいんですか。
…………。
…………。
ボ  わたしはーーーーーーー♪なあんでーーーーーーーこのようなーーーーー 
エ  つらーーーーいつとめをーーーーーーせにゃならぬーーーーーーーーー♪
|  昼にしおれてーーーーーーー♪夜になくーーーーーーーーーーーーーーー
|  用がすんだらまわれみぎーーーーー♪ーーーーーーーーーーーーーー♪
|  ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ
ヤンは不気味な歌を歌った!
ヤンはふて腐れて転がった!
洗濯物は盛大に飛び散った!

「あ、あの…… 大丈夫ですか……?」

声を掛けられた。
声は少し震えていた。怯えているようだ。
無理も無い。地面を転がっている成人男性がいたら恐い。
しかも変な歌も歌っている。
むしろ声をかけるこの少女の勇気は賞賛ものだ。
ヤンは転がるのをやめ、のっそり起き上がり少女を見る。
黒髪で…この格好はメイドだな!少佐が好きそうだ。
美人だな。うん。お近づきになろう!
だがやはりちょっとビクビクしている。仕方ないね。
「おーー ちょっと聞きたいんだけどさー 洗濯ってどこですればイイんですかね? 僕こっち来たばっかで全然わからないんですよーー。」
ヤンは人懐っこい笑顔でケラケラ笑ってイイ人アピールをする。
その笑顔に少女は少しだけ安心したようだった。
「あ、ああ そうだったんですか? それなら私もこれから行くところですからご案内いたしますよ?」
「マジッすかー ありがとーございます いやー冷たいご主人様に『アンタはコレ洗ってきなさい!』ってだけ言われて追い出されてー困ってたトコなんですよーー。」
へらへら笑うヤン。
「え? ご主人様って…… あなたひょっとしてミス・ヴァリエールに召喚されたっていう平民の……?」
「おッ よく知ってんなー そーなんすよ。 僕使い魔のヤン・バレンタイン よろしくぅーーー。」
ズパッと手を差し出すヤン。
「申し遅れました。 わたくしトリステイン魔法学院でメイドをやっておりますシエスタと申します。 よろしくお願いいたしますね ヤンさん。」
籠を置き、差し出された手を握るとニコッと笑う。
清楚だねーーー。ルイズも見習えっての。ついでに胸もな。
「あの……ここでゴロゴロ転がるのは今後はやめておいた方がいいですよ? その…不審者と間違われて貴族に目をつけられるかもしれませんし……。」
「わかったーー もーしませーーん ありがとーー。」
シエスタはヤンに注意を促しつつ、散乱している洗濯物を集めてヤンの籠に入れてやる。

「わーーーい ありがとーー シエスタちょーー良い人ーーー かわいいーー おぱーいもでかーくてイイ感じーーー。」
ヤンは不思議な動きをしながらシエスタに感謝を述べた。おっぱいも褒めた。
「え、ええッ!? ちょ、ちょっとヤンさん!? イキナリなにをおっしゃるんですか!?」
シエスタは顔を真っ赤にしながらシドロモドロになる。
セクハラまがいの発言だったが、不思議とそこまで嫌ではなかった。
「ほ、ほら 行きますよ! 早く洗わないと、そんな時間もないんですから!」
シエスタは籠を持って小走りで駆けてゆく。
イー感じー。
そんなことを思いながら、ヤンも後を追うのだった。


シエスタの助力を得て(というより全部任せてきた)洗濯を終わらせたヤンはルイズの部屋に戻ってきた。
扉をノックする。
「ルイズやーー ヤンだよーーー おまえの使い魔だよーーー 開けろーーーー。」
ドーンドーン。
……。
返事がない。
まさか二度寝してんじゃなかろうな?思いながら再びノック。
ドンドンドン。
「ルーーーーイズ。 使い魔だよーーーー お前の使い魔のヤンだよーーーーー 今帰ったよーーーーー 開けておくれーーーーーー。」
もういっちょ!ドンドンドン。
ガチャッ!
「うるっっっさいわね! 聞こえてるわよ!」
扉を乱暴に開け、凄い剣幕で出てきた。
「聞こえてんなら返事くらいしろって。 しかもなんだその出迎え方。 わかってねーなー そこはナカモトコウジを見習えっての!」
「誰よそれ! 知らないわよ!」

「テメェーー ナカモトコウジを知らネェのか! 異国の伝説的コメディアンだぜ? ドリフの『間』と『リアクション』は覚えておいて損はねー 王道だからな 勉強しておけ。」
「だから知らないって言ってるでしょ! もう!」
「チィッ! 兄貴ならこんな時、完全な返しをするのによォーーーーー。」
「うるさいうるさいうるさいッ! もう朝食の時間になっちゃうでしょ!! 遅れたらアンタのせいだからね!」
「うるさいのはアンタでしょ ヴァリエール。」
ヤンの声ではない。もちろんルイズのものでもない。
二人は声の方を向く。
そこには少女が立っていた。
赤髪、褐色の肌、背も高い。
そして何よりおっぱい!
服に収まりきりません、と言わんばかりの胸!
グラマラス!
さっきのメイドよりも上回っている!
ルイズは顔をしかめ、ヤンは顔を輝かす。
「お、おはよう ツェルプストー。 ……何の用かしら?」
ルイズは攻撃的な空気を纏う。
「おはよう ヴァリエール。 何の用ってあなたがそれを言うのかしら? 朝っぱらから廊下でぎゃーぎゃー騒がないで下さる? みんなの迷惑ってヤツを考えられないの?」
赤髪の少女は余裕な対応。言っていることも正論だ。
ルイズは口篭って言い返せない。
確かに自分はうるさかった。
でもそれはこのバカな使い魔のせいなんだもん……。
そう思っても、心の底では自分の非を認めていた。
そのルイズの様子を見た、グラマラス赤毛少女は勝ち誇った顔をする。
しかしその顔は嫌味ったらしいバカにした表情ではなく、妹を見る姉のような…そんな優しい感じの表情だった。

ヤンは、あーこいつイイーヤツなのか と思った。
「でも…本当に平民を召喚するなんてね。 あなたってオモシロイ人って思ってたけど予想以上だったわよ これは。 さすがねヴァリエール ふふふふふ」
言われたルイズは歯軋りして睨みつけいる。言い返せないらしい。
ボインおっぱい少女はヤンを一瞥する。
「ふふ はじめまして使い魔サン。 私の名はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。 キュルケって呼んでくださって結構よ。」
「ヤン・バレンタインだ。 いやーーしかし俺はツイテるな こんなカワイコちゃんと知り合いになれるとはよォーーヒャハ! ヨロシクなキュルケ。」
「あら? 正直な人ね……顔もなかなかハンサムさんだし、良かったらゆっくりワインでもどうかしら 美味しいのがあるのよ……」
「ほーー いいねーーー 俺も是非頂きたいぜェー なんなら今すg「ちょっと待ちなさぁーーーーーーーいッ!!!!」
恋の駆け引きタイムに突入しかけた二人を、ルイズが盛大に止める。
「あ、あんたねツェルプストー!! 人の使い魔に色目を使わないでちょうだい! ア、アンタもよ ヤンッ! なに鼻の下伸ばしてんのよ馬鹿犬!!」
ガルルッと今にも噛み付きそうにキュルケを睨みつける。
「あらあら こわいわ~ 会話にねじ込んで来るなんて無粋ねヴァリエール。 でもヤンもいいけどやっぱ使い魔はこーゆーのがいいわよね~。 フレイムーー。」
キュルケの後ろから大きなトカゲらしき生き物がキュルキュルと喉を鳴らしながら歩いてくる。
尻尾には炎が揺らめいている。
ヤンはヒューーッと口笛を吹く。
こんな化物(ミディアン)が堂々といるとはな。さすが異世界ってとこだな。
「驚いた? 見なさいこの尻尾! 火竜山脈に住むサラマンダーよ 火竜山脈よ火竜山脈! 普通のサラマンダーとは質が違うわよ おほほほほほほ! ほらフレイム 挨拶なさい。」
トラほどの体躯をもつフレイムはノシノシとルイズとヤンに近づいてくる。
だが少し近づいたところでフレイムはピタッと止まってしまった。
「? フレイム?」

キュルケは急にフリーズしてしまったフレイムを見る。
さらに近づくよう促すがフレイムは動かない。
「あら~~ ミス・ツェルプストー あなた自分の使い魔なのに懐かれて無いみたいねぇ。 全然命令聞かないじゃない!」
ルイズが今まで歯軋りして耐えているだけだったが、フレイムの様子を見て急に元気を取り戻した。
キュルケは不安になっていた。ルイズに言われたからではない。
フレイムの様子がおかしい。何かを警戒しているみたいに見えた。
何かって……ヤン……ってことは無い…わよね?
フレイムは怯えて動けないでいた。
最初は多少の違和感を感じるくらいだったが、近づいた今ならわかる。
目の前の男は人間じゃない。
異質な存在。
そして自分では絶対に勝てない。
それがわかる。
このへらへらした男がその気になったら、自分の首など一瞬で胴とおさらばするに違いなかった。
引くことも進むことも出来なくなってしまったフレイムを見て、ヤンはニィッと笑う。
「よォー なんだよ そんなに怯えるこたぁネェだろ? 大丈夫だよ 暴れる気はねーからよーーー 俺はオメェの敵じゃあねぇよ? 化物同士仲良くしようぜ フレイムちゃん♪」
ヤンはフレイムの耳元にボソッと呟く。
撫でられるとフレイムはキュルキュル言いながらすごすごとキュルケの後ろに下がって行った。

「ど、どうしちゃったのよフレイム。」
フレイムの体調が悪いのかしら、とキュルケの不安はますます大きくなる。
「じゃ、じゃあね ヴァリエール、ヤン。 私もう行くわ。」
フレイムを連れてキュルケは早足で退散していった。
ヤンが撫でたらフレイムが逃げるように後ずさった。
ルイズは何だか知らないが勝った気がした。
「ヤン。 あんたフレイムに何かしたの?」
「いーや何も 仲良くしようぜって言っただけだ。 …ククククク……まぁヤツが『よくわかってる』ってことだろォ?」
ニィィィィイ。ヤンは嗤う。
何をわかっているってゆうのよ、ルイズは聞こうと思ったが時間が結構ヤバイことになっていることに気がついた。
「わ、わわ! 朝食の時間が! い、急ぐわよヤン!」
へーいへい。
ヤンはいつもの様に気だるそうにへらへらと答えてルイズと駆け出した。



つづく



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